JPS6034274Y2 - 治療椅子の安頭台支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は治療椅子、特に歯科用のそれにおいて、患者の
頭部を支承する、いわゆる、安頭台の位置姿勢を押ボタ
ンの操作により調節できるようになした安頭台支持装置
に関する。

歯科用治療椅子の安頭台は患者の頭部を支持すべき安頭
座とそれに対する支持部とそれを椅子背当部上に保持す
る支杆とで構成され、安頭座は支持部の上端に軸着し、
又、支持部の下端は支杆の上端と軸着している。

このような安頭台で、患者の座高並びに口腔内の診療施
術に夫々順応して安頭台の位置姿勢を適正に調節するた
め、従来の安頭台では、支持部の背後へ突出する把手を
用いその先端部のトグル結合を通じ支持部の上下軸着点
における割溝を開閉させることにより締付とその解除の
両件用を交互になしうるようになされていた。

（実公昭４８−８１５６号及び実公昭４１−２１５９１
号参照） しかし、本考案の安頭台は、その姿勢調節に、突出する
把手又はレバーを利用することなく、支持部の側面に押
ボタンを有し、それの押圧作用により上下軸着点におけ
る拘止とその解除をなすようになされたものである。

以下図面に示す実施例により本発明を説明する。

図面第１図は本考案による安頭台支持装置を示し、その
イは背面図、その口は側面図である。

図中１は椅子背当部、２は安頭座、３はその支持部、４
は支杆、５は支持部３の上端における安頭座２の軸着部
、６は支持部３の下端における支杆４の軸着部、７は支
持部３の側面に設けられた押ボタンである。

第２図には、前記支持部材３の構造を詳示してあり、８
は断面Ｕ字状のフレームで、その上下両端部には安頭座
２を軸着するための軸９及び支杆４軸着用の軸１０を夫
々具備し、かつ、それら軸各々に近接的に各軸へ夫々係
合すべき制動手段１１及び１２が設けられている。

制動手段１１及び１２は、第３図の部分的側面図に示す
如く、横軸１３により夫々偏心的に軸支された一対の偏
心カム１４．１４よりなり、各カムには、その円弧周端
面１５，１５を軸９及び１０へ夫々圧接させるように作
用している駆動スプリング１６．１６が装架され、又、
各カム側面にはピン１７．１７が夫々突設されている。

フレーム８の中央部分には、カム片１８が傾動自在に軸
支されてあり、その下部に押ボタン７の内端が圧接し、
かつ、カム片上部両側に突部１９．２０が形成されであ
る。

カム片の両突部１９．２０には連結子２１．２２の各鈎
端が夫々係合し、連結子２１は上方へ延びてその終端は
軸９に圧接する偏心カム１４．１４の側面の突設ピン１
７．１７に、まとめて連結されているに反し、連結子２
２の方は下方へ向い終端は軸１０に対する偏心カム１４
．１４の側面におけるピン１７゜１７へ連結されている
。

本考案の安頭台支持装置において、子供を含めた患者の
各座高並びに口腔内の診療施術に応じて行なう調節は支
持部３の上端軸着部５、下端軸着部６のいずれか一方又
は双方においてなされる。

第４図には、安頭座２の異なる位置姿勢を例示しである
が、第１図口と第４図イは、主として支持部３の上端軸
９での調節を、又、第４図口、ハは支持部下端軸１０に
よるものを示している。

支持部３の上下両軸９，１０は押ボタン７の押されない
限り、各軸に近接する制動手段１１．１２において偏心
カム１４．１４が装架スプリング１６゜１６の駆動によ
り夫々の周端面１５．１５が、第３図イに示す如く、軸
面に圧接するから各軸９゜１０はいずれも拘止の状態に
ある。

しかし、ボタン７を押込むと、その内端がカム片１８を
第２図の実線位置から破線位置へ押圧移動させることに
より、カム片の突部１９は連結子２１を下方へ引き下げ
る一方、他の突部２０は連結子２２を上方へ引き上げる
。

連結子２１と２２は、第３図口に示す如く、夫々偏心カ
ム１４．１４をスプリング１６．１６に抗し軸９，１０
から引き離すから、両軸は共に拘止を解放される。

従で、支持部３の上下軸着部５，６においての安頭台の
調節が自由に行われる。

そこで、押ボタン７の押圧を止めれば、上下両軸着部５
，６は制動手段１１，１２の各拘止下で、夫々の調節位
置に留保される。

従来の安頭台装置は、それの上下両軸着部の締付と解除
のため、夫々に割溝を設け、その溝巾の開閉には、後方
へ突出するレバー状把手を用い、それの内端部における
トグル結合を通じ軸着部の締付解除をなさしめていたが
、そのようなトグル結合の作動には相当強い力を必要と
するに加え、後方へ延出するレバーの存在は安頭台の調
節操作上、邪魔であるのみならず引掛けられ易く、思わ
ざる危険を伴なうものである。

それに反し、本考案の安頭台支持装置は、前述のとおり
、突出するレバーなどを有せず、支持部側面に位置せし
めた押ボタンの押圧操作だけで安頭台の位置姿勢の調節
が適確に遂行できるようになっているので治療椅子の運
用上、有効適切のものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による安頭台支持装置のイ背面図と口側
面図を夫々示し、第２図は支持部の詳細を示す正面図、
第３図は第２図における制動手段の部分的側面図でイは
制動手段による軸の拘止と口はその解放状態を夫々示し
、第４図イ９ロ、八には安頭座のいろいろな位置姿勢を
例示している。 図中、１・・・・・・椅子背当部、２・・・・・・安頭
座、３・・・・・・支持部、４・・・・・・支杆、５・
・・・・・安頭座軸着部、６・・・・・・支杆軸着部、
７・・・・・・押ボタン、９，１０・・・・・・軸、１
１，１２・・・・・・制動手段、１４・・・・・・偏心
カム、１６・・・・・・スプリング、１８・・・・・・
カム片、２１・・・・・・上向連結子、２２・・・・・
・下向連結子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 患者の頭部を支承する安頭座とそれの支持部とそれを椅
   子背当部上に保持すべき支杆とで構成され、該支持部の
   上下両端部分に安頭座及び支杆を夫々軸着させる軸に近
   接して、スプリングの駆動下にある一対の偏心カムより
   なる制動手段を具備すると共に、前記支持部の側面に位
   置せしめた押ボタンとそれの内端に接して、押圧により
   、傾動するカム片を有し、更に、同カム片と前記偏心カ
   ムとの間を連繋する上向及び下向きの連結子を備えてな
   り、前記押ボタンの押圧されない間は、前記軸着軸を夫
   々の制動手段が拘止を続け、同ボタンを押込むと該拘止
   を解除することを特徴とする治療椅子の安頭台支持装置
   。