JPS6031660Y2 - ミシンの起動回転数制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はミシンのモータの起動回転数を制御し得る装置
に関するものである。

第４図は従来のモータの速度制御回路図を示したもので
、その概要を説明すると、Ｄ工、Ｄ２゜Ｄ３．Ｄ４は電
源電圧を全波整流してＳＣＲゲートトリガ用基準基準電
圧源電圧の全位相において有効にするためのダイオード
である。

ＺＤは前記基準電圧が電源電圧変動により変化しないよ
うにするためのツェナダイオード、Ｒ１はツェナダイオ
ード加への電流制限抵抗である。

Ｃ□は前記基準電圧のリップルを少なくして位相制御範
囲を拡大するための電圧子かつ用コンデンサである。

コントローラ、たとえば足踏みコントローラのペダルを
踏むことにより、コントローラ内のスイッチＳＷ２を閉
じ、踏み量に応じて可変抵抗ＶＲ２の値を可変にし、ト
ランジスタＴＲへのベース電流を増減することにより抵
初ハ、の電圧を変化させる。

スイッチＳＷ２が閉じた直後の足踏みコントローラのペ
ダルの浅い踏み込み時のモータスピード、所謂起動回転
数は、トランジスタＴＲのベースバイアス抵抗（第４図
においてはＶＲｌ、第５図においては（ＶＲｌ ＋Ｒ７
）または（ＶＲ１＋ Ｒ８）が該当）により設定される
。

Ｄ５．Ｄ６はサイリスタＳＣＲ二のゲート側より電流が
流れ込むのを防ぐためのダイオード、Ｒ３゜Ｒ４はサイ
リスタ５ＣＲ１，５ＣＲ２に感度差を持たせるための抵
抗でＲ３＞ Ｒ４になる如く設定されている。

Ｒ８およびＲ６はサイリスタＳＣＲのアノードからゲー
トへのもれ電流よりサイリスタの誤動作するのを防ぐた
めのゲートバイアス抵抗で、Ｃ２およびＣ３はゲート電
圧を電源位相に対して、のこぎり波を発生するためのコ
ンデンサである。

以上の如くモータＭの速度制御はサイリスタ５ＣＲ１お
よび５ＣＲ２を位相制御することにより行なつＯ 而してモータＭの速度調節は足踏みコントローラのペダ
ルを踏み、スイッチＳＷ２を閉じ可変低抗ＶＲ２を可変
することによりトランジスタＴＲのベース電流を制御し
、抵抗Ｒ２の電圧を変化させて行なう。

モータ速度の低速から中速にかけてはサイリスタ５ＣＲ
１により半波位相制御を行ない、モータ速度の中途から
高速にかけてはサイリスタ５ＣＲ１゜５ＣＲ２により両
波位相制御する。

そして起動回転数はトランジスタＴＲのベースバイアス
抵抗ＶＲ１により調節できる。

そしてこのＶＲｌの値が大きいと早くなり、小さいと遅
くなるもので、このＶＲ□の値はミシン組付時に起動回
転数が通常の縫いとして必要な平均的な回転数約１５Ｏ
ｒ、ｐ、ｒｎを得られるように設定されている。

然しなから、上記した従来の起動回転数ではアップリケ
等の細かい縫いを行なうには早すぎ、またサイリスタ５
ＣＲ１によりフィードバック制御はしているものの厚物
の縫或物７を低速回転で縫戒するときは、針が縫戒物７
を貫通できない等の不具合があった。

またレザーの如く薄くても堅い縫威物を低速回転で縫う
ときも同様な現象があった。

本考案は上記の如き現象を除去するために考案されたも
のであり、縫戊物の厚さを検出する検出器と、縫戊物の
種類に対応できる切替スイッチとを設けて起動回転数を
制御し、もってコントローラの踏み込み量に対するミシ
ン駆動回転数を一定ならしめ縫い初めの作業性を改善せ
んとするものである。

以下本考案の実施例を図面によって説明すると、第１図
および第２図は鞘厚検出器を装着したミシン頭部の押え
棒部を示した正面図で、１はミシン機枠２に摺動自在に
支承された押え棒、３は該押え棒の中間部に回転運動を
規制されて固着された押え棒抱き、４は前記押え棒抱き
の上方に突出せる押え棒１に巻装され該押え棒１を下方
に押圧する如く付勢された押え棒ばね、５は押え棒１の
下端に固着された布押えで、該布押えと針板６との間に
挟持された縫戊物７が押え棒ばね４によって押圧されて
いることは公知の通りである。

