JP6846760B2 - 汚泥処理方法及び汚泥処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、汚泥処理方法及び汚泥処理装置に関するものである。特に、本発明は、電磁波を利用した汚泥処理方法及び汚泥処理装置に関するものである。
下水等汚泥処理分野の汚泥処理では、汚泥の脱水のために凝集剤を使用することが一般的である。通常、凝集剤は、汚泥処理装置に備えられる凝集剤溶解槽にて供給水に対して溶解され、その後、凝集槽等にて、汚泥と混合されて凝集汚泥を生成する。凝集剤の溶解には時間を要し、また、容量の大きい凝集剤溶解槽を必要とすることが一般的であった。さらに、凝集剤の使用量を低減することが求められていた。
そこで従来、磁気を利用した汚泥の処理方法が種々検討されてきた。具体的には、細管内を通過する汚泥に対して磁気を照射することを含む汚泥処理方法及び汚泥処理装置が提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。かかる汚泥処理方法及び汚泥処理装置によれば、効率的に汚泥を磁気処理することができ、結果的に、磁気処理工程を経た汚泥を脱水して得られる脱水ケーキの含水率を低減することが可能であった。
特開平1‐194999号公報
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、汚泥の凝集に用いる凝集剤の使用量を十分に低減することができず、また、汚泥の凝集効率にも改善の余地があった。
そこで、本願発明は、汚泥処理に用いる凝集剤の使用量を十分に低減するとともに、高効率で汚泥を凝集可能な、汚泥処理方法及び汚泥処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、供給水に対して電磁波を照射することで、供給水に対する凝集剤の溶解を促進することができることを新たに見出した。さらに、本発明者らは検討を進め、凝集剤を溶解させた供給水と汚泥とを含む流体、及び/又は、原汚泥に対して電磁波を照射することにより汚泥の凝集を促進し得ることも新たに見出した。これらの新たな知見に基づき、本発明者らは本願発明を完成させた。
すなわち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の汚泥処理方法は、供給水に対して凝集剤を溶解させて凝集剤溶解水を得る凝集剤溶解工程と、前記凝集剤溶解水と前記原汚泥とを混合する混合工程と、を含み、前記凝集剤溶解工程が、前記供給水、及び/又は、前記供給水と前記凝集剤とを含む混合液に対して電磁波を照射して、前記凝集剤の溶解を促進することを含み、前記混合工程にて前記凝集剤溶解水及び前記原汚泥の混合物に対して電磁波を照射すること、及び/又は、前記混合工程の前段に前記原汚泥に対して電磁波を照射する原汚泥電磁波照射工程を行うことにより、汚泥の凝集を促進することを含むことを特徴とする。このような本発明による汚泥処理方法では、汚泥処理に用いる凝集剤の使用量を十分に低減するとともに、高効率で汚泥を凝集することができる。
さらに、本発明の汚泥処理方法が、前記原汚泥電磁波照射工程、及び前記混合工程にて前記混合物に対して電磁波を照射することを含むことが好ましい。混合工程に先立って原汚泥電磁波照射工程を実施するとともに、混合工程にて混合物に対して電磁波を照射することで、混合工程における混合を促進するとともに、一層高効率で汚泥を凝集することができる。
