JPS6032010B2 - 2サイクルクランクケ−ス圧縮内燃機関 - Google Patents

2サイクルクランクケ−ス圧縮内燃機関

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JPS6032010B2
JPS6032010B2 JP56194667A JP19466781A JPS6032010B2 JP S6032010 B2 JPS6032010 B2 JP S6032010B2 JP 56194667 A JP56194667 A JP 56194667A JP 19466781 A JP19466781 A JP 19466781A JP S6032010 B2 JPS6032010 B2 JP S6032010B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明の一般的な目標を考察する場合まずエンジンの性
能特に2サイクルエンジンの性能特性が混合気吸入能力
すなわち吸入口の全断面積と吸入持続時間すなわちエン
ジンサイクルのうちで混合気吸入に使用される期間と吸
入弁動作の応答性に大きく依存している事に注意された
い。
この事を前置きしておいて次に本発明の目的を一般的な
形で述べる。本発明は吸入混合気流の断面積を増加させ
、エンジンサイクルに於ける混合気流吸入持続の時間を
延長し、さらに吸入弁の応答性(感度)を高めるために
相互協調して働らく補足通路を含む吸入口とりード弁の
改良された構造とその協調動作について、いくらかの提
案を行うものである。この分野における従来の成果につ
いて簡単に記述した後、本発明の種々の特徴がこの一般
的な目的に対していかに適合したものであるかを詳述す
ることにする。
クランクケース圧縮型の2サイクルエンジンでは、その
ピストンの動きを利用して混合気流体のエンジンシリン
ダへの取り入れ、混合気のエンジンシリンダからの排気
が実行される。
原理的にいえばこれはピストンを使ってシリンダ壁にお
けられた3つの穴−吸入口、排気口、及び掃気□−を開
閉することにより実行される。ピストンの上向行程で上
昇するピストンによって混合気がクランクケースの中に
吸入され、ピストンの下向行程の間そこで圧縮され、そ
の後掃気□から燃焼室に送られる。ピストンは掃気□と
排気口の両者を開きこれによって混合気の吸入と燃焼ガ
スの排気が実行される。2サイクルエンジンの設計につ
いて当初問題にされたのは新しく吸入された混合気と排
気燃焼ガスが混合するということで、このため出力馬力
が減少し燃料の経済性も悪くなる。
この問題を解決するために頂部にデフレク夕を備えたピ
ストン(deflector−toppiston)が
考えられた。これはピストン頂部のそらせ面によって新
しく吸入した混合気をシリンダヘツドの方に送り、同時
に閉口している排気口からそのまま流出するのを防止し
ようというものである。この方法は後になってシリンダ
掃気の方法にとってかわられた。後者は掃気□から放出
される混合気充填の速度及び方向を制御しざらに吸排気
管内の共振「圧力脈動を利用して気体流の的確な制御を
実行するものである。この方法は、共振点あるいは圧力
脈動がエンジン速度の関数であり、かつ非常に狭い範囲
の速度に対してだけしか最適な条件が得られないという
点で好ましくない。こうした工夫をほどこされたエンジ
ンは広い範囲のエンジン速度に対して出力を取り出すと
いう目的に対して融通のさかないものとなる。上記の問
題に対して多少の努力がなされ、混合気をエンジンの吸
入口からタイミングよく放射するために一段型のりード
弁が利用されるようになった。
かしこの設計では一段型のりード弁−薄い一片の鋼製の
板バネ(フラッブ)から作られるのが普通−の1つ或い
は複数個の絹を利用するのであるが、一段型リード弁の
方式はそのリード弁構造に対して2つの互いに反する条
件を要求し、それらの条件に妥協した形のエンジンはそ
の出力及び応答性が低速度の部分で減少する。簡単にそ
の構造を考察すれば問題点は明らかになるものと思われ
る。低速度に於て弁の下流側の真空度は低く、この条件
の下で弁が吸入混合気流のタイミングをうまく取るよう
に働くためにはそのリード弁として比較的にたわみやす
いもの、すなわち小さなバネ定数をもつものを利用しな
ければならない。ところが一方このリード弁は中速度、
高速度の範囲においては最適な性能を発揮しない。すな
わちエンジン速度が増すにつれてクランクケースの真空
度は高まり、弁の両側の圧力差は非常に大きくなる。こ
の圧力差によってリード弁はたわみ開放された状態すな
わち最大関口位置に近づく。さらにエンジンの速度が上
昇するにつれて、ピストンの動きは早くなりクランクケ
ースが交互に圧力状態と真空状態の間に変化する変化率
も大きくなる。こうしてこの変化率がリード弁の応答周
波数(リード弁が開閉するに必要な時間)を越えた時点
でリード弁による吸入混合気の強さ吸びタイミングの制
御が不可能となり、さらに吸収混合気の一部がキャプレ
タ(気化器)に吹返されるおそれも生ずる。さらにクラ
ンクケースに於ける圧力状態と真空状態の間の変化がリ
ード弁の応答時間よりも短い時間間隔で繰り返されるよ
うになると、リード弁は関の位置に保たれ、降下するピ
ストンによって作り出される高圧力を受けるようになる
。この結果リード弁の寿命も開放時におけるリード弁の
制御されない屈曲とさらに閉鎖時におけるリード弁の急
動とに起因して大幅に短縮される。リード弁の屈曲を制
御するためにリード弁停止臭が用いられてきているが、
この停止臭はリード弁の開き具合を制御するので、その
結果弁を通過する吸入混合気の量が制限される。逆に曲
がりに〈し、すなわち定数の大きなバネを用いた場合に
は、低速での効率が非常に悪くなる。これは弁の下流側
の真空度が低いため充分な吸入混合気が流れ込むのに必
要な時間だけリードが開かないためである。現在この形
式の装置では低速での率と高速での効率を考えてその折
衷案を採用しているため中程度の速度でその出力は最大
となるのが低速・高速の範囲における出力は最適なもの
