JPS6041587B2 - 抗生物質生産用培地 - Google Patents

抗生物質生産用培地

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JPS6041587B2
JPS6041587B2 JP54153792A JP15379279A JPS6041587B2 JP S6041587 B2 JPS6041587 B2 JP S6041587B2 JP 54153792 A JP54153792 A JP 54153792A JP 15379279 A JP15379279 A JP 15379279A JP S6041587 B2 JPS6041587 B2 JP S6041587B2
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智 大村
芳武 田中
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗生物質生産能を有する微生物を培養して抗生
物質を培養物中に生成蓄積させるための培地(以下抗生
物質生産用培地という)に関する。
抗生物質は微生物によつて生産され、微生物その他の細
胞の発育を阻害し、あるいは特異的な薬理作用や酸素阻
害作用を有する物質(田中信男、中村昭四部著、抗生物
質大要第2版、第1頁、1977年、東京大学出版)で
あつて、現在、医薬、農薬、動物飼料添加物、駆虫剤な
どに多数使用されている。
抗生物質生成量を増加させるために改良された公知の培
地の例は次の通りである。
(1)抗生物質生合成の有効な前駆体を含有する培地〔
ジャーナル・オブ・アメリカン、ケミカル・ソサエテイ
(J、Am、Chem、Soc、)第68巻、第166
9頁(194時)〕(2) 培養液のpHを最適範囲に
保つのに有効な緩衝剤を含有する培地〔ドメイン(De
main)アーカイブ・オブ・マイクロパイオロソー(
Arch。
Microbiol、)第11倦、第169頁(197
7年)〕(3)有効な界面活性剤を含有して発泡を抑え
あるいは抗生物質生産微生物の細胞内より細胞外への抗
生物質の溢出を有利にする培地(上野芳夫、大村智編著
、微生物薬品化学、第176頁、197奔、南江堂)(
4) 培地の栄養素(炭素源、窒素源、リン酸根など)
として各種物質の中から有効なものを選択して各々を最
適濃度に含有する培地(同上)このような各種の方法を
組合わせることによつて一つ一つの抗生物質の生産に適
した培地が決定される。
しカルこのためには通常、膨大な労力と長時間を要し、
しかもある抗生物質の生産に有利な培地が別の抗生物質
が生産にとつては逆に不利である場合が決して少なくな
かつた。従つて広範囲の抗生物質生産への応用性と高い
生産性とを有する抗生物質生産用培地の提供が望まれて
いた。グリシンを前駆体とするL−セリンの醸酵法によ
る生産の際に、リン酸第三マグネシウム等のいくつかに
リン酸塩を含有する培地を用いて常法による培養を行な
うと、L−セリンの成生産蓄積量を著しく増加し得るこ
とは公知である。それは本発明の発明者の一人によつて
提案されたことである(特開昭53−79096号)。
しかし、この種のリン酸塩を含有する培地を抗生物質の
生産に用いると、抗生物質の生産量を著しく増加し得る
ことは知られていない。その背景には次の事情があると
思われる。従来常用された抗生物質醗酵に適した培地は
、アミノ酸醗酵に適した培地に比べ、そこに存在する栄
養素(炭素源、窒素源、リン酸根その他の栄養素)の濃
度および栄養バランスは著しく異なつている。この内の
リン酸根濃度に関しては、抗生物質生産に好適な公知の
培地は、リン酸根を全く添加しないか、または含んでも
リン酸根濃度(KH2PO4換算)0.2%以下が普通
であり、これに対してアミノ酸生産に好適な公知の培地
では、リン酸根濃度(KH2PO4換算)0。1−1.
