JPS6036961B2 - 高荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、高荷重用空気入りタイヤに関して、そくに
そのビード部上方区域からショルダー部下方区域にかけ
た領域において、この種タイヤのとくにか酸な使用条件
下にいまいま発生した故障、なかでもカーカスのコード
切れの有効な解決を図った高荷重用空気入りタイヤを提
案しようとするものである。

高荷重用空気入りタイヤは、航空機用タイヤを典型例と
して、たとえば機体の著しい大型化に伴うようなきびし
い使用条件における性能の向上が図られているが、近年
とくにその安全基準が一層高度化され、その要請を流す
ことが強くもとめられている。

すなわち、単に激しい着陸衝撃に耐え得るのみでなく、
同一車軸に並袋したタイヤのパンクに伴うオーバーロー
ドの下でも、問題なく安全な走行を継続できるような性
能の具備であり、ここに上記のオーバーロードの下で倍
増するタイヤ負荷により、そのピード部上方区域からシ
ョルダ部下方区域にかけた領域において、通常のタイヤ
の使用条件下には、袷んど見られないプライ層間セバレ
ーションないしはさらにカーカスコード切れ（以下ＣＢ
Ｕと略す）などが発生する。

かような故障について発明者の検討によれば、元来この
種タイヤでは、カーカスのプラィ枚数が一般にｌｑ父以
上、さらに２４匁こまで達するこも多く、ときにはそれ
以上の枚数も用いられ、かように多数枚のプラィ積層に
成るカーカスでは、タイヤの負荷転勤中、とくにオーバ
ーロードの際にタイヤのビード部上方区域からショルダ
ー部下方区域にかけた領域が、その内外で符号を異にす
る応力に箸差を生じ、内側に向うに従ってより大きい引
張り歪を、またとくに外側に向うに従ってより著大な圧
縮歪がくり返し生起されてそのためにフ。

ラィ層間セパレーションや、コードの疲労によるＣＢＵ
が引起される原因になることがわかった。そこでこの発
明は、上記のようなオーバーロード時にも、これらの故
障を生ぜぬようと〈に上記領域の外側で、カーカスのコ
ードが圧縮力に対して強くなるプラィの積層構造につい
て究明を加え、あまた実験を経て、上記の諸要請を満た
してカーカスの耐疲労性に富む、この種タイヤを創案し
たものである。従ってこの発明は、上掲の航空機用タイ
ヤに適用して、そのか酷な要請を満たしてその安全基準
に適合することができるのみならず、この種タイヤを含
めて一般的な高荷重用タイヤ、たとえば建設用タイヤな
どにつき、その通常の負荷のもとでの使用にあっても、
その安全性を有利に高めることができるのは、もちろん
である。

この発明は、有機繊維コードのゴム引きプラィを１の女
以上該コードが交差する配列下に積層したバイアス構造
カーカスにより、タイヤの摩耗作動表面として働くトレ
ツドを含めたトロィド状８同殻の補強に供した高荷重用
空気入りタイヤであって、該胴殻のタイヤビード部上方
区域からショルダー都下方区域に至る間、その肉厚中心
を境にして該胴殻の外側ではその内側に対し、各ゴム引
きプラィの互いに隣接する層間コード間隔、少くともそ
の平均が実質上より広い積層構造になることを特徴とす
る高荷重用空気入りタイヤである。

ここに胴殻の肉厚は、胴殻を横切るタイヤの回転軸と平
行な直線上の長さで与えられる寸法とする。この発明で
は、上記の層間コード間隔がトロィド状胴殻の内外で異
なる領域につきタイヤのビードベースから測ってタイヤ
高さの０．１〜０．所音の範囲にわたらせること、また
該間隔につきトロィド状胴殻の内から外に向けて漸増さ
せること、さらにトロィド状８同殻の外側での上記間隔
の平均寸法をコード径の０．８〜３．５倍にすることが
、何れも実施上より好ましい。

