JPS6039088B2 - 高分子樹脂の放電処理方法 - Google Patents

高分子樹脂の放電処理方法

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JPS6039088B2
JPS6039088B2 JP14759377A JP14759377A JPS6039088B2 JP S6039088 B2 JPS6039088 B2 JP S6039088B2 JP 14759377 A JP14759377 A JP 14759377A JP 14759377 A JP14759377 A JP 14759377A JP S6039088 B2 JPS6039088 B2 JP S6039088B2
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/14Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by plasma treatment

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成高分子樹脂からの低分子物あるいは可塑
剤の溶出およびブリードアゥトを阻止する表面架橋層を
形成するのに用いられる低温プラズマによる処理方法に
関するものである。
更に詳しく言えば、表面架橋層を形成するための低温プ
ラズマ処理において、従来用いられてきた外部電極方式
にかわり内部電極方式により発生された低温プラズマに
よって処理する方法に関するものである。〔従来の技術
〕 合成高分子樹脂、例えばポリエステル樹脂、塩化ビニー
ル樹脂、塩化ピニリデン樹脂など、は極めて広範な分野
で使用されている。
ところでこれら合成高分子樹脂からは低分子物および可
塑剤などが特性の条件下では比較的容易に溶出およびブ
リードアウトしやすく、かつこれらの物質は人体に有害
である事が多く、これらの樹脂を使用する上で積年の問
題であった。これらの物質の溶出およびブリードアウト
を防止するため多くの研究が実施されてきたが、満足の
いく結果をうるには至らなかった。
しかし、最近外部電極方式の低温プラズマにより塩化ビ
ニール樹脂表面に架橋層を形成する事ができ、特定のガ
スにより形成された架橋層が、これらの物質の溶出およ
びブリードアゥトの阻止に有効であると報告されている
(高分子学会予稿集2虎萱8号1670〜167刀頁(
1977)。すなわち、該報告者らは、塩化ビニール樹
脂を第2図の外部電極方式(無極放電方式)を用いた低
温プラズマ装置、いわゆる残輝型反応器と呼ばれる装置
を用い、かつAr、日2、COおよびC02ガスを用い
た時のみこれらの阻止効果があるとの報告を行なってい
る。
また、一方ポリエチレンが外部電極方式(無極放電方式
)つまり装置外の電極より誘導された電磁場により発生
した低温プラズマにより架橋する現象はCASINGと
いう名でよく知られた現象であり、また含塩素樹脂にお
いても100Torr以上のガス雰囲気下で高電圧放電
にさらすと表面に架橋層が形成される事は知られている
(USP3687832)。
〔発明が解決しようとする問題点〕ところで本発明者ら
は第1図の如き従来使用されてきた外部電極方式(無極
放電方式)の低温プラズマ装置を用い、塩化ビニール樹
脂をArおよびCOガスプラズマにて処理し、その効果
をしらべたが、架橋層の形成は行われるがこれらの架橋
層による低分子物や可塑剤の溶出、ブリードアウト阻止
効果はほとんど見られなかった。
このため、本発明者らは、合成高分子樹脂の低温プラズ
マ処理について効率のよい処理方法を検討するべく種々
の実験を行った結果、次のような問題点を見出し、該報
告者らの用いた第2図の外部電極方式および類似の型の
外部電極方式の装置での大型化は極めて困難との結論に
達した。○} 外部電極方式では効果をえるに少なくと
も数分以上3び分程度の長時間の処理が必要で、たとえ
ば工業的規模での処理速度を10の/分と仮定すれば、
数拾のから300m程度の処理部が必要となり、このよ