0%の範囲にあるのが普通である。
つまり、公知のアミノ酸生産用培地に適するリン酸根濃
度を抗生物質生産用の公知の場合に転用しても、決して
良い結果を得ることができないことが、経験的に広く認
められていた。しかも、各種公知文献を調べると、アミ
ノ酸生産用培地に常用されている濃度、またはそれ以下
の濃度のリン酸根が培地中に存在すると、抗生物質の生
産を強く阻害する例がストレプトマイシン、ネオマイシ
ン、クロラムフエニコール、コリネシン、クロールテト
ラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ネブラマイシ
ン、バシトラシン、グラミシジンS1バンコマイシン、
、アクチノマイシン、バイオマイシン、キヤンデイシジ
ン、セフアマイシン、ポリミキシンなど、多くの抗生物
質の生産の場合に観察されている〔ワインベルク(We
inberg)、デベロプメント・オブ・インダストリ
アル・マイクロバイオロジー(De■.1Nd.Mic
rObjOl.)第15巻、第70頁、(197俳、)
〕。従つて、抗生物質醸酵用培地に関する通説、ならび
にこれを裏付ける幾多の文献に基く限りでは、先述のL
−セリン生産用培地の場合のような、あまりにも高濃度
(4).5−5%)のリン酸根を抗生物質生産用培地に
含有させても良い結果を得られるはずがないと判断され
るので、何人もあえてこれを試みなかつた。本発明者は
、公知のL−セリン生産量を増加させ得るリン酸第三マ
グネシウム等のいくつかのリン酸を含有する培地を用い
て抗生物質を常法により生産すると、意外にも、多数の
抗性物質の生産量を著しく増加し得ることを見出した。
さらに、リン酸第三マグネシウムのような、この種の公
知のリン酸塩ばかりでなく、他の物質を用いることによ
つても、同様に多数の抗生物質の生産量を著しく増加し
得ることも見出した。そして、これらの抗生物質の生産
量を著増し得る物質を含有する抗生物質生産用培地によ
つて抗生物質の生産量を増加させた場合には、培養液中
のアンモニア態窒素の濃度が、含有しない培地の場合よ
りも低下することがわかつた。本発明は、培養液中のア
ンモニア態窒素濃度を低下させる作用を有する物質(以
下アンモニア態窒素濃度低下剤という)を含有する抗生
物質生産用培地を用いると、多数の抗生物質の生産量を
著しく増加するという知見に基いている。L−セリンの
生産量を増加させることのできる公知のリン酸第三マグ
ネシウム等のいくつかのリン酸塩やその他の、アンモニ
ア態窒素濃度を低下させる作用を有する物質を抗生物質
生産用培地に含有させることによつて、常法による培養
法で、抗生物質生産量を通常たとえば2培以上、場合に
より10皓以上も容易に増加させることができる。)
従つて、本発明の目的は、抗生物質生産能力を有する微
生物を常法により培養して抗生物質を生成蓄積させるた
めの培地として、簡便、容易に抗生物質の生成蓄積量を
増加させることができる抗生物質生産用培地を提供する
ことにある。
本発明・培地は従来常用される培地に含有する組成物の
他にアンモニア態窒素濃度低下剤を含有することを特徴
とする。以下に本発明の詳細な説明する。
本発明培地を利用して抗生物質を生産するに際して使用
する微生物としては、抗生物質を生成する能力を有する
微生物であれば何でもよい。
たとえば野生株でもよいし、また特定の栄養要求性、特
定物質に対する抵抗性あるいは感受性を有する株でもよ
い。あるいは特定物質を分解または不活性化する性質を
有していてもいなくてもよい。従つて、公知の広範囲の
カビ、酵母、細菌、放線菌を含む各種の抗性物質生産能
力を有する微生物を用いることができる。またその微生
物は天然界、たとえば土壌、河川水、海水または空気中
等に存在したものであつても良いし、予め本発明培地以
外の培地で生育させたものでも良い。本発明による培地
が含有するアンモニア態窒素低下剤とは、常温において
固体、液体または気体であつて培養液中でアンモニア態
窒素と共存するとき、アンモニア態窒素を物理的または
化学的に吸着・包含または結合してそれが存在しないと
きよりもアンモニア態様素濃度を低下させる物質のこと
で、その実用的な例は次の通りである。
リン酸第マグネシウムMg(H2PO4)2〕リン酸第
