JPS6031815B2 - メタクロレインの回収方法 - Google Patents

メタクロレインの回収方法

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JPS6031815B2
JPS6031815B2 JP5911777A JP5911777A JPS6031815B2 JP S6031815 B2 JPS6031815 B2 JP S6031815B2 JP 5911777 A JP5911777 A JP 5911777A JP 5911777 A JP5911777 A JP 5911777A JP S6031815 B2 JPS6031815 B2 JP S6031815B2
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water
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tower
gas
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はメタクロレィンの回収方法に関する。
更に詳しくは、ィソブチレン、メタクロレィン、ィソブ
チルアルデヒドあるいはこれらの混合物の気相酸化反応
により得られる生成ガス流からメタクリル酸、酢酸、水
等を凝縮分離した後のメタクロレィン含有ガスからメタ
クロレィンを経済的に回収する方法に関する。ィソブチ
レンを原料とし、気相接触酸化反応によりメタクロレイ
ンおよびメタクリル酸を得る方法はすでに数多く提案さ
れている。
また、メタクロレイン又はイソブチルアルデヒドを原料
とし、気相接触酸化反応によりメタクリル酸を得る方法
も数多く提案されている。両者の方法とも、生成物ガス
流中には、メタクリル酸以外にメタクロレィン等が含ま
れている。メタクリル酸の製造において、メタクロレィ
ンを回収し、再び接触酸化することにより総合的なメタ
クリル酸収率を上げることは工業上極めて重要なことで
ある。さて、イソブチレン、メタクロレイン、イソブチ
ルアルデヒドあるいはこれらの混合物を原料とし、これ
を酸素、窒素、水蒸気と混合し、触媒の存在下気相酸化
反応を行うと、通常、メタクリル酸、酢酸、アクリル酸
等の酸類、メタクロレィン、アクロレィン等のアルデヒ
ド類、一酸化炭素、炭酸ガス等が生成し、反応ガス中に
はごうに、未反応の酸素および多量の窒素、水蒸気が含
まれている。これらの生成ガス中、メタクリル酸、酢酸
、アクリル酸等の酸類の実質上全部および水蒸気の大部
分は反応ガスを冷却することにより凝縮する水分ととも
に反応ガス中から容易に分離することができるが、メタ
クロレィンを冷却だけで生成ガス中から完全に分離する
ことは、事実上不可能である。これはメタクロレィンの
蒸気圧が高いためで、例えば000でのメタクロレィン
の蒸気圧は約43肌Hgで、メタクリル酸の蒸気圧0.
1〜0.2肌Hgにくらべ著しく高い。水蒸気の凝縮、
凍結を克服してガス温度を0℃以下にしても冷却のみで
メタクロレインの大部分を凝縮させるためには、かなり
の高圧にせねばならず、多量のガスが通過することを考
慮し、更に凍結防止のための水分除去に多大のコストを
要することを考慮するならば工業的、経済的には不可能
と言ってよい。さて、ィソブチレン、メタクロレィンの
接触酸化で得られる反応ガスからメタクリル酸およびメ
タクロレィンを回収する方法として特開昭49一933
0宿己教のものがあげられる。
この方法によると、接触酸化反応ガスをクェンチ塔で急
冷して、ボトム液としてメタクリル酸およびメタクロレ
イン水溶液を得、この水溶液から柚剤を用いメタクリル
酸およびメタクロレインを同時に抽出し、さらに蒸留に
よりメタクロレィンを分離回収するが、前述した様にメ
タクロレィンの蒸気圧がメタクリル酸の蒸気圧にくらべ
非常に大きいため、メタクリル酸をクェンチ塔でほとん
