JPS6044405B2 - ポリウレタン弾性糸の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン弾性糸の製造方法

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JPS6044405B2
JPS6044405B2 JP6332782A JP6332782A JPS6044405B2 JP S6044405 B2 JPS6044405 B2 JP S6044405B2 JP 6332782 A JP6332782 A JP 6332782A JP 6332782 A JP6332782 A JP 6332782A JP S6044405 B2 JPS6044405 B2 JP S6044405B2
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【発明の詳細な説明】 本発明はポリウレタン弾性糸の製造方法に関するもの
であり、さらに詳しくは溶融紡糸法により、溶融ポリマ
ー流路内でのスケールの析出が防止され、かつ優れた耐
熱性、膠着防止性を有したポリウレタン弾性糸を製造す
る方法に関するものである。
ポリウレタン弾性糸の製造には一般に、湿式紡糸法或い
は乾式紡糸法が用いられ、溶融紡糸法が用いられる例は
比較的少ない。
これはポリウレタン弾性体を溶融紡糸する場合、一般的
にポリウレタン弾性体の溶融時の熱安定性が劣るため長
時間の安定操業が困難であり、また溶融紡糸により得ら
れたポリウレタン弾性糸は耐熱性が悪く、高温に於ける
変形からの回復が不十分であつたり、繊維相互の膠着が
ひどく、後の糸解舒が困難となる等の欠へがあるためと
考えられる。上記溶融紡糸法による欠点を改良するため
に幾つかの方法が提案されている。
例えば耐熱性能を向上させる方法としては特公昭44−
20247号公報にはポリウレタンの合成時に特殊な多
官能化合物を加える方法が提案されている。また特公昭
43一7426号公報には多官能ポリオールを用いてポ
リウレタンを合成し、溶融紡糸する方法が提案されてい
る。しかしながらこれらの多官能化合物によりポリウレ
タンに架橋結合を与えてポリウレタン弾性糸の耐熱性を
改良する方法は、耐熱性の改良に十分な程の架橋を与え
ると、ポリマーの溶融温度が高くなるため紡糸温度を高
くする必要を生ずる。
その結果としてポリウレタンの熱分解を生じ易くなり紡
糸が不安定となるばかりでなく、溶融ポリマー流路内に
はスケールが析出したりするため長時間の運転は困難と
なる。一方膠着を防止する方法としては、各種の紡糸油
剤あるいは各種添加剤の検討が種々試みられている。
紡糸油剤としては変性シリコン或いは流動パラフィン等
の配合により改良が試みられているものの満足しうる結
果は得られていない。また添加剤に関しても従来のもの
はポリウレタン弾性体との相溶性が乏しいために、ポリ
ウレタン弾性体との混合の際に均一に分散させることが
困難であつたり、ウレタン糸などの捲返しなどの後工程
でガイド等に白粉を生ずる等の欠点がある。またたとえ
膠着防止性は向上し得ても耐候性,耐熱性および引張り
強さを損なう等、他の物理的性質を低下させたり、ある
いは製品を着色させて商品価値を低下させるなどあまり
望ましいものとはいえなかつた。以上の如く溶融紡糸法
によりポリマー流路内にスケール等が析出することなく
、耐熱性能が優れかつ膠着防止性も改良されたポリウレ
タン弾性糸を長期間にわたり安定に製造する方法は未だ
見い出されていない。
本発明者等は上記の欠点を改良するため鋭意研究を重ね
た結果、本発明に到達したものである。
本発明の目的は優れた耐熱性を有し、膠着防止性が改良
されたポリウレタン弾性糸を提供するにある。他の目的
はかかるポリウレタン弾性糸を溶融紡糸法によりスケー