二マグネシウム〔MgHPO4〕リン酸第三マグネシウ
ム〔Mg3(PO4)2〕リン酸第一カルシウム〔Ca
(FI2PO4)2〕リン酸第二カルシウム〔Call
PO4〕リン酸第三カルシウム〔Ca3(PO4)2〕
リン酸第一コバルト 〔CO(H2PO4)2〕リン酸
第二コバルト〔COHPO4〕リン酸第三コバルト〔C
O3(PO4)2〕リン酸第一マンガン〔Mn(H2P
O4)2〕リン酸第二マンガン〔MnHPO4〕リン酸
第三マンガン〔Mn3(PO4)2〕リン酸第二亜鉛〔
ZnFIPO4〕リン酸第三亜鉛〔Zn3(PO4)2
〕 リン酸第二鉄〔FeHPO4〕 リン酸第三鉄〔Fe3(PO4)2〕 リン酸アンモニウムマグネシウム 〔NH4MgPO4〕 リン酸アンモニウムコバルト 〔NH4COPO4〕リ
ン酸アンモニウムマンガン〔NH4MrlPO4〕リン
モリブデン酸ナトリウム〔Na3(PMOl2O4O)
〕 リンタングステン酸ナトリウム〔Na3(POel2W
O3)〕塩化白金酸ナトリウム〔Na2PtCl6〕塩
化白金酸アンモニウム〔(Nlil)2PtC16〕三
酸化モリブデン〔MOO3〕三酸化タングステン〔WO
3〕 三酸化バナジウム〔VO3〕 バナジウム酸ナトリウム〔NavO4〕 クロム酸鉄アンモニウム〔NH4●Fecr−04〕尿
素、尿酸ナトリウム、尿酸アンモニウム、あるいはこれ
らの含水塩なども利用できる。
上記のリン酸塩としては通常オルトリン酸の塩を用いる
が、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸の塩を用いて
もよい。
これらのアンモニア態窒素濃度低下剤を単独または組合
わせて用いることができる。
所望により、本発明のアンモニア態窒素濃度低下剤を含
有゛する各種工業廃棄物を用いてもよい。さらには各種
アンモニア態窒素濃度低下剤を含有、吸着、包含または
結合した各種工業製品(たとえばイオン交換樹脂、活性
炭、セルロースやデキストランなどの各種天然多糖類誘
導体、サイクロデキストリン、各種合成高分子樹脂など
)あるいはアンモニア態窒素濃度を低下させる能力を有
する各種吸着性合成高分子樹脂または天然の高分子物質
なども利用できる。培地中に含有させるアンモニア態窒
素濃度低下剤の濃度は使用微生物や培養条件を考慮して
決定すべきであるが、通常0.2−5%の濃度が好適で
ある。
ある抗生物質の生産に対する至適温度、時間、PH等の
諸条件は、公知の当該抗生物質生産用培地の場合に準じ
ればよい。本発明培地は上記アンモニア態窒素濃度低下
剤の他に使用微生物の利用し得る炭素源、窒素源、無機
物、その他必要な栄養素を、従来常用される抗生物質生
産用培地の例にならい程良く含有する。
本発明培地の種類としては天然培地、合成培地のいずれ
でも良く、またその形態としては液体培地、固形培地の
いずれでもよい。本発明培地がアンモニア態窒素濃度低
下剤の他に含有する栄養素を詳細に示せば、炭素源とし
ては、たとえば、グルコース、グリセロール、フラクト
ース、マルトース、マンニット、キシロース、ガラクト
ース、ラクトース、リボース、澱粉またはその加水分解
物等の種々の炭水化物が使用できる。
その濃度は通常培地に対して0.1〜5%(グルコース
換算)が好ましい。またグルコン酸、ピルビン酸、乳酸
、酢酸等の各種有機酸、グリシン、グルタミン酸、アラ
ニン等の各種アミノ酸、さらには、メタノール、エタノ
ール等のアルコール類やノルマルパラフイン等各種の非
芳香族炭化水素、あるいは植物性もしくは動物性の各種
油脂等も使用可能である。窒素源としては、アンモニア
、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニ
ウム、酢酸アンモニウム、乳酸アンモニウム等各種の無
機酸あるいは有機酸のアンモニウム塩類、尿素、ペプト
ン、NZ−アミン、酵母工キズ、乾燥酵母、コーンスチ
ープリカー、力ティン加水分解物、フイツシユミールあ
るいはその消化物、大豆粉あるいはその消化物、脱脂大
豆あるいはその消化物、踊加水分解物等の含窒素有機物
質、さらにはグリシン、グルタミン酸、アラニン等の各
種アミノ酸が使用可能である。
無機物としては各種リン酸塩、硫酸マグネシウム、食塩
