JPS6039056Y2 - 集じん機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は集じん機に関するものである。

更に詳しくは、主として工業炉排ガスの熱回収装置、又
は炉頂圧排ガスの熱回収装置等の高温排ガスの熱回収装
置の前に設けられる集じん機に関するものである。

各種集じん機のうち、この種の集じん機として電気集じ
ん機は性能低下を来し、用いられない。

現在、上記用途のための集じん装置としてはバッグフィ
ルタ、サイクロン、砂による移動層、同充填層等が用い
られている。

しかしこれらの装置は夫々下記の如き難点を有している
。

即ちバッグフィルタは随時逆洗を必要とするが、その作
業は面倒である。

又、サイクロンは集じん効率が充分でない場合が多く、
大量ガス処理に不向きである。

移動層によるものは、砂の運搬、砂からのダストの分離
、砂の消耗等のため装置が複雑となり高価となるのを免
れない。

更に充填層によるものは、逆洗が面倒であり、性能保持
が難しいのである。

この考案は上記の状況にかんがみてなされたもので、そ
の目的は、上記の如き各難点を改良した高温排ガスの熱
回収装置の前に設ける集じん機を提供することである。

又、他の目的は煙突よりのダスト拡散防止の如く、一般
産業の排ガスの除じんを行い、公害防止に役立つ集じん
機を提供することである。

この考案の構成を、図面について述べると、第１図〜第
４図において、多数の線条１の各上端部を、それぞれ相
互に間隔を隔てて懸吊部９に設け、かつ該線条１を鉛直
方向に、相互に平行に懸吊して線条層２を形成し、該線
条層２により含じんガスの通路３を遮らしめ、銭金じん
ガスの通路３に連通させてホッパ４を形威し、該ホッパ
４に、前記線条層２を、前記各線条１相互間の間隔を各
線条１の上端部における相互間の間隔とほぼ同一に維持
した状態で収容させ、該線条層２により前記ホッパ４の
入口部１３をほぼ閉じさせたことを特徴とする集じん機
である。

なお図中４はホッパ、５はダスト取出口であり、又、線
条層２からダスト除去のための鎚打、或いは加振の各装
置、及び線条層２の吊上げ吊下げのためのホイスト等の
吊上げ装置等が設けられているが図示を省略する。

そして前記線条層２は、第２図に示す如く含じんガスの
流れをほぼ平面状に遮るようにしてもよく、第４図に示
す如く円筒状に遮ってもよい。

又、この外に図示は省略するが角を形成する二辺、多角
形、楕円及びそれらの一部を有する形状等を任意に用い
てよい。

次に、第１図、第３図に示す如く線条層２を含じんガス
の通路３より１だけ長く形成するが、この理由の一つは
線条層２を懸吊した場合に、前記長さ１の部分の線層２
の自重のために、線条１を真直にさせるためである。

一般に線条は懸吊するとその初期歪のために曲ってしま
うものであり、これを前記の如く線条層２の長さを増す
ことにより張力を与え、真直性を与える。

このようにする結果、線条層２内には大きなすき間が形
成されないのである。

又、他の理由は、線条１間を流れるガスは線条層２に直
交して流入するが、同ガス流は線条１に沿って下方向に
流れる恐れがある。

このため線条１を長く形成することにより、下方向に流
れるガス流の抵抗を大きくすることができ、同方向のガ
ス流を少くし、効率の低下を防止することができる。

次に、前記線条１の材質については、これを用いる含じ
んガスの性質及び温度等により、金属（Ｆｅ系、ＳＵＳ
、その他）及び非金属（プラスチック、グラスファイバ
ー強化プラスチック、カーボンファイバー強化プラスチ
ック、紙、木材、その他）等多数のものが用いられる。

又、その断面形状は、第５図〜第１１図に示す如く、円
、Ｌ字形、三角、チャンネル形、外側に複数の突起を有
する形状、外周に毛状体を植立させた形状、弧状、その
他楕円（図示省略）等任意の形状のものを用いてよいし
、また細い鎖でもよい。

更に中空のものに、各所に貫通孔を形威したものでもよ
い。

そしてこれら線条１の代表径は、一例として１ｒＩｒ！
ｎ以下が好ましく、μｍオーダーであっても差支えはな
い。

次に、線条層２の構成について述べると、第１２図に示
す如く、線条の代表間隔Ｓと、代表径ｄとの比Ｓ／ｄの
値を、目標とする集じん効率、ダストの性質及び粒径等
により適宜選択する。

又線条１の分布は、流れの方向に対し基盤白状、千鳥状
等にすることも考えられる。

線条層２の厚さは、集じん効率、及び圧力損失、等を勘
案して適宜に決定する。

更に線条層２において、ガス流の方向に対して線条１の
径又は分布を変化させてもよく、第１３図にその一例を
示す如くガス流に対する前面に大径の線条１を、後方に
小径の線条１を分布させたもので、ダストの径の大きな
ものを前部で捕捉し、小径のダストを後方で捕捉する。