ルが析出することなく、安定かつ工業的に有利な方法で
製造する方法を提供するにある。本発明方法は熱可塑性
ポリウレタンを溶融紡糸するに際し、該ポリウレタン弾
性体とポリ有機シロキサン又はその変性物との混合物に
分子量400以上のポリイソシアネート化合物を添加混
合後紡糸することを特徴とする。
本発明に適用する熱可塑性ポリウレタン弾性体は公知の
セグメントポリウレタン共重合体を含むものであり、分
子量500〜6000のポリオールたとえばジヒドロキ
シポリエーテル,ジヒドロキシポリエステル,ジヒドロ
キシポリラクトン,ジヒドロキシポリエステルアミド,
ジヒドロキシポリカーボネートおよびこれらのブロック
共重合体等と、分子量500以下の有機ジイソシアネー
ト例えばP,P″ージフェニルメタンジイソシアネート
,トリレンジイソシアネート,水素化P,P″ージフェ
ニルメタンジイソシアネート,テトラメチレンジイソシ
アネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,1,5−
ナフチレンジイソシアネート等と、鎖伸長剤,例えば水
,ヒドラジン,ジアミン,グリコール等との反応により
得られるポリマーである。これらのポリマーのうち、特
に良好なものは、ポリオールとしてポリテトラメチレン
グリコール,またはポリカプロラクトン,或いはポリブ
チレンアジペートを用いたポリマーである。また有機ジ
イソシアネートとしてはP,P″ージフェニルメタンジ
イソシアネートが好適である。また鎖伸長剤としてはグ
リコールが特に好適でP,P″−ビスヒドロキシエトキ
シベンゼンおよび1,4ブタンジオールが好適である。
このように本発明に於ては紡糸原料の熱可塑性ポリウレ
タン弾性体として、分岐剤或いは架橋剤を用いないで合
成したポリマーを使用することができる。このため紡糸
温度を低いレベルに保つことが可能であり、ポリウレタ
ン弾性体の熱劣化を抑えることができる。勿論、紡糸温
度を極端に高くしない程度の分岐或いは架橋を含むポリ
マーも好適に使用することができる。本発明に於て使用
する熱可塑性ポリウレタン弾性体の合成方法としては、
ポリオールと有機ジイソシアネート化合物を予め反応せ
しめた後鎖伸長剤を反応させるいわゆるプレポリマー法
もまた反応原料をすべて一時に混合するいわゆるワンシ
ョット法もいずれも採用することができる。
ポリマー合成時に溶剤或いは希釈剤を使用することも可
能であるが、溶融紡糸のためのポリマーペレットを製造
するためには塊状重合を行うことがより好適である。塊
状重合の方法としては押出機を用いて連続または半連続
的にポリマーを採取する方法、或いはバッチ反応により
粉末状またはフレーク状のポリマーを得る方法等が好適
に用いられる。本発明に於てはポリマー合成反応が十分
に完結したポリウレタンを紡糸原料として使用すること
ができる。
ポリウレタン弾性体の成型物の分野ではいわゆる不完全
熱可塑性エラストマー、即ち、一部イソシアネート基な
どの活性基の残存したペレットを使用し成型後に架橋を
生じさせる方法が知られている。しかしこのようなペレ
ットは貯蔵時に湿気,温度などにより変質しやすいとい
う問題点がある。本発明に於てはこのような不完全熱可
塑性エラストマーを使用することも可能であるが、好適
には上述の理由で反応の完結した熱可塑性ポリウレタン
が用いられる。本発明に適用されるポリ有機シロキサン
又はその変性物としては例えばジメチルポリシロキサン
,メチルフェニルポリシロキサン,ジフェニルポリシロ
キサン及び上記ポリ有機シロキサンのアルキル変性物,
アルコール変性物,ポリエーテル変性物等が挙げられる
が、好ましくはジメチルポリシロキサン,メチルフェニ
ルポリシロキサンであり、また変性物としてはポリエー
テル変性物が好ましい。
本発明のポリ有機シロキサン又はその変性物(以下ポリ
