JPS6040845Y2 - 燃料循環式気化器の始動用燃料補給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料タンクの上部に装着された燃料循環式気
化器の始動用燃料補給装置に関するものである。

燃料タンク内にオーバーフローチャンバーヲ備えた従来
の燃料循環式気化器において、前記気化器を機関に装置
した後、機関を始動する場合、又は、長期間使用してい
なかった機関を始動する場合、或は燃料タンクの底部の
燃料が全部消費された場合、前記気化器のオーバーフロ
ーチャンバー内には機関の運転に必要な燃料が存在して
いないので、機関を運転する準備として少なくともオー
バーフローチャンバー内に燃料を補給する必要がある。

然るに、このような場合は通常リコイルスタータ−を操
作することにより、発生した機関吸入負圧を気化器内に
設けた燃料ポンプに作用させて該ポンプを駆動し、予じ
め燃料タンク内に補給しておいた燃料をオーバーフロー
チャンバー内に汲上げて定油面位まで燃料を満たした後
、機関の始動に移行することになるが、上述のようにリ
コイルスタータ−操作をくりかえし又は継続して行なう
ことは機関始動準備に多くの時間を費したり、無駄な労
力を使用することになる。

本考案は上記欠点に鑑み、オーバーフローチャンバー内
への燃料の補給を容易にすることを目的としてなされた
もので、燃料循環式気化器が燃料タンク上部に装置され
、燃料タンクの内部にオーバーフローチャンバーを形成
したものにおいて燃料タンクの給油口下方の燃料流入路
を、オーバーフローチャンバー内に始動用燃料を導入す
る燃料通路の入口側の燃料案内壁によって、オーバーフ
ローチャンバー側通路部分と燃料タンクの底部側通路部
分とに縦割したことを特徴とする燃料循環式気化器の始
動用燃料補給装置となしたもので、図にもとすいて説明
すれば、１は燃料タンク、２は燃料タンク１又は気化器
３に設けたオーバーフローチャンバー、３ａは気化器本
体、３ｂはポンプカバー、９は吸気路、１０はチョーク
弁、１１はスロットル弁、１２はメインノズル、１３は
メインジェット、１３ａは燃料噴孔筒、１４は気化器本
体３ａとポンプカバー３ｂにより構成している燃料ポン
プ部で、機関運転時に、チェック弁１５及び前記ポンプ
膜１６との相互作用によって燃料吸入管１７から燃料タ
ンク１内の燃料を汲上げ、燃料吐出口１８よりオーバー
フローチャンバー２内に吐出させるようになっている。

一方、オーバーフローチャンバー２の周囲には定油面を
保持するためのオーバーフロ一孔７及び切欠８が形成さ
れている。

又、燃料タンク１又は気化器に設ケタオーバーフローチ
ャンバー２に燃料タンク１の燃料補給時に燃料の一部が
流入するように、燃料タンク１の給油口４の下方の燃料
流入路１ａからオーバーフローチャンバー２内へ接続す
る始動用燃料導入路Ａとしての燃料受け５が燃料タンク
１の内壁に固着されており、その一部には直接、燃料を
燃料タンク内に流入せしめるための孔６が形成されてい
る。

前記の燃料流入路１ａは、始動用燃料導入路Ａの入口側
の燃料案内壁４ａによって、オーバーフローチャンバー
側通路部分４ｂと燃料タンクの底部側通路部分４Ｃとに
縦割されている。

上記のように構成した本考案装置において説明すれば、
機関の運転準備に伴ない燃料タンク１内に燃料を補給す
るに際して該タンク１の給油口４よりの燃料はその一部
が給油口下方の燃料流入路１ａからオーバーフローチャ
ンバー側通路部分４ｂに流入し燃料受け５の孔６を介し
て該タンク１内に流入すると共に残りの燃料は燃料受け
５によって、前記孔６への燃料流とは別の流れとなって
該受け５に案内され、オーバーフローチャンバー２内に
流入する。

しかして、オーバーフローチャンバー２内の燃料油面位
が上昇し、規定油面位に達すると該チャンバー２内の余
剰燃料はオーバーフローチャンバー２に形成されたオー
バーフロ一孔７あるいは切欠８よりあふれて燃料タンク
１内に流入する。

さらに燃料タンク１の底部１ｂ内へ燃料を給油するとき
は、燃料タンクの底部側通路部分４ｃから直接燃料を流
入せしめるようにすると燃料受け５から跳返ったり、逆
流して燃料タンク１外部に流出することもなく多量の燃
料を迅速に給油できる。

