JPS6031895B2 - クロム・モリブデン・タングステン固溶体炭化物を使用した超硬合金 - Google Patents

クロム・モリブデン・タングステン固溶体炭化物を使用した超硬合金

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JPS6031895B2
JPS6031895B2 JP15581077A JP15581077A JPS6031895B2 JP S6031895 B2 JPS6031895 B2 JP S6031895B2 JP 15581077 A JP15581077 A JP 15581077A JP 15581077 A JP15581077 A JP 15581077A JP S6031895 B2 JPS6031895 B2 JP S6031895B2
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tungsten
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chromium
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利尚 高橋
日出夫 谷藤
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Hitachi Carbide Tools Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、炭化タングステン(以下WCと略す)を用い
る切削用あるし、は耐摩耗用超硬合金などにおし、WC
に代用しうる硬質炭化物を提供するもので、さらに詳し
くは、WC型の結晶構造を有するクロム・モリブデン・
タングステン固溶体炭化物を用いた超硬合金に関するも
のである。
WC−Coを基本とする所謂超硬合金は、固有の長所を
生かして近年富に用途開拓が進み、切削工具、塑性加工
工具、鉱山、土木工具などはもちろんのこと、種々の機
械部品、耐蝕部品、耐熱部品、さらには装飾品などに利
用範囲が広がり、一段と重要な材料となったが、その主
原料がWCであるためタングステン鉱石の不安定から従
来からWCに代わる硬質炭化物、あるいは硬質化合物の
開発応用が活発であった。さらに近年の著しい高価格に
臨み、一層代用物に力が注がれ、その一つの成果として
炭化チタン系あるいは炭窒化チタン系サーメットが代替
材料として脚光を浴びているが、本質的にTICあるい
はTICN,一×がWCより脆いために、これらサーメ
ットは1940主代の開発当初から腕ごが問題とされて
おり、現在なおWC系超硬合金に匹敵しうる強度の信頼
性は得られていない。またこれまで超硬合金などの硬質
材料において、一般に炭素ーモリブデン系では室温で安
定なMo2Cのみが用いられているが、硬さが1500
k9/ゆであり、WCの2400k9/地に比べ低く現
在では主として添加成分として用いられている。一方、
WC型結晶構造を有すると言われているMoC(正確に
はガンマ‐MoC)は、単独で実験室的にも入手がかな
り困難であるが、WCおよびCoの共存下でMoCをW
Cとの固容体でこれまた実験室的に得たという事例はあ
る。ただしその工業的応用に関する事例は全く見当らな
い。さらに一般に、WCにMoが混入すると性能劣化す
ると言われ、通常Mo成分は0.02重量%程度以下と
されており、そのために鉄マンガン重石、灰重石などの
タングステン鉱石中に含まれる0.01〜2重量%程度
のMo分をタングステン湿式精錬時に多大な労力をもっ
て除去しているのが現状である。本発明の目的は、クロ
ム・モリブデン・タングステン団溶体炭化物(以下単に
(CrMoW)Cと略す)を利用して、優れてはいるが
効果かつ貴重なタングステンをできるだけ節約し、かつ
従来のWC系超硬合金に匹敵する強度を有する材料を提
供することであり、さらに加えて、タングステンの湿式
精錬時の省力化、無公害化を促進するものであるすなわ
ち、WC系超硬合金のWC分を(CrMoW)Cで十分
代用しうろこと、加えてMoを除去する必要がないこと
からタングステン精錬の大中な短縮が可能になることな
どを見出したものである。
以下に本発明の(CrMoW)Cを用いた合金の構成成
分について述べる。
‘i)(CrMoW)Cにおいて 金属元素のうちWはWC型構造のMoCを安定化するも
ので少なくとも5モル%以上含有しないとその効果が期
待できず、工業的かつ性能的には10モル%以上が望ま
しい。
上限は省タングステンの目的からは50モル%以下が望
ましいが、タングステン鉱石の精錬の省力化も含めた目
的からは、97%モル以下、すなわちMoは3%モル以
