JPS6042241B2 - カルボキシメチルセルロ−ズエ−テルアルカリ塩の製法 - Google Patents

カルボキシメチルセルロ−ズエ−テルアルカリ塩の製法

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JPS6042241B2
JPS6042241B2 JP56142731A JP14273181A JPS6042241B2 JP S6042241 B2 JPS6042241 B2 JP S6042241B2 JP 56142731 A JP56142731 A JP 56142731A JP 14273181 A JP14273181 A JP 14273181A JP S6042241 B2 JPS6042241 B2 JP S6042241B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は溶媒法による均一な置換基分布を有するカルボ
キシメチルセルローズエーテルアルカリ塩(カルボキシ
メチルセルローズエーテルアルカリ塩を以下CMCと略
す)の製法に関するものである。
CMCは、セルローズ質原料にアルカリの存在下エーテ
ル化剤を作用させて製造されるものであり、アルカリと
しては水酸化ナトリウム、エーテル化剤としてはモノク
ロル酢酸又はそのアルカリ塩が使用されることが良く知
られている。
CMCの製造法は、その反応媒体として水媒体を採る水
媒法と、有機溶媒体を採る溶媒法の二方法に大別される
が、溶媒法は水媒法に比して少量のアルカリ量でアルカ
リセルローズを得ることができ、エーテル化反応が比較
的短時間で達成さ葺仕込みアルカリモル数−エーテル化
剤で中イ仕込みエーテル化剤モのモル比は1.0以上で
あり、通常約1.10に保持さ京れ、エーテル化剤の有
効利用率が高く、少量のエーテル化剤の使用ですみ、し
かも良質のCMCが得られるので工業的に非常に多く実
用化されている。
この溶媒法によるCMCの製造においては、含水有機溶
媒中で、先ずセルローズに水酸化ナトリウムを作用させ
てアルカリセルローズを調製し、しかる後にモノクロル
酢酸を添加してエーテル化反応を行なう方法が一般的に
採用されているが、含水有機溶媒中でセルローズにモノ
クロル酢酸ナJトリウムを添加して含浸させた後、水酸
化ナトリウムを添加してエーテル化反応を行なう方法(
特公昭46−21ト号公報)も可能である。
しかし、従来はいずれの反応においてもエーテル化反応
時の系中の〔アルカl月/〔エーテル化剤〕のモル;比
、即ちざれたアルカリのモル数 ・数−ー れている。
このモル比について、早川氏らは1.0〜1.30が最
適比率として報告している(東京工業試験所報告.第5
晒.第6号.196呼)。これはモル比が1.30より
大きくなると下記の(1)式で示すようなモノクロル酢
酸ナトリウムの副反応が起こり易くなり、高価なモノク
ロル酢酸ナトリウムの有効利用率が低下し経済的に不利
となるためであり、逆に、1.0未満となると反応中の
アルカリが消費された時に下記(2)式のような副反応
によるグリコール酸が生成して反応系が酸性となりCM
Cのカルボキシル基を攻撃して一部を酸型とし、生成C
MCの溶解性を著しく低下させるためであると考えられ
る。(1)式ClCH2COONa+NaOHを0.1
0−0.90としてエーテル化剤過剰の系中でエーテル
化反応を開始させ、更にエーテル化反応の進行に伴うア
ルカリの消費により反応系が酸性に豫を従来の製造方法
の1.0〜1.30より低い0.10〜0.90、好ま
しくは0.30〜0.70のエーテル化剤過剰の条件と
することによつて、前記(1)式の副反応を抑制してモ
ノクロル酢酸有効利用率を高く保持し、更に、アルカリ
に比しセルローズに対する親和性の小さいモノクロル酢
酸ナトリウムのセルローズ繊維中への拡散(もしくは浸
透)か律連と考えられるCMC反応において、従来の製
造方法のようにアルカリ過剰の系中て60〜80℃の高
温下で.エーテル化反応を行なう場合は、モノクロル酢
酸ナトリウムがセルローズ繊維中に均一に拡散又は浸透
する前に過剰に存在するアルカリによりエーテル化反応
が終了するため、生成CMCの置換基分布の不均一性の
原因となつていたが、本発明に・従いモノクロル酢酸ナ
トリウム過剰の系中で反応開始から或程度までエーテル
化反応を行なわせることによつてセルローズ繊維中への
拡散又は浸透を促進させ、繊維中に浸透した少量のアル
カリと* (2)式ClCH2COONa+H2Oこの
ため通常のCMCの製造に際してはこのモル比を約1.