さらに、上記課題を有利に解決することができる、本発明の汚泥処理装置は、供給水に対して凝集剤を溶解させて凝集剤溶解水を得る薬品溶解槽と前記凝集剤溶解水と原汚泥とを混合する混合槽と、前記混合槽に対して原汚泥を供給する原汚泥供給ラインとを備える汚泥処理装置であって、前記薬品溶解槽及び/又は該薬品溶解槽に対して供給水を流入させる供給水ラインが供給水用電磁波照射器を有し、前記混合槽が混合物用電磁波照射器を有し、且つ/又は、前記原汚泥供給ラインが原汚泥用電磁波照射器を有する、ことを特徴とする。このような本発明による汚泥処理装置によれば、汚泥処理に用いる凝集剤の使用量を十分に低減するとともに、高効率で汚泥を凝集することができる。
さらに、本発明の汚泥処理装置は、前記混合槽が混合物用電磁波照射器を有するとともに、前記原汚泥供給ラインが原汚泥用電磁波照射器を有することが好ましい。混合槽に流入させる原汚泥に対して原汚泥用電磁波照射器により電磁波照射するとともに、混合槽にて混合物に対して電磁波を照射することで、混合槽での混合を促進するとともに、一層高効率で汚泥を凝集することができる。
本発明の汚泥処理方法又は汚泥処理装置によれば、汚泥処理に用いる凝集剤の使用量を十分に低減するとともに、高効率で汚泥を凝集することができる。
本発明に従う汚泥処理装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。本発明の汚泥処理方法は、特に限定されることなく、例えば、本発明の汚泥処理装置にて好適に実施することができる。また、本発明の汚泥処理装置は、特に限定されることなく、例えば、下水処理場、産業排水処理施設、及び畜産排水処理施設等に設置されうる。本発明の汚泥処理方法及び汚泥処理装置は、下水汚泥の処理に採用された場合に、汚泥処理のための凝集剤の使用量を十分に低減するとともに、高効率で汚泥を凝集することができる。
なお、本発明の汚泥処理装置は、新設してもよいし、既存の設備を改造することにより作製してもよい。中でも、低コストかつ容易に汚泥処理装置を得る観点からは、本発明の汚泥処理装置は、既存の設備に対して後述する電磁波照射器を取り付けることにより作製することが好ましい。
以下、一例として、本発明の汚泥処理装置において本発明の汚泥処理方法を実施するものとして説明するが、本発明の汚泥処理方法は、以下に例示記載するような特定の汚泥処理装置だけではなく、本発明にて規定した各工程を実施することが可能であれば、あらゆる装置構成により、実現することができる。
(汚泥処理装置)
図1は、本発明に従う汚泥処理装置の一例の概略構成を示す図である。図1に示す汚泥処理装置100は、薬品溶解槽10と、混合槽20と、任意の脱水機30とを備えている。さらに、汚泥処理装置100は、薬品溶解槽10に対して供給水を流入させる供給水ライン41に対して取り付けられた供給水ライン用電磁波照射器51、薬品溶解槽10に対して取り付けられた薬品溶解槽用電磁波照射器52、混合槽20に対して取り付けられた混合物用電磁波照射器53を備える。
薬品溶解槽10は、供給水に対して凝集剤を溶解させて凝集剤溶解水を得る。かかる薬品溶解槽10としては、特に限定されることなく、例えば、撹拌翼等の撹拌部材を備える水槽等が挙げられる。供給水としては、特に限定されることなく、井水や下水等に対して高度ろ過処理等を施して得た高度処理水や、雨水等を砂ろ過等して得た雑用水が挙げられる。凝集剤は、例えば、凝集剤タンク11に貯蔵されており、凝集剤供給ライン12を介して薬品溶解槽10に対して供給される。凝集剤供給ライン12は凝集剤を薬品溶解槽10に対して供給可能である構造である限りにおいて特に限定されることなく、例えば、スクリューコンベアを備えてなる。凝集剤としては、特に限定されることなく、カチオン性、アニオン性、若しくは両性の粉末高分子凝集剤;カチオン性、アニオン性、若しくは両性の液体高分子凝集剤;ポリ塩化アルミニウム、及び硫酸アルミニウム等が挙げられる。