有機シロキサン又はその変性物とをポリ有機シロキサン
と略称する)の添加量は紡糸に供する熱可塑性ポリウレ
タン弾性体とポリイソシアネート化合物の総重量に対し
て0.1〜5.0重量%が好適であり、特に好ましくは
0.5〜3.0重量%である。該範囲より少ない場合、
本発明の目的とする膠着防止性,スケールの析出防止と
いう効果が不十分であり、又該範囲を超えた場合、スケ
ールの析出防止には効果は増大するものの滑り性が大と
なるため捲取りボビン上での糸くずれが発生したり、又
均一分散性も低下して紡糸不安定となり好ましくない。
本発明に適用される分子量400J).上のポリイソシ
アネート化合物は、分子内に少なくとも2個のイソシア
ネート基を有する化合物で、たとえば、ポリウレタン弾
性体の合成に使用する分子量300〜2500のポリオ
ールに2倍モル量の分子量500以下の有機ジイソシア
ネートを反応させて合成することができる。
またポリオールとして3個以上の水酸基を有する化合物
を用いることもできる。またポリイソシアネート化合物
として、有機ジイソシアネートの二量体、或いはカルボ
ジイミド変性ポリイソシアネートも好適に使用できる。
ポリイソシアネート化合物の一分子中に含まれるイソシ
アネート基の数は2〜4が好適であり、特に2のジイソ
シアネート化合物が好ましい。
イソシアネート基が多くなりすぎるとポリイソシアネー
ト化合物の粘度が高くなり取扱いが困難となる。該ポリ
イソシアネート化合物は分子量が400以上、好ましく
は800〜3000である。本発明に適用するポリイソ
シアネート化合物の分子量はアミン滴定法によつて測定
したイソシアネート基量から計算される見掛けの分子量
である。ポリイソシアネート化合物の分子量が400よ
り小さい場合は、活性が大きいため貯蔵中変質しやすく
また所定モル数を添加する場合に添加量が小さくなる等
、取扱いが困難となる。また分子量が大きくなりすぎる
と、添加すべきポリイソシア・ネート化合物の量が多く
なり、混合後の紡糸が不安定になることもある。好適な
ポリイソシアネート化合物としては、分子量300〜2
500のポリオールたとえばポリエーテル,ポリエステ
ル,ポリエステルアミド及びポリjカーボネートからな
る群から選ばれた少なくとも一種のポリオールの両末端
に、分子量500以下の有機ジイソシアネート化合物を
付加させた化合物を挙げることができる。
特に好適なポリオールとしてはポリテトラメチレングリ
コール,ポリカプ口ラクトン或いはポリブチレンアジペ
ートがある。また有機ジイツシアネートとしては、P,
P″ージフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
本発明のポリイソシアネート化合物の添加量は、紡糸に
供する熱可塑性ポリウレタン弾性体,該ポリイソシアネ
ート化合物,ポリ有機シロキサン又はその変性物との混
合物に対して3〜30(重量)%が好適であり、特に好
ましくは5〜20(重量)%である。
添加量は使用するポリイソシアネート化合物の種類によ
り異なるが、添加量が少い場合は目的とするウレタン糸
の熱的性能の改良が不十分であり、また添加量が多すぎ
ると混合不均一,糸質低下等を生じやすく、紡糸が不安
定となり好ましくない。本発明の溶融紡糸は、熱可塑性
ポリウレタン弾性体を溶融押出する部分,ポリイソシア
ネート化合物を添加し、混合する部分および紡糸ヘッド
を備えた紡糸装置により実施することが好適である。
このような紡糸装置としては、紡糸中に改質剤を添加す
るために用いられる公知の装置を使用することができる
。ポリイソシアネート化合物を溶融状態のポリウレタン
に添加,混合する部分には、回転部を有する混錬装置を
使用することも可能であるが、より好ましいのは静止系
混錬素子を有する混合装置を用いることである。
静止系混錬素子を有する混合装置としては公知のものを
