JPS6032134Y2 - 綿コ−マにおけるフイ−ドロ−ラの加圧装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、綿コーマにおけるニッパの揺動運動に関連し
て間欠的に回動し、コーマラップを所定長兄間欠的に送
り出すフィードローラの加圧装置に関するものである。

従来の綿コーマにおけるフィードローラの加圧装置は、
第１図に示すようにニッパボディ１の外側面に、コイル
スプリング２と摺動ピン３を嵌装したケース４Ａ、４Ｂ
が夫々固着され、そのケース４Ａ、４Ｂの前側に形成し
た二叉部４ａに加圧腕５Ａ、５Ｂの下端がピン６を介し
て連結され、その加圧腕５Ａ、５Ｂの上部を、ケース４
Ａ、４Ｂに嵌装した摺動ピン３がコイルスプリング２の
弾力により後方から押圧して第１図の反対時計方向に付
勢し、その付勢した加圧腕５Ａ、５Ｂによってクッショ
ンプレート７上に載置したフィードローラ８をその両端
部で加圧するようになっている。

このような従来の加圧装置では、ケース４Ａ、４Ｂの嵌
合穴４ｂと摺動ピン３間に風綿が入り込んで摺動ピン３
の動きが悪くなると、フィードローラ８に対する加圧力
が変動してコーマラップの送りが不安定となり、コーミ
ング後のフリースに段むらを生ずることがある。

また、上記の装置は、加圧腕に対する加圧力を解除する
ことができないので、フィードローラ８に繊維が巻付い
た場合にそのフィードローラ８を着脱するにあたって、
加圧腕５Ａ、５Ｂをコイルスプリング２の弾力に抗して
第１図の右側へ揺動させる必要があり、フィードローラ
８の着脱が困難であった。

更に、この従来装置では、加圧腕５Ａ、５Ｂとケース２
Ａ、２Ｂの連結ピン６がスペース的な制約から小径にな
っているため、長期間使用するとその連結ピン６部にフ
ィードローラ８の微振動によるフレッティングが発現し
、そのフレッティングによる微粉が錆び付くと加圧腕５
Ａ、５Ｂの動きが悪くなり、フィードローラ８に対する
加圧力が低下してコーマラップの送りが不安定となりコ
ーミング後のフリースに段むらを生ずるようになる。

本考案は、斯かる従来装置の現状に鑑み、ニッパボディ
前部の両側部に、フィードローラ用の加圧腕を揺動可能
に枢着し、その左右の加圧腕の内側後方のニッパボディ
上に、その幅方向に適宜な間隔を保った１対の係止部材
を対設し、その対設した１対の係止部材と夫々の反対側
の加圧腕にｌ対のトーションバースプリングを保持させ
、そのトーションバースプリングの前側係止部を加圧腕
に、また、後側係止部を反対側の係止部材に夫々係止し
て枢着した加圧腕を夫々下方のフィードローラ側へ付勢
し、かつ、そのトーションバースプリングの後側係止部
を係止部材の後方へ延長して係脱自在にしたことを特徴
とし、風綿が付着してもフィードローラに対する加圧力
が変動することがなく、加圧腕の枢着部のピン径を大き
くすることができ、フィードローラに対する加圧力が長
期に亘って安定し、コーミング後のフリースに段むらを
生ずることがなく、更に、フィードローラに対する加圧
力を簡単に解除してフィードローラの着脱を容易に行う
ことができる構造簡単な綿コーマにおけるフィードロー
ラの加圧装置を提供せんとするものである。

以下、本考案を第２図〜第４図に示す一実施例によって
詳細に説明する。

第２図左側の前端にクッションプレート７Ａを取付けた
ニッパボディ１０前部の円外側面１０ａと１０ｂに植設
した左右のピンＩＩＡとＩＩＢに、後部の嵌合穴１２ａ
を夫々嵌合してフィードローラ用の左右の加圧腕１２Ａ
と１２Ｂが揺動可能に枢着され、その加圧腕１２Ａ、１
２Ｂの前部に形成した凹溝１２Ｃを前記のクッションプ
レート７Ａ上に載置したフィードローラ８Ａの両端部に
係止してフィードローラ８Ａが所定位置に保持されてい
る。

この加圧腕１２Ａ、１２Ｂの嵌合穴１２ａの上方には突
出部１２ｄが形成され、その突出部１２ｄに、後述のト
ーションバースプリング１３ Ａ、 １３ Ｂヲ嵌挿
するための２個の小穴１２ｅと１２ｆが下方の嵌合穴１
２ａの前後に穿設されている。