そして、上述のように、薬品溶解槽10は、供給水ライン41を経て導入された供給水に対して、凝集剤供給ライン12を経て導入された凝集剤を溶解させる。溶解に際して、汚泥処理装置100は、供給水用電磁波照射器である、供給水ライン用電磁波照射器51及び/又は薬品溶解槽用電磁波照射器52を駆動させて、電磁波照射する。照射する電磁波の周波数は、例えば、1Hz以上4KHz以下でありうる。かかる周波数範囲の電磁波を供給水や供給水と凝集剤との混合物に対して照射することで、供給水のゼータ電位をプラスとすることができる。供給水のゼータ電位をプラスにすることで、供給水に対する凝集剤の溶解を促進することができる。
汚泥処理装置100が供給水ライン用電磁波照射器51を駆動させた場合には、電磁波照射された供給水が薬品溶解槽10内に流入し、薬品溶解槽10内にて、凝集剤が、電磁波照射を経た供給水と混合されることとなる。また、汚泥処理装置100が薬品溶解槽用電磁波照射器52を駆動させた場合には、薬品溶解槽10内において、供給水と凝集剤との混合物又は混合液が電磁波照射を受けることとなる。さらに、供給水ライン用電磁波照射器51及び薬品溶解槽用電磁波照射器52の双方を駆動させた場合には、電磁波照射された供給水が薬品溶解槽10内に流入するとともに、薬品溶解槽10内において供給水と凝集剤との混合物が電磁波照射を受ける。電磁波照射による供給水に対する凝集剤の溶解促進効果は、供給水及び供給水と凝集剤との混合物の少なくとも一方に対して電磁波照射することで得ることができるが、供給水と上記混合物との双方に電磁波照射することで、溶解促進効果を一層高めることができる。
供給水や供給水と凝集剤との混合物に対する電磁波照射により上述したような溶解促進効果が得られる理由は明らかではないが、供給水ライン41又は薬品溶解槽10内の供給水が電磁波に曝されることで、供給水が磁化水となったことに起因すると推察される。磁化水となった供給水は、磁化されていない供給水と比較して、凝集剤の溶解速度が速いと考えられる。このため、短時間で凝集剤溶解水を得ることが可能となると推察される。
薬品溶解槽10内における供給水に対する凝集剤の溶解速度が速ければ、薬品溶解槽10として、従来よりも小型の容量の水槽を採用することができるとともに、薬品溶解槽10における凝集剤溶解工程の所要時間を短縮することができる。このようにして、供給水ライン用電磁波照射器51及び/又は薬品溶解槽用電磁波照射器52を設け、適宜駆動することで、汚泥処理効率を向上させることができる。
さらに、汚泥処理装置100は、凝集剤供給ライン12内の凝集剤に対して電磁波照射する凝集剤用電磁波照射器(図示しない)を有していても良い。凝集剤に対しても電磁波照射することで、薬品溶解槽10内における溶解促進効果を一層高めることができる。この際の電磁波の周波数も上記と同様に、1Hz以上4KHz以下としうる。
図1に示すように、供給水ライン用電磁波照射器51は、電磁波発振部であるコイル511、及び電流発生部である交流電流発生器512により構成される。コイル511は、特に限定されることなく、金属等の一般的なコイル材料よりなるコイルでありうる。そして、交流電流発生器512としては、任意の交流電流発生器を用いることができる。交流電流発生器は、周波数が連続的または間欠的に変化する変調交流電流を発生させるものであってもよいし、単一周波数の(即ち、周波数が時間的に変化しない)交流電流を発生させるものであってもよい。上述したような交流電流発生器としては、特に限定されることなく、例えば、株式会社サイライズ製の「ウォーター・ウォッチャー(登録商標)」などが挙げられる。