ど完全に回収することは可能だが、メタクロレィンをク
ェンチ塔だけで回収することは不可能で、メタクロレィ
ンをさらに回収するためにメタクロレィン回収設備を設
けねばならない。通常ィソフーテン、メタクロレインの
接触酸化反応で得られる反応ガス中のメタクロレィン濃
度は0.5〜3モル%程度であり、酸化反応の制約から
クェンチ塔は通常常圧付近の圧力で運転されるのでメタ
クロレィン分圧は3〜25側Hg程度であり、0℃での
メタクロレィン蒸気圧約43肋Hgと比較して、クェン
チ塔でのメタクロレィンの完全回収の困難さは明らかで
ある。
しかしながら、一例としてクェンチ塔にて、メタクリル
酸もメタクロレィンも一度に凝縮する例について考えて
みる。メタクロレインの水への溶解は0〜20q0にて
4〜6重量%と抵く、メタクロレィン吸収剤としての水
はすぐれたものでない。しかし、クエンチ塔の塔項より
多量の水を供給することにより、ガス中のメタクロレィ
ンをほとんど完全に吸収しつつ反応ガスを冷却すること
は可能である。この場合にはクェンチ塔のボトム液とし
て、メタクロレィン、メタクリル酸のほとんど全量を吸
収、溶解した水溶液が得られるが、多量の水で薄められ
てしまっており、双方とも高々数%と、非常に低濃度に
なってしまう。この様な低濃度水溶液を特開昭49−9
330棺記載の方法に従って、炭化水素溶剤でメタクリ
ル酸、メタクロレィンの双方を一度に抽出処理する場合
、柚剤使用量は、分配係数の不利な(有機溶剤に、より
親和性が小さく抽出いこくい)メタクリル酸により決定
される。しかし、メタクリル酸は、メタクロレィンを吸
収するために加えた多量の水により希釈されてしまって
おり、メタクリル酸の抽出の為に多量の抽剤を必要とす
る非常に不経剤なものになってしまう。要するに、メタ
クロレィンとメタクリル酸の蒸気圧、水の溶解性の差を
考えれば、これらを無理に一括回収処理しようという考
え方はかえって不合理なものとなる。従って、具体的に
は、クェンチ塔にては、なるべく希釈することないこ、
メタクリル酸等を凝縮せしめ、得られるメタクリル酸濃
度の高い水溶液を抽出等の処理にてメタクリル酸を回収
し、一方凝縮しなかったガスに含まれるメタクロレィン
は別途、経済的なメタクロレィン回収プロセスにより回
収操作を行うのがよい。
したがって、前述の特開昭49一般30指己敷の方法は
、クェンチ塔における凝縮水溶液の処理についてのみ言
及しており、本発明の目的とする反応生成ガス流からの
メタクロレインの回収には利用できない。そこで、イソ
ブチレン、メタクロレイン、イソブチルアルデヒドある
いはこれらの混合物の気相酸化により得られた反応生成
ガスより、メタクリル酸、酢酸等を除去し、その残りの
ガスからメタクロレィンを回収する方法が考えられる。
例えば、アクロレィン分離、回収に関しての米国特許第
2514966号明細書記載の方法をメタクロレィンに
応用して、メタクロレィン含有ガスを水と接触させ、メ
タクロレィンを吸収し、得られたメタクロレイン水溶液
をストリッピングして、メタクロレィンを回収する方法
である。メタクロレイン含有ガスからメタクロレィンを
吸収するにあたり、使用する吸収剤には、メタクロレィ
ソ−吸収剤系の気液平衡が問題となるが、水を吸収剤と
して使用することはその気液平衡があまり有利でない(
アクロレィンは、非常に水に溶解しやすいが、メタクロ
レィンは前述した様に、水に対してはあまり溶解しない
即ち、水はメタクロレィンの好ましい溶剤のうちには含
まれない。)点から吸収剤の使用量を非常に大きくしな
ければならす、その結果吸収した液のメタクロレィン濃
度がうすくなる欠点がある。このため、吸収塔およびそ
れに続くメタク。レインのストリッピング塔などの装置
が徒らに大型化するため経済上好まししくないばかりか
、多量のうすし、メタクロレィン水溶液を高温で操作さ
れるストリッピング塔と、吸収率をあげるため低温で操
作される吸収塔との間を循環させねばならない欠点があ