等、さらに微量の重金属塩が使用される。
また栄養要求性を示す変異株を用いる場合には、当然そ
の栄養要求性を満足させる物質を培地に加えなければな
らないが、この種の栄養素は天然物を含む培地を使用す
る場合にはとくに添加を必要としない場合がある。
本発明培地はこれらの栄養素の適量と前述のアンモニア
態窒素濃度低下剤の適量を含有する。
この場合使用するアンモニア態窒素濃度低下剤の種類に
よつては、他の栄養素との栄養バランスを考慮すべきて
ある。たとえば、窒素源として、本発明のアンモニア態
窒素低下剤(たとえばNll4・MgPO4、尿素アン
モニウム、NH4■03など)を用いる場合には、とく
に窒素源源の添加を必要としないことがある。
また、二つ以上の物質が培地に含有されることにより、
培養中に本発明によるアンモニア態窒素濃度低下剤を実
用的に充分な量だけ生成し得る可能性がある場合、たと
えばK2HPO4とMgSO4または(NH4)2HP
04とMgCl2との同時使用の場合には、本発明によ
るアンモニア態窒素低下剤をとくに培地に添加しなくて
もよいことがある。本発明に応用し得る公知の培地組成
の例をあげると次の通りである。(1)グルコース2%
、ペプトン0.5%、酵母工キズ0.3%、肉工キズ0
.5%、NaClO.3%、CacO3O.3%(PH
7.O)(2)グルコース1%、ペプトン0.3%、肉
工キズ0.5%、NaClO.3%、寒天1.2%(P
H7.2)(3)グリセリン1%、グルコース0.2%
、大豆粉1%、NaClO.3%(PH7.5)(4)
澱粉2%、コーンスチープリカー2%、MgSO4・7
H200.1%(PH7.5)(5)デキストリン2%
、ペプトン0.5%、大豆粉1%、KH2PO4O.O
5%、M?04・7H200.05%(PH7.O)(
6)グルコース4%、(NH4)2S041.5%、K
H2PO4O.l%、MgSO4O.l%、FesO4
7H2OO.Ol%、CUSO4・5H200.001
%、ZnsO4・7H200.001%、MnSO44
H2OO.OOl%、Cacl2・洪00.001%、
、CacO3O.3%(PH6.5)(7)グルコース
2%、カザミノ酸1%、K2HPO4O.l%、M?0
4・7H200.1%、KClO.O5%、ZnSO4
・7H200.01%、MnsO45l(200.00
5%、FeSO47H2OO.OO5%、CacO3O
.3%(PH7.5)本発明培地を用いて微生物を培養
するに際してその培養条件は常法に準じて行なう。
すなわち、培養液のPHは通常3−9の範囲、培養温度
は通常20′C−40℃の範囲が好結果をもたらし得る
。培養期間は通常1−10日間てある。もちろん、これ
以外の条件、たとえば酸性条件やアルカリ性条件でより
旺盛に生育する微生物や、あるいは20℃以下の低温や
40゜C以上の高温条件をとくに好む微生物を用いる場
合にはそれぞれに望ましい環境下で培養する。また、培
養開始から培養完了時までの適当な時期に抗生物質の生
産量をさらに増加させる目的で各種の添加物、たとえば
有効な前駆体、各種界面活性剤、各種溶剤、飽和または
不飽和の脂肪酸などを培地に添加してもよい。
本発明培地を用いて微生物を培養するに際して、どのよ
うな組成の本発明培地がどのような微生物に最適である
かについて、現段階では規則性を確認できない。すなわ
ち、特定の組成を有する本発明の培地を用いて抗生物質
生産能力を有する微生物を培養すると、常法による培養
法で、一般的には抗生物質の生産量を従来の培地を用い
た場合よりも著しく増加し得るが、使用する微生物に・
よつては生産量の増加が認められない場合があることは
事実である。しかしこのことが本発明の実用的価値を害
するとは言えない。なぜなら、下記に例示するような簡
単な実験的培養によつて、特定の微生物に対する特定の
本発明による。培地の適合性をきわめて容易に判断する
ことができるからである。当業者にとつて、この種の実
験的培養が従来の最適培地組成決定に要求された複雑な
試行錯誤的手法よりもはるかに簡単で容易であることは
、次の実験的培養の例から明らかである。実験例1菌株
としてナナオマイシン生産菌、ストレプトマイセス●ノ
ポリトエンシス●バール●ローザ(Stm.nObOr
