JPS6034354Y2 - 衝撃式破砕機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は衝撃式破砕機の改良に係り、特にケーシング内
部での作業空間を広く取れるようになした衝撃式破砕機
に関するものである。

従来の衝撃式破砕機は、第１図に示すように周辺に複数
の打撃子１を取付けたロータ２を主軸３の囲りに回転し
、投入口４から供給された原料を回転する打撃子１に衝
突させ、この衝突によって跳ね飛ばされた原料を第１反
発板５のライナ５ａ１又は第２反発板６のライナ６ａ、
更には後部ケーシング７に取付けたライナ７ａに衝突さ
せて、これらライナや打撃子による衝撃によって原料の
粉砕を行うものである。

従ってこのような衝撃式破砕機は、他の摩砕や挟圧を用
いる破砕機と比較して単位重量あたりの処理能力が極め
て優れている反面、衝撃力を利用するものである為に上
記ライナや打撃子等の部分的箇所における消耗が著しく
、且つその損傷が甚だしく、極めて頻繁に部品の取換え
を行わざるを得ない。

ところが従来の衝撃式破砕機に於ては、作業空間が狭い
ことから消耗部品の取換え作業に費やす時間が長く、粉
砕工程の稼動率の低下を招く欠点があった。

このような欠点を除く為に衝撃式破砕機の外部ケーシン
グを前記主軸３の部分で上下に分割し、上側のケーシン
グのみをジヤツキ機構によって上方へ単独で持ち上げ得
るようになし、ロータ部分を開放して打撃子等の取換え
作業の容易化を図った衝撃式破砕機（実公昭４６−２３
７号公報参照）が知られているが、この場合反発板等を
有する重い上部ケーシング全体を垂直に持ち上げるジヤ
ツキ機構が極めて大型化し、機構として複雑である為、
装置全体のコストが高くなるという欠点があるばかりか
、上部ケーシング内の反発板やライナは上部ケーシング
を構成する前後左右の側壁によって覆われている為、か
かるライナを取り外す為の作業スペースが狭く、迅速な
取換え作業ができない。

又他の従来例としては、上部ケーシングの反発板等を設
けた後側部分８と投入口４を有する前側部分９とを分割
線１０の部分で分割し、後側の上部ケーシング部８のみ
を後部の支軸１１を中心として後方へ回動自在となし、
油圧シリンダ等によってこの後側ケーシング部８を前後
方向に開閉し、破砕室内を開放することによって打撃子
やライナの取換え作業を容易となした衝撃式破砕機も知
られている。

この場合上部ケーシングの開閉機構が簡単でコストが安
いという長所を有するが、反発板及びこれに貼り付けた
ライナ等が依然として上部ケーシングの側壁によってそ
の左右が塞がれている為、ライナの取換え作業が容易で
なく作業の迅速性に問題があった。

本考案は上記したような衝撃式破砕機に於るライナや打
撃子等の取換え作業空間を広くなし、作業能率の向上を
図って粉砕工程の稼動率を向上させることを目的とする
ものである。

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

ここに第２図は本考案の一実施例である衝撃式破砕機の
後側上部ケーシング部の側面図（但し上部ケーシングを
開いた状態を付記する）、第３図は第２図に於るＡ−Ａ
矢視図である。

図中第１図と共通の構成要素には同一符号を使用する。

これらの図に於て、３は図示せぬロータの回転中心をな
す主軸であり破砕機を覆うケーシングは上記主軸３の位
置を境として分割された上部の上部ケーシング８′と下
部の下部ケーシング１２とより構成されており、更に上
部ケーシングの後側部分、即ち反発板やこれに貼り付け
たライナ等を有する後側部分８は、下部ケーシング１２
に固定された前側部分９とは分割され、下部ケーシング
１２の後方に取り付けた支軸１１を中心として前後方向
に開閉自在である。

この上部ケーシングの後側部分８が矢印１３で示すよう
に後方向に開いた状態を第２図に２点鎖線８″で示す。

上記上部ケーシング８′の後側部分８の左右側壁１４に
は、開口１５が設けられており、該開口１５には、通常
の運転状態に於て左右のサイドプレート１６によって閉
塞されている。