８はミシン機枠２の適所、本実施例ではミシン機枠２に
固着の取付板２ａに固着された鞘厚検出器、９は該検出
器に上下方向に摺動し得る如く装着された検出レバー、
１０は該レバーの先端とミシン機枠２との間に装架され
た引張ばねで、検出レバー９を押え棒抱き３に植設され
たピン１１に圧接係合し得る如く付勢している。

従って検出レバー９は縫戊物７の厚さによって上下方向
に摺動し得るものである。

本考案に係る鞘厚検出器８の作用を第５図示の本考案の
モータ速度制御回路図によって説明すると、鞘厚検出器
８に接続されたプラグ１２をコネクタ台１３に接続する
と鞘厚検出器８が励磁され、第１図の如く縫戒物１４の
厚さｔ□の状態から第２図の如く縫戒物１４の厚さがよ
り犬なるｔ□（１，＞ｔｌ）の状態に縫戊物の厚さが変
動すると、検出レバー９は実線から点線で示す如き９′
位置に移動し、それに伴ってベースバイアス抵抗ＶＲ１
が上昇し起動回転数が上昇するようになっている。

従って厚地の縫戒物を低速回転で縫うときは、鞘厚検出
器８によって検出レバー９が上昇しベースバイアス抵抗
ＶＲ１が増大し起動回転数が上昇する。

ＳＷ３はミシンの適所、本実施例では第３図に示す如く
ベットカバー１５に装着された起動回転数切替スイッチ
で、該スイッチの作用を第５図示の本考案に係るモータ
速度制御回路図によって説明すると、同図において抵抗
Ｒｅ ＞ Ｒ７の如く設定してあり、起動回転数切替ス
イッチＳＷ３を点線で示す如く左側の抵１８側に閉じる
と起動回転数も上昇するようになっている。

従ってレザーの如く薄くても堅い縫或品を低速回転で縫
うときは、起動回転数切替スイッチＳＷ３を抵抗Ｒ８側
に閉じる如く操作すれば、起動回転数ハトランジスタＴ
Ｒのベースバイアス抵抗（ＶＲ４十Ｒａ）により設定さ
れ、この値は起動回転数切替スイッチＳＷ３を抵抗Ｒ７
側に閉じた場合のトランジスタＴＲのベースバイアス抵
抗（ＶＲ□＋Ｒ７）により設定される起動回転数より高
くなっており、縫いによるパワーロスがあっても針が縫
或物を貫通できないというような縫い障害は完全に解決
し得るものである。

以上の如く本考案によれば、ミシンに装着された鞘厚検
出器によって縫戒物の厚さを検出し、縫戒物の厚さに対
応してミシンモータの起動回転数、本実施例ではモータ
速度制御回路のトランジスタのベースバイアス抵抗値を
変え得るようにして、ミシンモータの起動回転数を制御
することができると共に、ミシンに装着された起動回転
数切替スイッチ操作によって縫或物の種類、たとえばレ
ザーの如く薄くても堅い縫戊物を低速回転で縫うときは
、鞘厚検出器によって低く設定された起動回転数を、起
動回転数切替スイッチを予め所定の位置に切替えておけ
ば高く設定することができるものであり、従ってコント
ローラのペダルの浅い踏み時、すなわち低速回転時にお
けるミシン駆動回転数を一定ならしめることができるの
で縫い初めの作業性が著しく改善される等、実用上極め
て有用な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案に係る鞘厚検出器を装着し
たミシン頭部の押え棒部の正面図で、第１図は薄地の縫
或物、第２図は厚地の縫戊物を夫夫縫う場合を示し、第
３図は本考案に係る起動回転数切替スイッチを装着した
ミシン頭部の斜面図、第４図は従来例によるモータ速度
制御回路図、第５図は本考案によるモータ速度制御回路
図である。 図中、１は押え棒、２はミシン機枠、５は布押え、７は
縫戊物、８は鞘厚検出器、〜１はモータ、ＳＷ３は起動
回転数切替スイッチである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミシン機枠と、該機枠に摺動自在に支承された押え棒と
   、該押え棒の下端に装着され縫戒物に当接せしめられる
   布押えと、前記押え棒に装着され該押え棒を下方に押圧
   する押え棒ばねとを設けたミシンにおいて、前記ミシン
   機枠の適所に固着され摺動自在に支持した検出レバーを
   前記押え棒と一体的に上下動するピンに係合せしめた布
   厚検出器と、ミシンのモータ速度制御回路内でモータと
   接続せしめられて抵抗値が夫夫相違する２つの抵抗Ｒ７
   及びＲ８のうちのいずれか一方に前記布厚検出器の検出
   レバーの位置によって変動せしめられるベースバイアス
   抵抗ＶＲ１を選択的に直列接続する起動回転数切替スイ
   ッチ（ＳＷ３）とを備えたミシンの起動回転数制御装置
   。