なお上記した構成についてさらに検討を加えた結果によ
ると、トロィド状胴殻の外面に近い最外層プライまたは
、それを含めた外側２〜３プラィでは、上記のようなオ
ーバーロード条件での強い圧縮力の作用下になおコード
疲労にさしたる影響を受けないことが見出され、この興
味ある現象は上掲のプラィが、事実上サイド部外皮ゴム
層に隣接しているので、多数プラィの相互隣接による強
い干渉から解脱して、上記圧縮力の下でも外皮ゴム側に
逃げることができ、かくして圧縮による応力や歪が軽減
されることによるものと考えられ、それ故これらのプラ
ィについての層間コード間隔に関しては、この発明によ
る限定の適用を必ずしも不可欠とせず、むしろタイヤの
サイド部における外観形状を整えるようなプラィの積層
配列に利用することができる。

そしてトロィド状耳同殻の内側、とくに該胴殻の肉厚中
心の内側では、上記のような圧縮応力を受けないかまた
は、それが加わるとしても、上記肉厚中心の外側と比べ
てはるかに小さいので、内側プラィの層間コード間隔を
、とくに広くする必要はなく、むしろそれはタイヤの負
荷転動中に生じる発熱の助長と、放熱の阻害の面で、ま
たその結果耐セパレーションを劣化させるなどの不利が
伴われるだけで格別な利益は見られないのである。

なお層間コード間隔を、トロイド状胴殻の肉厚中心より
も外側において内側よりも広くすることによっても、矢
張り発熱および放熱には影響があるので、無暗に広くす
ることは得策でなく、従ってより広くしたプラィの層間
コード間隔の平均で、使用コード径の０．８〜３．封音
、なかでも１．０〜２．母音の範囲とすることが実施上
このましいのである。第１図にこの発明によるタイヤの
右半断面をあらわし、図中１はタイヤの摩耗作動表面と
して働くトレッド、２は有機繊維コ−ドのプラィからな
るカーカス、３はインナーラィナ、４はサイド部ゴム外
皮であり、５はビードコアーを示す。

カーカス２は、有機繊維コードのゴム引きプラィを１の
女以上、該コードが交差する配列下に積層した、いわゆ
るバイアス構造として、タイヤのトレッド１を含めたト
ロィド状８同殻Ｃの骨格を形成する。図に示した５２×
２２．５−２３２脚Ｒサイズの供試タイヤでは、８４Ｍ
／２、コード径０．５１側のナイロンコードからなる２
２女のカーカスプラィを三分して２，，２２，２３に示
したようにそれぞれのピードコアー５１，５２，５３の
まわりで内から外に向け通例に従って巻返えしてある。

上記のように三分したプラィ群すなわち内カーカス２，
、中カーカス２２、および外力ーカス２３ のおのおの
において、各群中を占めるプラィが互いに隣接する層間
のコード間隔を一般に○であらわし、そのコード隆ｄに
対する比を、従来の慣行に従い０．２とした場合をコン
トロールタイヤとして、これに対しこの発明に従い何れ
も内カーカスを現行どおりとして、中カーカス０．２、
外力ーカス３．２とした場合（実施例１）、中カーカス
０．＆外力ーカス１．８とした場合、（実施例２）およ
び中カーカス１．８、外力ーカス３．２とした場合（実
施例３）の三種のタイヤを試作して、これらがＤＣ−１
０の主タイヤに実装されたときの最大静荷重の１２０％
荷重を負荷して、ＣＢＵ発生までの耐久度をドラム試験
で比較するとコントロールタイヤの耐久性を１００とし
た指数表示で、実施例１ ２６６ 〃 ２ ３７５ 〃 ３ ５９６ のように著しい性能の改善が確認された。