そして、コイル511が巻きつけられている供給水ライン41は、汚泥処理装置の配管に用いられうるあらゆる材料により構成されうる。例えば、供給水ライン41は、少なくともコイル511が巻きつけられている領域が、基本的には、低透磁率(例えば、透磁率が70%未満、好ましくは50%以下)の材料、又は非透磁性材料(例えば、塩化ビニール及び一部のステンレス鋼)により構成されうる。例外的に、かかる領域を、高透磁率(例えば、透磁率が70%以上)且つ導電性を有する材料(例えば、鉄、鋳鉄、及び一部のステンレス鋼)により構成することも可能である。この場合は、供給水ライン用電磁波照射器51を駆動して電磁波照射した後、ライン内搬送中に、ライン(配管)の中心軸線付近を流れる供給水と、ライン(配管)の内表面近傍を流れる供給水とが混合される必要がある。これは、高透磁率であるとともに、導電性を有する材料により形成されたライン(配管)に対してコイル511を巻き付けた場合、ライン(配管)内部の中心軸線付近までは電磁波は到達し難いが、ライン(配管)内表面にて表皮効果が生じて、ライン(配管)内表面付近を流れる供給水に対しては電磁波処理効果が発揮される。そして、表皮効果の影響を受けたライン(配管)内表面付近を流れていた供給水とライン(配管)の中心軸線付近を流れていた供給水とを混合することで、ライン(配管)内の供給水全体を十分に電磁波処理することが可能になると推察される。
なお、透磁率はJIS C 2550に従って測定することができる。
薬品溶解槽用電磁波照射器52も、コイル511と同様の材質よりなるコイル521、及び、交流電流発生器512と同様の構成の交流電流発生器522を有する。なお、薬品溶解槽用電磁波照射器52は、薬品溶解槽10内にてコイル521が供給水中に浸漬し、交流電流発生器522が薬品溶解槽10外に配置されてなる、所謂「投げ込み式」の電磁波照射器でありうる。
そして、薬品溶解槽10は、薬品溶解水ライン42を介して混合槽20と連通されている。混合槽20対しては、原汚泥を供給する原汚泥供給ライン44も接続されている。混合槽20は、特に限定されることなく、凝集剤溶解水と原汚泥とを混合することが可能な、撹拌翼等の撹拌部材を備える水槽でありうる。そして、上述したように、混合槽20は混合物用電磁波照射器53を備えていることが好ましい。なお、混合物用電磁波照射器53も、上述した薬品溶解槽用電磁波照射器52と同様に構成されうる。すなわち、混合物用電磁波照射器53は、混合槽20にて混合物中に浸漬配置されたコイル531と、混合槽20外に配置された交流電流発生器532とを有しうる。ここで、電磁波の周波数は、例えば、凝集剤の種類、及び混合槽20内に導入されうる汚泥の性状についてのラボ実験に基づいて決定することができる。
例えば、(1)ゼータ電位がマイナスの成分を増加させる場合には、5KHz以上10KHz以下の電磁波を照射し、(2)ゼータ電位がプラスの成分を増加させる場合には、1Hz以上4KHz以下の電磁波を照射する。例えば、事前のラボ実験により、凝集剤の種類や汚泥の性状の種々の組み合わせについて、上記(1)及び(2)の電磁波をそれぞれ照射した場合の凝集状態についてデータを蓄積しておき、実際に使用予定の凝集剤の種類や、実際の処理対象である汚泥の性状と照合して、凝集を促進するために混合物用電磁波照射器53により照射すべき電磁波の周波数を決定することができる。なお、汚泥の性状は、COD(Chemical oxygen demand)、SV(sludge volume)、TS、DS、MLSS、pH等により表されうる。