10として常にアルカリ過剰の条件でエーテル化反応を
行ない、反応終了後に過剰のアルカリを酢酸等で中和し
てCMCを製造する方法が採用されている。
しかし、本発明者は研究の結果、含水有機溶媒中におい
てセルローズ質原料にアルカリの存在下ノエーテル化剤
を作用させてカルボキシメチルセルローズエーテルアル
カリ塩を製造するに当り、アルカリ及びエーテル化剤添
加後の反応系中の〔アルカリ〕/〔エーテル化剤〕のモ
ル比、即ち、※ならないようにアルカリを更に添加して
エーテル化反応を行ない、最終的には〔アルカl月/〔
エーテル化剤〕のモル比、即ち、を1.0以上としてエ
ーテル化反応を完結させることによつて、従来の製造方
法より顕著に高いモノクロル酢酸有効利用率で置換基分
布の均一なCMCが得られることを見出した。
即ち、本発明によればエーテル化反応初期の〔アルカI
月/〔エーテル化剤〕のモル比即ち酢酸カリウム及びモ
ノクロル酢酸のエステル類、例えばエチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びTer
t−ブチルエステル等が使用可能である。
又、本発明の方法で製造されるCMCの置換度(以下D
Sと略す)は0.5〜3.0の範囲に於て適用可能であ
るが、使用するアルカリの使用量が多く、且つ市販され
ているDSO.8〜2.0の範囲のCMCを製造する場
合に特に有利に実施し得る。
本発明の方法で製造したCMCは置換基が均一に導入さ
れているため従来の製造方法で製造したCMCに比べて
未溶解物及び大きな半溶解状膨潤ゲルが少ないため透明
性が優れており、更に捺染糊料として使用した場合にス
クリーンの目詰りが少ない。
又、土木ポーリング用CMCl石油ポーリング用CMC
l乳酸菌飲料用CMCl煉歯磨用CMCl捺染糊料用C
MCl水糊用CMCl繊維壁用CMC等の種々の用途に
おいて実用上極めて重要な物性である耐腐敗性が優れて
いる。以下に本発明を具体的に説明する実施例及び比較
例を示す。
なお、生成CMCの性状である(1)置換度(DS)、
(2)透明度、(3)セルラーゼの加水分解によるグル
コース生成量(置換基分布の均一度)、(4)耐腐敗性
及び(5)モノクロル酢酸有効利用率(AM)の測定方
法及び評価方法は次の通りである。
(1) 置換度(DS) CMCllを精秤し、白金ルツボか磁性ルツボに入れて
600′Cで灰化し、灰化によつて生成した酸化ナトリ
ウムをN/W硫酸でフエノールフタレインを指示薬とし
て滴定しその滴定量ATfLlを次式に入れて計算しD
Sを求める。
DS=162XAXf 10000−80×Axf (2)透明度 CMCの1重量%水溶液の一定の光源下での透明度を液
柱の高さによつて表わしたもので、当業界において通常
使用されている方法であャこの粘度比が大きい程耐腐敗
性は優れている。
り、反応が不均一であると未反応セルロースや未溶解部
分、膨潤ゲル体などによつて透視度が低下し透明度の数
値が小さくなる。
従つて反応が均一なほど透明度は大きい。()セルラー
ズの加水分解によるグリコース生成量(置換基分布の均
一度)CMCの置換基分布には、無水グリコース単位内
の2位,3位及び6位の3個の水酸基の分布、分子内分
布及び分子間分布の3種がある。
これらの3種の置換基分布はCMCの物性と密接に関係
していると考えられるが、分子内及び分子間の置換基分
布が実用上の重要な物性てある未溶解物及び半溶解状膨
潤ゲルの数量及び大きさ、更には耐腐敗性に大きな影響
を及ぼしていると考えられる。本発明における置換基分
布の均一度の測定は、CMCの分子中に未置換の無水グ
リコース単位が3個以上連鎖していると、セルロースの
加水分解酵素であるセルラーゼによつて加水分解される
というM.G.Wirckらの報告(M.G.W,IR
ICK,J.POly.Sci.PalA一1,V01
.6,1965C68))を参考にしてCMCl%水溶
液にセルラーゼ(天野製薬(株)製、セルラ−ゼーAP