itOensisvar.rOsa)FERM−PNO
.224λジヒドロストレプマイシン生産菌、ストレプ
トマイセス●フミダス(Stm.hunlldus)A
TCCl276Oおよびセフアロスポリン生産菌、スト
レプトマイセス・クラブリゲラス(Stm.clavu
ll?Rus)ATCC27O64を使用した。
これらの菌株を培養して、抗生物質を生産させるための
培地として、3種の実験培地11■、■を選び各々にリ
ン酸第三マグネシウム1%を含むものを調製し、常法に
より、2rc11′I、■の培地では3日間、■の培地
では5日間振盪培養した。培養終了後、培養戸液中に生
成蓄積した抗生物質量を測定したところ第1表に示す結
果が得られた。比較のためにリン酸第三マグネシウムを
含まない培地で、同様に培養した結果も示す。培地組成 I グリセロール2%、大豆粉2%、NaClO.3%
(PH7.O)■ グルコース2%、ペプトン0.5%
、乾燥酵母0.3%、肉工キズ0.5%、NaCllO
.3%、CacO3O.3%(PH6.8)■ グリセ
ロール3%、グルコース0.5%、乳酸アンモニウム1
%、MgSO4・7H200.1%、K2HPO4O.
Ol%、FeSO47H2OlmgIeMnSO4・7
H201m91e..ZnS04・7H201m91′
、COcl2・2H201m91e..CUS04・5
H201m91e1cac030.5%(PH6.8)
第1表から、ジヒドロストレプトマイシンの生産には、
■の培地、セフアロスポリンの生産には■の培地、ナナ
オマイシンの生産にはIの培地にそれぞれリン酸第三マ
グネシウムを含有させたものが適していることが容易に
わかる。
第1表から本発明による培地が公知の培地よりも著しく
多量の抗生物質を生産することが明らかである。この種
の簡単な実験によつて、本発明による培地にとくに好適
であることが分つた抗生物質の例として、ストレプトマ
イシン、ジヒドロストレプトマイシン、ペニシリン、セ
フアロスポリン、チエナマイシン、ロイコマイシン、ス
ピラマイシン、シラマイシン、テトラサイクリン、バシ
トラシン、アンフオマイシン、アズレオマイシン、ナナ
オマイシン、クロラムフエニコールなど、現在、臨床的
に広く用いられるアミノグリコシド系、β−ラクタム系
、マクロライド系、テトラサイクリン系およびペプチド
系抗生物質などを含む、多数の抗生物質をあげることが
できる。この種の実験に要する時間、労力および費用は
、抗生物質生産用培地の選定に従来必要とされたものに
比べると、きわめて軽微である。しかもこのようにきわ
めて容易に選ばれた培地を用いて、抗生物.質の生産量
を著しく増加することができる。次に特定の培地を用い
て特定の抗生物質生産能力を有する微生物を培養する場
合に、本発明によるアンモニウム態窒素濃度低下剤の至
適含有量を決定することも、簡単な実験によつて容易で
ある。次の例は、リン酸第三マグネシウムを含有する培
地を用いて、常法によりロイコマイシン生産能力を有す
る微生物を培養した場合、リン酸マグネシウムの量とロ
イコマイシン生産量との関係をきわめて容易に調べるこ
とができることを示している。実験例2 ストレプトマイセス●キタサトエンシス (Stm.KitasatOensis)NRRL24
8巾をグリセリン1%、大豆粉1%、NaClO.3、
Mゐ(PO4)2・8H200−3%にの範囲で変える
)からなる培地10m1(殺菌前のPH7.O−7.3
.ただしリン酸第三マグネシウムの添加量に依存してP
Hは若干変わる)を入れた太型試験管(19×200m
m)に植菌し、27℃で4日間振盪培養した。
このとき培養液中に生一成蓄積されたロイコマイシン複
合体の生産量(ロイコマイシンんとして計算した)をリ
ン酸第三マグネシウム濃度との関係で示せば第2表に示
す通りである(なお、ロイコマイシン量は、ロイコマイ
シンA3を標準物質とし、サルシナ●ルテア.(Sar
ucjnalutea)を被検菌とする公知の微生物的
測定法で定量した)。第2表からはロイコマイシンの生
成量はリン酸第三マグネシウムの増加に従つて飛躍的(
最高約900倍)に増大していることがわかる。比較の
ために、培地にリン酸マグネシウムを加えず、その代わ
りに(1)MgSO4・7H20の濃度を0−3%の範