上が良い。これはタングステン鉱石にMo量が0.01
〜2重量%、W量は50〜6の重量%含有されており、
従ってWに対するMoの平均比率は、15重量%すなわ
ち3モル%程度であり、Moが3モル%以上であれば種
々原料から一定したMo含有のものかつ一定の品質のも
のが得やすいためである。また、Crは(MOW)Cに
特に耐酸化性を付与するもので、少なくとも1モル%以
上含有しないとその効果が発揮できず、また上限は、(
MOW)CがWC型結晶構造を保持しうる最大固溶量、
すなわち7モル%までである。さらに、結合炭素の金属
成分に対するモル比は0.氏未満であると、一部面心立
方晶系のMoC,−x(x芋0.2)型の炭化物、ある
いはMo2C,Cr2Cz等の型の炭化物、さらに鉄属
金属が存在するとき、り相などの複炭化物が生成し強度
低下が著しく0.9以上であることが必要である。
なお上限は化学当量のままである。上記(CrMoW)
Cを以下のように広範囲に応用される。
すなわち、‘ii} (CrMoW)Cと結合物とから
なる合金において、耐蝕性を要求される用途に対して、
結合物量は0.3〜2重量%(以下重量%は単に%と略
す)が良好であり、一般の耐摩、切削工具、機械部品な
どに対しては結合物量は3〜30%がさらに耐摩耗性、
強級性を要求される用途に対しては40〜60%の結合
物量のものが望ましく、従って本発明では結合物量を0
.3〜60%とする。
なお結合物は、鉄属金属のみの場合が王であり、用途に
よりそれら鉄属金属のうちのいずれかが決まることはも
ちろんのこと、さらにAI,Ti,Y,Cr,Cuなど
の鉄属金属の耐熱、耐酸化性を向上させる元素または合
金を含有させることは用途により、より望ましいもので
あるが、炭化物との漏れ性すなわち焼緒性および合金強
度の点から耐熱、耐酸化性向上元素または合金の軍は、
結合物中の50%以下とすべきである。
剛 (CrMoW)Cと第2の硬質物および結合物とか
らなる合金において、本系において、第2の硬質物とし
て一般工具、特に切削工具用には、TIN,TIC,T
aC,NbC,VCなどが0.1〜40%含有される方
が良好であり、さらに高速切削用、熱間加工用などに用
いられる40〜80%の主としてTIC,AI203を
ベースとする工具材の轍性向上に(CrMoW)Cは顕
著な効果を示す。
すなわち、Wa,Va,Wa金属移金属の炭化物、窒化
物からなる一群の硬質物であり、これらの量を本発明で
は0.1〜80%とするものである。また結合物は、本
系の用途が前記(ii}項の一般耐摩、切削工具などあ
るいは強靭性の要求される材料が王であり従って結合物
量は3〜60%が適切である。さらに本系においても結
合物は鉄属金属が王であり、用途によりそれら鉄属金属
のうちのいずれかが決まることはもちろんのこと、さら
に、AI,Y,Cr,Cuなどの鉄属金属の耐熱、耐酸
化性を向上させる元素または合金を含有させることは用
途により、より望ましいものであるが、焼絹性および合
金強度の点から耐熱、耐酸化性向上元素または合金の量
は、結合物中50%以下とすべきである。以下に具体例
を掛げ、理解に供する。
実施例 1 まず(CrMoW)Cを以下のようにメンストルアム法
で作成した。
市販のWC,Mo2C,Cr3C2を用いてCr,Mo
およびW比を調整し、かつWC型のモノ炭化物となるに
必要な量および含有酸素ならびに雰囲気による減少補充
量分のカーボンブラックを添加し、ざ*らに30%程度
のCo粉末を加え、これらを混合した。
この混合物を2000℃、1時間、水素中で加熱処理し
た後、生成した塊状物を粉砕し、塩酸でCoを溶出させ
た。残査物を十分水洗し、アルコールで置換後真空乾燥
して第1表の炭化物を得た。第1表において、X線回折
はディフラクトメーターを用いたASTM−カード法に
よる結論であり、その結果は、例示の(CrMoW)C
はいずれも比較のWCとほぼ同一の回折角度および類似
の相対強度比を有していた。
さらに科学分析値から計算される炭化物組成からも所謂
モノ炭化物の形となっていることが分かった。これら例
示の炭化物のマイクロビッカース硬さは、50タ荷重圧
痕後写真撮影しこれから求めたものである。第 1 表
素原料用(0rMoW)0の粉の性状(注) *1
:全炭素量失2:遊離炭素量 *3:分析値より計算した原子協比率 なお一般にX線回折において含有量5%程度以下のとき
はかなり精密に分析を行ってもその物質の存在の有無が
確かなものではない。
従って本発明例No.2の炭化物にWC相以外の相が存
在するかもしれないという懸念は、第1図のSEM反射
電子像写真から明らかに2相合金であることが観察され
抹消される。なお第1図の写真はM.2のメンストルア