このようにして決定された周波数の電磁波を混合物用電磁波照射器53により照射することで、混合槽20内の混合物中の各成分の荷電分布がプラス又はマイナスの何れかに偏っていた場合であっても、不足分の荷電を補うことができる。これは、混合物用電磁波照射器53による電磁波照射により、混合物中に含まれる成分のうち、ゼータ電位がプラスの成分と、ゼータ電位がマイナスの成分との存在量がバランスされた状態としうるためであると推察される。そして、混合物用電磁波照射器53より、上記のようにして決定された周波数の電磁波を照射することで、混合槽20内にて汚泥が凝集してフロックを形成することを促進することができる。汚泥の凝集を促進することができれば、薬品溶解槽10における凝集剤の添加量を低減することができる。凝集剤の添加量を低減することができれば、汚泥処理のために要するコストも削減することが可能となる。
さらに、原汚泥供給ライン44は、原汚泥用電磁波照射器54を有する。原汚泥用電磁波照射器54も、上述した供給水ライン用電磁波照射器51と同様の、コイル541及び交流電流発生器542を有する。また、原汚泥供給ライン44の材質についても、供給水ライン41と同様の、汚泥処理装置の配管に用いられうるあらゆる材料により構成されうる。原汚泥用電磁波照射器54の照射する電磁波の周波数は、汚泥のゼータ電位をマイナスとしうる周波数であり得る。具体的には、原汚泥用電磁波照射器54は、5KHz以上10KHz以下の周波数範囲の電磁波を照射することができる。原汚泥供給ライン44が原汚泥用電磁波照射器54を有していれば、原汚泥に対して電磁波照射することにより、汚泥のゼータ電位をマイナスとすることが可能となり、汚泥の分散性を高めて、混合槽20にて凝集剤溶解水と汚泥とを混合した際に、凝集剤溶解水と汚泥とを効率的に接触させることにより、汚泥の凝集を促進することができる。このため、薬品溶解槽10における凝集剤の添加量を低減することができる。
混合槽20を経た混合物は、混合物ライン43を経て、脱水機30に流入する。脱水機30では、混合物を脱水処理して、凝集汚泥60と処理水とに分離する。脱水機30は、混合物を固液分離可能な限りにおいて特に限定されることなく、遠心分離器等の既知の固液分離装置により構成されうる。そして、脱水機30を経た凝集汚泥60は回収されうる。
なお、混合物ライン43、及び/又は、脱水機30が、更なる電磁波照射器を有していても良い。混合物ライン43に対して取り付けられうる電磁波照射器は、上述した供給水ライン用電磁波照射器51や原汚泥用電磁波照射器54と同様のコイル及び交流電流発生器により構成されうる。また、脱水機30に対して取り付けられうる電磁波照射器は、例えば、上述した薬品溶解槽用電磁波照射器52及び混合物用電磁波照射器53と同様に、「投げ込み式」の電磁波照射器であっても良いし、上記供給水ライン用電磁波照射器51及び原汚泥用電磁波照射器54と同様のコイル及び交流電流発生器であっても良い。
(汚泥処理方法)
本発明の汚泥処理方法は、供給水に対して凝集剤を溶解させて凝集剤溶解水を得る凝集剤溶解工程と、凝集剤溶解水と原汚泥とを混合する混合工程と、を含む。そして、凝集剤溶解工程は、供給水、及び/又は、供給水と凝集剤とを含む混合液に対して電磁波を照射して、凝集剤の溶解を促進することを含む。また、混合工程は、凝集剤溶解水及び原汚泥の混合物に対して電磁波を照射して、汚泥の凝集を促進することを含む。かかる汚泥処理方法によれば、汚泥処理に用いる凝集剤の使用量を十分に低減するとともに、高効率で汚泥を凝集することができる。さらに、混合工程の前段に、原汚泥に対して電磁波を照射する原汚泥電磁波照射工程を行うことが好ましい。原汚泥電磁波照射工程を実施すれば、混合工程における混合を促進するとともに、一層高効率で汚泥を凝集することができる。このため、凝集剤の添加量を一層低減することができる。
