JPS603374Y2 - 保持用クリツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、支持プレート上に溶接されるか又はその他
の方法で固着されて突設された支持ボルトによって、パ
イプ、ホース、ケーブル等の円筒体を支持プレート上に
保持するのに適した合成樹脂製の保持用クリップに関す
る。

以下、円筒体を保持する場合を例に採るが、他の形状の
部品保持においても同様である。

この種の保持用クリップは、一般に、支持ボルトに嵌合
可能な貫通孔を備えた円筒状の固定用ケース部と、この
ケース部の両側に形成され、Ｕ字形に内側へ湾曲しばね
弾性を有する一対の保持アームを備えた円筒体保持部と
からなる。

そして、その使用態様は、支持ボルトに貫通孔を介して
固定用ケース部を嵌合した後、固定用ケースから突出し
たボルトのねじ部にナツトをねじ込んで、固定用ケース
部の貫通孔の上端周縁を押圧して、このクリップを支持
板に固定するのが普通であった。

このような固定方法を採用することにより、欠陥の生じ
たクリップの取り替えが可能となる。

しかし、このような構造のクリップを自動車の車内にお
けるケーブル等を保持するために使用する場合、不便で
あった。

なぜなら、固定用ナツトを締め付けて取り付けたり、ま
た、緩めて取り外したりするときに不自然な姿勢で、手
さぐりに近い状態でするため非常に手間がかかった。

この考案は、上記にかんがみて、保持用クリップの固定
用ケース部の構造を、上記困難なねじ込み作業を必要と
しない形状とし、しかも保持用クリップを容易に分解取
り外すことができるようにすることにより、支持プレー
トへの取り付け、取り外しが短時間に可能となる保持用
クリップを提供することを目的とする。

この考案の要旨は、クリップ本体における円筒状の固定
用ケース部の上方部を強制的に拡開可能なばね弾性体部
とし、このばね弾性体部の内周壁に少なくともｌピッチ
分のねじ山を突設するとともに、クリップ本体の下端両
側に下方へ湾曲しているばね脚部を備え、ばね脚部の湾
曲高さは少なくともねじ山のピッチ高さと同一であり、
支持ボルトを介して支持プレートに取り付ける合成樹脂
製の保持用クリップにある。

以下、この考案の一実施例を、図例に基づいて説明する
。

クリップ本体はばね弾性を付与可能な合成樹脂材料から
成形され、固定用ケース部１と、このケース部１の両側
に形成される円筒体保持部２とからなる。

円筒体保持部（部品保持部）２は、パイプ、ホース、ケ
ーブル等のような円筒体３を保持するために、ばね弾性
を有しＵ字形に内側へ湾曲した対の保持アーム４を備え
ている。

上記固定用ケース部１は、取り付は用の支持ボルト７を
挿入可能な貫通孔１１を有する円筒状であり、両側に円
筒体保持部２が一体的に形成される下方部位は丈夫な剛
体部とされ、その上方部は強制的に拡開可能なばね弾性
体部５とされている。

このばね弾性体部５の内周壁に、内側に向って突き出た
１ピッチ分のねじ山６が形成されている。

このねじ山６の形状は、支持ボルト７のねじの谷部に嵌
着可能なものとなっている。

なお、支持ホルト７は、支持プレート８上に溶接される
か又はその他の方法で固着されて突設されるものである
。

また、支持ボルト７の長さは、固定用ケース部１を完全
に挿入したとき、少なくとも１ピッチ分の長さのねじ山
６が突出するものとする。

また、固定用ケース部１の下端ベース部１０の両側に、
下方へ湾曲しているばね脚部９を備えている。

このばね脚部９の湾曲高さ“ｆパの寸法は、少なくとも
ねじ山６のピッチ高さＳ１１の寸法と同一とする。

次に、上記実施例の使用態様を説明する。

このクリップを支持ボルトに取り付けるためには、支持
ボルト７にその上方から貫通孔１１を介して固定用ケー
ス部１を嵌合する。

すると支持ボルト７の先端部のねじは、ばね弾性体部１
のねじ山６と衝突するが、クリップに押圧力を加えれば
、ねじ山６は支持ボルト７の先端部で強制的に拡開され
、ねじ山６の位置を通過した後、ねじ山６はボルト７の
ねじの溝部にばね弾性的に嵌着する。

このとき、ばね脚部９の湾曲高さ“ｆ ｔｔの寸法と、
ねじ山６のピッチ高さ９？の寸法が同一であるので、支
持プレート８上にクリップを押圧したとき、ねじ山６が
支持ボルト７のねじの溝部に確実に嵌着することになる
。

このばね脚部９が存在しないか又は短かすぎる場合は、
このクリップを支持プレート８上に押圧したとき、これ
と同時にクリップのねじ山６がこれと対応する支持ボル
ト７の溝部に入り込むか否かは単なる偶発的に現象にす
ぎなくなる。

また、クリップはばね脚部９の反作用を受けて、ねじ山
６はボルト７の谷部に上方へ押圧するようにして嵌着さ
れるので、クリップは支持ボルト７にがたつきなく確実
に固定される。

逆に、このクリップを支持ボルトから取り外すときは、
ナツトの場合と同様にして、クリップを緩み方向へねじ
れば、容易に取り外すことができる。

上記実施例においては、成形技術上の理由から、ねじ山
６は１ピッチ分のみ形成したけれども、２〜３ピッチ分
形威してもよい。

この考案の保持用クリップは、上記のように、一定の力
を加えて容易に支持ボルトに固定用ケース部を介して嵌
合でき、必要ならば、支持ボルトから取り外すことがで
きる。

また、クリップの下端両側に形成されたばね脚部により
安定した支持状態を遠戚することができる。

すなわち、支持プレート上への円筒体の取り付は取り外
しが短時間にしかも確実にできるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の保持用クリップの組付は時の側面図
、第２図は同じく第３図の矢視部を断面とした拡大側面
半断面図、第３図は第２図の平面図である。 １・・・・・・固定用ケース部、２・・・・・・円筒体
保持部（部品保持部）、５・・・・・・ばね弾性体部、
６・・・・・・ねじ山、７・・・・・・支持ボルト、訃
・・・・・支持プレート、９・・・・・・ばね脚部、１
１・・・・・・貫通孔、Ｓ・・・・・・ばね脚部の湾曲
高さ、ｆ・・・・・・ねじ山のピッチ高さ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ クリップ本体は、合成樹脂製で、支持プレート上に
   突設された支持ボルトに嵌合可能な貫通孔を備えた円筒
   状の固定用ケース部と、該固定用ケース部に一体的に形
   成された部品保持部とからなり、前記固定用ケース部の
   上方部を強制的に拡開可能なばね弾性体部とし、このば
   ね弾性体部の内周壁に、前記支持ボルトのねじの溝部に
   嵌着可能なねじ山を少なくとも１ピッチ分備えるととも
   に、クリップ本体の下方へ湾曲しているばね脚部を備え
   、該ばね脚部の湾曲高さは少なくとも前記ねじ山のピッ
   チ高さと同一である構成の保持用クリップ。 ２ 前記部品保持部が、固定用ケース部の両側に形成さ
   れ、ばね弾性を有する一対の保持アームによって円筒体
   を把持するように構成されていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の保持用クリップ。