より低くなる。上に記述したい〈つかの間題点を克服す
る試みの1つがE.C.Keikhaeferの米国特
許第2689552号に見られる。この例では2サイク
ルエンジンのクランクケースへの吸入口の開閉を実行す
るために単一のりード弁が使用され、さらにリード弁の
一部を押えるように別の短いバネフラップがり付けられ
ている。この構造によってエンジンの回転速度が低い場
合にはリード弁の自由端が屈曲して燃料吸入路を作り、
一方エンジンの回転速度が早い場合には押さえつけのバ
ネに逆らってリード弁全体が屈曲しそれにつて混合気の
クランクケースへの適時の送入を実行するようになって
いる。さらに、例えばK.Nommaの米国特許第36
87118号に見られるような吸入系統とピストンの燃
焼側を連絡する掃気□を備えたエンジンも提案されてい
る。しかし上述の米国特許に於いては単一のりード弁か
らなるリード弁装置が使用されていることに注意された
い。この方式ではエンジンサイクルのかなりの期間にわ
たって(クランク軸の回転角でほぼ90oに相当する期
間)、吸入系統とクランクケースの間が遮断される。し
たがって排気印こ於ける負圧パルスが混合気をエンジン
燃焼室に引き込むという現象を利用して付加的な(混合
気)移送を実行しているという点でこの方式は望ましい
ものであるがその可能性はまだ十分に開発されていない
と言える。すなわち、ェンジ・ ンサィクルのうちの吸
入系統がクランクケースから遮断されている上記数間中
に何らかの現象を利用してエンジンの排気及びその性能
をさらに高めることができるであろうと思われる。一方
、この基本的な構造を有するエンジンでピストンの周緑
部分に関口を備えた形式のものも提案されている。これ
らのエンジンでは上記閉口がピストン周緑部分の低い位
置に作られているため、ピストンによる吸入系統とクラ
ンクケースの間の遮断は依然としてエンジンサイクルの
かなりの期間にわたって持続される。この構造設計では
ピストンの下死点(かttom、deadcennte
rpositin)から45o〜500に到るまで吸入
路とクランクケースの間の連絡遮断が持続するような位
置にピストンの開口を作ることが提案されている。この
場合ピストン閉口によって吸入系統が開かれると、吸入
系統の内部に取りつけられたりード弁は急激に開の状態
に移る。この結果エンジンへの混合気流体の流れは不連
続となり、混合気流下の吸入量は以下に述べる本発明の
原理を採用したエンジンの場合に比して、少ないものと
なる。上述した一般的な目的に加え、本発明は以下の諸
頃をもその目的の一部とする。
本発明は、内燃機関特に2サイクル型の内燃機関への混
合気流体を制御するための改良された弁装置を含む混合
気吸入系統を提案することを目的の1つとする。
さらに大きい出力、広い出力帯域、優れた出力特性を有
する2サイクルエンジンを提案することを本発明の目的
の1つとする。
さらに内燃機関において燃焼室への混合気流体の充填容
量増加を伴う週給効果を得るための方法及びその手段を
提案することを本発明の目的の1つとする。
さらに2サイクルエンジンのための大きく増大された吸
入口構造とそれに伴うエンジンサイクルに於ける吸入口
開放持続時間の増加特性について提案することを目的の
1つとする。
吸入通路の吸入弁のすぐ下流と橘気口とを蓮通せしめる
噴射口として参照される特別な補足通路を用いて、燃焼
室への混合気の吸入が、掃気□が開いている場合にはい
つでも起こり得るようにする通路を提供することを本発
明の目的の1つとする。
さらに燃料をクランクケースに送り込みそこで圧縮する
ためにピストン周緑部分に作られた関口構造で、掃気□
が開の状態にある場合同時に関の状態を保ち、さらにピ
ストンが吸入口を覆う場合にも吸入室とクランクケース
を連絡を保つべく位暦決めされ、こうしてエンジンの全
動作サイクルにわたって吸入室とクランクケースの間が
常につながるようになったピストン閉口構造を提案する
ことを本発明の目的の1つとする。
どの様にして上述の或いはそれ以外の目的さらにその利
点特徴が成就達成されるかは以下の記述と添付の図面か
ら明らかになるものと思われる。
第1図は2サイクルピストンエンジンの概略図でシリン
ダー2及びピストン14が見られる。シリンダー2には
混合気をクランクケース(図示されていない)からピス
トン14の燃焼側に放出するための掃気□16がつくら
れている。従来の通り、混合気は下降するピストンによ
って圧縮されさらにクランクケースから適当な導管(図
示されていない)を通して掃気□16に送られる。シリ
ンダー2には吸入ロー8も閉口し、シリンダ12の円筒
月岡の一部である、或いはそこに取りつけられた弁収納
部20とつながっている。この収納部20は、少なくと
も部分的に上記吸入室を形成している。弁装置27は吸
入室又は収納部2川こ納められた弁装置のフランジ22
を覆う形状の容易に取り外しできるふた板24でそこに
固定される。
ふた板には好ましくは気化器(図示されていない)を取
り付けるための突出26が用意されている。第1図及び
第2図において、弁装置27の弁装置本体29は、項点
線に沿って交わり且つ頂点部材35によって頂点線に沿
って結合されている2つの集合する表面30及び32を
有する。2つの面30及び32には少なくとも1つの関
孔34及び36があげられている。
この開孔34及び36としては、1つのつながったすき
まの形でもよいが、以下に述べるように面30及び面3
2に少なくとも2つの孔をあげるのが望ましい。第2図
に於いて上部のリード弁38,42は閉の状態で、逆に
下部のリード弁は関の状態で描かれていることに注意さ
れたい。かし弁装置両面の2つのりード弁対のたわみ屈
曲の程度は実際の運転時にはほぼ同じでエンジンの動作
状態だけに依存するものである。以下に述べるリード弁
装置は面30の上のものを面32の上のものとが同一で
あるので面30の上に取り付けられたり一ド‘こ関して
だけ説明するが、同様の説明が面32に対しても成り立
つものと理解されたい。
関孔34の上には一次リード38がとりつけられている