用いることができる。静止系混錬素子の形状およびエレ
メント数は、使用する条件により異なるものであるが、
ポリウレタン弾性体とポリイソシアネート化合物とが紡
糸口金から吐出される前に十分に混合が完了しているよ
うに選定することが肝要である。本発明方法に於いてポ
リ有機シロキサンの添加は前記ポリイソシアネート化合
物の添加後でなければ何処でもよく、例えばポリウレタ
ンの重合時又は紡糸工程で添加混合することができる。
勿論前記ポリイソシアネート化合物と同時に添加混合し
てもよい。以下に本発明の実施態様の一例を説明する。
ホッパーから熱可塑性ポリウレタン弾性体のペレットを
供給し、押出機で加熱,溶融する。溶融温度は190〜
23CfCの範囲が好適である。一方ポリイソシアネー
ト化合物は供給タンク内で10(代)以下の温度で溶融
し、あらかじめ脱泡しておく。溶融温度は高すぎるとポ
リイソシアネート化合物の変質を生じやすいため溶融可
能な範囲で低い方が望ましく、室温から100′Cの間
の温度が適宜用いられる。溶融したポリイソシアネート
化合物を計量ポンプにより計量し、要すればフィルター
によりろ過する。又、ポリ有機シロキサンは別の供給タ
ンク内で十分に脱泡しておく。ポリ有機シロキサンは特
別なものを除き、殆んどが常温で粘稠な液体であるが必
要により供給タンクを加温してもよい。計量されたポリ
イソシアネート化合物,及びポリ有機シロキサンは、押
出機先端に設けられた会合部で溶融したポリウレタンに
添加され、静止系混錬素子を有する混錬装置によつて混
錬される。この混合物は計量ポンプにより計量され、紡
糸ヘッドに導入される。紡糸ヘッドは通常の合繊紡糸用
の装置を用い得るが、できるだけ該混合物の滞留部の少
ない形状に設計することが好ましい。必要により紡糸ヘ
ッド内に設けられた枦層で金網或いはガラスビーズ等の
枦機により異物を除去した後、該混合物は口金から吐出
され、空冷され、油剤付与された後捲き取られる。捲き
取り速度は通常400〜1500TrI./Minが用
いられる。紡糸ボビンに捲き取られたウレタン糸は、紡
糸直後には強度が劣る場合もあるが、室温に放置する間
に強度が向上し、また高温度での伸長からの回復特性も
向上する。また紡糸後適当な方法で熱処理を施すことに
より、糸質および熱的性能の向上が促進される。このよ
うに本発明の方法によれば混合ポリマー流路内でのスケ
ールの析出が防止され、長期間にわたり紡糸操業でのト
ラブルを生ずることがなく、また捲き取られた糸も膠着
が大巾に改善されるという優れた利点を有する。
以下実施例により本発明を説明する。実施例1 脱水した水酸基価102のポリテトラメチレングリコー
ル5548部(以下部はすべて重量部を意味する。
)と1.4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
4的部とをジャケット付の二ーダーに仕込み、攪拌しな
がら十分に溶解した後85℃の温度に保ち、これにP,
Pージフェニルメタンジイソシアネート1953部を加
えて反応させた。攪拌を続けると約3紛で粉末状のポリ
ウレタンが得られ、これを押出機によりペレット状に成
形しジメチルホルムアミド中25℃で測定した濃度1y
/100ccの相対粘度が2.50のポリウレタン弾性
体を得た。
一方、水酸基価112のポリテトラメチレングリコール
100娼と、P,P″ージフェニルメタンジイソシアネ
ート500mを8σCで3紛間反応させて粘稠なポリイ
ソシアネート化合物を得た。
このもののイソシアネート基含有量は5.60%で、こ
れより算出される分子量は1500であつた。このよう
にして得られた熱可塑性ポリウレタン弾性体のペレット
とポリイソシアネート化合物、さらに日本ユニカー(株
)社製L−45(ポリジメチルシロキサン,粘度100
CkI−S)を紡糸原料として、ポリイソシアネート化