る。もちろん、吸収塔とストIJッピング塔の間の水溶
液の循環ラインには熱交換器を設置して冷却熱と加熱の
双方を節約することになるが、実際の装置を考慮すれば
、かなり大型の熱効率の良い熱交換器を設置しても、冷
却熱と加熱に必要なエネルギーは多大なものとなる。こ
れはひとえに、多量の吸収剤が必要なこと、そして吸収
剤たる水の比熱の大きいことによっているのである。し
たがって、アクロレィに対しては特に不経済でなかった
この方法も、メタクロレィンに対しては問題がある。一
方、吸収液として水のかわりに有機溶剤を用いる方法は
、そのメタクロレィンとの気液平衡が水にくらべ非常に
有利となり、吸収液の量も少なく、吸収液のメタクロレ
ィン濃度も上がり、また吸収剤の顕熱も水にくらべ約半
分位で4・さし、ことからも、水を吸収剤として使用す
る時の熱交換量の多さは解決できる。
しかしながら、有機溶剤を吸収剤として使用する場合、
例えば特公略39−21986にはケトン類を使用する
例が示されているが、吸収塔では多量のガスの通過があ
るので吸収剤が揮発性の場合には、吸収工程から揮発す
る量が相当に多く、この揮発した有機溶剤を回収するた
めに、さらにもう一本の吸収塔を設け、不揮発性の高沸
点吸収剤で有機溶剤を吸収回収しなくてはならず、工程
が非常に複雑となり、操作上も経済的にも好ましくない
。一方、揮発を少なくして有機溶剤回収塔を実質的に不
用とするためには、吸収操作を非常な低温で行わねばな
らず、このためには熱交換量も多くなってしまい操作上
も経済上も好ましくなく、さらに吸収ガス中に含まれる
水分が凍結し、配管等の閉鎖をまねくなど操作上問題と
なる。一方、吸収剤として最初から高沸点化合物、例え
ば軽油、クレオソート油などを用いると低沸点化合物の
様に吸収工程から揮発することは少なく、吸収塔をさら
に一本設けるという工程上の複雑さはないが、吸収した
メタクoレインをストリツピングする際、たとえ減圧下
にて行ったとしても、塔底の温度が上がりすぎ、重合性
の非常に高いメタクロレィンは重合防止剤を多量に必要
とし、また、塔底温度をさらに下げるため減圧度を上げ
てストリッピングを行えば塔頂蟹出のメタクロレィンの
冷却に安価な冷却水を使えず、高価な冷凍機による冷却
を必要とするなど、いずれにしてもコスト上昇をまねき
、経済的に満足できるプロセスとは言い難い。軍質吸収
剤とメタクロレィンの混合溶液からメタクロレインをス
トリッピングする他の方法としては、いわゆる水蒸気蒸
留法がある。
ストリッピング塔の繁底からスチームを吹き込むことに
より車質吸収剤に帰因する塔底温度の上昇を抑えること
が出釆、又塔項メタクロレィソは水蒸気とともに凝縮さ
れるため凝縮は容易になるが、この方法はスチームを多
量に必要とすること、生成メタクロレィンは水溶液にな
っており場合によっては再分離が必要になるなどの欠点
を有しており、工業的な意味での実用性は低いものと判
断せざるを得ない。以上、従来の特許等の方法から、水
による吸収−ストリッピング法、有機溶剤による吸収−
ストリッピング法について述べたが、いずれの方法もメ
タクロレィンの回収に対し、十分合理的なものと言い難
いことがわかる。
本発明者らは、メタクリル酸をより安価に得る為には、
このメタクロレィンの回収工程が非常に重要と考え、更
に有効なプロセスにつき鋭意研究し、努力した結果、本
発明に到達することが出来た。
即ち、本発明は、ィソブチレソ、メタクロレイン、ィソ
ブチルアルデヒドあるいはこれらの混合物を酸化して得
られる生成ガスから、メタクリル酸、酢酸、水等を凝縮
分離した後の実質的にメタクリル酸を含まないメタクロ
レィン含有ガスを、水と同流接触させることにより、水
にメタクロレィンを吸収させ、得られたメタクロレィン
水溶液を炭素数6〜10の芳香族炭化水素の柚剤と同流
接触させることによりメタクロレィンを抽出し、得られ
たメタクロレィンー柚剤溶液を蒸留により分離すること
を特徴とするメタクロレィンの回収方法を提供する。