うな装置を建設する事は経済的に極めて不都合である。
■ 第2図の型の低温プラズマ装置の特徴は放電電極部
で発生させた低温プラズマにより、励起したガス原子、
分子、イオン、雷分を基材表面へ流動、拡散させ反応す
る事にある。
この方法によれば基材が放電内部に設置せられていない
事から基材の温度上昇が見られない良点がある。然しな
がら、02等の例外的なガスを除き一般にこれらの活性
粒子は他の粒子との衝突により容易にその活性を失うた
め、放電部の近傍でのみその活性効果を維持する事にな
る。このため効率の良い処理を行うには放電部出口の近
傍に基材を置かざるをえず、処理可能な基材面積は放電
部の出口の大きさに限定された極めて狭いものになり、
工業規模での広中の基材を処理する事は極めて困難であ
る。{3} 外部電極方式では放電部および放電部容器
の温度上昇がはげしいため、大容量電力を導入する事が
できず、よって放電部の活性化の効率は低い。
このため処理の効率は低く、効率の向上および処理面積
の拡大のためには数多〈の放電部を設ける必要があり、
極めて繁雑な装置となり、このような形態の効率の良い
装置を作る事は極めて困難である。{4) 第1図、第
2図などに見られる外部電極方式では、装置外の電極よ
り装置内の低圧気体へ電磁界を誘導し、放電を開始、維
持させる。
このため第1図の形態の装置では装置全体、第2図の形
態の装置では電極設置部は誘電体物質からなる必要があ
り、一般には石英またはガラスから作られている。この
ような譲導物質で工業規模の大型の装置を作る事は極め
て困難であると共に安全性の面で問題が残る。{5)
塩化ビニール樹脂の可塑剤の溶出およびブリードァゥト
の阻止に有効な架橋層を形成するガスとしてCOが好ま
しいガスである事を該報告者らは報告している。
然しCOガスを用いた場合、第2図の装置では装置内、
特に放電極部に茶黒色の付着物質が析出してくることが
本発明者らの実験により判明した。この状態は第1図の
装置および本発明者らの実験した他の装置では見られな
い現象であった。連続的な処理を考えた場合、付着物質
が多量に析出し、処理を阻害する事が予想され、第2図
の装置の大型化は問題である。(6’ 外部電極方式で
は装置外より電磁界を誘導するため高周波を使用する。
一般には電波法に規定された13.53MHz、27.
12MHzを使用する。この周波数城での大出力の電源
は極めて高価であり、また出力が大きくなるにつれ漏え
い電波による電波障害をひきおこす。このような高周波
域での漏えい電波を防止するための電波シールドは極め
て難かしく、またそのような施設を施す事は装置を高価
なものとする問題がある。この事から電源としては電波
障害を引きおこさない低周波電源あるいは電波障害を引
きおこすにしても電波シールドがより簡単なより低い周
波数の高周波電源を使用できるような装置が好ましい。
本発明者らは種々の実験から明確になった以−ヒの様な
問題から従来の方法をそのまま拡大する事では効率のよ
い合成高分子の低温プラズマ処理は困難であるとの結論
に達した。
そこで本発明者らは工業的規模での合成高分子の低温プ
ラズマ処理を可能とすべ〈従来の方法の問題点をふまえ
、さらに鋭意検討を進めた結果、本発明に至った。〔問
題点を解決するための手段〕本発明は次の構成を有する
すなわち、本発明は連続シート状からなる合成高分子樹
脂を低温プラズマ処理するに際し、表面が誘電体で被覆
され、かつ内部が冷却された金属からなる円柱状の高電
圧印加電極とそれに対向して配置され、かつ該高電圧印
加電極の表面積より広い表面積を有する接地電極からな
る放電電極対を具備した低温プラズマ処理装置を用いて
前記電極対間の距離Lとガス圧力Pと積PLが0.01
ミPLミ30(Torr・抑)の関係にあり、かつ放電
処理エネルギーが5〜200W・min′肌の条件下で
処理することを特徴とする合成高分子樹脂の放電処理方
法である。ここでいう合成高分子樹脂とはポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニ
