JPS6040539B2 - 吸水性繊維構造物の製造方法 - Google Patents

吸水性繊維構造物の製造方法

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JPS6040539B2
JPS6040539B2 JP56078350A JP7835081A JPS6040539B2 JP S6040539 B2 JPS6040539 B2 JP S6040539B2 JP 56078350 A JP56078350 A JP 56078350A JP 7835081 A JP7835081 A JP 7835081A JP S6040539 B2 JPS6040539 B2 JP S6040539B2
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fiber
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water
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雅男 松井
信雄 伊沢
種男 岡本
勉 成瀬
孝夫 長川
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Kanebo Ltd
Kanebo Gohsen Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は吸水性繊維構造物の製造方法に関する。
合成繊維などの人造繊維は吸水性に乏しくその改良が望
まれている。
人造繊維に吸水性を与えるために、多孔質繊維や凹部を
有するものが数多〈提案されている。しかしながら、多
孔質繊維は製造もかなり困難な上に、得られる繊維の強
度、伸度などが不充分で、しかも光の乱反射のため、透
明性や染色の鮮明さに欠けるという欠点を有する。一方
凹部を有する繊維は、例えば特開昭54一138617
号公報や、同55−122074号公報などに提案され
ているが、この凹部の形を制御しながら均一な繊維を安
定に紙糸することは、かなり困難である。
特に開口部の大きさは吸水性(保水性)に重要な因子で
あるが、それを一定に保持することは極めて困難である
。すなわち関口部が狭いほど保水性が良い訳であるが、
それを狭くしようとするとポリマーが接着閉口し、保水
性が矢なわれる傾向があり、閉じる危険を少なくすると
広く開□し保水性が低くなる。更に、上記の凹部を有す
る繊維は大きな外力、例えば加撚や仮撚によって凹部が
変形、圧縮され凹部の内容積が縮小したり逆に閥口して
、保水性が大中に低下し、多くの場合実質上失なわれる
という欠点を有する。
本発明者等は、これらの従釆の吸水性人造繊維の欠点を
改良すべく研究を進め、優れた新規な吸水性繊維すなわ
ち中空部を有し、該中空部がクラックによって繊維側面
に閉口している人造繊維及びその製造法を、特願昭55
一55616号(特関昭56−154512号)公報に
おいて提案した。
ここでクラックとは、繊維の紙出時には存在せず、紙出
より後で各種の歪により発生する繊維の長さ方向の亀裂
(縦割れ)である。このクラツクは、例えばポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと記す)を難に、変性P
ETすなわちPETに少量(50%以下、特に30%以
下)の第3成分を共重合したり混合したポリエステルを
芯とする芯鞘複合繊維を仮燃することにより、鞘部分に
発現させることが出来る。鞘にクラックを生じた上記複
合繊維は、クラツクを通して例えば熱アルカリ水溶液に
より芯部の変性PETを分解し抽出除去することが出来
、クラックによって側面に開口する中空部を有する吸水
性に優れた繊維(以下亀裂中空繊維と記す)が得られる
。上記方法によって得られる亀裂中空繊維は、厚繊維の
芯鞘複合比を変えることにより、任意に中空率を調節す
ることが出来、また複合形状(芯の形、複合比率、など
)仮撚条件(温度、フイード率、撚数)を変えることに
よりクラックの数や大きさ、連続性(又は断続性)など
を制御することが出来る。
更に芯部の分解抽出量をも必要があれば調節することが
出来、目的に応じた各種のものを得ることが出来る。す
なわち亀裂中空繊維は、その吸水性を自由に制御出来る
というすぐれた特徴を有している。更に亀裂中空繊維は
、開口部がクラックであるためにその中が極めて狭く、
例えば中が1仏の以下のものも容易に得られ、その保水
性が極めて高いという特長を有する。
本発明者等は、更に研究を続行した結果、上記芯鞘複合
繊維の鞘のクラックを、加撚や仮撚以外にも熔融級糸時
の冷却及び変形(紬化)による歪や、延伸工程における
歪によっても発現及び成長することを見出した。
従って亀裂中空繊維は、仮撚工程を経た巻縮糸、仮撚工
程を経ない非巻緒糸及び仮撚以外の方法(例えばスタフ
