JPS6032772B2 - 加熱蒸発式加湿器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は加熱蒸発式加湿器における湯垢吸着装置に関
するものである。

従来この種の加湿器においては、加湿皿の水を沸騰させ
て不純物を含まない蒸気を空中に放出する方式のため、
水中に落籍していたカルシウムＣａ、マグネシウムＭ＆
二酸化ケイ素Ｓｉ０２等が加湿皿内の湯の中に濃縮され
、不純物が加湿皿に析出、堆積する。

さらに運転を続けると析出、堆積した不純物が加湿皿等
にこびりつきいわゆる湯垢となって強固に付着する。こ
のような状態で運転を続けると、ヒータから被加熱水へ
の熱伝導を阻害し、加熱効率の低下をまねいたり、温度
制御を不可能にするだけではなく、連結パイプを塞ぎ水
の供給を遮断したり、さらには加湿皿を腐食させ、加湿
器全体としての寿命を短くする等の欠点があった。

この発明は上記の事情に鑑みなされたもので、加湿皿の
上面に湯垢を付着させる湯垢吸着板を着脱自在に設け、
掃除の際はこれを取外して行えるようにしたものである
。

以下図示実施例に従いこの発明の詳細について説明する
。

第１図において、１は内部に水が入っている水タンク、
２は水タンク１下部に設けられた水出入口で、雄螺子が
突出している。３はスプリング４、弁綾５、弁６などで
形成ごれた千ャッフ。

で水出入口２の雄螺子に螺着されている。７は弁棒をお
さえ８が略中央に突出しているレベルタンクで、この弁
藤おさえ８により上記弁棒５が押さえられ弁６が開いて
レベルタンク内の水位は常にキャップ３の下端位置まで
一定になる。

９はアルミ等の熱伝導率の高い材質で構成され、なべ状
の形を有してなる加湿皿であり、レベルタンク７の水位
とこの加湿皿の水位は導水管１０で連繋されているため
、同水位に保たれる。

１１は上記加湿皿９の下面外側に密着して設けたヒータ
で、１２はアルミ等の熱伝導率の高い材質で構成し、上
記加湿皿９と略同形状のなべ状をなし、その低部中央部
に蒸気が通過する吐出孔１３を有し、その吐出孔１３の
端は低部よりもいくらか高く形成するように吐出孔１３
の周辺にテーパ１４をつけて構成した湯垢吸着板で、上
記加湿皿の内部側壁とシール材１５を介して着脱が容易
に競合固着されている。

尚この湯垢吸着板１２と加湿皿９の水面との距離は２伽
〜１２柳で、加湿皿９と湯垢吸着板１２の吐出孔１３面
積の比は１′８〜１′２になるように設定されている。
上記のように構成された加熱蒸発式加湿器においては、
水タンク１に水を入れ第１図のように装置にセットする
と、キャップ３の弁６が開きレベルタンク７に水が流れ
込み、導水管７をへて加湿皿９に水が留まり、キャップ
３の下端位置で水の供給さ止まり、以後この位置で水位
を保つようになる。

この状態でヒーター１に通電すると、加湿皿９はヒータ
ー１により加熱され、皿内の水が沸騰し蒸気は湯垢吸着
板１２の吐出孔１３を通り空気中に放出され、この蒸気
となって空中に放出された量の水分だけ常に水タンク１
から水が供給され水位はいつも一定に保たれ、水タンク
中の水が無くなるまでこの動作を繰り返す。

さてここでこの発明の要点となる水分中のＣａ，Ｍｇ，
Ｓｉ０２等の不純物が湯垢吸着板１２に付着していく過
程を説明すると、加湿皿９内で沸騰している湯は不純物
分だけを残し蒸気となって湯垢吸着板１２の吐出孔１３
を通過する。

その時皿内の湯の沸騰に伴い湯面は大きく揺れ動き湯滴
の飛び跳ねが発生し、その飛び跳ねている湯瀬の中には
、濃縮されている不純物が含まれている。そしてその飛
び跳ねの多くは湯垢吸着板１２の低面部により押えられ
、王に吐出孔１３に集中して起こることになり、その濠
滴を湯垢吸着板の内部底面にうけとめる。この湯垢吸着
板１２もヒータ１１による熱伝導で高温となっているの
で、うけとめた湯瀬中の水分だけ蒸気として放出し残り
の不純物が付着する。尚吐出孔１３に形成されるテーパ
１４は一度湯垢吸着板１２に付いた傷滴が再び加湿皿９
に戻ることはないようにしたものである。また加湿皿９
内の内部側面、湯垢吸着板の外面底面は常に沸騰飛び跳
ねの湯が動いて表面は常に濡れているために湯垢の付着
は全く無い。

