JPS6036912B2 - 定盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐酸、耐アルカリ性および耐腐蝕性を著しく向
上した定盤に関するものである。

従来、定盤は鋳鉄または班レィ岩から製作されている。

しかし鋳鉄製の定盤は空気中の酸素によってその表面が
腐蝕され易く、しかも酸、アルカリに対しても侵され易
く、さらに高温度の雰囲気下で長時間用いる場合、膨張
により変形して使用できなくなる欠点があった。また、
班レィ岩からなる定盤は鋳鉄製定盤に比して耐腐蝕性、
耐酸性、耐熱膨張性が優れているが、耐摩耗性が劣り「
数回の使用により表面が摩耗されて平滑性が失なわれ、
その都度煩雑な研摩処理をしなければならず、その池耐
アルカリ性が劣るという欠点があった。本発明は上記欠
点を解決するためになされたもので、高純度アルミナ焼
結体から形成することにより温度変形が少なく、空気お
よび酸、アルカリによる腐蝕がなく、しかも摩耗され難
く極めて保守が容易で耐用寿命の長い定盤を提供するこ
とを目的とするものである。

以下、本発明を詳細に説明する。

本発明の定盤は平滑な表面を有する高純度アルミナ嬢結
体からなるものである。

本発明における定盤を製造するには、たとえば重量比に
てアルミナ９９％以上、マグネシア０‘９％以下、酸化
カルシウム０．４％以下、シリカ０．１％以下、アルカ
リ類０．０５％以下、および酸化鉄０．０２％以下の組
成からなる高純度アルミナ粉末に有機バインダーを添加
、混合して一次成形し、さらにラバーブレス機等で高圧
成形して板状の成形体とした後、これを１６００ｑｏ以
上の温度下で焼成せしめて高純度アルミナ暁結体とする
。

その後このアルミナ暁給体の表面を通常簿以下の平滑な
面に研磨して定盤を造る。しかして本発明の定盤は高純
度アルミナ齢綾体からなるため、空気中に長期間暴して
も表面が酸化腐蝕されるのを防止できる。

また、本発明の定盤は非磁性体で、マグネッ‐ト製の測
定治具を使用できないが、耐薬品性に優れているため、
有機合成糊などで治具固定を代替できる。さらに本発明
の定盤は熱膨張率が極めて小さいため、高温度の雰囲気
下で使用しても熱変形せず優れた寸法安定性を有する。
さらにまた本発明の定盤は硬い（ピッカース硬度１７０
０以上）ので、金属材料の表面を平滑化するためのすり
合せ具として用いた場合、長期間表面が摩耗されること
なく使用できる。しかも、定盤自体の表面を０．＄程度
に鏡面仕上げすることができる。したがって本発明によ
れば煩雑な表面仕上げを頻繁に行なうことなく、かつ著
しく耐用寿命の長い定盤を得ることができる。

次に本発明の実施例を説明する。

実施例 重量比にてアルミナ９９．６％、シリカ０．０６％、酸
化カルシウム０．０１％、酸化鉄０．０２％、酸化ナト
リウム０．０１％の組成割合でマグネシアを重量比にて
０．３％添加した粒径４４仏以下の高純度アルミナ粉１
００重量部にＰ．Ｖ．Ａ．２重量部を添加混合して一次
成形した後、これを圧力１５００ｋｇ／地の条件下で加
圧成形して板状の成形体とし、つづいてこの成形体を１
７００００の温度下で７虫時間焼成せしめて高純度アル
ミナ焼結体を造った。

次いで、このアルミナ焼給体の表面を研磨機で笹以下の
平滑面として定盤を得た。得られた定盤は圧縮強さ２×
１ぴｋ９′地、曲げ強さ３０００ｋｇ′の、ビッカース
硬度１９００で、熱膨張率（０〜５００℃）が７９×１
０‐７／℃であつた。しかして、上記定盤を３６％の塩
酸、９５％の硫酸および１０％の苛性ソーダにそれぞれ
９時間浸潰して重量損失（重量％）を調べた。

その結果３６％の塩酸の場合は０．０４％、９５％の硫
酸の場合は０．５７％、１０％の苛性ソーダの場合は０
．０１％、重量損失し、極めて耐薬品性が優れているこ
とがわかる。また、上記定盤および鋳鉄製の定盤（比較
例）を使用し、これら定盤上にそれぞれ研磨粉を敷きつ
め、この上に金属板を置いて摺動せしめ該金属板を表面
仕上げしたところ、本発明の定盤表面はほとんど摩耗の
痕跡が認められなかったのに対し、従釆の鋳鉄製定盤の
表面は粗化され、再び使用するには表面を平滑化しなけ
ればならなかった。以上詳述した如く、本発明によれば
優れた耐酸化腐蝕性、耐寒品性、耐摩耗性を有し、かつ
熱膨張率が少なく煩雑な表面仕上げの頻度を減少でき、
かつ著しく耐用寿命を向上でき、検査用定盤、けがき定
盤、すり合せ定盤、工作機械用ベッドなどに有効に利用
できる等顕著な効果を有するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平滑な表面を有する高純度アルミナ焼結体から形成
   してなる定盤。