ィング法)による巻縦糸など、あらゆる種類のものが得
られるに到つた。上述のように、亀裂中空繊維は、中空
部の大きさや形を任意に変え得、クラックの大きさや数
も制御可能であり、しかもクラックが狭い(関口率が低
い)ために極めて保水性にすぐれているという長所を有
しているが、逆に軟らかく腰が弱い、嵩高性が小さい、
しわになり易い、乾燥速度が遅い、などという欠点が見
出された。
本発明者等は上記欠点の改良につき鋭意研究し亀裂中空
繊維と、他の繊維とを混用して繊維構造物を製造するこ
とにより、上記欠点が解消されるだけではなく、柔軟で
優れた触感、複雑で天然繊維に似た外観、色彩、風合し
、、そしてすぐれた吸水性及び速乾性などを有する新し
い優れた繊維製品が得られることを見出し本発明を完成
した。
本発明はポリエステル、ポリアミド及びポリオレフィン
からなる群より選ばれれ少なくとも1種の繊維形成性ポ
リマーよりなり、且つ少なくとも1個の中空部を有し、
該中空部が縦方向のクラックによって繊維側面に開□し
てなる中空繊維を少なくとも1の重量%含有する吸水性
繊維構造物を対象とするものであり、本発明方法はポリ
エステル、ボリアミド及びポリオレフインからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の繊維形成性ポリマー(鞘部
)と、それと溶解性又は分解性の異なるポリマー(芯部
)とを芯−鞘型に榎合紡出後、物理的又は化学的手段に
より鞘の縦方向にクラックを生ぜしめて得た複合繊維と
他の繊維とを混合して繊維構造物を形成した後、該繊維
構造物を溶剤又は分解剤で処理して、前記複合繊維の芯
の少なくとも1部を抽出除去することを特徴とする。本
発明の繊維製品の特徴は、クラックによって関口する中
空部を有する繊維すなわち亀裂中空糸が混用されている
点にある。第1図〜第7図は本発明に好適な亀裂中空繊
維の具体例を示す横断面図である。図において1は繊維
形成性ポリマーであり、2は中空部であり、3はクラツ
クである。第1図は同D円型、第2図は偏心型、第3図
は中空部の中に島状にポリマー1′が残存する例である
が、ポリマー1′はポリマー1と同じでもよく別のもの
でもよい。第4図〜第5図は凹凸に富んだ中空部の例、
第6図は複数の中空部の例、第7図は仮撚によって得ら
れる歪んだ断面の例である。中空部の数は単数でも複数
でもよいが、あまり多いものは製造が困難であり、光の
散乱のため染色時の色の深さが失なわれるので、1〜I
N圏、特に1〜4個程度が好ましい。第8図は中空率及
び関口率を定める方法を示す説明図である。
中空率は繊維の(中空部を含む)全横断面積に対する中
空部の横断面積の比率%で示す。繊維の全横断面積は、
閉口部に外接する直線4と繊維の外側の輪郭線5で囲ま
れる面積とする。中空部2の面積は直線4と繊維の内側
の輪郭線6で囲まれる面積とする。但し第3図のように
中空部2の中に島1′がある場合は、島の面積を中空部
の面積から除外する。関口部(クラック)3の開□率は
、直線4及び繊維の外側輪郭線5の全長に対する、最小
開□中Xの比率(%)で示す。
中空率が大きく、開□率が小さいほど繊維の保水性が大
きい。第13図は亀裂中空繊維の中空率と保水率との関
係の具体例を示す。
保水率は試料(編織物など)を100に(G=重力加速
度)の遠心力で、遠心脱水した時の単位重量の繊維が保
持する水の重量(%)で示す。中空率が50%で、繊維
の比重が10のとき、中空部の水が完全に保持されれば
保水率は100%と計算されるが、実際は繊維の比重が
1以上であり、閉口部から水が矢なわれるので第13図
のような結果が得られる。図において直線8は繊維形成
性ポリマーがPET(比重約1.4)で閉口率が0.1
〜3%程度の場合の平均的な関係を示し、斜線はバラッ
キ範囲を示す。第15図は亀裂中空繊維の中空率と、そ
れから得られる製品(編物)の水の吸上高さ(バィレツ
ク法、5分後)の関係の具体例を示す。
図において、曲線11は繊維形成ポリマーがPETで仮
撚によってクラックが発生及び成長した場合(巻縮糸)
であり、曲線12は紡糸後の冷却、延伸及び膨潤によっ
てクラックが発生及び成長した場合(非巻縮糸)の例で
あり、斜線はバラッキ範囲を示す。第15図から明らか
のように、仮撚法による巻縮糸の方が一般に、非巻線の
亀裂中空繊維よりも吸上速度は大きい。
しかしながら非巻縦糸でも通常のPET繊維の吸上高が
o〜1仇肋/風inに較べて非常に改善されていること
は明らかである。図は、試料(編物)を通常の洗濯及び
すすぎ洗いをした場合の例であって、微量の洗剤が特に
中空部に吸着されて残留しているために吸水(拡散)効
果が大きくなっているものである。第15図から明らか
なように、水の吸上、拡散、移動に関しては、中空率が
3%程度から効果が認められ、5%以上でかなり顕著で
あり、10%以上では極めて顕著である。第13図及び
第15図から明らかのように、中空率は5%以上、特に