。この一次リード38はその周縁部分が関孔34の側端
をおおうような形状と大きさをもち、リード38が自身
の弾性で表面3川こはりついて、関孔34を通過する混
合気を容易に遮断できるようになっている。1次リード
38にはそれを貫いて開□48があげられる。
2次リード42は関口40をおおうのに充分な大きさと
形状をもち、例えばづ・ねじを使って閉口40の上に取
りつけられている。
この小ねじは2次リードと1次リードを同時に弁装置本
体29に固定している。この1次リード38及び2次リ
ード42はそれぞれ屈曲可能な弾性物質で作られる。
ここで2次リードが1次リードに比して曲がりやすいと
いうことが重要で、以下に述べる様に吸入口の圧力が低
い場合には1次リードでなく2次リードが開くのである
。もちろん任意の薄い弾力性物質を1次リード、2次リ
ードの材料として利用できるが、実験の結果得られた望
ましい材料としては一般にG−10の商品名でFo皿i
ca社から売られているグラスフアィバの織布にヱポキ
シ樹脂の薄層をかぶせたものがある。この材料からなる
弁装置一1次リードの厚みはだいたい0.022インチ
から0.026インチの間、2次リードの厚みはだいた
い0.014インチから0.016インチの間一は満足
のいくものであることが判明した。第3図に示される装
置も上述のものと同様の構造を有している。
第3図の装置については後に詳述する。第3図から容易
にわかる通り、本発明に従う混合吸入系統を具体化する
場合次の様な構造が望ましい事に注意されたい。すなわ
ち1次リード38は関口34の全部(第3図に破線で示
されている部分)を覆うだけの大きさと形状を有し、さ
らに1次リード38と2次リード42を比較した場合前
者をより長くより幅広く作るのである。こうして各々の
2次リードの質量を大幅に減少させ、2次リードが弁装
置の両側の小さな圧力差にも応答するように、さらに1
次リード38と独立に働くようにするとができる。さら
に開口40がリード38の弁装置本体29への固定部分
に近接して作られていることにも注意されたい。
この構造によって2次リード42の長さは最小に押さえ
られしたがって上で注意したように2次リードの質量の
減少を計ることができる。さらに閉口40によって1次
リード38の質量は減少するので、このリードの慣性効
果はさらに少なくなる。
1次及び2次のりードの質量の減少は過度の屈曲を防ぎ
リードの寿命をひき伸ばすとともに、従来の一段型リー
ド構造で使用されていたりード止めの必要性を消滅させ
た。
加えて、1次及び2次のりードの両者が関の状態にある
場合、単一リードの弁装置に比較してより多量の混合気
が弁装置を通過する。これは1次リードの流れに対する
インピーダンスが、屈曲性のより高い2次IJ−ド‘こ
よって開放された部分を混合気流体の一部が通過できる
ため、より小さくなっているからである。複数個の関孔
34及び36、したがって複数個の1次リード及び2次
リードを用意することによっておのおののリードの質量
は最小におさえられる。
このことは1次及び2次のりードの慣性果を減少させし
たがってリードの応答性は増しエンジンはスロットル(
絞り弁)の変化調節にすぐ感応するようになる。第1図
、第2図に見られるように弁装置本体は面30と面32
の収束点としての頂点部材35を備えている。
この頂点部材35は空気力学的な面37をもち、結局頂
点部村35の断面は翼型或いは涙粒の形をしている。頂
点部材35がこのような形に作られているため、混合気
の通過の際の抵抗が最小になる。前に述べた一段型のり
ード構造では、頂点部材35の対応する表面37は平坦
或いはとがった形状で、混合気がここを通過する際の非
常空気力学的亜音速障壁となっている。この平らな或い
はとがった表面は一段型リード構造に於てはリードをそ
れが取りつけられている弁装置本体の面から持ち上げる
ために必ず必要で、この頂点部材で発生する衝撃及び乱
流の働きでリードの持ち上げが実行されるのである。も
ちろんこれらの衝撃、乱流は混合気の吸入口への一様か
つ適時の放出に対しては悪影響を及ぼすものである。こ
れまで述べてきた弁装置の動作について第1図及び第2
図を用いて説明する。エンジンが非常に低速の場合には
、ピストン14がシリンダ内を上昇し吸入ロー8を閉口
させる毎に2次リード42が開く。これは2次リードの
上流側の混合気の圧力によって発生する力が比較的屈曲
しやすい2次リードの抵抗力に打ち勝つだけの大きさを
もっているからである。こうしてピストンの各行程で多
量の混合気が吸入口に流れ込み低速におけるエンジンシ
リンダ12への適時の混合気の供給が実行される。エン
ジンの速度が増加して中速の範囲になるとバルブ装置の
圧力差は十分大きくなって1次リード38が働き始めピ
ストン14の行程に従って開閉し、混合気を開孔34か
ら吸入ロー8にタイミングよく放出する。高速において
は吸入ロー8の高い真空度によって、さらにクランクケ
ースの高圧状態と真空状態の間の変化の変化速度の上昇
によって、2次リード42はクランク軸の回転に従って
その位置は変化するけれども常に関の状態に保たれ一方
曲がりにくい1次リード38が上に述べた様な方式で混
合気の適時供給を続ける。こうして上記の装置はエンジ
ンのすべての速度範囲にわたってバルブによるタイミン
グ調節を実行する。高い回転速度における開□40を通
しての混合気の吹きもどいま、これらの閉口の面積が小
さいためと、導入高速混合気の(大きい)運動量によっ
て防止される。第1図に見られる効果的なポーティング
のため主掃気□16及び副掃気口46を通しての低速回
転時における過給効果によってピストン14の燃焼側に
放出される混合気は増加する。
この低回転速度領域に於ける週給効果は圧縮混合気がク
ランクケースから主掃気□16及び副掃気□46を通し
て急激に流出した後のクランクケース内の低圧に起因す
る。クランクケース内の低圧はピストンの閉口58(以
下に詳述される)を通して吸入口18に伝えられる。さ
らにこのために2次リード42はエンジン速度が低い場
合BDCにほぼ450だけ先行して開きバルブ装置のす
