JPS6040795B2 - 炉体曲がり天井部の施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は加熱炉等の工業炉に於いて鉄皮等の外殻がない
曲がり天井部（以下ノ−ズ部という）を施工する方法に
関するものである。

第１図に示す如く、加熱炉等のノーズ部Ｎには従来上枠
を掛けにくい又は不可能という施工上の点から、エアー
ランマー等によるラミング作業によって打ち固めつつ成
形していくプラスチック耐火材により施工されているの
が殆んどであり通例となっていた。

しかるにこの方法は多く人員を必要とし、現場の騒音が
大きいばかりでなく、施工体品質の観点からは完全な一
体化は困難であり、寿命の点からもキャスタブル耐火材
による施工の要求が高まっていた。しかし鉄皮がないノ
ーズ部では上枠及び下枠の型枠をセットすることにより
はじめて流し込み施工が可能となる。

しかしながら炉の構造上その上部には、第２図に示すよ
うに空冷用パイプ２０、炉体構造用部材２１、天井懸吊
用部材１、デッキ２２、バーナー２３等が密に配置され
、狭い上にキャスタブル耐火材保持用ハンガー煉瓦５等
が存在する為、上枠のセットが非常に困難であり、流し
込み施工は不可能とされていた。又、仮に前記の空冷用
パイプ２０炉体構造用部材２１天井懸吊部村１等を取付
ける前に、上枠をセットし施工したとしても将来のメン
テナンスが不可能であり、又工事も繁雑になり、工程に
も支障を来たす為、事実上不可能であった。そこで本発
明は鉄皮等外殻がないノーズ部のキヤスタブル耐火材の
施工に於いて、キャスタブル耐火材の天井懸吊部材から
直接或いはこれを利用して間接的に上枠固定用部村を固
着し、該上枠固定用部材に上枠を炉内側よりセットする
ことにより、従来不可能とされていた部分の工事を可能
とする施工法を提供しようとするものである。

本発明による施工方法の一笑族例を第３図〜第９図に基
づいて説明する。例えば、加熱炉等のノーズ部の天井懸
吊部村（日型鋼等）１に枠固定ボルト支持用部村（フラ
ットバー等）２を溶接又は熱膨張等により拘束構造をと
れない場合は、枠固定ボルト支持用部村２の片端に最穴
を開け天井懸吊部材１には目板を取付けボルト、ナット
で接続する方法がある。この枠固定ボルト支持用部材２
には事前に枠固定上部ボルト３を溶接等により取付けて
おいた方が良い。この方法は天井懸吊部材１に間接的に
枠固定上部ボルト３を固着する方法であるが、枠固定上
部ボルト３を直接天井藤吊部材１等に固着しても良い。
次に天井懸吊部材１よりハンガー煉瓦吊り金具４を用い
てハンガー煉瓦５を吊り下げる。

（ハンガー煉瓦５の凹凸は上枠６と下枠７との間に形成
される空間８に充填されるキヤスタブル耐火材を保持す
るためのものである。）次に、ハンガー煉瓦５の肩部９
に事前にハンガー煉瓦５の配置に合わせ凹凸部を設けた
上枠６を炉内側よりセットする。該上枠６の一枚の長さ
は４〜５枚のハンガ−煉瓦５に跨がる程度に分割した方
が良い。本実施例では上枠６を炉幅方向にセットしてい
るが、炉長方向にもセットする事が出来る。この場合上
枠６に薄い鉄板等を使用する場合は、セット時にノーズ
部の曲率に合わせれば良いし、事前に曲げ加工した曲が
り上枠１６を使用しても良い。又、凹凸部を設けない平
型上枠１７を井字状にセットして施工する事も出来る。

この場合も、炉長方向の平型上枠１７に薄い鉄板等を使
用する場合は、セット時にノーズ部の曲率に合わせれば
良いし、事前に曲げ加工した曲がり平板上枠１７ａ′を
使用しても良い。型枠の継ぎ目’８は、突合せ又、重ね
合せでも良く、継ぎ目１８には粘着テープ等を鮎るとキ
ャスタブル耐火材の漏れ防止に良い。ハンガー煉瓦に肩
部９がない場合には、上枠６が掛かる様に例えば木材又
は番線等による適当な保持部材１０をハンガー煉瓦に取
り付ける等の方法によれば良い。

即ち、上枠６の重量はハンガー煉瓦５の肩部９又は第６
図で示す保持部材１０により支持されている。

次に上枠６を貫通して枠固定下部ボルト１１を接続する
。この接続方法には例えば、枠固定上部ボルト３の先端
３ａをネジ加工しておき、枠固定ボルト接続用の最尺ナ
ット１２を先端３ａに長尺ナット１２のほぼ中間までネ
ジ込み同じくネジ加工された枠固定下部ボルト１ １の
上端１ １ａを、長尺ナット１２のほぼ中間までネジ込
む事により接続する方法等がある。上枠６のキャスタブ
ル耐火材流し込み時の押し上げに対する防止法には、例
えば最尺ナット１２と上枠６との間に上板押え板１３を
挟む方法がある。

