JPS6033790Y2 - 藺草収穫機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体進行に伴って導入される植立藺草の根元
部を切断する刈取装置と、刈取られた藺草の根元部を挟
持して後方上方に搬送することにより前記藺草を搬送終
端では横倒し姿勢となるように姿勢変更する挟持搬送装
置と、前記横倒し姿勢の藺草をすぐり選別するすぐり選
別装置とを備えた藺草収穫機に関する。

圃場に植立する藺草は、稲、麦のような茎稈よりもさら
に強い絡みつき傾向を有したものであり、また、畳おも
てなどに用いる。

藺草として商品価値を有するには、一定以上の長さを有
したものでなくてはならず、単に刈取るだけではなく、
刈取後に長稈と短稈とをすぐり選別しなければならない
ものである。

このような藺草の収穫機として、従来では、例えば実公
昭５３−２２５２４号公報に示されているように、刈取
り前の植立藺草に強制振動を与える振動分草体を設けて
、植立藺草に振動を与えてから刈取るように構成したも
のがあった。

このように構成したものでは、植立藺草に振動を与える
ことで刈取り前の藺草どうしの絡みつきをほぐすには有
効であるが、刈取り後に再び絡みあったもの、あるいは
、すぐり選別のために横倒し姿勢に変更すべく後方搬送
される途中の藺草を刈取り直後の藺草との絡みつきをほ
ぐすことはできないものであった。

このため、搬送途中の藺草が刈取り直後の藺草もしくは
植立藺草に絡みついて、その先端側が折れたり引きちぎ
られたりするこことで、藺草としての商品価値を損なう
、あるいは、次工程のすぐり選別の前工程である後方搬
送でのはぐしか充分でないために、すぐり選別そのもの
を充分満足できる状態で行うことは困難であるという欠
点があった。

本考案は、刈取られた後の藺草に対して、刈取直後で搬
送前のもの、および、搬送中のものの何れにも充分なほ
ぐし作用を与え、刈取り後の藺草の折損や引きちぎれを
良好に防止腰また、次工程のすぐり選別を良好に行える
ようにすることが可能な藺草収穫機を提供することにそ
の目的がある。

上記目的を遠戚するための本考案の特徴とする構成は、
機体進行に伴って導入される植立藺草の根元部を切断す
る刈取装置と１、刈取られた藺草の根元部を挟持して後
方上方に搬送することにより前記藺草を搬送終端では横
倒し姿勢となるように姿勢変更する挟持搬送装置と、前
記横倒し姿勢の藺草をすぐり選別するすぐり選別装置と
を備えた藺草収穫機において、前記刈取装置の後方側で
、かつ、前記挟持搬送装置搬送始端部相当位置に、揺動
作動に伴って搬送開始直前の刈取藺草列に間歇的に突入
および藺草列から引退して、搬送開始前の藺草と搬送中
の藺草とを分離させる揺動部材を設けると共に、前記揺
動部材は、搬送藺草列への突入時に、その揺動半径方向
での中間部が遊端側部分に先行して揺動作動するように
、その作用縁を略り字状に彎曲させて形成した点にあり
、かかる構成から次の作用効果を泰する。

すなわち、前記揺動部材は、その揺動作動に伴って、搬
送開始直前の刈取藺草列に間歇的に突入および引退を繰
り返すものであるから、揺動部材の突入に伴って、それ
よりも機体進行方向前方側の刈取藺草は一時的に機体に
対する後方移動を停止され、その間、進行方向後方側の
藺草は挟持搬送装置によって根元側を後方移送されるも
のであり、前記揺動部材の藺草側からの引退によって進
行方向前方側で停止されていた藺草が再び後方移送され
ることとなる。

その結果、揺動部材の揺動作動に伴って藺草が搬送方向
の前後で断続的に間隔を隔てながら搬送されることとな
り、このように搬送と関連して根元側の間隔を拡げるこ
とで先端側のほぐれを促進し、また、揺動部材の藺草列
への突入で、前方側の刈取藺草の根元側に対しては前後
方向で振動を与え、かつ、搬送開始されている突入位置
近くの搬送藺草に対しては横方向からの振動を与えて、
その先端側を揺らし、さらに、搬送前の刈取藺草と搬送
途中の藺草との絡みつきを、前記の間隔発生と振動発生
との相乗によってほぐす作用を得られる。

従って、刈取られた後の搬送前の藺草の先端側が、後方
搬送に伴って姿勢変化される搬送中の藺草と絡みあって
、搬送前もしくは搬送中の藺草の先端側が折損したり、
引きちぎられる等の、藺草としての商品価値を損なう不
都合の生じる虞少なく搬送することができ、また、次工
程のすぐり選別装置に至る藺草の絡みつきを良好にほぐ
して、すぐり選別を行い易くできるという効果を得られ
るに至ったものである。

殊に、本考案では、前記揺動部材の作用縁を略り字状に
彎曲させたことにより、搬送前の藺草および搬送開始さ
れた藺草の両者に対して振動を与えることができるから
、搬送前の藺草だけに振動を与えるものに比べても、上
述のはぐしかより一層良好に行える利点がある。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

前方に突出された左右一対の分草案内具１，１間に導入
された植立藺草を刈取る刈取装置２、刈取藺草の株元側
近くを弾性挟持して後方側上方に向かって搬送していく
弾性挟持搬送装置３、前記搬送装置３によって搬送され
る藺草の先端側の後方への移行を阻止した状態で、稈身
方向途中箇所を株元の移行に追随させながら上方に係止
搬送し、刈取藺草をその上端側を中心にして持上げ揺動
させて横倒れ姿勢に姿勢変更する前後一対の係止搬送装
置５、横倒れ姿勢の藺草を機体横方向に挟持搬送する上
下一対の横搬送装置６とその横搬送装置６によって横搬
送される藺草のうちの短いものを後方に梳き出す梳き出
し装置７とで構成されるすぐり選別装置、及び、選別さ
れた良質の藺草を回収する回収部８を、順次、低圧タイ
ヤ車輪９を軸架すると共に前方に操縦部１０を延設した
走行車体に連設してあり、もって、走行に伴い藺草を刈
取って回収していくように藺草収穫機を構成しである。

