JPS6032439Y2 - 電磁クラツチ・ブレ−キ装置付モ−トル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電磁クラッチ、ブレーキ装置付モードルに係
り、特にクラッチアマチュアとブレーキアマチュアの摩
擦材の摩耗により拡大変化するクラッチ板とクラッチア
マチュアの間の、またブレーキ板とブレーキアマチュア
の間のギャップの調整に関するものであり、電磁クラッ
チ、ブレーキ装置を分解することなくギャップの調整が
でき、保守点検作業を容易にすることを目的とするもの
である。

上記目的のため、この考案は、固定子と回転子の周囲を
開口したフレーム、このフレームの両端開口部をそれぞ
れ閉塞したブラケット、上記フレームに内設され上記回
転子が固定された駆動軸に取付けられるクラッチ板、上
記駆動軸と同一線上に配置された出力軸、この出力軸を
保持し、上記一方のブラケットに軸方向摺動可能に保持
されるハウジング、このハウジングと一体化され、上記
出力軸の軸方向のみ移動可能に保持されるブレーキ板、
上記出力軸に軸方向のみ移動可能に装着され、上記クラ
ッチ板及びブレーキ板と所定ギャップを介して対向する
位置に摩擦材が設けられたクラッチアマチュア及びブレ
ーキアマチュア、このクラッチアマチュア、ブレーキア
マチュア及びブレーキ板の外周部に所定ギャップを介し
て設けられる上記フレームに取付けられたヨーク、この
ヨークに装着され、励磁時上記クラッチアマチュアの摩
擦材をクラッチ板に、又ブレーキアマチュアの摩擦材を
ブレーキ板に接触させる励磁コイル、一端が上記ブラケ
ットに螺合し、他端が上記ハウジングに回転可能に係合
された調整ナツトを備え、上記調整ナツトを回動させて
上記ハウジングと一体化されたブレーキ板を軸方向に移
動させ、上記クラッチ板とクラッチアマチュアの摩擦材
、及び上記ブレーキ板とブレーキアマチュアの摩擦材と
のギャップを調整する構成にしたものである。

以下、この考案の一実施例について説明する。

図は本考案による一実施例を示す構造断面図で、図中、
１は両端が開口した段付フレームで、一方の開口にはこ
れを閉塞するよう反負荷側ブラケット２が一体成形され
ている。

３は負荷側ブラケット２に形成された複数の通風窓、４
は段付フレーム１の段付壁部に円弧状に設けられた複数
排気口、５は段付フレーム１の内周部に設けられたモー
ドル固定子、６は段付フレーム１とモードル固定子５と
の間に形成された通風路、７は駆動軸であるモードル軸
、８は回転子、９．１０はこのモードル軸７を支承する
軸受、１１は反負荷側ブラケット（２）を覆うよう段付
フレーム１にねじ着されたエンドカバー、１２はエンド
カバー１１の側壁に設けられた複数の吸気口、１３は軸
受を支持し、段付フレーム１の負荷側開口を覆うよう段
付フレーム１にねじ着された中間ブラケットで、内周部
側には複数の通風窓１４が形成されており、又外周部側
は段付フレーム１の通風窓を覆わないようにこの通風窓
４と対向する部分が切欠かれている。

１５はモードル軸７に固着され回転エネルギーを蓄積す
るフライホイルで、このフライホイル１５は、外周部に
複数の羽根１６が設けられ冷却ファンとしての働きも有
しており、又内周部に複数の通風窓１７が形成されてい
る。

以上のような各部品によりモードル部Ａが構成されてい
る。

Ｂ部は電磁クラッチ装置で、次のような各部品から構成
されている。

１８はクラッチ用励磁コイル、１９は励磁コイル１８を
収納しかつ磁束を通す環状ヨークで、後述する負荷側ブ
ラケット２０の内周部に固定されている。

２１は外周部がヨーク１９の内側と若干のギャップを介
して対向し、クラッチ用励磁コイル１８にて発生した磁
束を通す磁路の一部を構成するクラッチ板で、フライホ
イル１５に冷却ファン２２を介して固着されている。