ぐ下流側の副掃気〇46にさらに吸入ロー8からクラン
クケースを通して掃気□16に混合気が送り込まれる。
この付加的な混合気はピストンの燃焼側に放出され排気
ガスの掃気及びシリンダの混合気充填を助ける。こうし
てエンジンの総体としての圧縮比は上昇し、出力も増加
する。上述の装置の1つの特徴は、高い回転速度に際し
て2次リード42が開放されたままになっているため吸
入ロー8への混合気の流れがより定常的になるというこ
とである。
1段型リード構造の装置ではその1つのりード開閉で混
合気の流れの停止、動き始めが支配されるため、吸入口
18に流れ込む混合気の流れ速度が減少されかつその均
一性も低下する。
ここに記述した弁装置の利点の1つに、低いエンジン圧
力差で働らさより高い応答性を有する2次リードの存在
によってシリンダ及びピストンのより果的なポーティン
グ(pomng;吸入口、排気口の形状「寸法、配置)
が許されるということがある。
一段型のりード弁構造ではリード弁を開くために吸入口
の高い真空度を必要としこの必要な真空度を得るために
ピストンは吸気系統とクランクケース間を締め切らなけ
ればならない。このことが排気量の大きいエンジン例え
ば10比.c.を超す排気量のエンジンではいまいま問
題となる。一方ここに述べた弁装置ではその2次リード
を働かすためにそんなに高い真空を必要としないためエ
ンジンの吸気系統は直接にクランクケースに常時開□さ
せておくことができ、したがって大排気量のエンジンが
低速運転される場合にも混合気の良好な流れをもたらす
。これは、第9図及び第10図を参照して更に説明され
る上記補足通路を使用することによって達成される。上
に述べた閉口リード構造によってもたらされる他の改良
点はエンジンの応答性の向上ということである。
これは気化器(図示されていない)の絞り板が閉じると
弁装置27の流側の真空度がクランクケースの真空度に
等しくなりしたがって両方のリードは閉じたままの状態
になるからである。一方気化器(図示されていない)の
絞り板が開放されるやいなや弁装置27の上流側の真空
度は0に落ちるがクランクケースの中の真空度はそのま
まに保たれる。関口リード弁は単一リード構造に比して
より早くより敏速に開く。これは閉口リード弁が弁装置
両側の低圧力差にも応答し、さらに上述した様に弁の少
ない屈曲で十分なガス通過口が形成されるためである。
上に述べた構造の利点の1つはそれによってリードの寿
命が著しくひきのばされたということである。
一段型のりード構造ではリードの疲労破損が2独特間の
内に起こり始める。この状況を解消する努力の1つとし
て弾力鋼製のljードの使用が考えられる。このリード
要素の耐久時間は長いが、この要素が破損した場合その
リード片がシリンダ内に吸い込まれエンジンの破壊をひ
きおきすことになる。一方上に述べた様な2枚リード構
造は普通の使用状態で1年余の寿命をもっている。第2
G図は以上で述べてきた修正をほどこした25比.c.
エンジン−普通の形式でピストン制御の吸入口及び排気
系統に排気膨張室を備えた2サイクルエンジン−につい
て行なった実験結果のグラフでエンジンの回転速度に対
する出力を示している。数字‘‘1”の付いている実線
は、上記エンジンの以上で述べたりード弁装置を使わず
、かつキャプレタ(気化器)の曙霧状態を可変速度及び
負荷における標準的使用状態にしたきの動力計による試
験結果である。
グラフからわかる通り、660比pmの回転速度附近で
最大出力22馬力を記録し、その後最大出力速度より遠
い回転速度に対して出力は急変に減少している。
実線2は実験1と同じエンジンを同じ条件の下でだキャ
プレタの項霧状態を最大の動力計指示を得られるように
調節しながら運転した場合の試験結果である。
660仇pm附近の回転速度で最大出力28馬力が得ら
れた。
この実験でも第1の実験の場合と同様に最大出力をこえ
てからの急激な出力低下が見られる。安定な範囲で得ら
れる最大回転速度は約850仇pmであ。実験の結果わ
かることは、試験2のエンジンは速度変化が必要とされ
る応用に対しては不適であるということである。これは
絞り弁(スロットバルブ)が全開の状態になるたびに混
合気は望ましくない程度にまで濃くなり、不燃ガスがシ
リンダに充填されるからである。3の試験では、1,2
の試験と同じ形式のエンジンに上述した形式のリード弁
と上述した形式の副吸入口を取りつけたものをその対象
とした。
試験3のグラフからわかる通り、500びpm以下の回
転速度における出力は著しく増加し、場所によっては5
0%程度の増加になっている。730仇pmの回転速度
で最大出力約29馬力が得られ、さらに最大出力の回転
速度を越してからも、第1、第2の試験の場合に比して
その出力は非常にゆっくりとしか減少しない。
加えて約1100仇pmの最大回転速度が達成された。
4の試験では、3の試験と同じ改良をほどこしたエンジ
ンにさらに大直径ベンチュリ管のキャブレタ、副掃気□
、改良排気口、改良型膨張室を備えたものが実験された
このエンジンの最大出力は920かpm附近における3
4馬力にまで上昇した。このエンジンの最大回転速度も
1250仇pmを越えることが判明した。上述した閉口
リード弁構造に関して、2枚以上のりードを有する弁装
置も可能である。
例えば3枚リードの弁装置が考えられる。この場合第2
のリードにも穿孔が作られこの第2リードの開□を第3
のリードが開閉することになる。第3のリードを第2の
リードより小さくより高い屈曲性を有するように作るの
が望ましい。次に、特に第3図を参照して、本発明に従
う混合気吸入系統の一具体例を説明する。
第3図に見られる装置は上で説明したものと類似し、そ
の各部分も上述した様な特徴形状を備えているが、リー
ド弁装置の弁装置収納部内への取りつけ方法だけが異な
っている。
すなわち頂点部材及び頂点線を含む第3図におけるリー
ド弁装置は、第1図及び第2図のそれに比して弁収納部
内で90oだけ回転した状態に取りつけられている。第
3図の装置では弁装置全体が回転した状態で取りつけら
れ、したがってリード弁自身のシリンダー軸或いは各開