本発明の方法は、ィソブチレン等を酸化してメタクロレ
ィンを製造するときに得られる生成ガスからメタクロレ
ィンを回収する場合に用いる。
このほかメタクロレィン、ィソブチルアルデヒド等を酸
化してメタクリル酸を製造するとき、あるいはィソブチ
レンを酸化して一挙にメタクリル酸を製造するとき得ら
れる生成ガスから比較的少量含まれるメタクロレィンを
回収する場合に用いる。本発明について詳細に説明する
。本発明の第一工程は、メタクロレィン含有ガスを水と
向流接触させ水にメタクロレィンを吸収させることであ
る。
水を吸収剤として用いることは、他の吸収剤に比較して
、安価および不燃性による安全性に大きな利点があるば
かりでなく、吸収工程を出ていくガス中に同伴していっ
ても何ら問題を生じないという点にも大きな利点がある
。しかしながら、メタクロレィンー水の気液平衡は、他
の吸収剤、例えばキシレンの様な芳香族炭化水素等に〈
らべ、メタクロレィン吸収に不利で大量の水を吸収剤と
して使用しなくてはならず、このため、吸収したメタク
ロレィン水溶液は約5重量%以下、通常0.5〜3重量
%程度の低濃度になるが、この問題は本発明の第二工程
、すなわち、吸収したメタクロレィン水溶液を炭素数6
〜10の芳香族炭化水素の柚剤で抽出することにより解
決される。すなわち、本発明の第二工程は、吸収塔ボト
ムを出たメタクロレィンー水溶液を炭素数6〜10の芳
香族炭化水素の袖剤と接触させ、メタクロレィンを柚剤
に抽出する工程である。例えばメタクロレインのキシレ
ンー水系における分配係数は約12である。すなわち、
メタクロレィン濃度が約5重量%以下のメタクロレィン
水溶液をキシレンと接触させることによりメタクロレィ
ンは容易にキシレンに抽出され、しかもメタクロレィン
のキシレン中の濃度は、柚料であるメタクロレィンー水
溶液中のメタクロレィン濃度にくらべ著しく高くなり、
従って使用するキシレン量も抽出すべき水溶液の量にく
らべ著しく少なくなる。すなわち、このことが第一工程
で大量の水を用いてメタクロレイン濃度が薄まること、
その結果メタクロレィンをストリッピングするのに要す
る水溶液の顕熱の大きさ、および吸収塔に再循環する時
に必要とする水の冷却に要する冷熱が大きくなること、
等の問題点を一挙に解決することになる。この様に、抽
出液中のメタクロレィン濃度を高めるために、本発明に
用いる柚剤としては、メタクロレィンの柚剤に対する分
配係数が高いことが必要である。さらに柚剤が多量に水
に溶解すると、柚剤の一部は抽出塔内で水にとげ、水と
共に吸収塔へ循環されるが、比較的低沸点の柚剤では、
吸収塔でほとんど揮発してしまい、結局柚剤の損失が大
きくなってしまうから、柚剤の水への溶解度は小さい方
が好ましい。本発明の第三工程は、第二工程で得たメタ
クロレィンー抽剤溶液を蒸留し、メタクロレィンを塔頂
に回収する工程である。
メタクロレィンは非常に重合しやすい物質であるから、
蒸留塔内の温度を高くすることは好ましくなく、低い温
度に保つことが必要である。すなわち、塔内で最高温度
となる塔底の温度を決定する第二工程の抽剤の沸点は、
使用圧下で150℃以下がよく、好ましくは130℃以
下である。蒸留塔内の温度をメタクロレィンの重合損失
を減少する目的で低下するため、蒸留塔を減圧下で操作
することは好ましいことであるが、塔頂蟹出のメタクロ
レィンを凝縮するために通常の冷却水を使用することを
考えれば、200柳Hg以上の圧で蒸留塔を操作するこ
とが好ましく、この圧力以下では蟹出するメタクロレィ
ンの凝縮に、コストの大きな冷凍機を用いなくてはなら
なず経済上不利である。したがって、メタクロレィンの
熱重合を防止することを最重点として抽出用芳香族炭化
水素を選択するとすれば、蒸留塔の減圧下運転が前提と
なるので、200〜30仇肌Hg圧下にて、150qC
以下、好ましくは130qo以下であることが望まれる
このようなことから本発明においては、柚剤として沸点
が80〜200午0、水への熔解度が約0.1重量%以