ム生成塊状物であり、WC形炭化物とCoの2相である
。上記炭化物の一部を用いて1解容量%の市販の超硬用
Coを加えてアルコール中で湿式混合した後真空乾燥し
た粉末にプレス用粘結剤としてパラフィンワックスを2
%添加混合した。
この混合粉をlt′めでプレス成形し、これを145q
o、1時間頁空焼結して第2表に掲げる合金を得た。第
2表から明らかなように、本発明の (CrMoW)C−Co系合金は、JISB 4104
に定められた超硬チップK20(比較例舵.15が相当
)の規格:抗折力140kg/桝以上、ロックゥェルA
スケール硬さ89以上を十分満足するものであり、さら
りに基本形である(MOW)Cの耐酸化性を著しく改善
しており、省タングステン合金材料としての意義は大き
い。
第 2 表 炭化物一10容量%ooの合金の性質(
注) ×酸化増量:大気中75℃30分保足拷後の酸化
増量実施例 2実施例1で作成した第1表地.2の (Cro.。
2Moo.74Wo.24)C粉末およびNo.5のW
C粉末に、それぞれ26.群容量%の結合金属を添加し
た。
この結合金属として45%Nj−45%Co−10%C
rの合金粉末を用いた。炭化物の破砕が生じにくい条件
下で湿式混合し、真空乾燥、ワックス添加、プレスの工
程を経て得られる成形体を142500、1時間真空競
結した。得られた試験片の物性を第3表に掲げる。表中
の最大歪量とは、抗力試験時に試験片の引っ張り応力側
にストレィンゲージを固着させた方法における破断時の
歪量であり、抗折力値のみでは不確実な靭性を評価しう
る一方法で、抗折力値が著しく離れていないかぎり歪量
が大きいほど鋤性がある材料といえる。さらに上記2種
の混合粉から線材圧延ガイドローラーを試作し、実用試
験を行った。
この結果は第3表に示す通り、比較品のWC系に比べ一
段とすぐれた性能を有する。実施例 3 実施例1で作成した第1表M.3の (Cro.o5Moo.72Wo.23)C粉末および
船.5のWC粉末にそれぞれ0.5%のCo粉を添加混
合し、これから得られる成形体を1600午0、1時間
真空燐結した。
この試験片を全表面研磨加工した後、80oo、1%希
硫酸に浸潰した結果、第4表に抗折力、硬さと併記する
ように腐蝕量が比較の従釆のWC系超硬合金より著しく
少なく、本発明品が優れた耐蝕性を有していることが分
かった。実施例 4 JISP20に分類される切削工具材のWC分を(Cr
MoW)Cで置換する試験を行った。
平均的なP2功材として、WC−10%TIC−1%T
aC−8%Coを選びこのWCの体積分、すなわち5筋
容量%を実施例1で作成 し た第1表M.2 の(C
ro.o2Moo.74Wo.24)C粉末とし、実施
例1と同様に、ただし競精温度を1400午0にして切
削試験片を作成した。第 3 表 炭化物−26.3
容量%結合合金の物性第 4 表 炭化物−0.5
%0o合金の物性下記条件で横逃げ面平均フランク摩耗
量が0.2帆に達するまでの切削時間は、比較のWC系
が36分であるに対し、本発明の品は33分であった。
長手達続旋削試験条件被削材:SCM−3(Hs=33
±1,切削速度:12肌/min 切り込み:2側、送り量:0.3/rev乾式切削、S
NP432 刃部形状:−6,一6,6,6,15,15,0.8本
例において微かに本発明品が劣るが、他炭化物種類、そ
の添加量および結合金属相の検討により十分匹敵しうる
工具材となり得ることは当業者にとって明らかであり、
本例においても省タングステン材料として波及効果大で
あることは疑いないものである。
実施例 5 先に触れたように、現在省タングステン切削工具材とし
て脚光を浴びているサーメツト、特に近年開発されたT
IN含有サーメットに焦点を当ててみる。
TIN含有サーメツトとして、38%TIC−19%T
IN−10%WC−10%TaC−10%Mo2C−6
.5%Ni−6.5%Coを選ぶ。
これは当業者にとって妥当なものと思われる。上記組成
のうちWCおよびMo2Cの合計の容積比、すなわち1
1.虫容量%を実施例1で作成した第1表的.3の(C
ro.伍Moo.72W小松)Cで置換した本発明品お
よび比較のため上記組成のものを実施例4と同じ方法で
抗折力試験片と切削試験片を作成した。
比較した結果は、第5表に示すように本発明品の方が強
度、硬さおよび切削性能においても比較品より若干優れ
ていることが分かった。比較対象の硬質物含有比率が全
量に対し少ないにもかかわらず有意差が生じたことは、
脆性かつ低硬度のMo2Cの使用を避けたためと思われ
る。また一般にTIC系サーメツトにMoを含有させる
場合、出発原料の形、すなわちMo2Cかあるいは金属
Moかにより、さらに硬質物のみを予じめ固溶拡散させ
