JPS6038157Y2 - 冶金炉の炉床構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、冶金炉の炉床構造に関するものである。

従来、例えば連続製鋼法などにおける冶金炉の炉床は、
第１図に示すように炉床煉瓦１の直下にスタンプ層２を
設けた構造とされていた。

ところが、炉床煉瓦１が高温で熱膨張が大きいのに対し
、スタンプ層２は比較的塩度が低く熱膨張が小さいので
、これら炉床煉瓦１とスタンプ層２との接触面のそれぞ
れに応力が生じ、これが原因で炉床煉瓦１にクラックが
発生するといった問題があった。

また、スタンプ面を施工するに当って、それを理想的な
曲面とすることが難しく、またそのスタンプ面における
凹凸によっても、上記のような問題を招来するおそれが
あった。

そして、このようなことによって炉床煉瓦１にクラック
が生じた場合には、湯洩ねといった重大事故を起こす危
険があった。

この考案は上記事情を考慮してなされたもので、炉床煉
瓦と、その下側のスタンプ層との間に、炉床煉瓦の自由
な動きを許容するいわゆるスリップラインを設けること
によって、上述した従来の問題を解消し、炉床煉瓦に対
して無理な圧力が加わることを回避して、その炉床煉瓦
におけるクラックの発生およびそれに伴う湯洩れ事故を
未然に防止することができる冶金炉の炉床構造を提供す
ることを目的とする。

以下、この考案を第２図に示す一実施例に基づいて説明
する。

本実施例によれば、炉床煉瓦１とスタンプ層２との間に
、耐火材の粉の砂床３が設けられている。

この砂床３は、炉床煉瓦１とスタンプ層２との相対的な
ずれを許容し、炉床煉瓦１を自由に動くようにするもの
であって、いわゆるスリップラインを威している。

砂床３を威す耐火材の粉としては、例えばマグネシア粒
を用い、これを２０ｒｒｒｔｎ〜３ｏ１ｒｒＩＩＬ程度
の層状とする。

なお、炉のアーチ構造を強固なものとすることにより、
炉床煉瓦１が浮き上がるといったおそれはない。

しかして、このような構造によれば、炉床煉瓦１は、砂
床３をすべり面として自由に動くことができるから、炉
の使用に伴う炉自体の昇温、冷却によって、炉床煉瓦１
が膨張、収縮した場合、その動きは砂床３によって許容
される。

ところで、炉は昇温、冷却を繰り返す毎に２次膨張を来
たし、その繰り返しが増すに伴って、炉の膨張量が増大
する。

しかしながら、このような場合であつても、炉床煉瓦１
の動きが許容されるから、その炉床煉瓦１に無理な力が
加わらず、それの破損を未然に回避して、強固な炉床を
維持することができる。

なお、上記実施例では、いわゆるスリップラインを威す
砂床３としてマグネシア粒を使用しているが、これに限
られることなく、砂床３を威す耐火材の粉は種々のもの
を適宜選定して使用することが可能である。

以上説明したように、この考案に係る冶金炉の炉床構造
によれば、炉床煉瓦と、その下側のスタンプ層との間に
、炉床煉瓦の自由な動きを許容するいわゆるスリップラ
インを設けているから、炉を繰り返し使用す長期間に亘
って、炉床煉瓦に無理な圧力が加わることを回避し、そ
の炉床煉瓦におけるクラックの発生およびそれに伴う重
大な湯洩れ事故を未然に防止することができ、しかもス
タンプ層の施工に沿って、そのスタンプ面の曲率にさほ
ど厳密な精度を必要とせず、その施工が容易であり、加
えて簡単な構造である等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冶金炉の炉床構造を示す部分断面図、第
２図はこの考案の一実施例を示す部分断面図である。 １・・・・・・炉床煉瓦、２・・・・・・スタンプ層、
３・・・・・・砂床。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉床煉瓦、この炉床煉瓦下面のスタンプ層との間に、耐
   火粉末の砂床を設けて、炉床煉瓦が自由に動くようにし
   たことを特徴とする冶金炉の炉床構造。