)5m9/y−CMCを添加して室温下140〜145
hrs加水分解した後(約14011rsで加水分解は
ほぼ終了する)更に加水分解生成物であるグリコースを
グリコースオキシダーゼ法により測定した。生成グルコ
ース量の少ない程、置換基分布の均一度が高いとして評
価した。従つて、本発明における置換基分布は分子内及
び分子間の分布である。なお、グルコース生成量はCM
Cの無水グリコース単位置000個当りの個数(個/1
000AGU)として示した。
1)耐腐敗性 CMCの腐敗は主として種々の菌体の産出するセルラー
ゼの加水分解によつて起ると考えられる。
従つて、耐腐敗性の評価方法として(3)のセルラーゼ
の加水分解による1%水溶液の加水分解前後の次式の粘
度比で評価した。*粘度はBL型粘度計を使用してロー
ターNO.l〜4,60r′Pm,25℃で測定した。
(5)モノクロル酢酸有効利用率(AM)次式により求
めた。
なお、本発明は以下に示す実施例に限定されるものでは
ない。
又、実施例及び比較例中の部とは重量部、%は重量%を
示す。実施例及び比較例で得られたCMCの性状を第1
表に示した。
又、実施例及び比較例に示した生成CMCのセルラーゼ
による加水分解結果の一部をCMCの置換度(DS)を
横軸とし、グリコース生成量を縦軸として第1図に示し
た。なお白丸は実施例、黒丸は比較例の結果である。実
施例1 二軸の攪拌翼を有する5eの反応機にイソプロピルアル
コール(以下1PAと略す)575部を仕込み、更に水
酸化ナトリウム120.6部(純分部%)を純水126
2部に溶解して仕込み、20〜30℃に冷却後、粉末セ
ルロース200部(純度95%)を仕込み20〜30゜
Cで6紛間攪拌混合を行い、アルカリセルロースを調製
する。
次にモノクロル酢酸172部(純分98%)をJpAl
72部に溶解して冷却しながら添加し20〜30℃て3
紛間攪拌混合を行う。その後約1紛て60℃に昇温して
6紛間エーテル化反応を行う。次に、水酸化ナトリウム
25.2部を純水16.8部に溶解して添加し60〜7
0℃て1紛間攪拌混合を行つた後70℃として9吟間エ
ーテル化反応を行う。その後、僅かに残つている水酸化
ナトリウムを酢酸て中和する。反応終了後、反応混合物
を反応機より取り出し遠心分離して反応溶媒のIpAを
除去し、次いで75%メチルアルコール水溶液40(4
)部で3回洗滌して副生成物である食塩、グリコール酸
ナトリウム及ひ酢酸ナトリウムを除去した後、遠心分離
してメチルアルコール水溶液を除去し精製したものを乾
燥器て80〜100℃で約6時間乾燥して本発明のカル
ボキシメチルセルローズエーテルアルカリ塩を得た。
比較例1 二軸の攪拌翼を有する5′の反応機に、 IpA575部を仕込み、更に水酸化ナトリウム145
.8部(純度?%)を純水143部に溶解して仕込み、
20〜30゜Cに冷却後、粉末セルロース200部(純
度95%)を仕込み20〜30゜Cで60分間攪拌混合
を行い、アルカリセルロースを調製する。
次にモノクロル酢酸172部(純度98%)をIpAl
72部に溶解して冷却しながら添加し20〜30℃で3
紛間攪拌混合を行う。
その後、約1紛間で70℃に昇温して9013−間エー
テル化反応を行う。次に、僅かに残つている水酸化ナト
リウムを酢酸で中和する。以下、実施例1と同様に先滌
、乾燥を行い従来法によるカルボキシメチルセルローズ
エーテルアルカリ塩を得た。
実施例2〜5 実施例1とIpAl水、水酸化ナトリウム及びモノクロ
ル酢酸の使用量(第1表に表示)が異なる以外は実施例
1と同じ製法、精製法及び乾燥法を行つて本発明のカル
ボキシメチルセルローズエーテルアルカリ塩を得た。
比較例2〜5 比較例1とIpAl水、水酸化ナトリウム及びモノクロ
ル酢酸の使用量(第1表に表示)が異なる以外は比較例
1と同じ製法、精製法及ひ乾燥法を行つて従来法による
カルボキシメチルセルローズエーテルアルカリ塩を得た