下の芳香族炭化水素を用いる。これに相当するものは炭
素数6〜10の芳香族炭化水素であり、特にキシレン(
各異性体、混合物のいずれでもよい)および/またはi
チルベンゼルが好ましく用いられる。更に、本発明にお
いて、上記した第二工程の柚剤として炭素数6〜10の
芳香族炭化水素を選んだ理由について更に詳しく述べて
おく。
第一には、前述した様に、メタクロレィンの熱重合損失
をさげるため、メタクロレィンとの蒸留分離が困難とな
らぬ範囲で低沸点のものが好ましいこと。
第二には、水との相溶性が非常に小さいこと。
水に溶解した柚剤は、第二工程の吸収塔で逆にストリッ
ピングされ、排ガス中に揮発してしまうことになる。第
三には、水‐柚剤系におけるメタクロレィンの分配が大
きく袖剤側によっていることである。
含配秦系有機溶剤等の中には、水に対するメタクロレィ
ンの分配率が芳香族炭化水素よりもさらにすぐれたもの
もある。しかしながら上記の第二の条件を満たすことが
難しい。上記第二の条件を満たすものとして、脂肪族や
脂環式の炭化水素、更には、ハロゲン化されたこれらの
化合物があるが、これらは上記第三の条件で芳香族炭化
水素に劣る。第二、第三の条件から芳香族炭化水素が挙
げられる。
さらに第一の条件を考慮して炭素数6〜10のもの、す
なわちベンゼン、トルェン、キシレン、エチルベンゼン
、クメンおよびシメンに限られる。しかし、この中でも
水への溶解性が比較的小さく、沸点も比較的低い点から
、キシレン、エチルベンゼンが最も経済的で好適である
。本発明の方法は、上記の3つの工程の組合せによって
メタクロレインを回収するものであり、従来の方法に比
べて非常に低いコストでメタクロレィソを回収すること
が可能となり、ひいては総合的なメタクロレィソあるい
はメタクリル酸収率が上がり、これらの製造コストを低
下させることが可能となる。また、本発明の方法によれ
ば、第一工程にて得られる吸収液には、目的とするメタ
クロレィンの他に、前工程のクェンチ塔にて凝縮しされ
なかった極〈少量のメタクリル酸や酢酸等の有用物質が
トラップされ、次第に吸収液に蓄積される。
何故なら、酢酸はキシレン、エチルベンゼンよりも水に
溶けやすい為、第三工程までほとんど進まないし、メタ
クリル酸は高沸点のため第三工程では留出しないからで
ある。したがって、第一工程の循環水の一部を常に抜き
出して、クェンチ塔へもどし、その分新しい水を導入し
ていけば、酸類は最終的にはクェンチ塔のボトム液に含
まれてしまい、ほとんど完全に反応ガスから回収できる
ことになる。本発明は化学工学的に見て非常にユニーク
なプロセスである。
イヒ学工学的にみれば、吸収と抽出という類似した操作
を連続して行うことは一見無駄を生じている様に見える
からである。しかしながら、吸収の対象とするメタクロ
レィンが高度の重合性を有し、高温下での取扱いが困難
なことや、前述した種々の物性的、反応プロセス的な制
約があることを考えれば理にかなっていないわけではな
い。逆にいえば、高度の重合性を有し、しかも希薄なメ
タクロレィンをガス中から回収するような場合にのみ有
利に用いられる方法である。例えば本発明をアクロレィ
ンを同様な状況から回収する為のプロセスとして用いる
ことははなはだ不経済である。次に、本発明に従ったプ
ロセスの1個を図示し、以下この図に従って本発明を説
明するが本発明はこれに限定されるものでない。
イソブチレン、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド
あるいはこれらの混合物の気相酸化反応により得られた
反応ガスを冷却し、水の大部分とメタクリル酸、酢酸を
実質上除いたメタクロレィン含有ガスを管1から吸収塔
Aに導入し、吸収液である水は冷却器Dで冷却され、管
2から供鎌舎される。
吸収塔Aでは、好ましくは0.5〜10気圧、0℃〜2
0ooの条件下で管2より供V給される吸収液(水)に
よりメタクロレィンを吸収する。吸収液には適量の重量