合物供給装置,ポリ有機シロキサ7供給装置および静止
系混錬素子を有する混錬装置を備えた紡糸機により紡糸
を行なつた。
紡糸口金として直径1.0wnのノズルを用い、捲き取
り速度は500m/Minとし、5叶゛二ールのモノフ
ィラメントを紡糸した。尚紡糸油剤としては竹本油脂(
株)社製SPK−124(鉱物油を主体とし5%の変性
シリコンを配合したもの)を約6%付与させた。ポリウ
レタン弾性体中に添加するポリイソシアネート化合物の
量を変え、さらにはL−45の有,無による結果を第1
表に示す。
第1表の糸質,熱セット率,解舒係数は紡糸したウレタ
ン糸のボビンを室温で5日間放置した後に測定した値で
ある。
13CfC熱セット率とは、100%伸長したウレタン
糸を130′Cの乾熱で1紛間熱処理したときのセット
率である。
解舒係数とは、ウレタン糸のボビンを507T1,/M
inの速度の駆動ローラー上でころがしながら糸を解舒
し、一方で捲き取る時、糸がボビンに捲き付かずに解舒
される最小の捲き取り速度の時の糸のドラフト率のこと
で、解舒係数が1に近い程糸の膠着防止効果が大きいこ
とを示している。スケールの析出は、押出機出口の圧力
と、紡糸ヘッドの計量ギヤーポンプ前の圧力とを測定し
、その間の圧力差が増加し始めた時をスケールが析出し
たと判定した。従つて紡糸運転開始からこの圧力差が増
加し始める迄の日数が長い方がスケールの析出防止効果
が大きいことを示している。第1表から、ポリイソシア
ネート化合物を添加しない場合は、解舒性も良好であり
、スケールの析出もないが、熱セット率が大きく耐熱性
が劣る。しかしポリイソシアネート化合物を添加して紡
糸することにより、熱セット率が小さくなり、耐熱性が
改良されることが判る。又添加量が多い程その効果も大
きくなつた。しかし膠着は添加量が多い程増大し、糸解
舒は困難となつた。一方L−45(ポリ有機シロキサン
)の添加により膠着は大巾に改善され、ポリイソシアネ
ート化合物の添加量が多くても糸解舒は何ら問題はなか
つた。スケールの析出に関してはポリイソシアネート化
合物を添加することにより約25日で析出したが、L−
45の添加により2ケ月経過後も析出せず、操業性が大
巾に改善された。従つてポリイソシアネート化合物,ポ
リ有機シロキサンを添加して紡糸することにより、耐熱
性向上,膠着防止,スケール析出防止の効果が大なこと
が判る。実施例2 水酸基価56のジヒドロキシポリε一カプロラクトン7
0(1)部,1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン921部,P,P′ージフェニルメタンジイソ
シアネート207CA1I)を用い、実施例1と同様な
方法で反応を行ない、得られたポリマー粉末を押出機で
ペレット化し、相対粘度2.02のポリウレタン弾性体
のペレットを得た。
また、水酸基価150のジヒドロキシポリε一カプロラ
クトン150娼とP,P″ージフェニルメタンジイソシ
アネート10(1)部を80フCで反応させ粘稠なポリ
イソシアネート化合物を得た。
このもののイソシアネート含有量は6.74%で分子量
は1250であつた。このようにして得られた熱可塑性
ポリウレタン弾性体のペレットにポリイソシアネート化
合物の添加量を13.4%一定とし、ポリ有機シロキサ
ンの種類,添加量を変え実施例1と同様な方法で紡糸を
行なつた。
その結果を第2表に示す。本実施例に使用したL−45
(ポリジメチルシロキサン,粘度10000),L−7
001(ポリエーテル変性シリコン,粘度3200)は
共に日本ユニカー(株)社製である。
ポリ有機シロキサンを添加しないものは130℃熱セッ
ト率45%,解舒係数1.13,スケール析出日数30
日であつた。
本発明の方法により、耐熱性,膠着防止性、スケール析
出防止性も大巾に向上した。またL−45の添加量1.