ここで、凝集剤溶解工程にて混合液に対して電磁波を照射する際の電流値は、任意に設定することができる。同様に、混合工程にて混合物に対して電磁波を照射する際の電流値も、任意に設定することができる。特に、混合工程にて凝集剤溶解水と混合する原汚泥の汚泥状態が悪化した際には、電流値を増加させて、混合工程にて照射する電磁波の電磁波量を大きくする操作を実施することが好ましい。あるいは、かかる操作に加えて、又はかかる操作に代えて、原汚泥電磁波照射工程にて、照射する電磁波の電磁波量を大きくする操作を実施することが好ましい。原汚泥の汚泥状態は、例えば、COD、SV、又はMLSS等の測定値に基づいて判定することができる。
このような、汚泥の性状に応じた電磁波の電磁波量の制御を上述したような汚泥処理装置100にて実施する場合には、汚泥処理装置100は、原汚泥供給ライン44内の原汚泥のゼータ電位を測定可能な態様で取り付けられたゼータ電位計、及びCOD値を測定可能な態様で取り付けられたCOD自動計測器等の汚泥性状モニタリング装置と、かかるモニタリング装置により得られた測定値に基づいて、混合物用電磁波照射器53及び/又は原汚泥用電磁波照射器54における電磁波量を制御する制御装置とを備えることが好ましい。かかる制御装置は、CPU(Central Processing Unit)のような演算部を備えるコンピュータにより構成されうる。そして、制御装置は、汚泥性状モニタリング装置より、定期的、或いは、不定期で必要に応じて、汚泥性状の測定値を取得する。そして、例えば、取得した測定値が、所定の閾値以上となった場合、或いは、前回取得した測定値と、新たに取得した測定値との差分が所定の閾値以上となった場合等に、制御装置は、混合物用電磁波照射器53及び/又は原汚泥用電磁波照射器54における電磁波量が大きくなるように制御する。
以上、本発明の一例に係る汚泥処理方法及び汚泥処理装置について説明してきたが、本発明の汚泥処理方法及び汚泥処理装置は、上記各例に限定されることはなく、本発明の汚泥処理方法及び汚泥処理装置には、適宜変更を加えることができる。
具体的には、図1では、汚泥処理装置100が、供給水ライン用電磁波照射器51及び薬品溶解槽用電磁波照射器52の双方を備えるものとして図示したが、本発明の汚泥処理装置は、供給水ライン用電磁波照射器及び薬品溶解槽用電磁波照射器の少なくとも一方を有していればよい。
また、図1では、汚泥処理装置100が混合物用電磁波照射器53及び原汚泥用電磁波照射器54の双方を備えるものとして図示したが、本発明の汚泥処理は、混合物用電磁波照射器及び原汚泥用電磁波照射器の少なくとも一方を有していればよい。
また、図1では、薬品溶解槽用電磁波照射器52及び混合物用電磁波照射器53は、「投げ込み式」の電磁波照射器であるものとして図示したが、これらの電磁波照射器も、供給水ライン用電磁波照射器51等と同様の形式の電磁波照射器により構成されていても良い。
また、本発明の汚泥処理装置に備えられる電磁波照射器において電磁波を照射する電磁波発振部の形状はコイルに限定されるものではなく、また、電磁波発振部の設置位置も配管の外周面上に限定されるものではない。例えば、電磁波発振部は、配管内に配置してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。実施例、比較例にて、供給水としては雨水を砂ろ過して得た雑用水を用い、原汚泥としては下水消化汚泥を用いた。なお、実施例、比較例において、薬注率、及び脱水ケーキ含水率はそれぞれ以下のように算出又は測定した。
<薬注率>
薬注率(%)=凝集剤使用量÷処理した原汚泥量
ここで、凝集剤使用量=(凝集剤溶解水溶解水濃度)×凝集剤溶解水使用量
<脱水ケーキ含水率>
(社)日本下水道協会発行の「下水試験方法」に従って、脱水ケーキの含水量を測定した。
(実施例1)
<凝集剤溶解工程>