次に第１図に示したところと構成の基本を同じくするが
、それとは用途が異なるＯＲ３３．２５−３５３がＲサ
イズのショベルローダ用タイヤにつき、１２６の／２、
コード径０．６１側のナイロンロードからなる２功女の
カーカスプラィを、６枚、６枚および４枚の三群に分け
、それらの何れについても上掲のＤ／ｄを０．６とした
第２コントロールタイヤに対してこの発明に従い内カー
カスのＤ／ｄはやはり０．６に揃えて、中カーカス０．
９外力ーカス１．２とした場合（実施例４）、中カーカ
ス１．２、外力ーカス２．０とした場合（実施例５）の
二種のタイヤをつくり一定速度、一定荷重によるドラム
試験の耐久性を比較して第２コントロールでの耐久指数
を１００であらわしたとき実施例４ １４０ 〃 ５ ２００ のような成績が得られた。

上の各例にあっては、多数枚のカーカスプラィを三群に
わけて、内カーカスに対し外力一カスまたさらには中カ
ーカスについても、プラィ間の眉間コード間隔を、より
広くした場合につき、ＣＢＵ耐久性能の飛躍向上を実証
したが、ビードコアー５の使用数の如何に拘らず、とく
に第１図に仮想線で示したタイヤのトロイド状耳同殻Ｃ
の肉厚中心６を境にしてその外側における隣接プラィの
層間コード間隔Ｄまたはその平均が内側でのそれらより
も広くなる積層構造とすることにより、ほぼ同等な改善
効果をもたらすことができたのであり、ここに何れの場
合にも、層間コード間隔について上記の配慮は、タイヤ
のビード部７の上方区域から、タイヤのショルダー部８
の下方区域の間にかけて、すなわち、第１図においてタ
イヤのビード部８の内周面輪郭の延長と、ビード部８の
外側面輪郭の延長との交点Ｐを通るタイヤの回転軸と平
行な直線で定義されるビードベースＢから測ったタイヤ
高さ日に対してその０．１〜０．針音もしくは０．１５
〜０．４３音の範囲にわたる間に適用することが必要で
ある。

図にこの範囲の上限をｈ，、下限をｈ２で示した。なお
、上記の層間コード間隔Ｄは、トロィド状胴殻Ｃの内か
ら外に向けて順次に増加させるのは、この発明の目的に
従いより好適ではあるが、そこには種々に異なる厚みの
スキージゴムシートの準備と管理が必要となるので、生
産性、コスト面で実際上は最適といえないところ、上述
実施例のように、プラィ群毎の手配を講じると、それに
よる最小の犠牲で、十分な効果が得られる。

以上のべたようにしてこの発明によれば、高荷重下に高
度の安全基準の適合が要請される種類の空気入りタイヤ
における耐久性能が、有効に改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例を示すタイヤの右半断面図
である。 １…トレッド、２…カーカス、６…トロィド状員同殻Ｃ
の肉厚中心。 第１図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 有機繊維コードのゴム引きプライを１０枚以上、該
   コードが交差する配列下に積層したバイアス構造カーカ
   スにより、タイヤの摩耗作動表面として働くトレツドを
   含めたトロイド状胴殻の補強に供した高荷重用空気入り
   タイヤであつて、該胴殻のタイヤビード部上方区域から
   シヨルダー部下方区域に至る間、その肉厚中心を境にし
   て該胴殻の外側ではその内側に対し、各ゴム引きプライ
   の互いに隣接する層間コード間隔、少くともその平均が
   実質上、より広い積層構造になることを特徴とする高荷
   重空気入りタイヤ。 ２ トロイド状胴殻の内外に層間コード間隔を異にする
   領域が、タイヤのビードベースから測つてタイヤ高さの
   ０．１〜０．６倍の範囲である１記載のタイヤ。 ３ 各ゴム引きプライの互いに隣接する層間コード間隔
   が、トロイド状胴殻の内から外に向け漸増する積層構造
   である１または２記載のタイヤ。 ４ トロイド状胴殻の外側における各ゴム引きプライの
   互いに隣接する層間コード間隔の平均が、該プライのコ
   ード径の０．８〜３．５倍である１，２または３記載の
   タイヤ。