JPS6034234B2 - 配電器を具備しない火花点火機関の電波雑音防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 配電器を具備しない２輪車や船外機の火花点火機関に対
する電波規制国向け電波雑音防止装置は電波雑音防止の
ため抵抗入プラグキャップと抵抗入プラグの組合せか、
シールド型のプラグキャップを採用するのが主流とされ
ている。

強力なＣＤ．１．（容量放電型点火装置）の採用や、大
型化と共に雑音レベルが高くなり、前記の防止器では必
ずしも充分ではなく、特にカナダの電波規制を満足させ
ることができない場合がある。一方シールド型プラグキ
ャップは静電容量が大きくなるから電圧降下が大きく、
リークなどの問題も派生し易い。これらの機関の雑音レ
ベルをいかにして低下させるかが問題となった。本発明
はこれらの問題を解決するための提案であって、配電器
を具備しない２輪車や船外機などの火花点火機関の点火
プラグ近傍以外においては火花放電直後に流れる過渡的
な容量放電々流の分布が著しく小さな値となるような抵
抗入プラグに巻線型プラグコードを接続するとともに、
該プラグの主体金具かしめ端から巻線型プラグコードの
双方にわたって８仇肋以上最大１８仇奴までの範囲内で
シールドを施して成るもので、以下にその限定理由を詳
説する。

一般に電波雑音の発生のメカニズムは火花放電の直後に
流れる容量放電々流であり、従ってこの容量放電々流を
低下させるか、或は容量放電々流の大きい部分を遮蔽す
るかのいずれかの手段が考えられる。

さらに点火コイルから点火プラグまでを巻線型のプラグ
コードで接続すると電流の分布は点火コイル側から点火
プラグ側に近付くほど大きくなることがわかった。すな
わち点火プラグコード‘こ沿って点火コイル側が小さく
点火プラグ側が大きいのであるが、さらに次のような事
実が判明した。これを図面にもとづいて詳説すると、第
１図においては｛１） 点火プラグの主体金具加締部Ａ
点が最も高く点火コイルＢ側ほど低い。

【２｝ 周波数によって大きく変り６９ＭＨＺあたりか
ら分布が著しく異る。

‘３ー 周波数が１００ＭＨＺ以上では主体金具かしめ
部Ａより８０柳位にわたって高く、それ以上はなれると
著しく低い電流値となる。

｛４｝ 巻線型プラグコードを抵抗入キャップでは顕著
な差がある。

‘５）主体金具かしめ部Ａから８０肋位の部分まで遮蔽
すると放射電解強度も著しく低下する。

巻線型プラグコードと抵抗入プラグを組合せ（実線Ｙで
示す）、第１図に示すように点火プラグーの主体金具１
０かしめ部Ａから測定点を２０肋、４仇肋、８仇岬、１
２０肋、１８０肋および３４仇吻と順次カーレントプロ
ーグを移動して電流分布を測定すると、周波数が４８Ｍ
ＨＺと６９ＭＨＺをそりあげた結果では第４図ａ，ｂに
示すように、前記Ａ点からの距離１８仇岬まなれた位置
から一定となるが、全図ｃに示すように９０ＭＨＺでは
その距離が約１２０柳、またｄに示すように１８０ＭＨ
２では約８０肋で変化が小さくなり低い電流値では）、
一定となる。

このように周波数によって電流の低下具合が異り、高い
周波数ほど点火プラグ近傍のみに電流の集中すなわち分
布が高いことが見られることがわかった。

従ってこの電流値の大きい個所のみを遮蔽することで放
射電解強度はかなり低く抑えることができる。しかし遮
蔽する範囲がかなり長くなるので、耐電圧や電圧降下を
考慮したシールド手段が要求されることになる。なお、
第１図に示すものは従来例の縦断正面図で点火コイル２
と点火プラグーまでを巻線型プラグコード３で接続し、
点火プラグには抵抗入プラグを用いた。該プラグかしめ
端Ａと点火コイル機Ｂを５００肌はなし、Ａ点から前記
のごとく２仇舷、４０肋、８０柳、１２０柳、１８０肌
、３４０側はなれた各所の電流値を測定した。第４図に
その結果を各周波数ごとに示す。また点線は抵抗入キャ
ップと抵抗入りプラグの組合せ（×で示す）の従来例で
あり、電流分布は距離及び周波数を可変しても殆ど一定
でかつ電流値の低下も少ない。さらに抵抗入キャップの
周囲を遮蔽しても巻線型コードの如き遮蔽効果は得られ
ない。実施例 １ 第２図に示すものは本発明の実施例の縦断正面図であっ
て、径１柳少を鉄線をばね状に伸縮可能に巻回したスプ
リング型シールドカバー４によって前記Ａ点から巻線型
プラグコード３にわたって約１２比肋の範囲まで遮蔽し
た状態を示し、７はプラグコード３に挿着した絶縁ゴム
カバ−、５は接続金具、６はプラグブーツである。

このスプリング型シールドカバー４は点火プラグーの主
体金具１０の六角部に隊着し、電気的に接触導通して約
１２０柳にわたり遮蔽する。第５図は本実施例のシリン
ダーヘッド９の斜視図である。実施例 Ｄ 他の実施例を第３図に縦断正面図で示す。

シールドカバーは金属メッシュ型又は可操性の導電性ゴ
ム８で成形したものであって実施例ロと同一の効果を示
す。これらの実施例のものはいずれも伸縮自在で容易に
曲げられるから取付容易である。

シールドカバーは必ずしも上記２列に限ることなく、電
流密度の高くなる点火プラグ側近僕をシールドするもの
であればよい。

またシールドはリークや電圧降下の不都合を避けるため
プラグコードの外径より大幅に大きいものでも効果は変
らない。本発明は叙上のごとく電流分布が著しく異なる
巻線型プラグコードと抵抗入プラグコードを組合せ、か
つ点火プラグ側から電流値の大きい最大約１８０脚の範
囲をシールドすることによって雑音レベルの著しく低い
火花点火機能を２輪車や船外機の分野に提供することが
可能とするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の火花点火機関の抵抗入プラグと巻線型プ
ラグコードを結合した要部の縦断正面図、第２，３図は
本発明の前記要部の縦断正面図、第４図ａ，ｂ，ｃおよ
びｄは全じくプラグかしめ部からの距離による雑音レベ
ルの変化を各周波数ごとに示すグラフ、第５図は本発明
の一実施例のシリンダーヘッドの斜視図である。 １・・・・・・点火プラグ、２・・・・・・点火コイル
、３・・・・・・抵抗入プラグコード、４，８・・・・
・・シールドカバー、１０・・・…主体金具。 第１図 第２図 第３図 第４図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 配電器を具備しない２輪車や船外機などの火花点火
   機関において火花放電直後に流れる過渡的な容量方電々
   流の分布が点火プラグ近傍において著しく大きな値とな
   る該点火プラグとして、抵抗入プラグを採用し、これと
   抵抗入プラグコードとを組合せ、該プラグの主体金具か
   しめ部から前記抵抗入プラグコードの双方にわたつて８
   ０ｍｍ以上最大１８０ｍｍの範囲内でシールドを施して
   成る配電器を具備しない火花点火機関の電波雑音防止装
   置。 ２ 前記シールドのための部材は伸縮自在の導電材から
   形成された特許請求の範囲第１項記載の配電器を具備し
   ない火花点火機関の電波雑音防止装置。