JPS6032637Y2 - 原子炉のプラグ插入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば沸騰水型の原子炉における圧力容器の
プラグ挿入装置に関する。

一般に、圧力容器の底部には排水用のドレン口が穿設さ
れており、このドレン口にはドレン弁を有するドレン管
が排液タンクに連通ずるようにして配管されている。

しかし、上記圧力容器の底部に配管されたドレン管は、
経時変化によって、腐蝕するそれがあるため、定期検査
時に、上記ドレン管の交換を余儀なくされるときがある
。

一方、上記圧力容器内の冷却材としての水は、上記ドレ
ン管のドレン弁を開弁して排液タンクへ放水してしまう
と、上記圧力容器内の各種計測機器や制御機器が放射能
で汚染されている関係上、作業員が被曝するおそれがあ
るため、圧力容器内の水を排水した状態で腐蝕したドレ
ン管の交換作業をすることはできない。

そこで、上記圧力容器の隷却材としての水は、満水した
ま）、ドレン管の交換作業を、上記圧力容器のドレン口
に内がわからプラグ（栓体）で密栓した後、施さなけれ
ばならない。

本考案は、上述した点に鑑み、圧力容器のトップガイド
に係合爪片を有する主杆を係脱自在に設け、の主杆の下
部に垂設された着座体を備えた支承杆を制御杆ハウジン
グに嵌合するようにし、上記主杆の下部に位置決め用の
第１シリンダーを設け、この第１シリンダー装置の出力
軸に直接又は間接的に昇降用の第２シリンダー装置を連
動し得るようにして設け、この第２シリンダー装置の出
力軸に連結杆を介して連結されたプラグを有するプラグ
杆をドレン口に挿入し得るように設け、これにより、作
業者が被曝を受けることなく、ドレン管の交換を安全に
行うようにしたことを目的とする原子炉のプラグ挿入装
置を提供するものである。

以下、本考案を図示の一実施例について説明する。

第１図乃至第６図において、符号１は原子炉における圧
力容器であって、この圧力容器１の底部には制御棒ハウ
ジング２が実質的に一体に設けられており、この制御棒
ハウジング２に近接した位置の上記圧力容器１にはドレ
ン口３が穿設されている。

又、このドレン口３にはドレン弁４を備えたドレン管５
が設けられており、このドレン弁４は排液タンク６に延
設されている。

さらに、上記圧力容器１内には上から順に格子状をなす
トップガイド７、燃料棒や制御棒等を装架する炉心支持
板８及びスタビライザー９が、冷却材としての水中に浸
漬されて設けられている。

一方、上記トップガイド７には複数の二叉状をなす係合
片１０を有する主杆１１が係脱自在に設けられており、
この主杆１１の上部１１ａは吊ロープ１２を介して、補
助巻上機（図示されず）に連結されている。

又、上記主杆１１の下部１１ｂには支持部材１３が略水
平にして取付けられており、この支持部材１３上には後
述するプラグ杆２６の位置決め用の第１シリンダー装置
１４が設置されている。

さらに、この第１シリンダー装置１４の出力軸１４ａに
はラック１５が設けられており、このラック１５は上記
支持部材１３に軸装されたピニオン１６に噛合するよう
になっている（第３図参照）。

さらに又、このピニオン１６には上記支持部材１３に嵌
装された小歯車１７がかみ合っており、この小歯車１７
の支軸には作動腕杆１８の基部１８ａが固く軸装されて
いる。

又、この作動腕杆１８の自由端部１８ｂには連杆１９の
基部が枢着されており、この連杆１９の端部１９ａには
プラグ杆２６の昇降用の第２シリンダー装置２０が垂直
の向きに設けられている。

他方、上記支持部材１３には、支承杆２１の基部２１ａ
が取付けられており、この支承杆２１の下部には、第１
図及び第６図に示されるように着座体２２が前記制御棒
ハウジング２の頂部２ａに吻合し得るようにして設けら
れている。

又、上記主杆１１の下部ｆｌｂの外周には各プロテクタ
ー２３が附設されており、この各プロテクター２３の下
部には截頭円錐状をなす案内部材２４が前記炉心支持板
８の透孔８ａに嵌合すると共に、上記支承杆２１を摺動
自在に嵌装されている。

一方、上記第２シリンダー装置２０の出力軸２０ａには
連結杆２５が上記支承杆２１に添接するように設けられ
ており、この連結杆２５の下部２５ａにはプラグ杆２６
が取付けられており、このプラグ杆２６の下部２６ａに
は、プラグ２７が、第４図に拡大して示されるように、
前記ドレン口３に挿入し得るようにして設けられたてい
る。

なお、上記支承杆２１の下部には条孔２８ａを有するテ
ンプレート２８が、第１図及び第５図に示されるように
、軸装されてあり、この条孔２８ａには連結杆２５が緩
く嵌装されている。