ール、ポリ塩化ビニリデンなどの含塩素高分子樹脂ある
いはこれらの共重合物または混合物であり、シート形状
をなすものである。ここでいうシート状とは、フィルム
状、あるいはこれより厚い一般にシートと呼ばれるもの
および布状を含むものである。低分子物とはモノマー、
ダィマー、トリマーなどの低重合物、あるいは重合開始
剤、酸化防止剤、紫外吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防
止剤などの添加剤である。
また可塑剤とは高分子鎖間に分散し、樹脂全体を柔らか
くし、加工時の流れや伸びを良くする物質で通常の合成
高分子樹脂に用いられている可塑剤を言い、特に限定さ
れるものではない。たとえば、塩化ビニール樹脂を例に
とれば低分子物とは、塩ビモノマあるいはこれらの二量
体、三量体等からなる低重合物、ジアルキルスズラウレ
ート、ジアルキルスズマレエート、ジアルキルスズメル
カプタィドなど有機スズ化合物からなる安定剤、三塩基
性亜リン酸鉛、オルトケィ酸鉛などの無機塩系安定剤、
三塩基性マレィン酸鉛、三塩基性フタル酸会合、二塩基
性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリ
ューム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等の金属石けんからなる安定剤
、ェポキシ化脂肪油、ェポキシステアリン酸ブチル、ェ
ポキシテトラヒドロフタル酸オクチル、トリアルキル亜
リン酸ェステルなどの安定化助剤あるいは2・6−ジ(
ターシャルブチル)パラクレゾール2・2ーメチレンビ
ス(4ーメチル6−ターシヤルブチルフエノール)、ジ
ラウリルチオジプロピオネート、ノニルフヱニルホスフ
アイト、n−フエニルナフチルアミン、フェノール、ニ
ッケル緒塩などの酸化防止剤、フェニルサリチレート、
2(2ヒドロキシ5−メチルフェニル)ペンゾトリアゾ
ールなどの紫外線吸収剤、などの添加剤などであり、可
塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート。ジイソデシルフタレート
、ブチルラウリルフタレート、ジトリデシルフタレート
、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルプチルグ
リコレートなどのフタル酸ェステル、トリクレジルホス
フエート、トリオクチルホスフェートなどのリン酸ェス
テル、トリブチルシトレート、ジオクチルアジベート、
ジオクチルアゼレート、ジオクチルセ/ゞケート、メチ
ルアセチルリシノレートなど脂肪酸ェステル、アルキル
ェポキシステアレート、ェポキシ化大豆、ジィソデシル
4・5ーエポキシテトラヒドロフタレートなどのェポキ
シ樹脂、塩素化パラフィン、低分子ポリエステル樹脂、
シュークロスオクタアセテートなどの一次および二次可
塑剤を挙げる事ができる。次に、低温プラズマ装置を用
いて詳細に説明する。第1図および第2図は従来の外部
電極方式の低温プラズマ処理装置であり、第3図は従来
の内部電極方式の低温プラズマ処理装置である。
これらの図において、彼処理基材1を真空容器8内へ置
き、排気口3を通じて排気して真空にした後、ガス導入
口2よりガスを導入し、所定の圧力にする。次いで高電
圧電源6より整合回路5を介して電極4に電力を供給す
るようになっている。第1図の装置では電極4によって
形成される電磁場、第2図および第3図では露場によっ
てグロー放電を開始、持続し、被処理基材1は該放電中
で形成された活性粒子によって処理される。なお第2図
の装置では被処理基材で形成された活性粒子によって処
理される。なお第2図の装置では被処理基材1は電極間
部でおこるグロー放電中から離れた場所に置かれており
、グロー放電中で生成し、拡散してきた活性粒子によっ
て処理されるため残輝型の処理装置と呼ばれている。第
4図は本発明で用いられる低温プラズマ処理装置の一装
置例である。
被処理基材1は連続的に送り出され、処理、巻きとられ
るようになっている。処理の手順は前述の従来の装置と