るか否かなどの製造上の差が後の性能に大きな影響を与
えるものである。本発明は単に省タングステンの目的の
みならず、このような点にも優れた波及効果がある。第
5 表 TiN含有サーメット系工具材における(
0rMoW)0の効果長手連続旋削試験条件被削材:S
OM−3(Hs:33±1) 切削速度:220m/min 送り量:0.2双の/rev. 切り込み:2.0の肌 乾式 SNP432 刃部形状 一6,一6,6,6,15,15,0.8以上の実施例
により本発明が優れたものであることが理解されよう。
なお実施例では超硬合金等を作るとき出発原料として(
CrMoW)Cを用いたが、直接にも合金を作りうる。
すなわち例えば、WC,Mo2C,Cr3C2,Coお
よびモノ炭化物となる量のカーボンブラックを混合し、
これからら一度の焼結で必要であれば熱間静水圧プレス
等の工程を加えて(CrMoW)C−Co合金を製造す
ることは可能である。ただしこの場合、添加炭素量の調
整が若干困難となる。競結時の収縮率が大であるなど工
業的には推奨しかねる。本発明は ‘i) クロム・モリブデン・タングステン固溶体炭化
物は、炭化タングステンと同族、同結晶形であり、従来
種々の固溶体炭化物がTi,Ta,Wの三元固溶体炭化
物で代表されるように面心立方昌であるのに対し、本発
明の固溶体炭化物は単純稲密六方晶であることが特徴で
あり、これが従来のサーメット等ではなし得ない強報さ
を与えるものである。
すなわち本発明は省タングステンという長年に渡る願望
を満たし、高い信頼性の工具あるいはその他材料を与え
るものである。凧 省タングステン材材料であり、供給
の不安定、高価格の負担が著しく低減される。
‘ii) 鉄マンガン車石、灰重石などのタングステン
鉱石中に含まれる0.01〜2%程度のMo不純物を従
来超硬合金用として一般に0.02塁度以下にするため
の精錬工程が不必要となり、省力化などに伴い高いMo
含有量の品位の低いと言われていた鉱石も十二分に使用
可能となる。
など、顕著な産業的意義を有するものであり、波及効果
は甚大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は(Cr側2Mom4Wo.松)C−Coのメン
ストルアム生成塊状物の組織写真である。 才ー図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 クロム・モリブデン・タングステン固溶体炭化物と
    0.3〜60重量%の結合物とからなる合金で、クロム
    ・モリブデン・タングステン固溶体炭化物は、組成式(
    CrxMoyWz)uCvで表され、かつモル比で、x
    +y+z=1,0.01≦x≦0.070.03≦y<
    0.94,Z≧0.05,u/v=0.9〜1かつ結晶
    構造が炭化タングステン型である炭化物であり、また結
    合物は、鉄属金属のうちの1種または2種以上からなる
    ことを特徴とするクロム・モリブデン・タングステン固
    溶体炭化物を使用した超硬合金。 2 クロム・モリブデン・タングステン固溶体炭化物と
    0.1〜80重量%の第2の硬質物および3〜60重量
    %の結合物とからなる合金でクロム・モリブデン・タン
    グステン固溶体炭化物は、組成式(CrxMoyWz)
    uCvで表われ、かつモル比で、x+y+z=1,0,
    01≦x≦0.070.03≦y<0.94,Z≧0.
    05,u/v=0.9〜1かつ結晶構造が炭化タングス
    テン型である炭化物であり、また第2の硬質物は、IVa
    ,Va,VIa族遷移金属の炭化物、窒化物、からなる群
    のうちから選ばれた1種または2種以上からなること、
    さらに結合物が、鉄属金属のうちの1種または2以上か
    らなることを特徴とするクロム・モリブデン・タングス
    テン固溶体炭化物を使用した超硬合金。
JP15581077A 1977-12-26 1977-12-26 クロム・モリブデン・タングステン固溶体炭化物を使用した超硬合金 Expired JPS6031895B2 (ja)

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EP3004412A1 (en) * 2013-05-31 2016-04-13 Sandvik Intellectual Property AB New process of manufacturing cemented carbide and a product obtained thereof

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