防止剤(例えばハイドロキノンなど)が添加され、かつ
、好ましくは0℃〜1ぴ0に予め冷却器Dで冷却された
ものを用いることが望ましい。一方、吸収塔Aへ供給す
る吸収液(水)の供聯合量は、管1より供給されるメタ
クロレィソ含有ガス量、メタクロレイン含有量、吸収塔
内圧力、温度、塔の構造などの諸条件で適宜選定される
が、管3より排出される未吸収のメタクロレィンをでき
るだけ少なく、かつ、後の工程を含めての経済性を考慮
して決定する。管3からは吸収塔Aでの未吸収のガスが
排出されるが、更に次の工程で有害成分の処理等の操作
が必要に応じ行われる。吸収塔Aの塔底からは、メタク
ロレインその他を含んだ水溶液が管4を経て得られるが
、これは第二工程の抽出塔Bの上方より供給される。
抽出塔Bの下部より管7から柚剤(炭素数6〜10の芳
香族炭化水素)が冷却されたのち供給されるが、柚剤に
は、予め必要に応じ重合防止剤(例えばハイドロキノン
、t−ブチルハイドロキノンなど)を添加することが好
ましい。抽出塔Bは、好ましくは0℃〜20℃の条件下
で操作されるが、この温度条件は管4から供給されるメ
タクロレイン水溶液の温度付近が好ましい。すなわち、
抽出塔Bに管7を経て供給される柚剤を冷却器Fで予め
、管4で供給されるメタクロレイン水溶液の温度程度ま
で冷却しておくことにより、抽出塔Bより管6を経て排
出される水は冷熱を失うことなく吸収塔Aに循環される
。管6を経て排出される水は、管8からその一部を抜き
出すことにより循環水系内での酸類や爽雑物などの蓄積
を抑制するとともに、熱交換器Gを経て、管9から新た
な水の適量を補給したのち、必要な温度まで冷却器Dで
冷却後吸収塔Aに循環される。
管8から抜き出した酸類や爽雑物を含んだ水は、酸化反
応ガスのクヱンチ塔(図示していない)へもどすことが
出釆る。抽出塔Bへ管7を経て供給される抽剤の量は、
管4で供給されるメタクロレィン水溶液の量、メタクロ
レィン濃度、抽出塔の構造、柚剤−水間のメタクロレィ
ン分配率等の条件により適宜選定されるが、塔頂のメタ
クロレィン濃度を高め、柚剤使用量の節減を図る様操作
条件等の設定を行う。
抽出塔Bの塔頂から、管5を経て得られるメタクロレィ
ン−抽剤溶液は、熱交換器Eを経て蒸留塔Cへ供給され
る。蒸留塔Cの操作条件は、管10を経て供給されるメ
タク。レイン−抽剤溶液の抽剤の種類等により適宜選定
されるが、塔頂より蟹出するメタクロレィンの冷却を通
常の冷却水で行える様に、20仇繊Hgの圧力以上で行
うのが経済的であり、また、繁底の温度を高くするとメ
タク。レインの熱重合によるメタクロレィン回収率が低
下するので好ましくなく、好ましくは、130℃以下で
適当な操作条件の設定を行う。蒸留塔Cの塔頂からは管
11を経て〆タクロレィンが得られるが、これは冷却器
日で冷却され、凝縮して、一部は管12を経て塔へ還流
され、残りは管13を経て蟹出物(メタクロレィン)と
して得られる。
管12を経て塔へ還流されるメタクレィン及び管13を
経て得られるメタクロレィには重合防止剤(例えばハイ
ドロキノン′など)を添加することが好ましい。管13
を経て得られるメタクロレィンは、通常は酸化工程にも
どこれ再び反応させてメタクリル酸とされるが、必要な
らばさらに蒸留その他で精製された上で、有用な化学原
料とされる。
蒸留塔Cの塔底からは、管14を経て柚剤が得られるが
、管15を経て−部を抜き出し、蒸留等の精製操作を行
ない、管16を経て循環抽剤系へもどし、楯環抽剤中で
の重合物や高沸点物の蓄積を防ぐ。
さらに熱交換器E、冷却器Fで適温に冷却後、抽出塔B
へ供給する。循環中に失われる少量の柚剤の補給も管1
6から行われる。以下、本発明を実施例によって説明す
る。
実施例 イソブチレンを主成分とするC4炭化水素類、窒素、酸
素及び水蒸気から成る混合物を、触媒の存在下、300
00〜4500○の温度で気相接触酸化反応せしめて得
られた反応生成ガスを水を用いて約10℃まで冷却する