10%以上が有効であり、通常15〜75%程度のもの
が最もよく利用される。
中空率が大きすぎると繊維の強度が低下したり、変形し
易くなり中空率の保持が困難になる傾向があるからであ
る。閉口率が大きいと中空部の保水力が低下するので、
関口率は7.5%以下、特に5%以下が好適であり、3
%以下が最も好ましい。
閉口部がクラック(縦割れ)よりなる場合は、関口中×
を3Am以下、特に2ム肌〜0.01仏m程度とするこ
とは容易であり、同機に開□率を5%以下、特に3%程
度以下にすることも容易である。第1図〜第7図は開口
率が0.5〜3%程度の例であり、第8図は約5%の例
である。勿論関口中Xは、外力が加わると変化するので
、固定的なものではないが、最終的な製品の中の平均的
な開□率を上記範囲になるように配慮することが好まし
い。亀裂中空繊維の中空部と閉口部(クラック)は繊維
の長さ方向に連続的でもよく断続的でもよい。
勿論中空部があまり短かし、と、繊維の長さ方向への水
の移動拡散性が低下するから、その長さは1側以上、特
に3側以上であることが好ましい。通常のものは5肌以
上であり、多くの場合10側以上である。従って断続的
な場合もその間隔や周期は5〜50仇肋程度である。し
かしながらこのような断続的な亀裂中空繊維は(他の方
法では得ることが困難である)、長さ方向に変化する天
然繊維又は紡績糸風の複雑高度な外観、触感が得られる
という特色を有する。クラックは勿論縦方向のものでな
くてはならない。横割れは繊維の強度を甚しく低下させ
るので、ほとんど実用性がない。亀裂中空繊維を形成す
るポリマーは、ポリエステル、ポリアミド及びポリオレ
フィンが溶融紡糸及び仮撚可能であり、クラック発生の
見地から好適である。
特にクラツク生じ易いものとしては、PET、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾェート
及びそれらを主成分とする変性体(共重合物又は混合物
)などからなる芳香族ポリエステル、ポリプロピレンな
どのポリオレフィンがあげられる。ポリアミドはクラッ
ク発生がやや困難であるが、仮撚法と他の方法を併用す
ることなどでクラック化が可能である。勿論繊維形成性
ポリマーは2種以上混合してよい。亀裂中空繊維を形成
するポリマーは、吸水性の観点からは親水性(水にぬれ
易い)ものが好ましい。すなわちアミノ基「アミド基、
カルボキシル基(金属塩を含む)、水酸基、エーテル結
合などの親水基をもつポリマーや、それらを持つモ/マ
ーを共重合したポリマー又は、それらを持つ物質を混合
したポリマーを利用することができる。例えば親水性改
善物質として、スルホン化スチレン、アクリル酸及びそ
の誘導体、スルホン化イソフタル酸、ポリアルキレンオ
キシドなどを利用する方法がよく知られている。また亀
裂中空糸の表面(内面を含む)に親水性物質の皮膜(特
に樹脂皮膜)を形成することも有用である。しかし本発
明者等は、単なる界面活性剤(洗剤、分散剤、柔軟剤、
浸透剤など)でも、中空部の内面に吸着されると脱落い
こくいこと、特に凹凸に富む第3図〜第5図のような中
空部の内面に吸着されると、通常の家庭での洗濯のすす
ぎ程度では脱落し難く充分に耐洗濯性のある吸水性を示
すことを見出した。この効果は凹凸の数が3以上、特に
4以上で著しい。第3図〜第4図は凹凸の数が4であり
、第5図は12個程度の例である。勿論第5図よりも更
に微細且つ多数の凹凸は更に好適であり、そのようなも
の、例えば凹凸が数十個以上のものも得ることが出来る
。第9図〜第12図は、亀裂中空繊維を製造するに有用
な、鞘にクラックを有する芯鞘複合繊維の横断面の例で
ある。
図において3はクラツクであり7は芯である。芯成分は
溶剤又は分解剤によって溶解又は分解除去され中空部が
形成されるが、芯部への溶剤又は分解剤の侵入及び、溶
解又は分解された芯成分の抽出除去に、クラックが大き
な働きをすることは明らかである。第3図の複合繊維か
らは第1図のような中空繊維が得られ、同様に第10図
〜第12図のものから第2図〜第4図のようなものが夫
々得られる。第5図のようなものは、抽出を中途で中止
して(部分抽出)得ることが出来るが、芯成分として溶
解性又は分解性の異なる2種以上のポリマー等を混合し
たり、団体粒子(例えば酸化チタン、酸化亜鉛、アルミ
ナ、シリカなどの無機物粒子)を混合して部分抽出する
ことにより更に超微細な無数の(条痕状又は網目状)凹
凸を有するものが得られる。勿論第9図〜第12図のよ
うなクラックを有する繊維はそのままで、或いは仮撚法
や押込法等により巻縮を与えた後、芯を抽出することが
出来る。またクラックを有しない芯鞘複合繊維を仮撚に
よってクラックを発生させた後、芯を抽出することが出
来る。第7図は仮撚によってクラツクを発生させた後、
芯を抽出して得た歪んだ形の亀裂繊維中空糸である。亀
裂中空繊維と混合される他の繊維(以下通常繊維と記す
)は特に限定されない。