こうして全体的に圧力損失を少くすることができる。

又、これにより大径のダストの衝突による小径の線条１
の破断も避けられる。

第１５図に示すものは線条層２を屈曲したもので、これ
により装置のコンパクト化を遠戚できる。

図中６はガイドを示す。

又、第１６図に示す如く、線条層２を多段とし、前段に
おいて精集じんを、中段において普通集じんを、後段に
おいて精巣じんを、夫々行うようにしてもよい。

線条層２に付着したダストは図示しない鎚打、又は加振
等の装置により行われる。

この場合ダストの再飛散を防ぐため、その集じん機の前
後の、ガス通路の扉（図示省略）を閉じて行い、その間
は他の同様の集じん機にガスを流すようにする。

又、第１４図に示す如く、線条層２の下方に開閉板７を
設け、これにより通常はガス流の下降を防ぎ、鎚打、加
振等の際は、これを開いてホッパ４へのダストの落下を
妨げないようにする。

８は蝶番を示す。

又、粘着性ダスト、或いはミストとダストの混在したガ
スにおける付着ダストの場合、鎚打のみではダストが落
下しないことがある。

長期間の運転で固着ダストが生じる場合もある。

このような場合は、線条層２をその懸吊部９から、図示
しない吊上装置により引上げ、これを洗浄して元に戻し
、再使用する。

前記懸吊部９には多数の小孔を形威し、この小孔から水
を流下させ、各線条１に沿って流下させ、それにより集
じん性能を向上させてもよい。

この場合ダスト及び水は、ホッパ４から図示しない処理
装置へ導かれる。

次に、集じん機が高い集じん効率を要求され、そのため
線条層２を緻密に形成し、従って線条層２の前後の圧力
損失（差圧）が大となる場合、線条層２がその差圧によ
り押されて変形することがある。

このような場合は、線条層２の一部の線条１の下端部に
、第１７図、第１８図に示す如く錘１０を付け、線条層
２に強い張力を与えてもよい。

なお図中１１はボルトナツトである。

又、上記の如き場合、他の方法として第１６図に示す如
くガス流に対して線条層２を数段に分けて設け、各段間
の差圧を少からしめ、これにより線条層２の押されるの
を防止してもよい。

含じんガスは線条層２により直交して遮られ、ガス中の
ダストは線条層２中に付着して捕捉され、ダストを失っ
たガスは清浄ガスとして集じん機を出て行く。

上記ダストは鎚打又は加振によりホッパ４中に集められ
る。

この考案は前記のように構成され、各線条１の相互の間
は、それぞれほぼ平行に間隔が保たれ、かつその状態は
、含じんガスの通路３中におけるどの部分においてもほ
ぼ同様であるため、含じんガスはどの部分においてもほ
ぼ一様の流速とすることができ、従ってどの部分からも
均等に集じんさせることができる。

又ホッパ４に、前記線条層２を、前記各線条１相互間の
間隔を各線条１の上端部における相互間の間隔とほぼ同
一に維持した状態で収容させ、該線条層２により前記ホ
ッパ４の入口部１３をほぼ閉じさせたことにより、含じ
んガスが線条層２に妨げられずにホッパ４に入って線条
層２を迂回して、ごく僅かしか線条層２に妨げられずに
通過してしまうのを防止することができる。

かつ又、それにもかかわらず、比較的厚く形成した線条
層２の各部分で得られたダストを、ホッパ４内に落下さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は集じん
機の正面断面図、第２図は第１図の■−■線矢視図、第
３図はこの考案の第２の実施例を示す第１図に相当する
図、第４図は第３図のＩＶ−■線矢視図、第５図、第６
図、第７図、第８図、第９図、第１０図、第１１図は夫
々線条の横断面図、第１２図は線条の径と線条間の間隔
を示す説明図、第１３図は線条層の形成の一例を示す集
じん機の横断面図、第１４図は線条層下方に開閉板を設
けた集じん機の第１図に相当する図、第１５図は線条層
形成の方式を示す集じん機の横断面図、第１６図は線条
層形成の他の方式を示す集じん機の横断面図、第１７図
は重錘を設けた線条層の部分側面図、第１８図は第１７
図の正面図である。 １・・・・・・線条、２・・・・・・線条層、３・・・
・・・通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の線条１の各上端部を、それぞれ相互に間隔を隔て
   て懸吊部９に設け、かつ該線条１を鉛直方向に、相互に
   平行に懸吊して線条層２を形威し、該線条層２により含
   じんガスの通路３を遮らしめ、銭金じんガスの通路３に
   連通させてホッパ４を形成し、該ホッパ４に、前記線条
   層２を、前記各線条１相互間の間隔を各線条１の上端部
   における相互間の間隔とほぼ同一に維持した状態で収容
   させ、該線条層２により前記ホッパ４の入口部１３をほ
   ぼ閉じさせたことを特徴とする集じん機。