JPS6038330B2 - 炭酸ガス供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般家庭向きの食品保存用炭酸ガス供給装置
に関するものである。

旧来より、食物の保存に関して多くの方式が考案されて
きた、１つには、缶詰のように食品を滅菌して容器に封
じ込める方式、第２には、冷凍して食品の腐敗を低減さ
せる方式があり、第３の方式として、近年、炭酸ガス低
温雰囲気中で食品を保存する方式が注目されている。

この第３番目の方式は、食品、特に野菜類を保存する時
に食品の周囲を低温炭酸ガス雰囲気に調整する事により
、植物の呼吸作用を鈍化させ、かつ、好気性細菌の繁殖
を低下させるという現象を利用するものである。

また、上記第３番目の方式は、他の第１、第２番目の方
式に較べ、食品の風味を損わないという長所があるとい
われている。

さらにこの低温炭酸ガス雰囲気中保存方式を利用する事
により、野菜の保存期間を、室温放置に較べて５〜１ぴ
音、普通の低温保存に較べても２倍以上延長させる事が
可能であるという資料が多く発表されている。

しかし、上記方式は、高圧容器である炭酸ガスボンベを
利用し、例えば大型トラックでの輸送、あるいは、設備
の整った基地での食品大量保存等にしか利用されておら
ず、一般家庭での利用は、高価で、取扱いの繁雑な炭酸
ガスボンベの代りとなる装置が入手できない点から、普
及していないのが現状である。

本発明は、かかる優れた食品保存方式を一般家庭で簡単
に利用できるよう、廉価で、かつ使用方法の簡単な炭酸
ガス供給装置を提供するものである。

以下本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に
説明する。

図において、１はセラミック固形体、紙、あるいは繊維
状の吸湿性のある材料基材（以下担持体と称する）であ
り、例えばビール酵母のように低温でも活性のある酵母
乾燥品２を付着させたものである。

３は、中に１〜４０％濃度のブドウ糖等の炭水化物水溶
液４を収納した耐水性のある袋である。

なお、上記袋３は、後述の如く、人為的に外力を加えた
時には容易に破れやすいという性質を合わせもつ材料で
形成されている。また、水の量は、前記担持体１を丁度
湿潤飽和させる程度の水分量である。５は、例えば不織
布のように断熱性のある気体透過性の大きな材料から成
り、前記恒持体１、袋３を収納する断熱材である。

６は、断熱材５を収納する袋で、酸素、炭酸ガスに対し
て大きなガス透過性を有する一方、内部の酵母を外部に
散逸させないため、１仏以下の目の粗さしか持たない材
料で形成されている。

７は袋６を保護する袋で、本実施例炭酸ガス供給装置を
使用前の状態においては大気中の湿気、外力等から保護
する目的を有する透湿率のきわめて低い材料から成る袋
である。

次に上記横成における使用方法について説明する。

まず使用前に袋７を取り去り、袋６越し‘こ外力を加え
、袋６を傷つけることなく袋３を破る。

袋３中に含まれていたブドウ糖水溶液４は溢れて担持体
１に吸収され、第２図の状態となる。担持体１に付着し
ている酵母は、袋３より溢れたブドウ糖水溶液４により
活性化され、炭酸ガスの生産を開始する。

次に、上記操作を加えた本実施例装置を保存しようとす
る食品と共に保存袋へ入れ、密封した後、例えば冷蔵庫
へ入れ保存する。

上記保存袋は特別なものを用意する必要はなく、市販の
食品保存用袋を利用できる。保存袋に食品と同封された
本実施例装置は、炭酸ガスを放出し続け、食品周囲雰囲
気の炭酸ガス濃度を上昇させる。

また、保存袋に封入された直後の酵母２の温度は、坦持
体１とブドウ糖水溶液４の温度で決まり、室温となって
いる。次に、これが冷蔵庫雰囲気により徐々に冷される
が、担持体外側の断熱材により、冷却速度が緩和される
。一方、酵母の炭酸ガス生成能力は温度と共に増大する
ため、断熱材を設けることにより炭酸ガス生成速度は第
３図の如く差異を生じる。なお、第３図において、Ａは
断熱材使用時の炭酸ガス発生速度、Ａ′はその時の酵母
温度、Ｂは断熱材木使用時の炭酸ガス発生速度、Ｂ′は
その時の酵母温度、均ま炭酸ガス発生装置を保存袋に封
入した時刻を示す。

食品の保存に重要な点は、ある温度条件下にある炭酸ガ
ス濃度以上の条件に静暦されることである。

このことから、炭酸ガス発生装置としては、保存袋封入
後、早急に炭酸ガス濃度を上昇させるという特性が要求
されてくる。その点から本実施例炭酸ガス発生装置は、
断熱材を配することにより、初期の炭酸ガス発生速度を
改善し、食品保存用途に適した炭酸ガス発生装置として
の特性を満たしている。上記の如き操作により、食品は
適正な炭酸ガス雰囲気中かつ低温で保存されるため、野
菜等の食品においては植物の呼吸作用を鈍化させるだけ
でなく、好気性細菌の繁殖力が低下する等の効果により
長期間にわたって鮮度良く保存される。

上記のように本発明は、高圧ボンベのような高価で操作
方法の複雑な容器を用いることなく、炭水化物と雰囲気
中の酸素とを酵素を利用して反応させるという、廉価で
、取扱いの容易な、高圧部の無い安全な装置で、食品保
存に必要な炭酸ガスを供給し、同時に雰囲気中の酸素を
吸収するという特長を有する。さらに、構造が簡単で小
型軽量であるため、食品を同封して冷蔵庫で保存できる
という特長も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の−実施例を示す炭酸ガス供給装置、第
２図は同装置の使用状態における断面図、第３図は同装
置の使用状態における炭酸ガス発生速度および酵母温度
の時間特性図である。 １・・…・担持体、２・・・・・・酵母乾燥品、３・・
・・・・袋、４……炭水化物水溶液、５・・・…断熱材
、６・・…・袋。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炭水化物を含んだ水を収納した袋と、酵母を含んだ
   担持体と、前記袋および前記担持体を収納したガス透過
   性の袋よりなる炭酸ガス供給装置。 ２ 担持体を断熱材で覆つてなる特許請求の範囲第１項
   記載の炭酸ガス供給装置。