天然又は人造のあらゆる繊維が利用される。亀裂中空糸
と同じポリマーからなるものでもよく、異種ポリマーで
もよく、2種以上混合してもよい。染色性の異なるもの
を使用すれば特異な外観が得られる。亀裂中空繊維及び
通常繊維の織度は任意に選べる。例えば単糸の太さは通
常1〜3の程度、特に2〜IM程度が多く使用されるが
、ld以下の極細糸も使用し得る。亀裂中空糸の腰が弱
いこと、しわになり易いことなどの欠点は単糸綾度を大
きくすることにより改善されるが、織度を大きくすると
吸水性、保水性が低下する懐向があり、多くの場合1〜
7d、特に2〜母程度のものが好適である。勿論亀裂中
空繊維及び通常繊維の1方又は双方に、織度の異なるも
のを2種以上混合して使用してもよい。亀裂中空繊維と
通常繊維の混合比率は該中空繊維の混合率が1の重量%
以上、好ましくは10〜9の重量%、特に好ましくは2
0〜8の重量%である該中空繊維の混合率が1の重量%
末端では吸水性が不充分である。一般に中空率が大きい
と少ない混合率で充分な吸水性が得られる亀裂中空糸の
中空率(%)と混合率(%)の積が100〜5000の
範囲が好ましく、300〜3000の範囲が最も好まし
い。例えば、中空率30%の亀裂中空繊維を50%混合
した場合はその積は1500であり最も好適な1例であ
る。本発明において繊維構造物とは、糸、紐、編物、織
物、不織布、ウェブ、皮革状物、各種立毛製品及びそれ
らに類似するあらゆる構造物をいう。
これらの構造物は、亀裂中空繊維と通常繊維を混合使用
して製造することも出来る。しかしながら、クラックを
有する鞘と、鞘とは溶解性又は分解性の異なる芯からな
る芯鞘複合繊維と、通常繊維とを混合使用して繊維構造
物とした後に、芯成分をクラックを通して抽出除去し中
空化する方法が最も実用性が高い。亀裂中空繊維は繊維
製品の製造工程を通過することにより、中空率が低下し
たり、損傷することが多いからである。芯鞘複合繊維(
又は亀裂中空繊維)と通常繊維との混合は、ステープル
、連続フィラメント又は糸状で、混線、混紡、同時織糸
、同時延伸、各種涙織、合糸、合撚、交仮滋、交編、交
綴その他あらゆる混合手段を利用し得る。
芯鞘複合糸を使用する場合は、芯の複合比率及び抽出率
を考慮し、最終製品中の亀裂中空繊維の混合率及び中空
率が前述の範囲になるようにする。芯鞘複合繊維の鞘へ
クラックを発生させる方法は、融点、粘度、溶融状態か
ら冷却した時の凝固性、結晶性、硬さ、吸水性、収縮性
、膨潤性、などの各種物性の差があるポリマーを複合繊
糸することにより、熔融織出されたポリマーの冷却(凝
固及び紬化)、加熱、吸水、延伸、加撚、仮撚、及び/
又は膨?閏などの過程において、鞘に歪や応力を発生さ
せる方法が好適である。
この応力又は歪みは局部的に集中させることが好ましく
、鞘の厚みが局部的に薄くなっている第10図や第12
図のような偏心型や非円形芯型(円形芯と非円形鞘の組
合せも同様)等の複合構造がクラツクが発生し易く好ま
しい。芯成分は、上記のようにクラツク発生の見地から
、鞘成分と各種の物性を異にするものが望ましいが、抽
出除去の見地からは、難と溶解又は分解性を異にするこ
と以外は特に限定されない。
除去工程に便利なものとしては、水に溶解(分散も含む
)可能なポリマー、アルカリ水溶液で分解・溶解可能な
ポリマー、酸に溶解可能なポリマー、非水系溶媒で溶解
可能なポリマーなどがあげられ、特に水、アルカリ水溶
液で溶解又は分解可能なものは有利である。水で溶解可
能なポリマーは多数あるが、例えばポリエチレンオキシ
ド、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド共
重合体、それらの譲導体、他の重合体(例えばポリエス
テル又はポリアミド)セグメントとのセグメント共重合
体などのポリアルキレソオキシド系ポリマー、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビスプロポキシヱタンアジパミド、
ポリビスプロポキシピベラジンアジパミドなどの水溶性
ポリアミドなどがあげられる。
アルカリ水溶液で分解・溶解可能なポリマーとしては、
ポリヱチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンオキシベンゾェート等の繊維形成性
ポリエステル及びそれらの英重合体、変性体などがあげ
られる。特に、上記ポリエステルに1〜60%(重量)
程度、好ましくは2〜30%、最も好ましくは5〜20
%のポリアルキレンオキシド類を共重合したもの又は混
合したものは、複合紡糸が容易で、アルカリ水溶液によ
り容易に分解され、且つその物性が他の繊維形成性ポリ
マー例えば未変性のPETとかなり異なるので、紙出後
の冷却紬化、吸水膨潤、延伸、仮燃などの工程において
鞘にクラツクを生ぜしめ易く、更に安価且つ入手容易で
、本発明の目的に最も有利なものの一つである。同機に