ほぼ同様に行われるが、第1図および第2図の装置とは
次の点で異なっている。すなわち、高電圧印加電極(以
下高電圧電極と呼ぶ)4と接地電極7からなる内部電極
の開始、持続する放電によって処理されるようになって
いる。また、該内部電極も第3図の従来の内部電極とも
大きく異なっている。すなわち、本発明で用いられる低
温プラズマ処理装置の電極は表面が誘電体で被覆され、
かつ内部冷却された金属からなる円柱状の高電圧電極4
とそれに対向して配置され、かつ該高圧電極4の表面積
より広い表面積を有する接地電極7とからなっている。
第4図の接地電極7はドラム状の形態をしている。高圧
電極4は金属管の表面が誘電体で被竃され、該金属管内
部を水、冷煤あるいは気体が循環する円柱状の形態を成
す電極である。
金属管は導電性であり、耐圧のあるものであれば特に限
定されるものではないが、鋼、アルミニウム、鉄、など
が好ましく中でも鉄がより好ましい。譲露体は絶縁性で
耐電圧の高いものであれば特に限定されるものではない
が、放電による劣化に強いガラス、セラミックなどがよ
り好ましい。譲露体と該金属管は完全に密着しているこ
とが必要である。誘電体と金属管に空隙があると、空隙
中で放電が起き誘電体にピンホールが生じる。また、真
空槽中にある金属管部分は完全に誘電体で被覆されてい
ることが必要である。
誘電体で被覆されていない部分があると高電圧を印加し
た際、放電がグロー放電にならす、この部分に火花を伴
ったアーク放電が発生する。つまり、高圧電極4を使用
する場合、金属管を誘電体と被覆した場合と被覆しない
場合では誘電体を被覆した方がより効率的である。
また、高圧電極4を誘電体で被覆しないと、仮に本発明
のように電極対構成をした場合でも、入力電圧をあげて
いくと高圧電極4より接地電極7へ火花が飛びはじめ均
一な処理ができない。
これは高圧電極4の表面積が接地電極7に比べ小さいた
め、高圧電極の近傍の電界強度が著しく高くなり、イオ
ンが加速され高圧電極に衝突する。この結果、電子を放
出させ、局部的に電子電流をふやすため放電がグロー放
電からアーク放電へと移行し、火花が生じるものと思わ
れる。これに対し、本発明の如く高圧電極を誘電体で被
覆した場合はイオンが衝突しても誘電体で被覆されてい
るため電子が放出されない。また電極近傍にイオンが著
損し、電界強度をやわらむナるため入力電圧をあげても
均一なグロー放電が維持できるものと考えられる。この
ように高圧電極を誘電体で被覆しない場合は放電電力を
あげることができず処理の高速化ができない欠点がある
。なお高圧電極4の形態において電極の断面は必ずしも
真円である必要はなく、ほぼ円形をしたものであればよ
い。
次に接地電極7について説明する。
第5図は第4図の高圧電極4と接地電極7の配置を示し
た側面図であるが、接地電極7は対向している高圧電極
4の面長1に対応する表面積が、高圧電極4の表面積に
比べ大きい必要がある。このような電極構成にすると放
電は高圧電極4の全表面でおこり、かつ均一放射状に広
がり接地電極に達し、処理シートの中方向に均一な放電
分布となり、中方向の処理が極めて均一に行なわれる。
またシートを連続的に移動させることによってシートの
長さ方向の処理の均一性は達成しうる。接地電極7の材
質は導電体であれば特に限定されるものではないが鉄あ
るいはステンレスなどが好ましい。
該接地電極表面を議電体で被覆してもよく、また内部に
水などを循環させ、該接地電極を冷却することにより好
ましい。該接地電極の形態は第4図のごとくドラム状の
ものあるいは第7図のごとく平板状のものなどをとりう
るが、ドラム状のものが安定して、効率よく処理しうろ
ことからより好ましい。なお高圧電極4は第4図のごと
く接地電極に対し必ずしも1本のみ配置する必要はなく
、第6図あるし、はま第7図のごとく1つの接地電極7
に対して複数の高圧電極4を配置してもよい。
本発明の方法において用いる装置は通常の低温プラズマ
処理装置(第1図、第2図および第3図)と異なるため
、放電はガス圧力および電極間距離によって著しくその