口部分に対する相対的な位置もこれまでと異なったもの
となっている。この位置関係は、エンジンシステム内部
の混合気流体の流れ図を、特にエンジンの高速運転時に
おいて、予測しやすいという意味においてより望ましい
ものである。混合気流は弁装置本体29の両側面に取り
つけられたりード弁ので均等に分配されさらにエンジン
内部における自然な流れ方向すなわちクランクケースの
内部において孫気孔の開いているクランクケースの両側
に向かう曲線流路に従う方向に方向付けられる。これは
混合気流の通過する弁装置関口が固定端とりードで形成
される屈曲機を有するオリフィスとして働らき、混合気
流が曲げられるからである。第3図に見られるような弁
装置の取りつけ向きのため、リード弁は副掃気□46に
近援して取りつけられ副掃気□46への流れもより滑ら
かなものとなっている。すなわち第1図の実施例の場合
のように混合気がリードから上方向に流れる必要が無い
からである。リード弁装置のこの向きは低温におけるエ
ンジン動特性‘こ対しても良好な結果を与える。
これは手敷によるエンジン始動操作の場合には特に望ま
しい現象である。理由は次の通り。まずエンジンが停止
状態にある場合クランクケースの内部はリード弁を動作
させるに必要な真空度に達していない。たがって始動に
際してはクランクケースの内部に十分な真空状態を作り
出し、リード弁を開放し、混合気流体をエンジン内部に
取り込むためエンジンクランキングを実行しなくてはな
らない。弁装置が第1のように取り付けられている場合
、水平方向位置に装置の頂点部村35が配置されている
ので、リードの上方(第1図)の組を介して進む混合気
流体は、その一次リード38の関口40から排出され、
弁装置27を通過する際に上方に流れなければならない
。このように上方に流れた混合気流体をクランクケース
に供給されるようにするためには、クランクケース内部
により高い真空を作り出すことが必要であり、このため
には例えば始動の際により遠くピストンを作動させなけ
ればならない。これに対して、弁装置が第3図のように
取り付けられれている場合、鉛直方向位置に弁本体の頂
点部材が配置されているので、混合気流体は上方に流れ
ることはなく、リーードを介した混合気流体はすぐにク
ランクケースに供給される。こうして混合気流体を弁装
置を通して吸引するに必要な真空度は減少し、それに従
ってクランキングの速度すなわち始動の際に要求される
労働も小さくなる。ある種のエンジンに対してはこの差
異は決定的なもので上記弁装置を利用した場合手動によ
るエンジンの始動は可能であるが上記弁装置を使用しな
いエンジンでは手動による始動が不可能となる。第3図
に見られるリード弁の向きに関連して、次の事に注意さ
れたい。
すなわちオートバイ、雪上車その他の多くの対象にエン
ジンをりつける場合、吸入路(系統)がさらにエンジン
それ自身も幾分懐いた状態に言い換えれば混合気流体が
気化器から吸入系統を通りさらに吸入口を沿てシリンダ
ーに自然に流れ込む傾向を持つように位置決めされると
いうことである。この傾きは第3図に見られる通りであ
る。第3図に見られるような向きで弁装置が取りつけら
れている場合、混合気流体は容易に弁装置部分を通過し
或いは弁のすぐ上流側に蓄積される。この事実は第1図
、2図に見れる向きに弁装置を取りつけた状態と大きな
対比をなす。結局起動の容易さが重要な要因となる対象
に対しては第3図の配置は特にエンジン及び吸入系統が
傾いている場合非常に優れた構造となっている。上記の
利点は第3図に見られる弁装置の向きに依存するもので
、−上述の閉口リード構造の場合と同様単一リード構造
の場合にも成り立つものであることに注意されたい。
単一リード構造の利点は単一リードが開ローJ−ド‘こ
比して屈曲し‘こく〈したがって容易には開かないとこ
ろにある。次に、第4,5,6A〜6E図を参照してい
ただきたい。
以下エンジンのポーティング(吸入口、掃気□、排気口
の形状、寸法、配置)について説明する。第4図は第3
図の4一4における典型的なシリンダーの断面図で弁装
置27のシリンダーへの望ましい取りつけ方法を示して
いる。
これでは2つの弁装置がシリンダーCから突出した弁収
納部即ち吸入室20の内部に第3図に関連して上で述べ
たごと〈垂直に取りつけられている。2つの弁装置27
はそれぞれ弁装置が吸入ロー8の1つと並ぶように位置
している。
弁装置27を2つの使用することは、混合気流体の流れ
をエンジン内部の自然な流れパターンと一致させ、エン
ジン内部に於ける混合気流体の流れをより滑らかかつ方
向性を有するものにするという点で望ましいものである
。混合気流体は、弁装置27に整合した吸入ロー8を介
して流れ、この吸入ロー8は下死点位置のピストンに向
かい合うように位置付けられており、ピストンが下死点
位置の上に実質上上昇する時に、弁装置から弁装置に向
いている側のピストンの下方緑のレベルの下の空間へと
進む、シリンダの略半径方向の混合気の流れを生ぜしめ
る。このようにして、混合気はエンジンのクランクケー
ス内に流れる。掃気路がクランクケース則ちピストンの
下の空間に常に開いているので、混合気はクランクケー
スから掃気通路に流れ込みさらにこから掃気路53を沿
て掃気ロ16からピストンの燃焼側に導き入れられる。
先の事実は第3図及び第4図に示されるシリンダー構造
に於いてヲE常に重要であることに注意していただきた
い。これは第4図に見られる通り、この構造ではシリン
ダーの掃気口16の中′○軸と入力系統の軸とがほぼ9
0oの角度を有するからである。この構造によって混合
気流体はエンジンの内部で一度大きくその方向をかえす
なわちほぼ90oの方向転換をしてエンジンの両側面方
向に進み、掃気路53に入らなければならない。第3図
及び第4図に見られる様な構造配置を採用しない場合、
混合気流体はクランクケースの両側に向って流れるとい
うような傾向はもたず、混合気流体の圧縮が完了し掃気
口を通してのクランクケースからの放出が始まる時点に
達して初めて側方向に流れ始める。高速運転の場合、こ
の方向変化のために許容される時間間隔は非常に短く、