0%,2.0%のものを紡糸直後130℃,3時間の定
長熱処理をしたところ、熱セット率はそれぞれ34,3
5と耐熱性は更に向上した。
なおポリウレタン弾性体とポリイソシアネート化合物を
13.4%混合した後にL−45を2.0%を添加混合
し、紡糸したところ、耐熱性,膠着防止効果は大巾に向
上するものの、ポリウレタン弾性体とポリイソシアネー
ト化合物の混合物が通過した流路内には約30日でスケ
ールが析出した。実施例3実施例1と全く同様な原料,
組成に信越化学工業(株)社製KF54(メチルフェニ
ルシリコーン粘度400CS)を2.0%加えて重合さ
せ、相対粘度が2.30のポリウレタン弾性体を得た。
このようにして得られたKF′54.2%含有ポリウレ
タン弾性体ペレットと実施例1で得たポリイソシアネー
ト化合物を紡糸原料として、ポリイソシアネート化合物
供給装置および静止系混錬素子を有する混錬装置を備え
た紡糸機により実施例1と同様な条件にて紡糸を行なつ
た。添加するポリイソシアネート化合物の量を変えた結
果を第3表に示す。
第3表よりKF54の効果により膠着が防止され、また
スケールの析出も防止されていることが判る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性ポリウレタン弾性体を溶融紡糸するに際し
    、該ポリウレタン弾性体とポリ有機シロキサン又はその
    変性物との混合物に分子量400以上のポリイソシアネ
    ート化合物を添加混合後紡糸することを特徴とするポリ
    ウレタン弾性糸の製造方法。 2 熱可塑性ポリウレタン弾性体を形成するポリオール
    が500〜6000の数平均分子量を有するポリテトラ
    メチレングリコール又はポリカプロラクトン或いはポリ
    ブチレンアジペートである特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 3 熱可塑性ポリウレタン弾性体を形成する鎖伸長剤が
    分子量500以下のグリコールまたはトリオールである
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 熱可塑性ポリウレタン弾性体を形成する有機ジイソ
    シアネートがP,P′−ジフェニルメタンジイソシアネ
    ートである特許請求の範囲第1項記載の方法。 5 ポリ有機シロキサンがジメチルポリシロキサン又は
    メチルフェニルポリシロキサンである特許請求の範囲第
    1項記載の方法。 6 ポリ有機シロキサンの変性物がポリエーテル変性物
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。 7 ポリ有機シロキサン又はその変性物の添加量が熱可
    塑性ポリウレタン弾性体、ポリイソシアネート化合物、
    ポリ有機シロキサン又はその変性物との総重量に対して
    0.1〜5.0重量%である特許請求の範囲第1項記載
    の方法。 8 ポリイソシアネート化合物の分子量が800以上で
    ある特許請求の範囲第1項記載の方法。 9 ポリイソシアネート化合物がジイソシアネート化合
    物である特許請求の範囲第1項記載の方法。 10 ジイソシアネート化合物が分子量300〜250
    0のポリエーテル、ポリエステル、ポリエステルアミド
    及びポリカーボネートからなる群から選ばれた少なくと
    も一種のポリオールの両末端にP,P′−ジフェニルメ
    タンジイソシアネートを付加したものである特許請求の
    範囲第9項記載の方法。 11 ポリイソシアネート化合物の添加量が熱可塑性ポ
    リウレタン弾性体、ポリイソシアネート化合物、ポリ有
    機シロキサン又はその変性物との総重量に対し3〜30
    重量%である特許請求の範囲第1項記載の方法。 12 混合を静止系混練素子を配設した装置で実施する
    特許請求の範囲第1項記載の方法。
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