第２図に加湿皿９の水面と湯垢吸着板１２との距離を変
化させ、湯垢の吸着量を測定した結果を示す。

この図からも明らかなように、この間の距離が２柳〜１
２肋の間にある時が、効率よいことが分る。 ノ第３図
は加湿皿９の蒸発有効面積〔Ａ〕と、湯垢吸着板１２の
吐出孔１３の開□面積〔Ｓ〕との比率Ｓ／Ａと湯垢吸着
率との関係を示したもので、上記比率が１′８〜１〜２
の間にある時が、最大の吸着率となる。

このように湯垢吸着板１２に湯垢を留める構造であるこ
とから、被加熱水に及ぼす熱伝導の影響、蒸発効率の低
下はなく、スタート時と変らない蒸気の発生を得ること
ができる。

従って湯垢が付着積属した湯垢吸着板９の掃除も頻繁に
行う必要もなく、しかも簡単に取りはずしできる構造で
あるため掃除も極簡単にできる。又、加湿皿と湯垢吸着
板との固着にはシール材１５を用いて密着しているので
、加湿皿９と湯垢吸着板１２との間に隙間が生じなく、
熱湯が隙間に入り込んで蒸発し、湯垢がその部分に付着
するという心配がない。

さらに湯垢吸着板を基板と、この基板上に着脱自在にさ
れたアルミ箔とで構成すれば、掃除の際に湯垢の積層し
たアルミ箔を剥離して捨てるだけで、全く簡単化され、
さらに清潔に行うことができる。

この発明は以上説明したとおり、加湿皿の上部に熱伝導
率の高い材質で構成され蒸気の吐出孔を有する湯垢吸着
板を着脱自在に取り付けることにより、この湯垢吸着板
に湯垢を吸着し、加湿器としての効率の低下が防止でき
、また湯垢掃除の瀕度を少なくするとともに、その掃除
も簡単にできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す断面図、第２図は加
湿皿の水面と湯垢吸着板との距離と湯垢吸着率との関係
を示す特性図、第３図は加湿皿の蒸発面積と湯垢吸着板
の吐出孔関口面積の比率に対する湯垢吸着率の関係を示
す特性図である。 図において１は水タンク、９は加湿皿、１１はヒータ、
１２は湯垢吸着板、１３は吐出孔、１４はテーパ、１５
はシール材である。なお各図中同一符号は同一または相
当部分を示すものとする。第１図第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水タンクから供給され、常時一定水位の水を保有す
   る加湿皿と、この加湿皿を加熱するヒータと、熱伝導率
   の高い材質で構成され蒸気の吐出孔を有するとともに、
   上記加湿皿の上面に着脱自在に固着され、上記ヒータに
   より加熱された上記加湿皿内の水の沸騰で吐出孔より飛
   び出した熱湯を上面に受け、その湯をヒータの熱伝導に
   より蒸発させる湯垢吸着板とを備えたことを特徴とする
   加熱蒸発式加湿器。 ２ 加湿皿と湯垢吸着板間の固着をシール材によつて密
   にしたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の加
   熱蒸発式加湿器。 ３ 湯垢吸着板の蒸気吐出孔が凸出孔を形成するように
   テーパをつけたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項記載の加熱蒸発式加湿器。 ４ 加湿皿の水位と湯垢吸着板との距離を２ｍｍ〜１２
   ｍｍにあるようにしたことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項ないし第３項の何れかに記載の加熱蒸発式加湿器
   。 ５ 湯垢吸着板に設けられた蒸気吐出孔の面積を、加湿
   皿の蒸発有効面積の１／８〜１／２にあるようにしたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第４項の何
   れかに記載の加熱蒸発式加湿器。 ６ 湯垢吸着板を熱伝導率の高い材質で形成された基板
   と、この基板の上に着脱自在にされたアルミ箔とで構成
   されたことを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第
   ５項の何れかに記載の加熱蒸発式加湿器。