前記弾性挟持搬送装置３によって構成される姿勢変更経
路Ｒ１の始端側に、前記横搬送装置６によって構成され
る横移送経路Ｒ２とは反対側で、かつ、挟持搬送装置３
の前端よりも上方に位置させて、前端側を中心に縦軸芯
１周りで往復揺動自在に揺動部材１１を設け、前記挟持
搬送装置３を構成する、前記横移送経路Ｒ２とは反対側
に位置する挟持ベルト巻回用のスプロケット１２に、そ
の回転中心より偏位してロッド１３を突設し、他方、前
記揺動部材１１を、フレーム１４に回転自在に取付けた
回転支軸１５に連設すると共に、その回転支軸１５にア
ーム１６を連設し、アーム１６に穿設の長孔１７に前記
ロッド１３を係入し、前記スプロケット１２の回転に伴
って揺動部材１１を所定角度範囲内において往復駆動揺
動し、その押圧縁Ｆを藺草導入経路Ｒに出退するべく構
威しである。

又、前記回転支軸１５に、その回転中心周りの円弧状の
長孔１８を穿設したブラケット１９を連設すると共に、
前記回転支軸１５に回転自在に取付けた連結ロッド２０
を、前記長孔１８に挿通したボルトの締付けにより前記
ブラケット１９に固定し、連結ロッド２０を回転支軸１
５に対してその周方向に取付位置変更自在に樹皮してあ
り、そして、前記連結ロッド２０と、前記分草案内具１
．１のうちの横移送経路Ｒ２とは反対側に位置するもの
とを長孔２１を介して連結してあり、スプロケット１２
の回転に伴い、分草案内具１を所定角度範囲にわたって
駆動揺動し、分草していくように、かつ、前記ブラケッ
ト１９に対する連結ロッド２０の取付位置変更により分
草案内具１の揺動範囲全体を変更調節できるように構威
しである。

前記揺動部材１１は、略り字状に彎曲した作用縁Ｆを備
えており、その作用縁Ｆを、前記導入経路Ｒへの突入時
に、道端側部分１１ａを中間部および基端側部分１１ｂ
よりも遅れて藺草に作用させ、揺動に伴って、前記基端
側部分１１ｂを全体として前後方向に変位させ、前記挟
持搬送装置３によって挟持される前の刈取直前の藺草を
機体前方へ押圧し、刈取藺草よりも離して先端側での互
いの絡みをほぐし、他方、前記遊端側部分１１ａを全体
として横方向に変位させ、前記挟持搬送装置３によって
搬送される搬送途中の藺草を機体横手方向に押圧し、姿
勢変更経路Ｒ１から横移送経路Ｒ２に供給される藺草と
の間での先端側の絡みをほぐしていくように構威しであ
る。

第５図及び第６図は別実施例を示し、前記回転支軸１５
の上端に揺動部材１１を連設し、それよりもやや下方に
位置させる状態で別の揺動部材１１を、前記回転支軸１
５に回転のみ自在に外嵌したボス部材２２に連設し、そ
して、前記回転支軸１５及びボス部材２２夫々の下端側
に第１リンク２３を連設し、他方、前記ロッド１３に、
上下に位置を異らせた状態で、かつ、相対回転自在に第
２リンク２４．２４を遊嵌し、前記第１リンク２３．２
３夫々に第２リンク２４．２４を各別に連結してあり、
スプロケット１２の回転に伴い、両揺動部材１１．１１
を、藺草導入経路Ｒに対して交互に突入させるように構
威しである。

【図面の簡単な説明】

図面の本考案に係る藺草収穫機の実施例を示し、第１図
は全体側面図、第２図は全体平面図、第３図は要部の平
面図、第４図は要部の一部切欠側面図、第５図は別実施
例の要部の平面図、第６図は別実施例の要部の一部切欠
側面図である。 ２・・・・・・刈取装置、３・・・・・・挟持搬送装置
、６，７・・・・・・すぐり選別装置、１１・・・・・
・揺動部材、ｌｌａ・・・・・・遊端側部分、Ｒ□・・
・・・・姿勢変更経路、Ｒ２・・・・・・横移送経路、
Ｒ・・・・・・藺草導入経路、Ｆ・・・・・・作用縁、
Ｐ・・・・・・縦軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体進行に伴って導入される植立藺草の根元部を切断す
   る刈取装置２と、刈取られた藺草の根元部を挟持して後
   方上方に搬送することにより前記藺草を搬送終端では横
   倒し姿勢となるように姿勢変更する挟持搬送装置３と、
   前記横倒し姿勢の藺草をすぐり選別するすぐり選別装置
   ６，７とを備えた藺草収穫機において、前記刈取装置２
   の後方側で、かつ、前記挟持搬送装置３の搬送始端部相
   当位置に、揺動作動に伴って搬送開始直前の刈取藺草列
   に間歇的に突入および藺草列から引退して、搬送開始前
   の藺草と搬送中の藺草とを分離させる揺動部材１１を設
   けると共に、前記揺動部材１１は、搬送藺草列への突入
   時に、その揺動半径方向での中間部が遊端側部分１１ａ
   に先行して揺動作動するように、その作用縁Ｆを略り字
   状に彎曲させて形威しであることを特徴とする藺草収穫
   機。