したがってこの変化は急激に実行されなければならない
。上述した2枚リードの弁装置を使用した場合、弁装置
の働きで混合気流体はエンジンに吸入される前段階で方
向付けれ、この事前の方向付け作用によって混合気流体
の進行方向の転換は効率よく、急速に、かつ円滑に実行
されその結果多量の混合気がピストンの燃焼側に供給さ
れることとなる。第4図に見られるエンジンに於ては、
弁装置27と吸入口18を含む帯吸入系統がシリンダー
の内部空洞の中心から伸びる放射直線を軸としてその上
に並び、一方稀気□の軸に対してはある角度関係を持っ
て突出した形状となっていることに注意されたい。
第5図には第4図に示される様なシリンダーに於いて使
用されるピストン56が示されている。
ピストン56には2つのピストン閉口58が互いに少し
離れた位置に作られ、その各々はシリンダーCの吸入口
18の1つとなるようになっている。第5図に見られる
ピストンの重要なる特徴は開□58の高さが従来のもの
に比して著しく増しているということである。この結果
、以下に詳述する通り、吸入ロー8は(したがってリー
ド弁を含む吸入系統の全体が)エンジンサイクルの全過
程に於いてクランクケースと連絡された状態に保たれる
。第3図及び第4図に見られる構造にすれば単一リード
弁の場合にも上述した閉口弁の場合にも閉口58の高さ
を大きくすることができる。これは垂直取りつけに起因
する改良された流れ状態によってエンジンがより簡単に
始動されるため、吸入孔とクランクケースの間を遮断し
なくてもリード弁を動作状態に移すのに必要な真空度が
得られるからである。吸入口とクランクケースの遮断は
水平取りつけられた弁装置の場合には必ず必要である。
エンジンの関口の高さの増大によて、言い換えれば開ロ
部分面積の増加によって、より長い期間混合気吸入が持
続され従ってより多量の混合気がエンジンに吸入されそ
の結果高い出力が得られる。第6A〜6E図には、上述
した形式の関口リード弁装置と第5図の閉口ピストンを
備えたエンジンの動作サイクルが概略的に示されている
第6A図にはピストンがその下死点に達する直前の状態
が示されている。下降するピストン56によって圧縮さ
れた混合気流体はクランクケース60から放出され掃気
ロー6を通して、さらに混合気流体の一部は副掃気口4
6からピストンの燃焼側に送り込まれる。上述した様に
、圧縮混合気流体のクランクケース60からの急速な排
出によってクランクケース60内部にはその跡に真空状
態が作り出される。この真空はピストン関口58を通し
てリード弁に伝えられそれを開く。こうして付加的な混
合気流体が副掃気d46を通してピストンの燃焼側に送
り込まれる。同時にピストン閉口58からクランクケー
スを通り掃気□16からも(図に矢印で示される通り)
付加的な充填が実行される。これは低速回転領域におけ
るいわゆる過給効果で、これによって高いエンジン出力
が得られる。エンジンの高速回転時にも週給効果が起こ
る。
高速回転時には吸入混合気は高速で移動し(流入し)し
たがって十分に大きな運動量を有しているため第2リー
ドが関の状態に保たれるということを思い出していただ
きたい。したがって混合気流体は1次リードの開□を通
して流れつづけその結果システムは高い供給状態に保た
れる。さらにピストンの下死点‘こ於いては、典型的な
排気膨張室の働きによってシリンダーに対する吸い込み
も実行される。この位置に於いて副掃気口46はピスト
ンの燃焼側に閉口し、さらに吸入混合気流の運動量は高
速回転時には2次リードを開の状態に保つ程十分大きい
ため、混合気の一部は吸入系統から掃気□46へ直接に
流れ込む。すなわち混合気のこの部分は、高速回転時に
はクランクケースを通らずに直接シリンダーに充満され
る。ピストンが上昇する際に排気口を通して漏出しよう
とする混合気は典型的な排気膨張室で作られる反射波の
鰯らきでシリンダー内部に留められる。さらに高遠回転
時には2次リードも開の状態に保たれるため、より多量
の混合気が周辺開□58を通してクランクケース内部に
吸入され、それに伴ってクランクケースから掃気□への
混合気流も増加する。第6B図は橋気□16及び副掃気
口46を丁度閉鎖する状態にあるピストン位置を表わし
ている。ピストンは上昇しつつあり従ってクランクケー
スの内部には真空状態が作られている。この真空状態は
開□58を通してリード弁に伝達されリード弁をより大
きく開く。混合気流体は吸入ロー8からピストン開口を
通してクランクケースに流れ込む。ピストンがさらに上
昇した位置では副掃気□ーピストン閉口ークランクケー
スという流入路も構成される。このピストン位置ではま
だピストンの外周下端部分は吸入ロー8を閉じている。
第6C図の位置にくるとピストン56の外周下端部分が
吸入口18を開く。リードベタルは開いた状態にあり、
混合気流体はピストンの下側からさらにピストン関口5
8からもクランクケース内部に流れ込む。副掃気□46
を流れる混合気流体はピストン関口58からピストン5
6の頂部底面に向かうことに注意されたい。この流れに
よってピストン項部の冷却が実行される。第6D図に見
られるように、ピストン56が行程の上端に近づくと外
周下端部分は完全に吸入ロー8を開放し、多量の混合気
流体が開いた弁装置を通してクランクケースの内部に吸
い込まれる。
第6E図は下向行程にあるピストン56が吸入口18を
閉鎖した状態を示している。ピストンはこの行程に於い
て、先行する上向行程でクランクケース内に吸収した混
合気流体を圧縮する。この時点でクランクケース内の流
体圧力は弁装置の上流側の流体圧力より大きくなるが、
それに伴う力混合気流体の吹きもどし現象は、低速回転
時には弁装置の閉鎖によって、高速回転時には小さな開
口面積とそこを通過して釆る混合気流体の運動量によっ
て防止さる。エンジンサイクルの全期間にわたり常にク
ランクケースがピストン開口を通して、吸入口18を通
して或いはその両者を通して吸入系統につながっている
ことに注意されたい。このことによってより多量の混合
気流体がエンジンに吸入されしたがってより高い出力、