又、前記第１シリンダー装置１４及び第２シリンダー装
置２０は各圧力流体ホース２９．３０によって作動圧力
流体を供給するようになっている。

従って、今、前記圧力容器１のドレン管５を交換する場
合、予め、圧力容器１の炉心に装架された燃料棒や制御
棒を引き抜いておく。

次に補助巻上機の吊ロープ１２に本考案装置を垂架し、
圧力容器１の水中に位置するトップガイド７まで下降し
て、上記主杆１１の係合爪片１０を駕座して装着する。

又、上記主杆１１と一体をなす支承杆２１の着座体２２
を制御棒ハウジング２の頂部２に吻合して固定する。

しかして、上記第１シリンダー装置１４を作動すること
により、この第１シリンダー装置１４のラック１５がピ
ニオン１６を介して小歯車１７を回わすので、この小歯
車１７の支軸に軸装された作動腕杆２８に連結された連
結杆２５が上記テンプレート２８の条孔２８ａに沿って
ゆっくり回動し、上記ドレン口３の直上に移送する。

次に、第２シリンダー装置２０を作動すると、この第２
シリンダー装置２０の出力軸２０ａは上記連結杆２５を
介してプラグ杆２６を降下し、このプラグ杆２６のプラ
グ２７をドレン口３に挿入して密栓するようになってい
る。

しかして、上記ドレン管５は圧力容器１から取外して交
換できるようになっている。

なお、上記ドレン管２５を交換した後は、前述した逆の
動作を順に行えばよい。

以上述べたように本考案によれば、制御棒ハウジング２
を備え、しかもドレン口３を有する圧力容器１のトップ
ガイド７に係合爪片１０を有する主杆１１を係着し得る
ように設け、この主杆１１の下部１１ｂに各プロテクタ
ー２３を垂設し、この各プロテクター２３の下部に截頭
円筒状をなす案内部材２４を炉心支持板８の透孔８ａに
嵌合するようにして設け、上記主杆１１の下部に上記案
内部材２４を貫通して上記制御棒ハウジング２へ嵌合す
る着座体２２を備えた支承杆２１を設け、上記主杆１１
の下部１１ｂに位置決め用の第１シリンダー装置１４を
設け、この第１シリンダー装置１４の出力軸１４ａに直
接又は間接的に連動するようにした昇降用の第２シリン
ダー装置２０を設け、この第２シリンダー装置２０の出
力軸２０ａに連結杆２５を介して連結されたプラグ２７
を有するプラグ杆２６を上記ドレン口３へ挿入し得るよ
うになっているので、保守点検時、圧力容器１内を満水
状態に保持することができるようになり、長時間の保守
点検作業に対しても、被曝することなく安全に保守点検
をすることができるばかりでなく、炉心支持板８の透孔
８ａに截頭円錐状をなす案内部材２４を嵌合するように
なっているから、制御棒ハウジング２に対する着座体２
２の吻合並びにドレン口３に対するプラグ杆２６のプラ
グ２７の挿入密栓を確実に、しかも、円滑にできると共
に、取扱い操作が容易になり、これらの操作時間を短縮
できるため、被曝を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による原子炉のプラグ挿入装置の断面図
、第２図は第１図中の鎖線Ａ−Ａに沿う平面図、第３図
は第１図中の鎖線Ｂ−Ｂに沿う横断面図、第４図は第１
図中の鎖円Ｅの拡大断面図、第５図は第１図中の鎖線Ｄ
−Ｄに沿う拡大横断面図、第６図は第１図中の鎖円Ｃの
拡大断面図である。 １・・・・・・圧力容器、２・・・・・・制御棒ハウジ
ング、３・・・・・・ドレン口、７・・・・・・トップ
ガイド、１０・・・・・・係合爪片、１１・・・・・・
主杆、１４・・・・・・第１シリンダー装置、２０・・
・・・・第２シリンダー装置、２１・・・・・・支承杆
、２２・・・・・・着座体、２５・・・・・・連結杆、
２６・・・・・・プラグ杆、２７・・・・・・プラグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 制御棒ハウジングを備え、しかもドレン口を有する圧力
   容器のトップガイドに係着し得るようにして設けられた
   係合爪片を有する主杆と、この主杆の下部に垂設された
   各プロテクターと、この各プロテクターの下部に炉心支
   持板の透孔に嵌合するようにして設けられた截頭円錐状
   をなす案内部材と、上記主杆の下部に上記案内部材を貫
   通して上記制御棒ハウジングへ嵌合するようにして設け
   られた着座体を備えた支承杆と、上記主杆の下部に設け
   られた位置決め用の第１シリンダー装置と、この第１シ
   リンダー装置の出力軸に直接又は間接的に連動するよう
   にして設けられた昇降用の第２シリンダー装置と、この
   第２シリンダー装置の出力軸に連結杆を介して連結され
   、しかも、上記ドレン口に挿入されるようにしたプラグ
   を有するプラグ杆とを具備したことを特徴とする原子炉
   のプラグ挿入装置。