なお冷却ファン２２はクラッチ板２１とフライホイル１
５との間に通風路２３が形成されるよう配設されている
。

２４は外周部がヨーク１９の内側と若干のギャップを介
して対向し、ヨーク１９とクラッチ板２１との間の磁路
を構成すると共に内周部に複数の通風窓２５が形成され
たクラッチアマチュアで、出力軸２６にスプライン結合
されている。

２７はクラッチアマチュア２４のクラッチ板２１側側面
に貼着された摩擦材で、以上のような部品により電磁ク
ラッチ装置Ｂが構成されている。

又Ｃは電磁ブレーキ装置で、次のような各部品により構
成されている。

２８はブレーキ用励磁コイルで、クラッチ側と共用のヨ
ーク１９に収納されている。

２９は出力軸２６を支承する軸受３０，３１支持するハ
ウジング３２と一体に構成され、上記ヨーク１９の内側
に若干のギャップａを介して、ブレーキ用励磁コイル２
８にて発生した磁束の磁路の一部を構成するブレーキ板
、３４は外周部がヨーク１９の内側と若干のギャップを
介して対向し、ブレーキ用励磁コイル２８にて発生した
磁束の磁路の一部を構成すると共に内周部に複数の通風
窓３５が形成されたブレーキアマチュアで、出力軸２６
にスプライン結合されている。

３６はブレーキアマチュア３４のブレーキ板２９側側面
に貼着された摩擦材で、以上のような各部品により電磁
ブレーキ装置Ｃが構成されている。

２０は電磁クラッチＢ及び電磁ブレーキ装置Ｃをフレー
ム１と共に収納し、ブレーキ板２９と一体化されたハウ
ジング３２を軸方向摺動自在に支持するよう段付フレー
ム１にねじ着された負荷側ブラケットで、前記反負荷側
ブラケット２と反対側で段付フレーム１の他方の開口を
閉塞している。

３８は負荷側ブラケット２０に設けられ、ブレーキ板２
９を軸方向に摺動可能に回転は不能の関係に規制する段
付特殊ピンで、ねじ孔４３に螺合するねじにより係止さ
れる。

３９はハウジング３２に回転は自由に軸方向には摺動不
能に取付けられ、かつ負荷側ブラケット２９に螺合され
た電磁クラッチで、回転させることによりハウジング３
２と一体化されたブレーキ板２９を軸方向に摺動させギ
ヤツブｇ十ｇを調整する。

又４０は調整ナツト３９の回り止め、４１は冷却風の風
受け、４２は形止め輪である。

このように構成された電磁クラッチ、ブレーキ装置付モ
ードルにおいて動作を説明すると、モードルは常時運転
されモードル軸７と一体のフライホイル１５及びクラッ
チ板２１も常時回転している。

ここで電磁クラッチ装置Ｂの励磁コイル１８に電流を流
すと点線りのように磁束が通り、クラッチアマチュア２
４がクラッチ板２１に吸引され、摩擦材２７とクラッチ
板２１との摩擦材により出力軸２６を回転し、負荷を駆
動する。

この時励磁電流の大きさを制御し吸引力を変化させて発
生する摩擦トルクと負荷トルクとをバランスさせて摩擦
材２７とクラッチ板２１とを半クラツチ状態に保ち摺動
させてやれば出力軸２６に任意の回転数を得ることがで
き、可変速運転をする事ができる。

そして所要の駆動を完了すると、電磁クラッチ装置Ｂを
消磁し、電磁ブレーキ装置Ｃの励磁コイル２８に電流を
流すと点線Ｅのように磁束が通り、ブレーキアマチュア
３４がブレーキ板２９に吸引され、摩擦材３６とブレー
キ板２９と摩擦材により出力軸２６を停止させ、負荷の
駆動を停止させる。

ところでこのような動作を繰り返すとき、クラッチ部分
、ブレーキ部分の摩擦材２７．３６は、各々摩擦しギヤ
ツブ部分ｇ十ｇが徐々に広がり、クラッチアマチュア２
４又はブレーキアマチュア３４の動作音が高くなったり
、磁束の漏洩が大きくなって励磁時、クラッチアマチュ
ア２４又はブレーキアマチュア３４の動作が悪くなると
いう弊害がある。