、芳香族ポリエステルに対して、低融点(200q0以
下)の脂肪族ポリエステルを5〜50%程度、特に10
〜30%程度混合又は共重合したものも芯成分として極
めて好適である。この目的に使用されるポリエステルと
しては、ポリカプロラクトンなどのポリラクトン類、ポ
リエチレンアジベート、ポリエチレンセバケート、ポリ
ブチレンアジベート、ポリブチレンセバケート、ポリへ
キサメチレンアジベート及びポリへキサメチレンセバケ
ートなどのポリアルキレンアルキレート及びそれらの相
互の共重合体や、他の成分との共重合体などがあげられ
る。酸に溶解可能なポリマーの例としては6ナイロン、
66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、12
ナイロン及びそれらの共重合物などのポリアミドがあげ
られる。非水系溶媒の例としては、トリクレン、パーク
レンなどの塩化物、トルェン、キシレンなどの芳香族化
合物、ジメチルフオルムアミド、アセトン、などがあげ
られ、これらに熔解可能なポリマーの例としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、及びそれらの変性体、誘導
体があげられる。芯鞘複合繊維(又は亀裂中空繊維)と
通常繊維は、夫々巻額してし、てもよく、巻縮していな
くてもよい。
巻縮性の異なる2種以上の繊維を使用して複雑な製品を
得ることが出来る。また製品の中の両繊維の長さは同じ
でもよく、一方が他方より長くてもよい。長さの異なる
場合はより複雑な製品が得られる。例えば両者を合糸す
る場合に、その供給速度に適度の差をつけることにより
、複雑な糸が得られる。例えば、巻緒を有する芯鞘複合
繊維又は亀裂中空繊維が巻縮を有しない通常繊維の外側
を被覆するような糸を得ることが出来、その糸を用いて
表面に亀裂中空繊維が多く存在する繊維構造物が得られ
る。更に、芯鞘複合繊維(又は亀裂中空繊維)と通常繊
維が、熱又は膨潤剤による収縮性の異なる場合、それを
利用して繊維構造物の中で両繊維の長さを変えることが
出来る。すなわち適当な加熱(湿熱又は乾熱)又は膨渡
処理により両繊維を異なる収縮率で収縮させることが出
来る。例えばポリエステルの中空繊維と、ポリアミドの
通常繊維をペンジルァルコールと水の混合液で処理する
ことにより、ポリアミドを強く収縮させることが出来る
。第14図は長さの異なる2種の繊維が混合された糸の
側面図の例で、長い繊維9が短かし、繊維10の外側を
被覆している。亀裂中空繊維が表面に多く現れている繊
維構造物は、吸水性、特に水の浸透拡散性及び速磁性に
すぐれ、且つ柔軟な触感で極めて好ましい。一方通常糸
がより多く1方の面(表と記す)にあり、亀裂中空繊維
がより多く内部又は他方の面(裏面と託す)にある構造
物は、ぬれて内部又は、裏面に多量の水を含んだ時にも
、表面が乾いた触感を与えるので肌に触れる部分などに
好ましい。
トリコットのフロント、ミドル、バックなどの糸を、亀
裂中空繊維と通常繊維を細合せて、例えばバックのみ、
ミドルのみ又はフロントのみを中空繊維としたり、フロ
ントとバックの双方を亀裂中空繊維としたり、その混合
率を適宜変えることが出来る。同様に両面又は3段編物
の表面、内部、裏面用の糸に亀裂中空繊維と通常繊維と
を夫々使用率(混合率)を変えながら、組合せてすぐれ
た製品を得ることが出来る。例えばスポーツウェア等で
、肌に触れる裏面は亀裂中空繊維の中空率(%)と混用
率(%)の積を100〜3000程度、表面はその積を
600〜6000とし、且つ両者の差を500以上、特
に1000以上とすることにより、多量に発汗しても裏
面は乾いた肌触りを有し、汗は表面へ早く移動吸収され
ると共に速やかに蒸発乾燥され、しかも外観及び触感が
柔らかく優れた製品が得られる。同様に織物においても
、経糸がより多く表面に現れる綾織物、朱子織物などに
おいて、亀裂中空繊維と通常繊維を適宜組合せることが
出来る。同様にループパイル又はカットパイルを有する
パイル製品(立毛製品)においても、パイル成分と他の
部分を亀裂中空繊維を多く含むものと、通常糸を多く含
むものとを、適宜組合せることが出来る。例えばループ
パイプを有するタオルにおいて、パイルを亀裂中空繊維
の中空率(%)と混用率(%)の積を600〜6000
とすることにより、吸水性及び柔軟な触感に優れるタオ
ル製品が得られる。
以上のべたように、亀裂中空繊維を繊維製品の全部分に
均一な混合率で使用することも可能であるが、繊維製品
の部分によってその混合率や吸水能力を変えることが好
ましい場合が多い。編織物、パイル製品などにおいて、
表面内部、裏面の3つの部分を夫々構成する繊維の、亀
裂中空糸の混合率(%)とその中空率(%)との積が上
記3つの部分の中で少なくとも1つが他と異なることが
好ましい。上記混合率(%)の積に差を設ける場合、そ
の差は100以上、特に500以上が好ましく、100
0以上が最も効果的である。芯鞘複合繊維と通常繊維と