トルク出力が得られる。第7図は第1,3,4,5,6
A−6E図に見られる形式の弁装置及びポーティングを
採用し、さらにピストン外周に第5図の垂直に長い関口
を備えたエンジンの特性グラフである。
第7図に描かれる2本の曲線のうち曲線1は低吸入速度
すなわち最大出力回転数より低い回転状態に於けるリー
ド弁の代表的な動作特性を表わし、曲線2は高吸入速度
すなわち最大出力回転より高い回転状態に於けるリード
弁の動作特性を表わしている。上で述べた通り、高吸入
速度運転の場合吸入系統(弁装置)はエンジンの全動作
サイクルにわたって常に或る程度以上開いた状態に保た
れる。第7図のグラフでは1800の目盛がエンジン行
程の下死点に対応し、3600の目盛がエンジン行程の
上死点に対応している。第7図の縦軸はリード弁の開き
の程度を表わし閉鎖状態から全開状態まで4区間にわけ
て段階付けされているとに注意されたい。
縦軸の下から一番目の目盛は2次リードによる開きの程
度に対応している。
言い換えれば、2次リードが全開の状態になった場合そ
の開き具合は丁度1/4の目盛で表わされるものである
。第7図はさらに、低吸入速度の場合にも弁装置はエン
ジン動作のほぼ240oの範囲にわたって開いているこ
とを示している。このことはエンジンの低速回転時一こ
の場合上述した通り1次リード、2次リードの両者が開
閉動作を行なう−に於いて比較的高い出力と効率を保つ
のに役立っている。第7図に開運して上で述べたりード
弁の開放持続時間は低速回転時にも高速回転時にも、従
釆のエンジン設計に比してより長くなっている。
この状態はピストンの周辺閉口56を充分に高くしピス
トンの外周が吸入路とクランクケースの間を遮断した場
合にも周辺閉口が吸入路に開かれる構造にして始めて達
成されるものである。ピストンの外周部分によってサイ
クルのある期間吸入口が閉鎖される従来のエンジン構造
の場合、弁装置の開き始め点は1800 目盛で表わさ
れる下死点まで或いはさらにそれ以後の時点まで延遅延
される。この構造では高速及び低速の回転時におけるト
ルク出力は好ましいものとならない。第7図に示される
グラフは標準的な轍気○タイミング−すなわち1200
を越えない橋気口の開放−を採用したエンジンの特性で
あることに注意されたし、。
上述した関口リード弁を使用し、さらに上述のピストン
の閉口構造を併用した場合、第1図、第3図、第6A−
E図、第9図、第10図にみられる掃気□の高さを増し
それによって掃気時間を延ばすことも可能であることが
判明した。約14がの婦気口開放時間を有するエンジン
は第2G図曲線4で示される出力特性を有する。高速回
転領域に於いてその出力が大幅に増加していることに注
意されたい。さらに排気口の高さを増加させそれによっ
て掃気時間を延長しエンジン出力を高めることもできる
。次に第8図を参照していただきたい。
番号1の曲線は従来の単一リード弁エンジンの出力特性
で最大出力を越えてからその出力馬力が急激に低下して
いる。第号2の曲線は第2G図の曲線3に類似するもの
で、関口リード装置を使用するものの出力特性である。
この特性曲線では最大出力を越えてからの出力低下の倭
向が幾分改良されている。第3,4図に見られるような
形式に於いては、すなわち複数個の二重リード弁装置と
相離れた一対の吸入孔18を備えたエンジンの場合、そ
の出力馬力曲線は第8図曲線3のようになる。この出力
曲線ではより大きな最大出力値が得られ、さらに高速回
転領域においても出力は横ばい状態に保たれている。こ
れは曲線1の特性と大きく異なる点である。次に第9図
及び第10図を参照されたい。
これらの図では第3図及び第4図に示されるのと類似の
構造にさらに別の工夫がなされている。対応する部分に
はこれまでと同じ番号付けがなされている。この装置は
以下補足通路又は“噴射’’孔と呼ぶ新らしい通気孔構
造を備えている。すなわち62で表わされる2つの噴射
孔である。これらの噴射孔の各々は第9図及び第10図
に示される通り吸入口18の1つと掃気路53の1つを
結んでいる。これらの噴射孔は常時クランクケースに閉
口し高速回転時特に6000〜700仇pm以上の回転
速度の場合に混合気の吸入を高める働きをする。第9図
からわかる通り、噴射孔62の縦軸は縞気路の軸とほぼ
90oの位置関係にある。クランクケース内部の混合気
流体ぎ下降するピストンによって圧縮されると、混合気
は掃気ロー6に向って上方向に掃気路内を流れ始める。
ベルヌーィの定理に従えば、噴射孔62の関口端付近を
流れる桶気路内の高速度混合気流によって噴射孔62内
に排気効果が起こり、すなわち噴射孔62の内部は低圧
となり、この低圧は入力系統の弁装置のすぐ下流側にま
で伝達される。こうしてある量の混合気が入力系統の弁
装置から下流側に引き出され噴射孔62を通して掃気路
53に送り込まれる。この結果婦気路の噴射孔62から
掃気□16に到る部分にはより高密度の混合気流体が流
れることになる。あるいはまた、ピストンがシリンダ内
にて上昇する際に、ピストンの下側の吸引作用の結果、
混合気が、弁装置27からピストンの下側(即ちクラン
クケース内)に、吸入ロー8のみならず補足通路則ち噴
射孔62を介しても流れ、これによって、多量の混合気
をピストンの下側に供給するとができる。噴射孔の構造
は入力系統に弁装置を備えた2サイクルエンジンに対し
てはすべて、例えば回転型吸入弁(rotary in
takevalves)を備えたエンジンに対して、好
ましい結果をもたらすものと思われる。以下で第11図
に関連して述べる通り、リード弁装置特にここに記した
形式の開口リード弁装置を備えたエンジンに於いて補足
通路即ち噴射孔構造を採用した場合非常に好ましい結果
が得られる。さらに第9図及び第10図に見られる様に
2つの吸入ロー8及び2つのりード弁装置の間に分離壁
64を取りつけ、吸入混合気流の吸入口18からピスト
ン外周の閉口を通してクランクケースへの方向付けを助
けるのが望ましい。第2G図及び第8図のグラフ作用に
用いたエンジンよりも幾分か大きい出力を有するエンジ