このサイドプレート１．６の後端部は、側壁１４に設け
られたピン１７に回動可能に係着されており、上記後端
部に接続されたＬ字型のアーム１８の先端部には、後側
部分８の背面に揺動自在に取付けられた油圧シリンダ１
９のピストンロッド２０の先端が回動可能に係着されて
いる。

かかるサイドプレート１６によって閉塞される側壁１４
の開口１５は、上部ケーシング内の反発板やその表面に
貼り付けたライナの側部近傍に設けることが望ましく、
更には後部ケーシング７に取付けた第１図に示すライナ
７ａの部分まで広がるものであっても良い。

続いて上記した破砕機に於るケーシングの開閉動作につ
いて説明する。

図示はしていないが破砕機本体の側部には、下部ケーシ
ング１２側と、上記上部ケーシングの後側部分８とを連
結する油圧シリンダが取付けられており、この油圧シリ
ンダを作動させることによって第２図に２点鎖線で示し
たように８″上部ケーシングの後側部分を矢印１３で示
す後方へ開けることができる。

こうして上部ケーシングの一部を開くことにより、主軸
３に取付けたロータ２周辺の打撃子等の補修、交換等を
極めて容易に行うことができる。

ケーシング８を８″のように開けると、続いて油圧シリ
ンダ１９を作動させてピストンロッドを矢印２１で示す
ように油圧シリンダ内に引き込み、Ｌ字型のアーム１８
をピン１７の周囲に矢印２２で示す方向に回動させる。

するとアーム１７と一体であるサイドプレート１６が矢
印２２で示すように開き、開口１５が開放される。

サイドプレート１６を９０度開いた状態１６′を第３図
に２点鎖線で示す。

上記のようなサイドプレート１６の開閉動作は後側部分
８を開いた状態で行っても良く、又第２図に実線で示す
ように閉じた状態でサイドプレートを開いて反発板等の
補修等を行うことも可能である。

上記実施例では上部ケーシングを前後方向に開閉する部
材を後側部分８のみとなしたが、前側の上部ケーシング
９をも前方向に開きうるようになして、この部分の側部
を覆うサイドプレートを側方へ向かって開閉可能となす
ことも可能であり、更には下部ケーシングの側部に開閉
可能のサイドプレート等を取付けてロータの側部の補修
等を容易となすことも可能である。

上記の開く動作を逆に行って、ピストンロッド２０を矢
印２１とは逆の方向へ引き込むと、サイドプレート１６
を矢印２２と反対の方向へ閉めることができる。

上記実施例では、上部ケーシングの開閉駆動装置として
油圧シリンダ１９を用いたが、使用し得る開閉駆動装置
としては、この他にネジ式のジヤツキ装置やチェーンブ
ロック等も考えられる。

以上述べたように本考案に於ては、破砕機の上部を外覆
する上部ケーシングの一部を分割して前後方向に開閉自
在となした衝撃式破砕機において、上記開閉動作をなす
ケーシングの側部開口を覆うサイドプレートを側方へ向
かって開閉可能となし、該サイドプレートを開閉駆動装
置に連結したことを特徴とする衝撃式破砕機であるから
、打撃子、反発板、及びライナ類の補修交換作業に広い
作業空間を確保することができ、これらの作業能率が向
上すると共に、作業精度も向上し、保全作業が迅速に行
われる為、衝撃式破砕機のネックであった稼動率の低下
が最少限に抑制されるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は衝撃式破砕機の内部構造の一例を示す側面図、
第２図は本考案の一実施例である衝撃式破砕機の側面図
、第３図は第２図に於るＡ−Ａ矢視図である。 ８′・・・・・・上部ケーシング、８・・・・・・後側
部分、１５・・・・・・側部開口、１６・・・・・・サ
イドプレート、１９・・・・・・油圧シリンダ（開閉駆
動装置）、１４・・・・・・側壁、１８・・・・・・ア
ーム、２０・・・・・ゼストンロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 破砕機の上部を外覆する上部ケーシングの一部を分割し
   て前後方向に開閉自在となした、衝撃式破砕機に於て、
   上記開閉動作をなすケーシングの側部開口を覆うサイド
   プレートを側方へ向かって開閉可能となし、該サイドプ
   レートを開閉駆動装置に連結したことを特徴とする衝撃
   式破砕機。