の合糸、混織は通常の方法で行なうことも出釆るが、両
者を同一の紡糸口金から同時に紡出し1つの糸として巻
取ることも出来る。
またクラックの発生し易い複合構造のものと、クラック
の発生し難い構造のものを同一の級糸口金から紡出する
ことが出来る。第15図はこの上記2種の複合構造のも
のを同一の級糸口金かち得た例で、芯が複合比50%で
鍵穴型のものと、芯が複合比5%で円形のものからなっ
ている。
鍵穴型の芯がすべて抽出除去されると、糸全体の(平均
の)中空率は25%となる。芯としてポリアルキレソオ
キシド、特にポリエチレンオキシド成分を多量に含むポ
リマーを用いた場合クラックからの芯の抽出が容易であ
ることの他に、残留する芯成分(第15図では円形芯)
により繊維は制電性を示し、これを用いた繊維構造物は
制電性を有するので特に有用である。このような制電性
を有する芯ポリマーとしては、ポリアルキレンオキシド
、ポリアルキレンオキシド成分を混合又は共重合したポ
リエステル、ポリアミド及びポリオレフイン系ポリマー
、などがあげられる。これらのポリマーとポリアルキレ
ンオキシドとの混合は、通常の粒状(ヱマルジョン状)
又は針状でもよく、又本発明者等が特公昭47一155
33号公報、同47−49766号公報で開示したよう
な多層混合すなわち長さ方向に実質的に連続する多数の
層からなる混合でもよい。制電性の見地及び芯を部分抽
出して凹凸に富む中空部を得る目的のためには多層混合
が優れている。鞘にクラックを有する芯鞘複合繊維と、
通常繊維とが混用された繊維構造物から、クラックを通
じて芯成分を除去することは容易である。
すなわち該芯成分を溶解又は分解するが、鞘及び通常繊
維は実質上に損傷しないような溶剤又は分解剤溶液及び
抽出温度、時間等を選択することは容易である。例えば
鞘及び通常繊維がポリエステルで芯がポリアミドの場合
、ポリアミドを常温の蟻酸で溶解抽出することが出来る
。ポリエステルが芯の場合は強アルカリ、例えば苛性ソ
ーダの1〜10%の水溶液で50〜100午○、10〜
120分間程度処理することにより、ポリエステルを分
解抽出し得る。このような芯の溶解又は分解処理におい
て、クラックの中が狭いので処理液の芯へ浸透が遅く抽
出速度が低い場合がいまいま認められる。本発明者等は
、この問題を繊維構造物をあらかじめ処理液、溶剤又は
膨潤剤を芯に浸透させておく方法、すなわち前処理によ
って解決可能であることを見出した。例えば1%の苛性
ソーダ水溶液で100℃30分間で完全に分解可能な変
性ポリエステルでも、クラックが狭いものでは上記条件
でほとんど芯が抽出されない。しかし上記処理液に常温
で10分間浸潰した後、100oC、30分間の処理で
芯を大部分抽出し得る。このような前処理の効果は、芯
成分への処理剤の浸透、芯成分の膨酒軟化及び芯成分の
膨潤によるクラックの閉口拡大によるものと思われる。
本発明方法で得られる繊維構造物は、すぐれた吸水性を
有しているだけでなく、使用目的に応じてすぐれた嵩高
性、防しわ性、遠乾性、ぬれた時の肌触りの良さ、柔軟
な風合、天然繊維風の外観及び触感等を与えることが出
釆るという大きな特長を有している。
本発明方法で得られる繊維構造物は吸水性を必要とする
用途、例えば、下着、シャツ、スポーツウェア、靴下な
どの衣類、ほうたい、ガーゼ、おしめ、衛生線、などの
医学・衛生用品、ふきん、タオル、シーツ、清掃用品な
どの家庭用品、フェルトベン、吸敬紙などの事務用品及
び各種産業資材などの広範な用途に好適である。
更に、本発明の繊維構造物は、特に親油性ポリマー(例
えばポリオレフイン、芳香族ポリエステルなど)からな
るものは、高い吸油性を示す。この性質を生かして、給
油装置、灯芯、吸油フェンス、油ふきもなどに好適であ
る。本発明方法で得られる繊維構造物の別の特長は、高
い断熱性をもつていることである。
他の方法では非常に困難な高い中空率を有するものを比
較的容易に得られる特色を生かして、防寒衣料、耐熱衣
料、一般衣料、ふとん綿、断熱材などの用途に好適であ
る。同機に本発明に適用する中空繊維は見掛上比重が小
さく軽い。例えば中空率50〜60%のとき、見掛比重
は0.5〜0.7程度となり、各種の用途に好適である
。以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明す
るが、もちろん、本発明はこれに限定されるものではな
い。
実施例において、部または%は、特記しない限り重量比
率を表わす。重合物の溶液粘度(相対粘度と極限粘度)
は、ポリエステルまたはポリェーテルェステルの場合は
、溶媒としてフェノール6部、テトラクロルヱタン4部
の混合物を用い、ナイロンの場合は95%硫酸を溶媒と
し、重合物1タ以下を溶媒100の上に溶解し、オスト
ワルド粘度計で20℃において測定したものである。
吸水性の一つである水の拡散性を示す、「水の吸上高」
はバイレツク法に準じて求めた。