形態をかえ、処理の効果に影響を与える。
このため本発明では、ガス圧力および電極間距離は極め
て重要な因子となる。本発明における好ましいガス圧力
は1×10‐3TorrからmTorrであり、より好
ましくはlxlo‐なorrから5Torrである。電
極間距離Lは0.5cの以上、10肌以下であり、かつ
ガス圧力Pと電極間距離Lは0.01<PL<30(T
on■伽)の範囲にある必要がある。
PLが0.01Ton・伽未満の場合、つまり電極間距
離Lが極めて狭いか、あるいは圧力が低い場合は彼処理
基村が熱的損傷をうけるか、あるいは黄変化するなどす
る。また処理効果も小さい。本発明のような電極対構成
の場合、高圧電極の表面積が小さいため高圧電極近傍で
はエネルギーが集中化し、そのエネルギーは極めて高い
。電極間距離が狭い場合は被処理基材と高圧電極との距
離はらに狭くなり、被処理基材はこの集中化したエネル
ギーにさらされ、熱的損傷を受けるのである。また、圧
力が低い場合は電子、イオンなどの活性粒子のエネルギ
ーが高くなるためか、被処理基村が黄変化するなど、被
処理基材の表面が劣化し、適切な条件で処理した場合に
比べ処理の効果も小さい。一方、PLが30Ton・弧
を超えた場合、つまり電極距離が広い場合、あるいは圧
力が高い場合は放電が高圧電極のまわり1こ集中し、放
電中の活性粒子が被処理基材へ衝突する確率が少なくな
るためか、処理の効果が小さい。なお、ここでいう電極
間距離Lとは第5図に示すごとく高圧電極4と接地電極
7の表面間距離Lをさすものである。また、放電処理エ
ネルギーによってもその処理効果に著しい影響を与える
。本発明における好ましい放電エネルギー量は、被処理
シートの中方向の単位長さ当りに対する放電エネルギー
密度と被処理シートが放電空間領域を追加するに要する
時間の積を該放電処理エネルギーとすると5〜200(
W・min/伽)である。放電処理エネルギーが5(W
・min/cの)未満では処理効果が認められず、20
0(W・min/肌)を越えると被処理基村に熱的損傷
をもたらす。
なお、放電空間領域とはガス圧力、電極間距離、放電出
力などの条件を同じ1こした場合に、被処理シートを静
止して処理し、有効な効果を得るのに要する処理時間と
被処理シートを連続的に移動させ処理した場合に同じ効
果が得られる被処理シートの速度の積である。いいかえ
れば放電処理エネルギーとは被処理シートを静止させ処
理した場合の処理時間と被処理シートの中方向の単位長
さ当り‘こ対する放電エネルギー密度との積である。ま
た被処理シート中とは電極対の対向する長さ1とするも
のであり、被処理シートの中方向の単位長さ当りの放電
エネルギー密度とは放電出力を1で割ったものである。
一般に高電圧電源の電源効率は50〜80%であり、こ
の効率を仮定すれば入力電力で換算した必要な放電エネ
ルギー量は6.25(W・min/伽)から400(W
・min/伽)の範囲にあることになる。さらに本発明
では通常の低温プラズマ処理装置の放電電極に比べ特異
な構成の高圧電極および接地電極とからなり、また特異
な電極配置をしているため、電源周波数によって処理効
果が異なる。
本発明における好ましい電源周波数はIK舷〜500K
Hzである。〔実施例〕 以下実施例により詳細に本発明を説明する。
なお、実施例における可塑剤(ジェチルヘキシルフタレ
ート、以下DCPと略称す)の溶出量の測定方法は次の
方法によった。処理シートをnーヘキサンにて4000
で2時間抽出後nーヘキサン中へ溶出したDOPをガス
クロマトグラフ(島津GC−6APF)にて定量した。
抽出の際のnーヘキサン量はシートの単位面積当り3肌
で、nーヘキサンはシートの処理面のみに接触し、処理
面から溶出するDOPを定量した。実施例 1DOPを
30W%含む中60肌、長さ10cmの市販の軟質ポリ
塩化ビニルシートをガラス被覆した鉄製の高圧電極を具
備した第4図の装置のドラムに貼り、シート中央部を高
圧電極の真下の位置に置き、処理を均一化させるためド
ラムを約5肌の中でこまかく前後に回転させながら、ほ