ンについて、補足通路則ち噴射孔の有無によってその出
力特性線がどのように変わるかを調べたのが第11図で
ある。
曲線1は第9図及び第10図の構造を有するエンジンで
噴射孔無しの場合の特性曲線であり、曲線2は同じエン
ジンに噴射孔を備えた場合の特性である。最大馬力出力
が増加し、さらに最大出力回転数を越えてからの出力低
下も改善されている。この部分は速回転時に重要である
。これまで述べた実施例を念頭に於いて、上述の複数リ
ード弁装置及び上述のいくつかのポーティングを採用し
た場合のいくつかの利点特徴或いはその望ましい動作特
性についてここで指摘しておきたい。
リード弁の使用によってここに述べた通り吸入口の全断
面積を大幅に増やすことが可能となり、さらに低速及び
高速に於いてそのサイクルにおける弁開放持続の全時間
を大幅に増やすことが可能となっている。
リード弁の使用によってさらにピストン周辺部の閉口5
8を掃気口が開いた状態でも入力系統がクランクケース
に開かれるようになるまで引き伸ばす事が(長い形状に
する事が)可能となる。さらにリード弁の使用によって
ピストン周辺部の関口の垂直高を入力系統がエンジンの
動作サイクルの全体にわたってクランクケースに開いた
状態になるまで引き伸ばすことも可能である。これまで
2サイクルエンジンの製造業者の多くがシリンダーへの
混合気流を制御する手段としてリード弁を用いることを
きらっていたことに注意されたい。
これは従来のリード弁装置がピストン孔型式の入力系統
(piston pon intakes$tem)に
比べてエンジンの構造に複雑さを加え、さらにその寿命
は短く、単に低速回転時の出力が幾分高いという利点だ
けしか有していないからであろうと思われる。一方上記
閉口リード構造は、それだけ単独でも或いは上述したポ
ーティングと同時に使用しても、馬力出力、トルク出力
、出力帯域幅の大幅な増加をもたらすものである。これ
らの改良、特徴によってリード弁装置はエンジン製造の
分野に於いてますます広く使われるようになるものと思
われる。
【図面の簡単な説明】
第1図は吸入弁及び吸入口を有する2サイクル型の内燃
機関の断面図である。 第2図は第1図の弁装置の断面図である。第2G図は普
通の2サイクルエンジンと第1図及び第2図に示される
エンジンの回転速度に対する出力特性の比較グラフであ
る。第3図は本発明に従って構成された装置の第1図に
相当する断面図である。第4図はシリンダーの水平断面
図で、改良された吸入口と第3図に見られるごとく取り
つけられた弁装置の様子を表わしている。第5図は本発
明に従う装置に於いて用いられるピストンの正面図で上
述した拡大関口を備えている。第6A,6B,6C,6
D.6E図は、本発明に従う閉口構造を有するエンジン
の動作を概略的に示す動作系統図である。第7図は第1
図、第3〜68図に示される装置の吸入口の開放持続期
間を示すエンジンサイクル図である。第8図は従来の装
置及び第3図〜第66図の装置の出力特性の比較図で、
第2G図のグラフの3番の曲線が同時に描かれている。
第9,10図は第3図及び第4図に相当するものである
が、本装置はさらに上述した補足通路則ち噴射孔を備え
ている。第11図は、本発明に従って作られた2つのエ
ンジン、第1のものは補足通路則ち噴射孔構造を有し第
2のものは噴射孔構造を採用していない、の出力特性の
グラフである。12……シリング、14””川ピストン
「 16…・・・掃気□、18・・・・・・吸入口、2
7・・・・・・弁装遣、35……頂点部材、37・・・
・・・表面、38・・・・・・1次リード弁、40……
関口、42……2次リード弁、46・・…・則婦気口、
58・・・・・・閉口、62・・・・・・噴射孔。 JC多Z. 瀦物2. みそ.26. それ 多‐夕 で‐夕 ,.J 多・鉾 多‐仏 多‐少 多仏 多‐フ 多‐グ 多‐夕 多‐め 多‐″

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 シリンダ及びクランクケースを含むエンジンハウジ
    ング構造体と、該シリンダ内で上死点位置と下死点位置
    との間にて往復運動可能に設置されたピストンと、供給
    源から混合気を受け取る吸入室20と、下死点位置の該
    ピストンの方に実質的に半径方向に向いている路内の該
    吸入室を介する混合気の流れを制御するリード弁装置2
    7と、該エンジンハウジング構造体内に形成され且つ該
    吸入室に該リード弁装置の下流で連通する通路及び孔手
    段とを具備し、 該通路及び孔手段が、該シリンダの壁
    の一方の側を介している吸入口18であつて、下死点位
    置の該ピストンに向かい合うように位置付けれており、
    実質的に下死点位置の上のピストンの上昇行程の間に、
    該弁装置の方への側にて該ピストンの下方縁のレベルの
    下の空間に、該リード弁装置から該シリンダの実質的に
    半径方向に混合気の実質的に直接的な流れを生ぜしめる
    吸入口18を含み、 該シリンダが、該吸入口に対向す
    る該シリンダの側部の排気口52を有し、 該通路及び
    孔手段が、更に、該吸入口と該排気口との間にて該シリ
    ンダの壁内に配置され、且つ該ピストンの下死点位置の
    該ピストンの上の該シリンダの壁内の掃気口16を有す
    る掃気路53と、 下死点位置の該ピストンの上の該シ
    リンダと該吸入口の上側縁に隣接して該吸入室とに連通
    している副掃気口46と、 該吸入口の下側縁に隣接し
    て該吸入室に連通し且つ該掃気路53に連通した、該シ
    リンダの壁に形成された補足通路62とを含み、 該掃
    気路及び該補足通路の双方が該ピストンの下死点位置を
    含むすべてのエンジンの動作に渡つて該ピストンの下方
    縁の下のエンジンハウジング構造体内の空間に連通して
    いることを特徴とする可変速、2サイクルクランクケー
    ス圧縮内燃機関。
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