JPS6039440B2 - 汚泥の濃縮脱水のための前処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は汚泥の濃縮、脱水のための前処理方法に関する
ものである。

一般に汚泥の処理に際しては、その含水率が非常に高い
ため先ず濃縮し、次に脱水する必要がある。

一般に汚泥濃縮としては凝集槽による自然沈降が利用さ
れるが汚泥中の懸濁粒子の沈降速度が遅いため大きな凝
集槽を必要とし、又この懸濁粒子を凝集させ沈降速度を
早くする方法も提案されているがこの場合でも凝集槽を
必要とし、いずれにしても大きなスペースと設備とを必
要とするものである。又、脱水を行う場合には、その脱
水効率を向上せしめるため前処理として薬品を添加して
いる。然し、この添加薬品が高価で多量に使用するため
運転コストが高くなり、この添加する多量の薬品のため
脱水したケーキの高が大きくなりケーキの処理が困難と
なる。さらに水温の沈降速度に及ぼす影響は非常に大き
く、このため汚泥を高温にして脱水性を向上せしめる方
法も提案されているが、処理水の８０Ｄ，ＣＯＤが高く
なり処理場の負荷を増大させ又加熱のため大きな熱エネ
ルギーを必要としたり、スケールが発生したりし、その
維持が困難である等数々の欠点がある。

本発明は、これに鑑みて薬品や熱を加えることなく、又
大きな凝縮槽を必要とすることなく汚泥を脱水性良好な
フロックに凝縮し、次工程の濃縮、脱水処理を容易なら
しめるようにした汚泥の前処理方法を提案するものであ
る。

以下本発明を実施例に基づいて説明する。

第１図，第２図は実験装置図であって１は所要の周波数
を有する交流電源、２はこの交流電源に接続された磁界
発生装置、３はこの磁界発生装置２内を通って汚泥を汚
泥タンク４より処理済汚泥タンク５へ送泥する送泥管で
ある。

今上記実験装置に於て汚泥タンク４より送泥管３を経て
処理済汚泥タンク５へ送泥すると、この送泥管の途中に
設けた磁界発生装置２により汚泥に適当な周波数の交番
磁界を作用せしめる。

本発明は汚泥中の懸濁物質（汚泥粒子）の構成分子が水
に比べ大分子量で且つ良導体である点に鑑み、これに低
周波の交番磁界を作用させることにより渦電流が発生す
ることを利用するものである。即ち一般に懸濁物質貝０
ちコロイド粒子は負に帯電し（ジータ電位）これにより
粒子間に反発力が発生し凝集を妨げているが、上記渦電
流により粒子間の荷電が中和される。このことは金属製
錬で電解反応により電解液中の特定の金属イオンを酸化
還元することにより特定の原子価に変換し沈澱反応させ
る方法と同一である。（丸善電気化学便覧９９６頁）従
って複雑な性状分の汚泥では部分的ではあるが中和が起
り同時に発熱されるものである。従って前記温度の上昇
と中和作用とが相俊つて粒子の凝集速度が速くなると共
に、粒子間に挟まれる水は押し出されて密度の高い脱水
性良好なフロックが生成される。次に上記装置により行
った実験例を説明する。｛ａ｝ 実験に使用した資料・
・・下水処理装置における最終沈澱池より引抜いた汚泥
‘ｂ｝ 交番電流の印加 コイル巻数・・・６０回 電流値…０。

４泌ｍｐ 周波数…０．５乃至１０ＫＨＺ ｛ｃ｝ 効果の判定方法 処理後メスシリンダにとり３０分間静止させ、上燈液と
沈澱物に分離させる。

上澄液体積 沈澱率＝汚泥し上澄液＋沈澱物Ｘ本積 とし、その測定結果を第４図に示す。

上記は自然沈降による汚泥濃縮効果であるが、図より判
断される如く熱処理の場合に比べ２乃至３倍に達ししか
も印加する交番電流は、特別高周波数とする必要がない
ことが判明した。

上記により得られた汚泥に交番磁界を作用させた場合と
通常の交番磁界を作用させない場合とに於て夫々１分間
２００仇ｐｍにて遠心分離機にかけた結果次の如き差異
が生じた。

磁界を作用させた場合の薬汚澱菱物のの体体蓮貢＝Ｑ５
４沈澱物の体積磁界を作用させない場合の汚泥の体積＝
０．６７本実験により前に述べた交番磁界の働きにより
汚泥の濃縮及び脱水性が改善されることが明らかとなっ
た。

又第３図に示すものは汚泥の前処理を下水処理場にて応
用したる場合の説明図で「該図のＡ〜Ｆの１乃至２個所
以上で本発明の交番磁界を作用せしめるものである。

該図に於て７は汚泥が流入される最初沈澱池、８はェャ
レーションタンク、９は最終沈澱池、１川ま濃縮槽「
１１は消化槽、１２は脱水機を夫々示しェャレーション
タンクと最終沈澱池間で交番磁界を作用せしめると最終
沈澱池での懸濁物の沈降速度を早め最終沈澱池の容積を
減少できる。

又「最終沈澱池汚泥の含水率を低下できる。最終沈澱池
内で処理することにより■と同様の効果が得られる。最
終沈澱池汚泥又は混合汚泥を処理することにより濃縮槽
の容積を減少できる。又濃縮汚泥の含水率を減少するこ
とができる。濃縮槽内で処理することにより◎，■と同
様な効果が得られる。又濃縮汚泥又は消化汚泥を処理す
ることにより薬品添加量の減少がはかれ、又場合によっ
ては薬品添加が不必要となる。又脱水効率が向上する。
而して本発明による時は汚泥を交番磁界内に通過もしく
は一時滞留させて汚泥に渦電流を発生させ懸濁物質に発
熱と、汚泥中の電荷を中和することにより電気的反発力
がなくなることにより凝集性を増しへ密度の高い脱水性
良好なフロック化される故〜次工程の濃縮又は脱水装置
に於て高効率にて処理し得ると共に、薬品添加によるケ
−キの嵩高、加熱蒸発による大なる熱エネルギーの消費
等に比し僅少な電力で済むと共に、ケーキの高も低くて
済む等幾多の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は実験例図、第２図は下水処理場への応用例図、
第３図は第１図による実験装置にて得られた沈澱率と印
加周波数との関係グラフである。 １・・・交流電源、２…磁界発生装置、３・・・送泥管
、４…汚泥タンク、５・・・処理済汚泥タンク、７…最
初沈澱池、８・・・ェャレーションタンク、９・・・最
終沈澱池「 １０…濃縮槽、１１・・・消化槽、１２・
・・脱水機。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 汚泥に所要周波数の交番磁界を作用させ、懸濁粒子
   に対し発熱並びに帯電電位を中和せしめることにより凝
   集性を増加せしめ、高密度の脱水性良好なフロツクに形
   成せしめることを特徴とする汚泥の濃縮、脱水のための
   前処理方法。