従ってギヤツブ部分ｇ十ｇを適正な値に保つため摩擦材
２７．３６の摩耗量を補正する必要があるが、この考案
の実施例では前述の通りギャップ調整機構が構成、即ち
ヨーク１９内周部に所定の間隙ａを介して設けられ、特
殊ピン３８にて軸方向のみ移動可能に回り止めされたブ
レーキ板２９と、軸受３０，３１を介して出力軸２６を
保持するハウジング３２とを一体にすると共にハウジン
グ３２を負荷側ブラケット２０に摺動自在に保持し、か
つ調整ナツト３９の一端を負荷側ブラケット２０に螺合
させ、他端をハウジング３２に係合させた構成となって
いるので、回り止め４０を緩めた後、調整ナツト３９を
回せばハウジング３２と一体となったブレーキ板２９が
、特殊ピン３８によりガイドされヨーク１９とブレーキ
板２９との間のギャップａが一定の状態で軸方向に移動
するため、一旦調整ナット３９を時計方向（調整ナツト
には右ねじが切られている）に回らなくなるまで回すと
、ブレーキ板２９は左方向へ移動し、キャップＯの状態
に締め切られる。

この状態より一定回転のみ調整ナツト３９を戻せばねじ
のピッチにより常に一定のギヤツブｇ十ｇを得ることが
できる。

以上のように、この考案によれば、クラッチアマチュア
とブレーキアマチュアがクラッチ板とブレーキ板との間
に配置され、調整ナツトを回動することにより、ブレー
キ板が移動してクラッチ板との距離をちぢめられるよう
に構成されており、クラッチ側とブレーキ側のギャップ
をトータルで調整でき、従って初期調整においてもまた
クラッチ側とブレーキ側の摩耗が同一速度で進行しなか
った場合にも、調整ナツトの回動のみで調整できる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示す上半分が断面の側面図で
ある。 図中、１はフレーム（段付フレーム）、２はブラケット
（反負荷側ブラケット）、５は固定子、７は駆動軸（モ
ードル軸）、８は回転子、１８はクラッチ用励磁コイル
、１９は環状ヨーク、２０はブラケット（負荷側ブラケ
ット）、２１はクラッチ板、２４はクラッチアマチュア
、２６は出力軸、２７は摩擦材、２８はブレーキ用励磁
コイル、２９はブレーキ板、３２はハウジング、３４は
ブレーキアマチュア、３６は摩擦材、３８は段付特殊ピ
ン、３９は調整ナツトである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）固定子と回転子の周囲を囲い両端が開口したフレ
   ーム、このフレームの両端開口部をそれぞれ閉塞したブ
   ラケット、上記フレームに内設すれ上記回転子が固定さ
   れた駆動軸に取付けられるクラッチ板、上記駆動軸と同
   一軸線上に配置された出力軸、この出力軸を保持し、上
   記一方のブラケットに軸方向摺動可能に保持されるハウ
   ジング、このハウジングと一体化され、上記出力軸の軸
   方向のみ移動可能に保持されるブレーキ板、上記出力軸
   に軸方向のみ移動可能に装着され、上記クラッチ板及び
   ブレーキ板と所定ギャップを介して対向する位置に摩擦
   材が設けられたクラッチアマチュア及びブレーキアマチ
   ュア、このクラッチアマチュア、ブレーキアマチュア及
   びブレーキ板の外周部に所定ギャップを介して設けられ
   る上記フレームに取付けられたヨーク、このヨークに装
   着され、励磁時上記クラッチアマチュアの摩擦材をクラ
   ッチ板に、又ブレーキアマチュアの摩擦材をブレーキ板
   に接触させる励磁コイル、一端が上記ブラケットに螺合
   し、他端が上記ハウジングに回転可能に係合された調整
   ナツトを備え、上記調整ナツトを回動させて上記ハウジ
   ングと一体化されたブレーキ板を軸方向に移動させ、上
   記クラッチ板とクラッチアマチュアの摩擦材、及び上記
   ブレーキアマチュアの摩擦材とのギャップを調整する電
   磁クラッチ、ブレーキ装置付モードル。
2. （２）ブレーキ板を軸方向のみ移動可能に保持するピン
   を、上記ブレーキ板の外周部に位置させてフレーム側に
   固定して設け、ギャップ調整時における上記ブレーキ板
   移動のためのガイドとする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の電磁クラッチ、ブレーキ装置付モードル。