実施例6 二軸の攪拌翼を有する5fの反応機に1pA1124部
を仕込み、更に水酸化ナトリウム1631部(純度98
%)を純水126.0部に溶解して仕込み20〜30℃
に冷却後、粉末セルロースを200部(純度95%)を
仕込み20〜30℃で6紛間攪拌混合を行いアルカリセ
ルロースを調製する。
次にモノクロル酢酸286.2部(純度餡%)をIpA
286.2部溶解して冷却しながら添加して20〜30
゜Cで3紛間攪拌混合を行う。その後約1吟て60℃に
昇温して6紛間エーテル化反応を行う。次に、水酸化ナ
トリウム42.0部を純水28虹部に溶解して添加し、
引続いて60℃で6紛間エーテル化反応を行う。その後
更に水酸化ナトリウム42.娼を純水28刀部に溶解し
て添加し60〜70℃てl紛間攪拌混合を行つた後、7
0℃として9吟間エーテル化反応を行う。次に僅かに残
つている水酸化ナトリウムを酢酸て中和する。以下、実
施例1と同様に精製、乾燥を行い本発明のカルボキシメ
チルセルローズエーテルアルカリ塩を得た。実施例7 実施例1とIpAl水、水酸化ナトリウム及びモノクロ
ル酢酸の使用量(第1表に表示)が異なる以外は実施例
1と同じ製法、精製法及び乾燥法を行つて本発明のカル
ボキシメチルセルローズエーテルアルカリ塩を得た。
実施例8 実施例6とIpAl水、水酸化ナトリウム及びモノクロ
ル酢酸の使用量(第1表に表示)が異なることと、60
℃に昇温後のエーテル化反応時間を5分に短縮した以外
は実施例6と同じ製法、精製法及び乾燥法を行つて本発
明のカルボキシメチルセルローズエーテルアルカリ塩を
得た。
第1表及び第1図から明らかな様に、本発明の製法で得
られたカルボキシメチルセルローズエーテルアルカリ塩
は同量のアルカリ及びエーテル化剤を使用した従来法で
得られたカルボキシメチルセルローズエーテルアルカリ
塩と比較して(1)モノクロル酢酸有効利用率が高い、
(2)透明性が高い、(3)セルラーゼの加水分解によ
るグリコース生成量が極めて少なく置換基分布が均一で
ある、(4)耐腐敗性が優れている、等の優れた効果が
得られたことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例及び比較例で得られたCMCの性状を示
すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 含水有機溶媒系でセルローズ質原料にアルカリの存
    在下エーテル化剤を作用させてカルボキシメチルセルロ
    ーズエーテルアルカリ塩を製造するに当り、エーテル化
    剤は全量初期添加し又アルカリは次式の〔アルカリ〕/
    〔エーテル化剤〕のモル比が0.10〜0.90となる
    様エーテル化剤過剰の系中でエーテル化反応を開始し、
    その後、アルカリは分割添加して最終段階での〔アルカ
    リ〕/〔エーテル化剤〕のモル比1.00以上となる様
    エーテル化反応を行わせることを特徴とするカルボキシ
    メチルセルローズエーテルアルカリ塩の製法。 〔アルカリ〕/〔エーテル化剤〕=各段階での仕込みア
    ルカリモル数−エーテル化剤で中和されたアルカリのモ
    ル数/仕込みエーテル化剤モル数
JP56142731A 1981-09-10 1981-09-10 カルボキシメチルセルロ−ズエ−テルアルカリ塩の製法 Expired JPS6042241B2 (ja)

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DE8282108340T DE3278786D1 (en) 1981-09-10 1982-09-09 Process for producing an alkali salt of a carboxymethylcellulose ether
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