ただし5分後の測定値を示した。また水の保持力を示す
保水率は、ドイツ規格(D瓜)55814に準じ、遠心
力100庇、2び分間脱水後測定した。また、帯電防止
性の尺度となる摩擦帯電圧の測定は次のように行った。
洗剤などによって試料の外部付着物の油剤などを取り除
いて80qoの通風乾燥機で乾燥してから、25qo相
対粘度33%の室内に6時間以上放置したのち、試料を
中12伽、長さ20抑、厚み1肋で中央に直径6仇の円
孔のある金属板ホルダーにはめこみ、同じ大きさの金属
板カバーで押えて固定する。円孔部の試料の下に円孔に
密着するような中央のやや盛上った木材板を当て、上か
ら黒板消し状の摩擦体に羊毛布、綿布、合繊布などを張
ったものを使って、手で軽く12回摩擦し、直ちに金属
板と材料を回転セクター型の静電検出器に約3仇蛇離し
て対置し、帯電圧を測定し、記録する。帯電圧としては
摩擦後6現砂後の測定値を各表に示した。実施例 1 極限粘度0.65のPETで艶消剤として酸化チタン粒
子0.65%を含むものをポリマーPIとする。
分子量3000のポリエチレングリコール(以下PEG
と託す)とPETとを20/80の重量比で共重合した
、相対粘度2.4の変性PETをポリマーP2とする。
ポリマーPIを溶融し、2770、直径0.25肋のオ
リフィスから紡出し、3000の空気流で冷却し、水ェ
マルジョン油剤でオィリングしながら1500の/mi
nの速度で巻取り、90qoの延伸ピン上で3.1倍に
延伸し、16000の熱板に接触させた後巻取って75
デニール/24フィラメントの延伸糸YIOを得た。
糸YIOと同様にして、但し延伸後の熱処理を省略した
ものを糸YIIとする。
糸YIIは沸膨水による収縮率が22%の高収縮糸であ
る。糸YIOの沸水収縮率は7%である。ポリマーPI
及びP2を別々に溶融し、PIを難に、P2を芯にして
同心的に複合繊糸した。
芯の形は長径/短形の比が約10/7の長円とした。両
成分を複合比1/1(体積)で複合し、270午○、直
径0.25側のオリフイスから紙出し、以下YIOと同
様にして紡糸延伸して、120デニール/24フィラメ
ントの延伸糸Y20を得た。Y20の沸水収縮率は8%
である。糸Y20と同機にして得た。但し、芯鞘複合比
が1/2で100デニール/24フィラメントのものを
糸Y21とする。上記糸YI0、Y20,Y21を21
5qo、撚数3500T/Mで仮燃した糸を夫々FI0
,F20,F21とする。これらの糸を縫合せて第1表
に示す9種の3段パイル編物を製造した。なお比較のた
め1部にPETステーブル/線;65/35の混紡糸(
32番手)を使用した。これをE/Cと記す。また糸F
IOとF20とを各1本合糸したものは、FIO/F2
0と記す。同じ糸を合糸したものはFIO×2のように
示す。合糸したものは200T/M加燃して使用した。
第1表 各編物は水酸化ナトリウム1%の水溶液に常温で6時間
浸債(前処理)した後、80qoに昇温して90分間処
理して芯の変性ポリエステルを抽出したし。
この処理で、F20及びF21は芯の約75%が抽出さ
れ、中空率が夫々約37%、25%で、大部分のクラッ
クの長さ1伽以上、中が0.1〜1ムの程度の亀裂中空
糸となる。F21の抽出後の断面の走査電子顕微鏡写真
を第17図に示す。また糸FIOのアルカリによる重量
損失は1%程度である。アルカリ処理後の編物は常法に
より染色乾燥、ヒートセットして仕上げた。KI〜K9
かち得られた製品を夫々KZI〜KZ9と記す。KI〜
K9の各部分に使用された糸の亀裂中空繊維の混用率と
中空率を第2表に示す。第2表 なお綿は中空率約25%の亀裂中空糸に相当する保水率
(40〜60%)、水の吸上高さ(80〜low蚊)を
持っているが、KZIOの欄のカッコ内は線を中空率2
5%とみなして計算した値である。
各編物を洗濯乾燥後、その保水率、水の吸上高さを測定
し、外観及び触感などを評価したし。その結果を第3表
に示す。第 3 表 スポーツウェアなどのように吸汗性が要求される用途に
は、KZ4,KZ7,KZ8〜10などのように、編織
物の1方の面等に中空部が偏って存在するものが好まし
い。
多くの場合、中空部の多い部分が表面(外気に接する蒸
発面)にあることが吸汗及び遠乾性の点で好ましいが、
逆に裏面(肌に接する面)に中空部が多いものが有用な
場合がある。(例えば吸汗よりも保温が重要なとき)。
いずれにせよ中空部の分布を用途に応じて適度に偏らせ
ることにより、すぐれた製品が得られることが多い。実
施例 2 分子量8500のPEG85部、ビスヒドロキシェチル
テレフタレート12部、ピスヒドロキシエチルスルホィ
ソフタレート(ナトリウム塩)3部を3酸化アンチモン
を触媒として24500で減圧、縄拝重合して得た相対
粘度3.2のPEG誘導体をポリマーP3とする。
実施例1のポリマーPIと上記ポリマーP3とを別々に
溶融し、静止型混合器により、体積比85/15で、多