上枠６はキャスタブル流し込み後も放置する為、操業時
の熱膨脹を拘束しない様上枠押え板１３は操業時にキャ
スタブル耐火材の背面温度で焼却する材質（発泡スチロ
ール等）が良い。この様に枠固定上部ボルト３、ハンガ
ー煉瓦５、上枠６、枠固定下部ボルト１１を順次ノーズ
部の下部から上部へとセットした後、枠固定下部ボルト
１１のネジ加工された下端１１ｂを利用して、下枠７を
下方よりセットする。通常、下枠Ｔはナット１４を調整
する事によりハンガー煉瓦５の下面に密着してセットす
る。下枠７の固定には、本実施例の如く、枠固定下部ボ
ルト１１による方法の外に下枠７の下方から支持部材２
４等により支持する方法がある。

この場合は枠固定下部ボルト１１は不要又は使用本数を
減らすことが出来る。この様にしてハンガー煉瓦５、上
枠６、下枠７の固定が完了した後、ノ−ズ部上部閉口部
よりキャスタブル耐火材を流し込む。

この時、ポンプ施工等の機械化を図れば更に有効である
。該キャスタブル耐火材に応じた適切な養生期間（通常
２４時間〜４織時間）を置いて脱砕する。

この手順は、先ず下方のナット１４、ヮッシャ１５を外
し、下枠７を外す。その後枠固定下部ボルト１−１を下
方に抜き取る。枠固定ボルト支持用部材２、枠固定上部
ボルト３、枠固定ボルト接続用の長尺ナット１２及び上
枠６は放置し、メンテナンス時に再使用可能である。尚
、枠固定下部ボルト１１を抜き去った後の穴には、セラ
ミックファイバー又はモルタル等の不定形耐火材を充填
するだけで充分である。

これでノーズ部の施工は完了する。

この様にして鉄皮がないノーズ天井に於いて従来不可能
とされていたキャスタプル耐火材の流し込み施工が可能
となり、しかも容易に確実に実施でき所期の目的を達成
することができる。

即ち、本発明によればノーズ部の曲率サイズの大小の如
何に制限されることなく特に枠鶴作業等の訓練も必要と
せずに極めて容易に流し込み施工が可能となったことか
ら、従来のプラスチック耐火材に比し、完全一体化、高
密度充填等により施工品質が向上（炉命延長）し、しか
もメンテナンスも可能となるなどその効果は顕著である
。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る一施工方法を説明する為の図であり
、第１図は加熱炉の全体断面図、第２図はノーズ部の断
面図、第３図は、炉長方向断面図、第４図はハンガー煉
瓦部分の詳細を示す第３図Ａ−Ａ断面図、第５図は上枠
直上部を示す第３図Ｂ−Ｂ断面図、第６図はハンガー煉
瓦に保持部材を取付けた状態図、第７図は平型上枠を井
字状にセットした状態を示す上枠直上部の平面図、第８
図は曲がり上枠の単品図、第９図は曲がり平型上枠の単
品図である。 １・・・・・・天井懸吊部材、２・・・・・・・・・枠
固定ボルト支持部材、３・・・・・・枠固定上部ボルト
、４…・・・ハンガー煉瓦吊り金具、５…・・・ハンガ
ー煉瓦、６・・・・・・上枠、７・・・・・・下枠、１
１・・・・・・枠固定下部ボルト、１３・・・・・・上
枠押え板。 第１図 第２図 第６図 第８図 第３図 第４図 第９図 第５図 第？図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉体の上方から下方へ向け彎曲あるいは屈曲状態に
   配置した天井懸吊部材１に沿つて、所定間隔において複
   数個のハンガー煉瓦５と、該ハンガー煉瓦５の隣設問に
   、上枠板抑え部材３を配置し、ハンガー煉瓦５と上枠板
   抑え部材３を前記天井懸吊部材１に懸装すると共に炉体
   内部より上枠板６をハンガー煉瓦５の隣設間で、かつ上
   枠板抑え部材３の下端に位置するように敷設し、上枠板
   ６を上枠板抑え部材３に連設し彎曲上枠を形成すると共
   にハンガー煉瓦５の下方側に上枠板６で形成する彎曲面
   に沿うように下枠板７を配設し、下枠板７と上枠板６と
   の対面間に、キヤスタブル耐火材を流し込んで炉体の曲
   がり天井部の施工を可能とする炉体曲がり天井部の施工
   方法。