ことにより大部分の水蒸気及び実質上全部のメタクリル
酸、酢酸、アクリル酸などの高沸点物が除去されて、次
の様な組成のガスが得られた。
即ち、窒素83.90モル%、酸素4.28モル%、一
酸化炭素3.61モル%、炭酸ガス4.65モル%、水
1.27モル%、C4炭化水素類0.14モル%、メタ
クロレィン2.08モル%、その他痕跡量のメタクリル
酸、酢酸などの副生物から成る混合ガスであった。
上記混合ガスを267〆/hr(0℃、1気圧換算)の
速度で、吸収塔(繁径3.6弧、高さ200肌、段数5
碇安)の下部に供給した。さらに吸収剤としてキシレン
飽和の水(ハイドロキノン30功血を含む)を2.11
k9/hrの速度で吸収塔上部から供給し、メタクロレ
インの吸収を行なった。吸収塔々底より得られた吸収溶
液は、メタクロレィン0.8の重量%および微量のメタ
クリル酸、酢酸当を含んでいた。
塔底温度は6℃、塔頂温度5℃であった。上記吸収塔底
より2.13k9/hrの速度で抜き出した吸収溶液を
6℃に保つたまま抽出塔上部へ供給した。
抽出塔は回転円盤塔(塔径4.5肌、高さ250肌、段
数4球段)を用いた。抽出塔の下部にキシレン(ハイド
ロキノン30の岬を含む)を50℃に冷却して0.42
2k9/hrの速度で供給し、メタクロレインの抽出を
行なった。抽出塔の上部から、メタクロレィン3.82
重量%、及び徴量の水を含む600のキシレン溶液を0
.438k9/hrの速度で得た。
抽出塔の下部からは、徴量のメタクロレィン、キシレン
を含む6℃の水が2.11kg/hrの速度で得られた
。上記の抽出溶液(キシレン溶液)は、85こ0に加熱
後、蒸留塔中央部へ供給した。蒸留塔は段数20段の多
孔板式蒸留塔で塔径3.6肌、高さ100伽であり、塔
頂温度4〆○、塔底温度11000、300側Hgで操
作した。このとき還流比は2であった。※頂より0.0
18k9/hrで蟹出液を、塔底より0.422k9/
hrで缶出液を得た。
留出液の組成は、メタクロレイン92.4重量%、水1
.04重量%を含み、他に徴量のアクロレイン、アセト
アルデヒド、キシレンを含んでいた。メタクロレインの
回収率は約95%であった。缶出液の組成は、徴量の高
沸点化合物を含むキシレン溶液であった。
【図面の簡単な説明】
図は本発明方法の−工程系統図である。 A・…・・吸収塔、B・・・・・・抽出塔、C・・・・
・・蒸留塔、○・・・・・・冷却器、E・・・・・・熱
交換器、F・・・・・・冷却器、G・・・・・・熱交換
器、日・・・・・・冷却器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 イソブチレン、メタクロレイン、イソブチルアルデ
    ヒドあるいはこれらの混合物を酸化して得られる生成ガ
    スからメタクリル酸、酢酸、水等を凝縮分離した後のメ
    タクロレイン含有ガスを水と向流接触させて水にメタク
    ロレインを吸収させ、得られたメタクロレイン水溶液を
    炭素数6〜10の芳香族炭化水素の抽剤と向流接触させ
    てメタクロレインを抽出し、次いでこのメタクロレイン
    一抽剤溶液を蒸留により分離することを特徴とするメタ
    クロレインの回収方法。 2 イソブチレン、メタクロレイン、イソブチルアルデ
    ヒドあるいはこれらの混合物を酸化して得られる生成ガ
    スを冷却して、メタクリル酸、酢酸、水等を凝縮分離し
    、メタクロレイン含有ガスを得る特許請求の範囲第1項
    記載のメタクロレインの回収方法。 3 メタクロレイン水溶液の濃度が約5重量%以下であ
    る特許請求の範囲第1項記載のメタクロレインの回収方
    法。 4 芳香族炭化水素がキシレンおよび/またはエチルベ
    ンゼンである特許請求の範囲第1項記載のメタクロレイ
    ンの回収方法。
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