JPS6032114Y2 - 連続ガス浸炭炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続ガス浸炭炉に関するものである。

鋼材部品等を浸炭炉において浸炭処理を施し、その後、
焼入槽内にて焼入処理を行なう、いわゆる鋼材部品の浸
炭焼入処理は、通常、焼入剤として、油等を使用すシー
ルドクエンチ方式による焼入処理が行なわれている。

この焼入処理方式は、わずかな焼入変形あるいは焼入歪
をも避けなければならない。

精密部品の浸炭焼入処理においては最適な焼入方式とは
いえないものである。

前記焼入変形等を防止する焼入処理方法として、ソルト
焼入方法がある。

このソルト焼入方法においては、浸炭炉から抽出された
処理材の温度降下は、できるだけ避けねばならない。

それ故、従来のソルト焼入を行なう連続ガス浸炭炉では
、処理材の温度降下を防止するために、連続ガス浸炭炉
からただちにソルト焼入槽に移送できるように、たとえ
ば、油焼入用連続ガス浸炭炉に付設している抽出ベスチ
ブルを排除する一方、炉内への侵入空気を防止するため
に、多量のパージ用保護ガスを導入しながら炉内から処
理材を抽出する方式が採用されていた。

しかしながら、前記方式においては、炉内への空気侵入
を防止するためのパージ用保護ガスが多量に必要となり
不経済であるとともに、炉内雰囲気ガスの組成変動が大
きくなり、炉内雰囲気の制御が非常に困難になるという
問題が生じる。

一方、炉内雰囲気の安定を図るために、浸炭炉の抽出側
に抽出ベスチブルを配設すれば、前記問題は解決するこ
とができるが、油焼入用連続ガス浸炭炉にみられるよう
なコールド抽出ベスチブルを配設したのであれば、当然
、焼入処理までに長時間か）す、その間に処理材の温度
降下は避けられず、そのため良好な焼入処理ができない
という問題が生じる。

本考案は、前記問題を解決するためになされたもので、
炉本体に連設して、断熱材を内張すした抽出ベスチブル
を設けるとともに、炉本体で使用した吸熱型雰囲気ガス
（ＲＸガス）を燃料とするラジアントチューブをベスチ
ブルに配置して排吸熱型雰囲気ガスを有効利用し、炉本
体とベスチブルとの間に耐熱鋼製中間扉を設けて、炉本
体からの投射熱をも利用してホット抽出ベスチブルとし
た連続ガス浸炭炉を提供しようとするものである。

つぎに、本考案を一実施例である図面にしたがって説明
する。

図は、本考案における炉本体の抽出部における断面図を
示し、大略、炉本体１、抽出ベスチブル４および中間扉
１０からなる。

そして、前記炉本体１内にはラジアントチューブ２が配
設され、炉本体１の抽出部には処理材Ｗの抽出ハンドラ
３を有する。

また、前記炉本体１に連設した抽出ベスチブル４は断熱
材５で内張すされ、図示しない抽出ブツシャと抽出扉と
を有するとともに、ラジアントチューブ６を有する。

なお、７は抽出ベスチブルパージガス（炉内吸熱型雰囲
気ガス）入口、８は抽出ベスチブルパージガス出口で、
前記ラジアントチューブ６は抽出ベスチブルパージガス
出口８からの吸熱型雰囲気ガスおよび炉本体１の吸熱型
雰囲気ガスとを燃料ガストスるものである。

９はパイロットミキサである。

前記中間扉１０は炉本体１と抽出ベスチブル４との間に
設けられたもので、レンガ等で断熱しない耐熱鋼製とな
っている。

つぎに、前記連続ガス浸炭炉の操業方法を説明する。

図示の状態において、処理材Ｗがラジアントチューブ２
により吸熱型雰囲気ガス下で加熱浸炭処理されて抽出部
に至ると、前記中間扉１０を開放し、処理材Ｗを抽出ハ
ンドラ３により抽出ベスチブル４内に搬送する。

その後、抽出ハンドラ３が後退し１、かつ中間扉１０が
閉じられ、処理材Ｗは、下記するラジアントチューブ６
および中間扉１０の閉鎖時に炉本体１からの輻射熱によ
り保熱された抽出ベスチブル４内で保熱される。

その後、図示しない抽出扉を開放するとともに、図示し
ない抽出ブツシャを前進し、処理材Ｗを焼入槽へ搬出焼
入処理を行なう。

一方、抽出ブツシャは、その後、元の状態に復帰し、こ
れと同時に抽出扉が閉鎖される。

この状態で、抽出ベスチブル４は抽出ベスチブルパージ
ガス入ロアからの吸熱型雰囲気ガスによりパージされる
。

パージ終了後、次に中間扉１０が開放されるまで、前記
炉本体１での使用済吸熱型雰囲気ガスおよび抽出ベスチ
ブル４内の吸熱型雰囲気ガスヲ燃料ガスとしてラジアン
トチューブ６を燃焼し、抽出ベスチブル４内を加熱する
。

また、前記中間扉１０は耐熱鋼からなるため、その閉鎖
中、炉本体１の熱により加熱され、その輻射熱を抽出ベ
スチブル４に放散し、前記抽出ベスチブル４は前記両者
の熱により有効に加熱されることになる。

以後、前記工程を繰り返し、炉本体１から抽出される処
理材Ｗは連続的に焼入されることになる。

以上の説明で明らかなように、本考案によれば、抽出ベ
スチブル内を所定温度に保持し、抽出ベスチブルでの処
理材温度の降下を最少限にすることができ、良好な焼入
処理が行なえる。

しかも、抽出ベスチブルの加熱手段は、炉本体の排吸熱
型雰囲気ガスを有効利用するとともに、中間扉１０を耐
熱鋼とし、その輻射熱をも利用するものであるから省エ
ネルギ一対策となっており、極めて経済的な連続ガス浸
炭炉とすることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案にか）る連続ガス浸炭炉の要部に関する断面
図である。 １・・・・・・炉本体、４・・・・・・抽出ベスチブル
、５・・・・・・断熱材、６・・・・・・ラジアントチ
ューブ、１０・・・・・・中間扉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉本体に連設され、かつ断熱材を内張すした抽出ベスチ
   ブル内に、前記炉本体で使用した吸熱型雰囲気ガスを燃
   料ガスとするラジアントチューブを配置するとともに、
   前記抽出ベスチブルと炉本体との間に、耐熱鋼製中間扉
   を設けたことを特徴とする連続ガス浸炭炉。