囲で変え、あるいは(2)K2HPO4(3量)とKH
2PO4(1量)との混合物の濃度をO−3%の範囲で
変えて、上記方法と同様にして培養し、ロイコマイシン
生産量に及ぼす影響を調べた。その結果、生産量に対す
るリン酸第三マグネシウムの量の変化の影響は決定的で
あるが、それに比べると、(1)(2)による影響は実
質的に重要でないことがわかつた。次の実験例は、抗生
物質生産用培地中のリン酸第三マグネシウムの含有量が
培養液中のアンモニア態窒素濃度に及ぼす影響を示して
いる。
実験例3 実験例2の菌株をリン酸第三マグネシウムの濃度を1%
とし、その他は実験例2の通りの組成の培地及び実験例
2の組成の培地からリン酸第三マグネシウムを除いた組
成の培地(各々殺菌前PH7.l)を各々10m1を含
む太型試験管に植菌し、27℃で4日間振盪培養した。
このとき培養中のアンモニア態窒素の濃度をジエー●工
ー●ラツセル(J.A.RusseI)らのインドフェ
ノール法〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー(J.BlOl.Chem.)第15時、第45
頂(1944年)〕で経時的に測定し、培養日数との関
係において示せば第3表の通りであつた。第3表から、
リン酸第三マグネシウム添加の培地においては無添加培
地に比べて培養液中のアンモニア態窒素濃度がいずれの
測定時においても低下しているのがわかる。以下実施例
をあけて本発明を説明する。これらは単なる例示であつ
て本発明を限定するものではない。実施例1 菌株としてストレプトマイセス・キタサトエンシス(S
treptOmycesKitasatOensis)
NRRL2486を使用した。
種培地としてグルコース2%、ペプトン0.5%、乾燥
酵母0.3%、肉工キズ0.5%、NaClO.3%、
CacO3O.3%からなる倍地(PH7.O)を使用
した。ストレプトマイセス・キタサトエンシスNRRL
2486菌株を上記の種倍地10m1を含む20×19
0m!nの大きさの太型試験管に植菌し、27含Cで2
日間振盪培養し、次にこの種培養液0.5m1を20×
190Tf$tの大きさの太型試験管中の10mLの次
の組成の醗酵培地に移し、27℃で常法により3日間振
盪培養した。グリセロール2%、大豆粉2%、NaCl
O.3%、Mg3(PO4)2・8H201%、水道水
(PH7.2)このとき培養液中にロイコンマイシン複
合体が1300py1m1(ロイコマイシンA3換算)
生成蓄積一した、対照として上記の培地からMg3(P
O4)2・8H20を除いた組成の培地で同様に培養し
たところ、ロイコマイシン複合体の生成量は113μY
ImL(ロイコマイシン入換算)であつた。
培養液を常法により酢酸エチルで抽出し、酢酸,エチル
層のロイコマイシン複合体の成分を次の通り分析した。
すなわち、酢酸エチル層をメルク社製シリカゲル薄層(
イ).25?、,Ar′T.5723)にスポットし、
ベンゼン/アセトン(1:1)からなる溶媒系で展関し
、ロイコマイシンの成分を分離後、島津社製クロマトス
キヤンナーを用いて232n7TLでクロマト像を測定
した。その結果、Mg3(PO4)2・8H20添加培
地において生成されたものはロイコマイシンA1とA3
が主成分(A1の方がA3より多い)であつたが、他方
無添加培地において生成されたものもロイコマイシンA
1とロイコマイシンA3(ただしA1の方がA3より少
ない)が主成分であつた。実施例2−9 菌株として第4表のものを使用した。
グルコース2%、ペプトン0.5%、乾燥酵母0.3%
、肉工キズ0.5%、NaClO.3%、CacO3O
.3%、Mg3(PO4)2・81(201%または無
添加(PH7.O)の組成の醗酵培地を用いた。グルコ
ース1%、ペプトン0.3%、肉工キズ0.5%、Na
ClO.3%、CacO3O.3%からなる種培地10
11Lを含む太型試験管に第4表記載の抗生物質生産菌
を植菌し、2日間2rcて培養した。
この種培養液0.1m1を上記醗酵培地10m1を含む
太型試験管に植菌し、2rCで3日間振盪培養したとこ
ろ、培養液中に第4表に示す通りに抗生物質が生成蓄積
された。突施例10−12 種菌として第5表に記載の微生物を使用し、醗孝培地と
