JPS6031219Y2 - コイル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はいわゆる壷形コアを使用したコイル装置に関す
るものである。

従来のこの種のコイル装置として、第１図及び第２図に
示すようなものを挙げることができる。

このコイル装置は、軸心上に巻心コア１を立設した円板
状の底部２の外周面に、２つの切欠窓部３．４を有する
外側コア５，６を一体的に連設してなる２個のフェライ
トからなるコア部材Ａ、Ｂを巻心コア１及び外側コア５
，６を互に対向させながら、コイル７の両側から突き合
せて組立てるようにしたものである。

この場合コイル７のコイル端末７ａ、７ｂは切欠窓部３
又は４を介して外部へ導出される。

しかしながら前記のようなコイル装置は、２個のポット
型コアを上下から突き合せて組立てて筒状にし、これを
取付板（回路基板等）に立設して取付けるようになって
いるため、上下空間の占有面積が大きくなり、装置の小
型化を阻害するものとなり、例えば薄型化された腕時計
の超小型インダクタとして使用する場合に大きな障害と
なっていた。

又、コア部材Ａ、 Ｂをコイル７の両側から突き合せて
組立てるようにしているため、コア部材の開口端でコイ
ルが擦れて傷が付いたり或いは断線が生ずる等の欠点が
あった。

本考案は前記事情に鑑みてなされたものであす、極めて
小型であって、かつ組立の際にコイルに傷等を付けたり
することを防止でき、信頼性の向上を図ることができる
コイル装置を提供することを目的とするものである。

以下実施例により本考案を具体的に説明する。

第３図及び第４図は本考案装置の一実施例を示すもので
ある。

このコイル装置は、巻心コア１を立設した円板状の底部
２の外周面上に切欠窓部３．４を備えた外側コア５，６
を設けてなる壷型のフェライトからなるコア部材Ａの、
前記巻心コア１にセメントワイヤを巻装した空心コイル
７を装着し、該コイル７の端末７ａ、７ｂを前記切欠窓
部３，４からそれぞれ導出させた状態で、透磁率μの比
較的高いパーマロイ或いはケイ素綱板等の軟磁性体から
なる円板状の合金板８を前記コア部材Ａの上方開口端部
を覆うようにして接合し、前記合金板８と巻心コア１及
び外側コア５，６とを接着剤にて接着固定したものであ
る。

このようなコイル装置は、比較的透磁率の高い軟磁性体
からなる合金板８とコア部材Ａとを組合せて閉磁路を形
成した構造を有するものであるため、従来のコイル装置
と同等の特性を有するものでありながら、装置全体の形
状（コイル全体の厚さも含めて）を極めて小さなものと
することができる。

ちなみに、本願考案者らの実験によれば、従来装置の２
／３の大きさとすることができた。

この実験例では軟磁性体合金板として透磁率μ＝１（Ｆ
のパーマロイを使い、コア部材としては一般的なフェラ
イト（透磁率μ＝ＩＣＰ）のものを使ったものである。

このように軟磁性体合金板はフェライトの数倍の透磁率
を有するので従来のようにコア部材を全てフェライトと
する場合よりも本考案の方が装置を小型化できるのであ
る。

又、コア部材Ａの内面高さとコイル７の高さとをほぼ同
等にすることができるから、コア部材Ａの上方開口端に
合致板８を接合する時にコイルに傷が付いたり或いは断
線が生じたりすることが無くなるので信頼性の向上が図
れる。

従って組立が容易になり、組立作業の能率の向上を図る
ことができコスト低減を図ることができ量産性に優れた
コイル装置を提供することができる。

従って腕時計用の超小型インダクタとして最適なものと
なる。

第５図乃至第７図は本考案コイル装置の他の実施例を示
すものである。

各図において、Ａは巻心コア１を立設した底部２の外周
面上に切欠窓部３’、 ４’を有する外側コア６′を一
体的に連設した壷型コア部材であり、７はセメントワイ
ヤを巻装してなるコイルであり、１０は端子板である。

この端子板１０は前記実施例に示した合金板８を２つの
ブロック８ａ、８ｂに分割したものを円板状の絶縁基板
９上に接合形成したものである。

この合金板の分割ブロック８ａ、８ｂの周縁部には外方
に突出する端子部８ａ′、８ｂ′がそれぞれ連設されて
いる。

このようなコイル装置を組立てるには、巻心コア１にコ
イル７を装着し、コイル端末７ａ、７ｂがそれぞれ切欠
窓部３，４から引出された状態で、端子板１０の分割さ
れた合金板８ａ、８ｂをコア部材Ａの上方開口端に突合
せると共に、突設端子部＄ａ’、 ｇｂ’が外側コア６
′の切欠窓部３゜４内にそれぞれ配置されるようにして
、前記突合せ面を接合する。

このとき、コイル端末７ａ、７ｂを各切欠窓部からそれ
ぞれ引出して前記端子部８ａ′、８ｂ′に絡げてろう付
等により接続しておく。

以上のようなコイル装置であれば、ブロック分けされた
２つの合金板を絶縁基板に接合し、これを端子板として
使用するので、前記実施例装置の効果に加えて、コイル
装置を回路基板に取付ける際に、特別に端子板を設ける
必要がなくなり接続処理が極めて容易になると共に部品
点数を少なくするとかできるという利点、又、取付作業
が極めて容易になるという利点、更にはコイル端末が常
に固定された状態で使用できるから取扱いが極めて便利
になり運搬中の断線事故等を防止することができ一層信
頼性の向上を図ることができる等の利点を有する。

本考案コイル装置は前述したような構成を有するので、
極めて小型であって、かつ組立の際にコイルに傷を付け
たりすることを防止でき、信頼性の向上を図ることがで
きるコイル装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来装置の分解斜視図及び組立断面
図、第３図及び第４図は本考案装置の一実施例を示す分
解斜視図及び組立断面図、第５図は本考案の他の実施例
に使用される端子板の斜視図、第６図及び第７図は本考
案の他の実施例を示す分解斜視図及び組立断面図である
。 １・・・・・・巻心コア、３，４・・・・・・切欠窓部
、５゜６．６′・・・・・・外側コア、７・・・・・・
コイル、？ａ、７ｂ・・・・・・コイル端末、訃・・・
・・合金板、９・・・・・・絶縁基板、１０・・・・・
・端子板、Ａ・・・・・・コア部材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）巻心コアを立設した底部外周面上に切欠窓部を有
   する外側コアが形成されてなり、開口部を有するフェラ
   イトから戒るコア部材と、前記巻心コアに装着されたコ
   イルと、前記コア部材の開口端部を覆うように取付けら
   れた軟磁性体合金板とを備えていることを特徴とするコ
   イル装置。
2. （２）前記合金板は２つのブロックに分割されており、
   各ブロックの周縁部に外方に突出するコイル端末接続用
   端子部が連設されていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のコイル装置。