上述した図1に示す汚泥処理装置100と同様の構成を有する汚泥処理装置を用いて汚泥処理を行い、処理効果を確認した。用いた汚泥処理装置の薬品溶解槽の容量は1mであり、混合槽の容量は150Lであり、これらは共に撹拌機を備えていた。また、混合層の後段側に備えられた脱水機は、ベルト幅が1mのベルトプレス脱水機であった。かかる汚泥処理装置において、供給水ライン用電磁波照射器により薬品溶解槽の前段側で、供給水に対して電磁波を照射して供給水のゼータ電位をプラスとした。そして、薬品溶解槽に電磁波処理済供給水0.5m流入させてから、薬品溶解槽内に取り付けられた撹拌機の駆動、及び高分子凝集剤であるカチオン性高分子の供給を開始した。この際のカチオン性高分子の供給量は、得られる凝集剤溶解水の濃度が0.2%となる量とし、また、電磁波処理済供給水の供給量は、薬品溶解槽内の水量が1.0mとなるようにした。撹拌機駆動後における、凝集剤及び供給水の供給速度は、撹拌機の駆動開始時点から20分後の時点で、凝集剤及び供給水の供給が完了する速度とした。そして、撹拌機の駆動開始から1時間後に撹拌機の駆動を停止した。なお、撹拌開始直後は目視可能な程度の小さな凝集剤の粒子が薬品溶解槽内に分散され、撹拌される様子を視認することができたが、徐々に粒子が小さくなり、撹拌機の駆動開始から1時間後には、粒子が目視不能な状態となった。
<原汚泥電磁波照射工程>
さらに、原汚泥用電磁波照射器により混合槽の前段側で、TS(蒸発残留物)量が2%の原汚泥に対して電磁波を照射して原汚泥のゼータ電位をマイナスとした。
<混合工程>
上記原汚泥電磁波照射工程にて得られた電磁波処理済原汚泥を、混合槽に対して供給した。また、上記凝集剤溶解工程にて得られた凝集剤溶解水も、混合槽に対して供給した。混合工程における凝集剤溶解水と電磁波処理済原汚泥との混合比率は薬注入率が1.5%となるように調節した。そして、混合槽に備えられた撹拌機を駆動させて、電磁波処理済原汚及び凝集剤溶解水を混合して混合物を得た。この際の撹拌時間は3分であった。
<脱水工程>
その後、上記混合工程にて得られた混合物を、混合物ラインを経て脱水機に流入させ、脱水処理して脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキの含水率を上記に従って測定したところ、78%であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
<原汚泥電磁波照射工程>に代えて、<混合工程>において混合物用電磁波照射器により混合物に対して電磁波照射を行った以外は、実施例1と同様にして汚泥処理を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
凝集剤溶解工程、混合工程、及び脱水工程を、電磁波照射を行うことなく実施した。実施例1と同様に、凝集剤の粒子が目視不能な状態となるまで、撹拌をおこなった。その結果、撹拌機の駆動開始から駆動停止まで、4時間を要した。また、混合工程において、薬注率が2.0%となるような比率で、凝集剤溶解水と汚泥とを混合した。
これらの点以外は、上記3つの工程における条件は実施例1と同様にして、汚泥処理を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして凝集剤溶解工程を行った。得られた凝集剤溶解水を用いて、混合工程において、薬注率が1.9%となるような比率で、凝集剤溶解水と汚泥とを混合した。かかる点以外は比較例1と同様にして混合工程及び脱水工程を行って、汚泥処理した。結果を表1に示す。
(比較例3)