本考案は、以上のような構成により従来の前記燃料循環
式気化器のように機関の始動時にオーバーフローチャン
バー２内の始動油面位を形成するための作動手段を必要
とせず、又、余分な始動操作時間を浪費することなく、
極めて簡単な装置によりオーバーフローチャンバー内へ
の燃料の補給が容易になり機関の始動準備を迅速に整え
ることができるので、機関始動時に要する時間及び労力
を大幅に低減できる。

又、次のように始動用燃料導入路Ａの種々の変形が考慮
される。

即ち、前記気化器の始動用燃料補給装置において、始動
用燃料導入路Ａを燃料受け５として、燃料タンク１の給
油口４の直下をカバーするように位置させた場合には、
前記給油口部４よりの燃料が始動用燃料導入路Ａからオ
ーバーフローチャンバー２への導入量を最小必要量にす
るため、燃料受け５の一部に、前記給油口４より燃料タ
ンク１内部へも燃料が流入するよう孔６を形成したこと
を特徴とし、又、前記気化器の始動用燃料供給装置にお
いて、前記給油口４下部に位置する始動用燃料導入路Ａ
を形成する燃料受け５の一部に前記給油口部４よりの燃
料が始動用燃料導入路Ａからオーバーフローチャンバー
２へ速みやかに導入するよう燃料受け５の側部に直壁５
ａを形成したことを特徴とし、又、前記気化器の始動用
燃料供給装置において、同じく給油口４より燃料タンク
１内部への燃料補給時に燃料受け５からの跳返り又は逆
流を抑止するよう、始動用燃料導入路Ａの一部に凹陥部
を形成したことを特徴とすること、等の種々の変形が考
慮される。

なお燃料案内壁４ａは給油の際、給油管Ｂに対しガイド
の働をなしオーバーフローチャンバーへ燃料の補給を行
なうことができると共に燃料受５の一部により給油管の
進入深さの規制も出来るので給油者は簡単な操作で給油
を適確に完了できる。

又、燃料受５によりオーバーフローチャンバー２内に最
先に充分燃料補給が可能であるから、短時間の機関運転
を行なう必要がある場合には底部１６に余分に燃料補給
することがなく非常に経済的である。

なお、燃料タンク１の給油口４付近に設けられた燃料案
内壁４ａの上端を設置する位置の選択例のひとつとして
オーバーフローチャンバー２のオーバーフロ一孔７又は
切欠８より上方に前記燃料案内壁４ａの上端を位置させ
た場合には燃料タンクへ燃料を補給するに際して給油者
が無意識の内に給油管Ｂ先端を直接タンク底部側通路部
分４Ｃに差し入れるのみの状態で燃料補給を行なった場
合タンク満杯近くにまで給油すると前記オーバーフロ一
孔７又は切欠８よりオーバーフローチャンバー２内に自
然流入する効果を期待できるので燃料循環式気化器を装
着し燃料導入路を形成した燃料タンクにおいて給油の仕
方に制限が加えられることなく給油操作としては給油管
を燃料タンクの給油口４に差し入れるのみの極めて簡単
な操作でよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る燃料循環式気化器の始動用燃料補
給装置の一実施例を示す縦断側面図、第２図は第１図に
おける縦断正面図、第３図は第２図Ｉ−Ｉ’線における
線断面矢視図、第４図は本考案他の実施例の要部のみ拡
大して示す縦断正面図である。 １・・・・・・燃料タンク、２・・・・・・オーバーフ
ローチャンバー、３・・・・・・燃料循環式気化器、４
・・・・・・燃料給油口、５・・・・・・燃料受け、Ａ
・・・・・・始動用燃料導入路。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）燃料タンク上部に装着された燃料循環式気化器の
   オーバーフローチャンバーを燃料タンクの内部に形成し
   たものにおいて、燃料タンクの給油口下方の燃料流入路
   を、前記オーバーフローチャンバー内に始動用燃料を導
   入する燃料通路の入口側の燃料案内壁によって、オーバ
   ーフローチャンバー側通路部分と燃料タンクの底部側通
   路部分とに縦割したことを特徴とする燃料循環式気化器
   の始動用燃料補給装置。
2. （２）燃料循環式気化器の始動用燃料補給装置において
   、始動用燃料導入路の一部に凹陥部を形成したことを特
   徴とする前記実用新案登録請求の範囲第１項記載の燃料
   循環式気化器の始動用燃料補給装置。
3. （３）燃料循環式気化器の始動用燃料補給装置において
   、始動用燃料導入路の一部に孔を形成したことを特徴と
   する前記実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載
   の燃料循環式気化器の始動用燃料補給装置。
4. （４）燃料循環式気化器の始動用燃料補給装置において
   、始動用燃料導入路の側部に直壁を形成したことを特徴
   とする前記実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項又
   は第３項記載の燃料循環式気化器の始動用燃料補給装置
   。