尚、この加圧腕１２Ａと１２Ｂは、フィードローラ８Ａ
の微振動による嵌合穴１２ａ、１２ｂや凹１１２ｃの損
耗を防止するために摩擦係数の小さいナイロン等の合成
樹脂によって形成することが好ましい。

一方、左右の加圧腕１２Ａと１２Ｂの内側後方のニッパ
ボディ１０上には、その幅方向（第４図の左右方向）に
適宜な間隔を保った１対の係止部材１４Ａ、１４Ｂが対
設され、この係止部材１４Ａと１４Ｂには１、後述のト
ーションバースプリング１３Ａ、１３Ｂを夫々嵌挿する
ための小穴１４ａと１４ｂとトーションバースプリング
１３Ａ、１３Ｂの後側係止部１３ｃ、１３ｄを夫々係止
する加圧位置の係止部１４ｃ、１４ｄと解除位置の係止
部１４ｅ、１４ｆが上下に２個所宛形成されている。

このニッパボディ１０上に対設した係止部材１４Ａ、１
４Ｂと、ニッパボディ１０の両側部に枢着した左右の加
圧腕１２Ａ、１２Ｂ間には、１対のトーションバースプ
リング１３Ａ、１３Ｂが取付けてあり、その一方のトー
ションバースプリング１３Ａは、その中間部が係止部材
１４Ｂの小穴１４ｂとその反対側の加圧腕１２Ａの後側
の小穴１２ｅに夫々嵌挿され、かつ、その前側係止部１
３ ａが加圧腕１２Ａの前側の小穴１２ｆに嵌挿され、
後側係止部１３ｃが係止部材１４Ｂの加圧位置の係止部
１４ｄに係止されている。

また、別のトーションバースプリング１３Ｂは、その中
間部が係止部材１４Ａの小穴１４ａとその反対側の加圧
腕１２Ｂの後側の小穴１２ｅに嵌挿され、かつ、その前
側係止部１３ｂが加圧腕１２Ｂの前側の小穴１２ｆに嵌
挿され、後側係止部１３ｄが係止部材１４Ａの加圧位置
の係止部１４ｃに係止されている。

尚、このトーションバースプリング１３Ａ、１３Ｂは、
その振り応力に抗して後側係止部１３ｃ、１３ｄを夫々
の係止部材１４Ａ、１４Ｂに容易に着脱できるようにそ
の後側係止部１３ｃ、１３ｄを後方へ延長してその先端
にノツプ１５が取付けられている。

このように、ニッパボディ１０の両側に枢着したフィー
ドローラ用の左右の加圧腕１２Ａ、１２Ｂとそのニッパ
ボディ１０上に対設した係止部材１４Ａ、１４Ｂ間にト
ーションバースプリング１３Ａ、１３Ｂを取付けて、そ
のトーションバースプリング１３Ａ、１３Ｂの後側係止
部１３ｃ、１３ｄを、後側のノツプ１５を介して持上げ
、その振り応力に抗して係止部材１４Ａ、１４Ｂの上段
の加圧位置の係止部１４ｃ、１４ｄに夫々係止すルト、
そのトーションバースプリング１３Ａ、１３Ｂの前側係
止部１３ａ、１３ｂを嵌挿した左右の加圧腕１２Ａ、１
２Ｂはトーションバースプリング１３Ａ、１３Ｂの振り
応力により、その枢着部ピンＩＩＡ、ＩＩＢを中心にし
て第２図の反時計方向へ付勢され、その加圧腕１２Ａ、
１２Ｂの前部の凹溝１２Ｃに係止したフィードローラ８
Ａをその両端で下方のクッションプレート？Ａ側へ加圧
し、そのフィードローラ８Ａとクッションプレート７Ａ
間に介在したコーマラップ（図示せず）を確実に把持す
る。

したがって、この加圧状態のフィードローラ８Ａは、ニ
ッパの揺動運動に関連して間欠的に回動し、把持したコ
ーマラップを所定長兄確実に送り出す。

又、このフィードローラ８Ａを繊維の巻付き等により取
外す場合には、左右のトーションバースプリング１３Ａ
、１３Ｂのノツプ１５を外側（第４図の左右方向）へ引
き出すと、係止していた後側係止部１３ｃと１３ｄが係
止部材１４Ａ、１４Ｂの加圧位置の係止部１４ｃ、１４
ｄから外ずれ、−その後側係止部１３ｃと１３ｄがその
振り応力によって第２図の位置から下方へ揺動し、加圧
腕１２Ａと１２Ｂに作用していた加圧力が解除される。