ぼ静止した状態で処理した時の処理時間と該処理シート
からDOPの溶出量の関係を調べた。
処理は電極剛間距離L4肌/ガスC○、ガス圧力0.6
Tonで、11肌比の自励発振高圧電源用いシートの中
方向の単位長さ当りの放電エネルギー密度37.5W′
伽で行なった。
この結果、PL=2.4Ton・抑で、10秒処理した
時の放電処理エネルギーは6.25W・min′cのと
なる。処理時間の関係と該シートより溶出するDOP量
の関係を第1表に示す。第1表 第1表のごとく本発明の内部電極を用いた場合他動)縦
間の処理で側の溶雌が憲5地下するという驚くべき効果
が得られた。
比較例 1 実施例1で用いたシートを第2図の外部電極方式の低温
プラズマ処理装置に13.58MHzの高周波高電圧電
源を用い100Wで処理時間をかえ処理した。
なお処理ガスおよびガス圧力はC0、0.的onで行な
つた。処理時間と該処理シートからのDOPの溶出量の
関係を第2表に示す。
第2表 第2表のごとく従来の外部電極方式では3粉ご間の処理
でも約1/14にしてDOP溶出量は低下しない。
外部電極方式においては出力を上げる事が考えられるが
、出力を上げると放電電極部の温度が上昇すると共にグ
ロー部が処理基材面へ広がり、処理シートを軟化させ、
かえって処理効果が得られなくなる。前述したごと〈こ
のように放電電力をあげられない事も外部電極方式の一
つの問題点である。
実施例 2ガラス被覆した銅製の高圧電極を具備した第
4図の装置にて実施例1で用いた軟質ポリ塩化ビニルシ
ートを実施例1と同様にして処理した。
処理は電極間距離4狐、ガスC○、ガス圧力0.紅om
で、450K世の歌欠波高電圧電源を用いシートの中方
向の単位長さ当り、放電エネルギー密度29.2Wノ肌
まで行なった。この結果PL=2.4Tom・弧で30
秒間処理した時の放電処理エネルギー量は14.6W・
mjn/肌となる。
処理時間と該処理シートより港出するDOP量の関係を
第3表に示す。
第3 比較例 2 実施例2のガラス被覆した銅製の高圧電極にかえ、ガラ
ス被覆をしていない銅製の高圧電極を用い、実施例2と
同様の実験を行なった。
なおガラス被覆していない銅製の高圧電極の場合はガラ
ス被覆した電極に比べ低電圧で電流が多く流れるので、
実施例2と同一の放電エネルギー密度になるよう放電出
力を調整した。
処理時間と該処理シートより溶出するDOP量の関係を
第4表に示す。
第4 第3表と第4表を比較すると電極はガラスで被覆してお
いた方が極めて効果的であることがわかる。
なおガラスを被覆していない本電極の場合、単位長さ当
りの放電エネルギー密度を30W/cの以上にすると放
電がグロー放電から火花を伴ったアーク放電に移行し、
均一な処理が不可能になった。
この点は本電極の重大な欠点である。実施例 3 実施例1と同様にして、ガス圧力Pと放電電極間の距離
Lをかえ、軟質塩化ビニルシートを処理し、PLと該処
理シートのDOP溶出量の関係を調べた。
処理はCOガスで、45皿Hzの歌欠波高電圧電源を用
い、放電エネルギー密度37.5W′肌で1分間処理し
た(放電処理エネルギー37.5W・mjn/Cの)。
第5表に示す結果のごとくPLが0.01〜30Tor
r・伽の範囲でDOPの溶出防止効果が認められ、好ま
しい範囲と言える。第5表 実施例 4 実施例1で用いた装置で、実施例1で用いた軟質ポリ塩
化ビニルシートを連続的に走行させ、処理速度と該処理
シートのDOP溶出量の関係を調べた。
処理は電極間距離4伽、C○、0.6Torrで110
KHzの高電圧電源を用い放電エネルギー密度60W′
伽で行なった。
この結果PL=2.4Tom・肌となり、放電エネルギ
ーは該放電エネルギー密度に放電領域を通過するに要す
る時間をかけ算出した。放電領域は同一の条件で静止し
た状態で6秒間放電処理したフィルムの効果が2.5肌
′secで連続的に処理したフィルムの効果と一致した
事から15のと決定した。第6表の実験結果から明らか
なように処理の適切な放電エネルギー量は5〜200(
W・mjn/cの)の範囲である。
第 6 表 実施例 5 実施例1で用いた装置で75rmの厚さのポリエチレン