してグリセリン1%、グルコース0.2¥、大豆粉1%
、NaCIO.3%、Mゐ(PO4)28H20%また
は1%を含む他は実施例1の通りに培養したところ、第
5表に示す通り、抗生物質が生成蓄積された。
実施例13−15 種菌として第6表に記載した菌株を用い、実施例1で用
いた培地を用いる他は実施例1の通りに培養したところ
、第6表に示す通りに抗生物質が生成蓄積した。
実施例16 菌株としてバチルス リケミフオルス (BaclllusljchemjfOrmjs)AT
CCll945を用いた。
ハートインフユージヨン寒天培地に27℃、2日間生育
させた菌株を澱粉1%、ペプトン0.5%、肉工キズ1
%、MnSO4・4H302m91′、Mg3(PO4
)2・511201%からなる培地(PH7.O)10
mtを含む太型試験管(19×200?)に植菌し、2
7℃で2日間培養した。このとき培養液中にバシドラシ
ンが90pg1mt生成蓄積した。同時に実施したMg
3(PO4)2・5H20無添加の培地での生産量は5
0μYlml以下であつた。実施例17菌株としてスト
レプトマイセス●アンボフアシエンス(Stm.amb
Ofaciens)ATCC23877を用いた。
グルコース1%、乾燥酵母1%、NaClO.5%、N
aNO3O.l%、CacO3l%、Mg3(PO4)
2・8H20(1量)とMg(H2PO4)2・3H2
0(1量)との混合物2%からなる醸酵培地(PH6.
2)を用いる他は、実施例1の場合と同様に培養した。
このとき培養液中にスピラマイシンが460μQlml
生成蓄積した。同時に実施したリン酸マグネシウム混合
物無添加の培地での生産量は60μFllmlであつた
。実施例18 種菌としてストレプトマイセス●シラタス(Stm.c
irratus)ATCCl4699を使用した。
オートミール6%、フアーマアメデイア0.4%、Ca
SO42H2OO.l%、CaCl2H2OO.O5%
、ZnSO4・7H300.03%、MgSO4●7H
200.01%、FeSO47H2OO.Ol%、Ca
cO3O.2%、Mg3(PO4)2・■202%から
なる醸酵培地(PH7.5)を用いる他は実施例1の場
合と同様に種菌を4日間培養したところ、培養液中にシ
ラマイシンが22μGlml生成蓄積した。Mg3(P
O4)2・8H20無添加の培地で同時に実施したとこ
ろ、シラマイシンの生産量は5μYlmlであつた。実
施例19−22 種菌として第7表に記載した菌株を使用した。
グリセロール3%、グルコース0.5%、乳酸アンモニ
ウム1%、MgSO47H2OO.l%、K2HPO4
O.Ol% FeSO47H2Olm,IeMnSO4
・7H301mgIe..CaC1。・2H20i,I
′、CuSO4・5H201mg1e.,ZnS04・
7H201m91e1cac030.5%、Mゐ(PO
4)2・8H201%からなる培地を用い、別に対照と
して上記の培地から本発明によるアンモニア態窒素濃度
低下剤を含有しない培地を用いる他、実施例1記載の方
法と同様にして5日間種菌を培養した(殺菌前の培地P
H7.O)。第7表に示すように抗生物質が生産された
。実施例23−34菌株として、ストレプトマイセス・
キタサトエンシス(Stm.kitasatOensi
s)NRRL2486を使用した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 抗生物質生産能力を有する微生物を培養して、抗生
    物質を培養物中に生成蓄積させるための培地において、
    アンモニア態窒素濃度低下能を有する物質を0.2−5
    %(重量/容量)含有する培地。
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US3000792A (en) * 1957-05-21 1961-09-19 Merck & Co Inc Antibiotic adsorption process
JPS5047882A (ja) * 1973-04-13 1975-04-28

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