次いで、自由位置になったトーションバースプリング１
３Ａ、１３Ｂのノツプ１５を更に下方へ押下げてその後
側係止部１３ｃと１３ｄを第３図に示すように係止部材
１４Ａ、１４Ｂの下段の解除位置の係止部１４ｅ、１４
ｆに夫々係止すると、前側係止部１３ａ、１３ｂを嵌挿
した加圧腕１２Ａと１２Ｂが同時にピンＩＩＡ、ＩＩＢ
を中心にして第２図の時計方向に回動腰その前部の凹溝
１２ｃがフィードローラ８Ａから離反してフィードロー
ラ８Ａを第３図の左側へ取り出し可能となる。

尚、上記実施例では、トーションバースプリング１３Ａ
、１３Ｂの前側係止部１３ａと１３ｂを加圧腕１２Ａ、
１２Ｂの前側の小穴１２ｆに嵌挿し、フィードローラ８
Ａに対する加圧を解除した際に、トーションバースプリ
ング１３Ａ、１３Ｂの前側係止部１３ａ、１３ｂによっ
て加圧腕１２Ａ、１２Ｂを第２図の時計方向に反転する
ようにしたが、加圧腕１２Ａ、１２Ｂの前側の小穴１２
ｆを省略し、トーションバースプリング１３Ａ。

１３Ｂの前側係止部を加圧腕１２Ａ、１２Ｂの上面に係
止するだけでも実施可能である。

また、トーションバースプリング１３Ａ、１３Ｂの中間
部を嵌挿した加圧腕１２Ａ、１２Ｂの後側の小穴１２ｅ
と、係止部材１４Ａ、１４Ｂの小穴１４ａ。

１４ｂは前後方向（第２図の左右方向）に切り欠いた切
欠溝であってもよい。

更に上記実施例は、本考案を既知のＪ型コーマに適用し
た場合について説明したが、ナスミス型綿コーマにも適
用可能なことは言う迄もない。

以上のように本考案は、綿コーマにおけるフィードロー
ラの加圧装置を、ニッパボディ前部の両側部にフィード
ローラ用の加圧腕を揺動可能に枢着し、その左右の加圧
腕の内側後方のニッパボディ上に、その幅方向に適宜な
間隔を保った１対の係止部材を対設し、その対設した１
対の係止部材と夫々の反対側の加圧腕に１対のトーショ
ンバースプリングを保持させ、そのトーションバースプ
リングの前側係止部を加圧腕に、また、後側係止部を反
対側の係止部材に係止して枢着した加圧腕を夫々下方の
フィードローラ側へ付勢し、かつ、トーションバースプ
リングの後側係止部を係止部材の後方へ延長して係脱自
在としたので、従来のように、風綿の付着によってフィ
ードローラに対する加圧力が変動することがなく、加圧
腕の枢着部のピン径を大きくすることができ、フィード
ローラに対する加圧力が長期に亘って安定し、コーミン
グ後のフリースに段むらを生ずることがない。

また、フィードローラは対する加圧力を簡単に解除する
ことができるので、繊維の巻付き時等におけるフィード
ローラの着脱を容易に行うことができ、しかも構造が簡
単となる等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の加圧装置を示す側面図、第２図は本考案
の一実施例における加圧状態を示す側面図、第３図は解
除状態を示す側面図、第４図は加圧状態の平面図、第５
図は第２図のα視図である。 ８Ａ・・・・・・フィードローラ、１０・・・・・・ニ
ッパボディ、１２Ａ、１２Ｂ・・・・・・加圧装置、１
３Ａ、１３Ｂ・・・・・・トーションバースフリング、
１４Ａ、１４Ｂ・・・・・・係止部材。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ニッパボディ前部の両側部にフィードローラ用の
   加圧腕を揺動可能に枢着し、その左右の加圧腕の内側後
   方のニッパボディ上に、その幅方向に適宜な間隔を保っ
   た１対の係止部材を対設し、その対設した１対の係止部
   材と夫々の反対側の加圧腕にｌ対のトーションバースプ
   リングを保持させ、そのトーションバースプリングの前
   側係止部を加圧腕に、また、後側係止部を反対側の係止
   部材に係止して枢着した加圧腕を夫々下方のフィードロ
   ーラ側へ付勢し、かつ、そのトーションバースプリング
   の後側係止部を係止部材の後方へ延長して係脱自在にし
   たことを特徴とする綿コーマにおけるフィードローラの
   加圧装置。
2. （２）係止部材が加圧位置と解除位置の２個所の係止部
   を具備した実用新案登録請求の範囲第１項記載の綿コー
   マにおけるフィードローラの加圧装置。
3. （３）トーションバースプリングの前側係止部を加圧腕
   の係止穴等に嵌合して係止したことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第２項記載の綿コーマにおけるフィー
   ドローラの加圧装置。
4. （４）加圧腕が合成樹脂製である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の綿コーマにおけるフィードローラの加圧
   装置。