層化混合したものを芯に、ポリマーPIを鞘に、複合紡
糸した。
多層化混合した紡糸材と他の紡糸材との複合肋糸につい
ては、本発明者等が特公昭46−3808号において詳
細に説明ている。用いた多層化混合器は、本発明者等が
特開昭54−108063号に開示した。鍵穴型素子を
1針固直列に接続したものである。同様な目的に使用可
能な多屑化混合器としては、本発明者等が袴公昭47一
15528号、同47一15533号等で開示した流路
網型、同じく特公昭47一15526号、同47−15
527号等で開示した液留とそれを結合する流路群から
なるもの、及び特関昭47一34166号で開示されて
いるねじり板を組合せたケニツクス型などがあげられる
。芯と鞘の複合は第16図のようにした。
すなわち、芯が鍵穴型で芯鞘複合比が2/3(体積比)
のフィラメント7本と、芯が円形で複合比が1/10の
フィラメント7本とを同一口金から紡出して一束に巻取
った。紙糸オリフィスの直径0.25肌、温度270o
o、冷却空気の温度1000、オィリング時の水の付着
量約8%、巻取速度800m/minである。得られた
未延伸糸を90qoの延伸ピン上で3.9倍に延伸し、
16000の熱板に接触させて巻取り、45デニール/
14フィラメントの延伸糸Y30を得た。糸Y30の鍵
穴型の芯を有するフィラメントは、鞘に長さが1伽以上
、中が0.01〜0.1ム肌程度(極めて細く正確な測
定は困難)のクラックを有している。一方通常の方法に
よって得た、30デニール/12フィラメントのPET
延伸糸を糸Y40とし、30デニール/6フィラメント
のナイロン6延伸糸Y50とする。
上記Y30,Y40,Y50をフロント及びバック用に
種々組合せて第4表のようなトリコット(ハーフ)を編
んだ。第4表 各編物は水酸化ナトリウム1%の水溶液に常温で2岬寺
間浸潰した後8000で90分間処理し、芯の変性ポリ
エステルを抽出したし。
この処理でY30の中の鍵穴型の芯は約85%抽出され
(円形芯は全く抽出されない)、亀裂中空糸化する糸Y
30の亀裂中空繊維の混合率は40%、中空率は34%
である。編物TI〜T7を上記アルカリ処理した後、常
法により染色仕上げしたものを夫々WI〜W7と記す。
各編物のフロント用及びバック用の糸の亀裂中空繊維の
混合率と中空率の積を第5表に示す。‐第 5 表
各編物の保水率、水の吸上高さ、摩擦帯電圧を第6表に
示す。
第6表 本発明のトリコットは吸水性、速乾性、触感(柔らかさ
)及び制電性などが非常にすぐれておりランジェリー、
ファンデーションなどの用途に好適である。
なお本実施例では、亀裂中空繊維と芯に潮電成分を有す
る複合フィラメントとが混織されている例を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明に好適な亀裂中空繊維の横断面
の例である。 第8図は中空率及び関口率を定めるための説明図である
。第9図〜第12図は、難にクラックを有する複合繊維
の横断面図の例であり、第13図は亀裂中空繊維の中空
率と保水率の関係の具体例を示すものである。第14図
は長さの異なるフィラメントが合糸された混織糸の例を
示すものであり、第15図は亀裂中空繊維の中空率と吸
水高さの関係の具体例を示すものである。 第16図はクラツクを発生し易い複合フィラメントと発
生しない複合フィラメントの混織糸の例を示す。第17
図は仮撚によって発生又は成長したクラックから芯を抽
出して中空化した亀裂中空繊維の具体例を示す走査型露
顕写真である。第1図 第2図 第3図 第4図 第5図 第6図 第7図 第8図 第9図 第10図 第11図 第12図 第13図 第14図 第15図 第16図 第17図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエステル、ポリアミド及びポリオレフインから
    なる群より選ばれた少なくとも1種の繊維形成性ポリマ
    ー(鞘部)と、それと溶解性又分解性の異なるポリマー
    (芯部)とを芯−鞘型に複合紡出後、物理的又は化学的
    手段により鞘の縦方向にクラツクを生ぜしめて得た複合
    繊維と他の繊維とを混合して繊維構造物を形成した後、
    該繊維構造物を溶剤又は分解剤で処理して、前記複合繊
    維の芯の少なくとも1部抽出除去することを特徴とする
    吸水性繊維構造物の製造方法。 2 複合繊維の芯が共重合法及び/又は混合法による変
    性ポリエステルである特許請求の範囲第1項記載の方法
    。 3 複合繊維の芯が水溶性又は水分散性のポリマーであ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 物理的又は化学的手段が冷却、加熱、延伸、仮撚、
    吸水又は膨潤である特許請求の範囲第1項記載の方法。
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