凝集剤溶解工程において、電磁波処理済供給水に代えて、電磁波処理を経ていない供給水を用いた。実施例1と同様に、薬品溶解槽に供給水0.5m流入させてから、薬品溶解槽内に取り付けられた撹拌機の駆動、及び高分子凝集剤であるカチオン性高分子の供給を開始した。併せて、撹拌機の駆動の開始に併せて、薬品溶解槽用電磁波照射器の駆動を開始して、電磁波を薬品溶解槽内の供給水と凝集剤とを含む混合液に対して照射した。これらの点以外は実施例1と同様にして凝集剤溶解工程を行った。そして、混合工程にあたり、薬注率が1.8%となるような比率で、凝集剤溶解水と汚泥とを混合した点以外は、比較例1と同様の混合工程及び脱水工程を行って、汚泥処理した。結果を表1に示す。
(比較例4)
電磁波照射を行わなかった点以外は比較例1と同様にして、凝集剤溶解工程を行った。そして、混合工程において、凝集剤溶解水と原汚泥との混合比率を、薬注率が1.8%となるような比率に変更した以外は、実施例1と同様の混合工程及び脱水工程を行って、汚泥処理した。結果を表1に示す。
(比較例5)
凝集剤溶解工程を、電磁波照射を行うことなく実施した。そして、混合工程において、凝集剤溶解水と原汚泥との混合比率を、薬注率が1.7%となるような比率に変更した以外は、実施例2と同様の混合工程及び脱水工程を行って、汚泥処理した。結果を表1に示す。
Figure 0006846760
表1より明らかなように、凝集剤溶解工程と、原汚泥電磁波照射工程又は混合工程における電磁波照射とを併用した実施例1〜2では、薬注率を低くしても、脱水ケーキの含水率を十分に低減することが可能であったことが分かる。換言すると、実施例1〜2では凝集剤の使用量を十分に低減しつつ、高効率で汚泥を凝集することができたことが分かる。
一方、凝集剤溶解工程において電磁波照射を行わなかった比較例1、4〜5、及び凝集剤溶解工程では電磁波照射を行ったものの、以降の工程では電磁波を照射しなかった比較例2〜3では、薬注率の低減と得られる脱水ケーキの含水率を低くすることとを両立することができなかったことが分かる。
本発明の汚泥処理方法及び汚泥処理装置によれば、汚泥処理に用いる凝集剤の使用量を十分に低減するとともに、高効率で汚泥を凝集することができる。
10 薬品溶解槽
20 混合槽
30 脱水機
41 供給水ライン
51 供給水ライン用電磁波照射器
52 薬品溶解槽用電磁波照射器
53 混合物用電磁波照射器
54 原汚泥用電磁波照射器
60 凝集汚泥
100 汚泥処理装置
511,521,531,541 コイル
512,522,532,542 交流電流発生器

Claims (4)

  1. 供給水に対して凝集剤を溶解させて凝集剤溶解水を得る凝集剤溶解工程と、
    前記凝集剤溶解水と原汚泥とを混合する混合工程と、を含み、
    前記凝集剤溶解工程が、前記供給水に対して電磁波を照射して、前記凝集剤の溶解を促進することを含み、
    前記混合工程にて前記凝集剤溶解水及び前記原汚泥の混合物に対して電磁波を照射すること、及び/又は、前記混合工程の前段に前記原汚泥に対して電磁波を照射する原汚泥電磁波照射工程を行うことにより、汚泥の凝集を促進する、汚泥処理方法。
  2. 前記原汚泥電磁波照射工程、及び前記混合工程にて前記混合物に対して電磁波を照射することを含む、請求項1に記載の汚泥処理方法。
  3. 供給水に対して凝集剤を溶解させて凝集剤溶解水を得る薬品溶解槽と前記凝集剤溶解水と原汚泥とを混合する混合槽と、前記混合槽に対して原汚泥を供給する原汚泥供給ラインとを備える汚泥処理装置であって、
    前記薬品溶解槽に対して供給水を流入させる供給水ラインが供給水用電磁波照射器を有し、
    前記混合槽が混合物用電磁波照射器を有し、且つ/又は、前記原汚泥供給ラインが原汚泥用電磁波照射器を有する、汚泥処理装置。
  4. 前記混合槽が混合物用電磁波照射器を有するとともに、前記原汚泥供給ラインが原汚泥用電磁波照射器を有する、請求項3に記載の汚泥処理装置。
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