テレフタレートフイルム(商品名“ルミラ−”東レ■製
)を処理した。
但し、処理はArガスを用い0.05Tonの圧力で、
放電エネルギー密度67W/伽で2の/mjnのシート
速度で行なった。
この結果PL=0.2Torr・伽となり、また予め測
定した放電領域から計算して放電エネルギー量は6.0
W.min/肌となった。
処理は両面行ない、処理後、該処理フィルムと未処理フ
ィルムを16000で3時間加熱したところ、未処理フ
ィルムでは透明性が著しく低下し、表面に白い汚れが生
じていた。
この表面を顕微鏡で観察したところ、ほぼ6角形をした
ポリエチレンテレフタレートのオリゴマの結晶が多数存
在した。これに対し、上記条件で処理したフィルムでは
透明性の低下は認められず、顕微鏡による観察でもオリ
ゴマの析出量は極めてわずかであった。
このことから処理がポリエチレンテレフタレートのオリ
ゴマ析出防止にも有効であることがわかった。比較例
3 実施例5で用いたガラスラィニングした鉄製の高圧電極
にかえ、ガラスライニングしていない鉄製の高圧電極を
用い実施例5と同機の実験を行なつた。
ガラスラィニングしていない鉄製の電極の場合ガラスラ
ィニングしたものに比べ低電圧で放電電流が多く流れ、
かつ出力電圧をあげるとアーク放電となるので、放電エ
ネルギー密度を29.2W/弧に調整し、シート速度を
20肌′mjn、50肌′mjn、1の′min、2の
/min、3の′min、5の′minとかえ処理した
その他は全く同じにした。該処理フィルムを実施例5と
同様にして加熱処理し、オリゴマの析出防止効果を調べ
たが、いずれのフィルムも多量のオリゴマが析出し、防
止の効果が認められず、このような処理には鉄製の電極
は不適切であることが判明した。
〔発明の効果〕
本発明は特別な構成を有する高圧電極および接地電極を
具備、配置した低温プラズマ処理装置を用い適切な条件
で処理することによって広中、長尺の高分子樹脂シート
を従来の処理方法に比べ中方向、長さ方向ともに均一で
、かつ極めて効率よく低温プラズマ処理することができ
る。
本発明は高分子樹脂中の低分子物の溶出防止に極めて有
効であるが、この他接着性、濡れ性改良など通常の低温
プラズマ処理で得られる効果も従来の処理方法に比べよ
り効率よく、かつ優れた効果を発現させることができる
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は従来の外部電極方式の低温プラズマ処
理装置の概略図、第3図は従来の平行平板型の内部電極
方式の低温プラズマ処理装置の概略図、第4図は本発明
で使用する低温プラズマ処理装置の概略断面図、第5図
は第4図の装置の電極部分の概略側面図、第6図は第4
図の装置において高圧電極を複数配する場合の電極部分
の概略図、第7図は接地電極が平板で、かつ複数の高圧
電極を配する場合の一例をあらわす概略図である。 1:被処理基材、2:ガス導入口、3:排気口、4:高
電圧印加電極(高圧電極)、5:整合回路、6:高電圧
電源、7:接地電極、8:真空容器、9:真空容器壁。 第1図第2図 第3図 第4図 群S図 鷺ら図 幕7図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 連続シート状からなる合成高分子樹脂を低温プラズ
    マ処理するに際し、表面が誘導体で被覆され、かつ内部
    が冷却された金属からなる円柱状の高電圧印加電極とそ
    れに対向して配置され、かつ該高電圧印加電極の表面積
    より広い表面積を有する接地電極からなる放電電極対を
    具備した低温プラズマ処理装置を用いて前記電極対間の
    距離Lとガス圧力Pとの積PLが0.01≦PL≦30
    (Torr・cm)の関係を満足し、かつ放電処理エネ
    ルギが50〜200W・min/cmの条件下で処理す
    ることを特徴とする合成高分子樹脂の放電処理方法。
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