JPS6030983Y2

JPS6030983Y2 - 対向液圧成形装置

Info

Publication number: JPS6030983Y2
Application number: JP1980147926U
Authority: JP
Inventors: 廣之網野
Original assignee: 株式会社網野鉄工所
Priority date: 1980-10-17
Filing date: 1980-10-17
Publication date: 1985-09-17
Also published as: JPS5770724U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は対向液圧成形装置に関するものである。

平板から任意形状の筒状、カップ状の製品を加工する方
法として、ゴム膜など用いず素板に液圧を直接作用させ
る対向液圧成形法が知られている。

この成形法は雌型に相当する穴部に油などの液体を封入
し、パンチの進出により前記液体に高い対向液圧を発生
させて素板をパンチ外輪部に巻き付かせることが特徴で
あり、成形品の形状、材質、板厚に即応するように成形
ストロークに対していかに適切な対向液圧としわ押え力
を与えるかが重要なポイントになる。

しかし、この対向液圧成形には、一般にポンチを昇降す
るインナプレスとポンチのまわりでしわ押え板を昇降す
るアウタプレスからなる複動プレスが用いられるので、
インナプレスとアウタプレスが各別のストローク動作を
する間に対向液圧としわ押え力をうまくバランスをとっ
てコントロールすることが難しく、そのため、たとえば
アルミニウムまたはその合金など抗張力の低い材質の素
板から雄型や勾配の付いた形状製品を成形する場合（パ
ンチと穴部のすき間が大きい場合）などにおいて、パン
チの穴部進入開始時から過大な対向液圧が生じてポンチ
肩破断や側壁破断を起させたり、逆に対向液圧が低すぎ
てボデーしわを発生させやすく、またしわ押えについて
もポンチの進入に関係なく一定の圧力に設定されること
により、ボデーしわや破断が生じやすいという問題があ
った。

本考案は前記のような事情から考案されたもので、成形
ストロークに対して対向液圧およびしわ押え力を自動的
に適正にコントロールできる対向液圧成形装置を提供し
ようとするものである。

この目的のため本考案は、雄型昇降用インナシリンダの
頂部にラック設けると共に、上枠には前記ラックを係合
するピニオンを設け、さらに前記ピニオンの軸のエンコ
ーダを取付け、このエンコーダを、対向液圧ドームの液
圧回路に設けた比例電磁リリーフ弁、およびしわ押え板
昇降用アウタシリンダの油圧回路に設けた数個のリリー
フ弁を制御する電磁切換弁にそれぞれ接続したものであ
る。

以下本考案を添付図面に基いて具体的に説明する。

第１図は本考案に係る対向液圧成形装置の一実施例を示
すもので、１は液圧室１１を有する液圧ドームで、ベッ
ドないしはボルスタ（以下ベッドと称す）２の上に固定
され、上側面にはグイプレート１２を固着している。

３は前記ベッド２の上方に対設された上枠で、この上枠
にはインナピストン４がその上端部をもって固着される
と共に、前記インナピストン４のまわりには複数本のア
ウタピストン５，５が定間隔で配され、それぞれのアウ
タピストン５，５も各々上端部をもって上枠３に固着さ
れている。

６は前記インチピストン４に対しシール材を介して昇降
自在に外装されたインナシリンダで、その下側には前記
液圧室１１に挿入される雄型８がインナブラケット６１
を介して取付けられている。

７は前記アウタピストン５５に対しシール材を介して昇
降自在に外装されたアウタシリンダで、それらアウタシ
リンダ７．７の外周にはアウタスライド９が取付けられ
、またアウタシリンダ７．７の下側には、前記グイプレ
ート１２とで素板Ｗのフランジを液圧するためのリング
状をなしたしわ押え板１０がアウタブラケット１３を介
して固着されている。

しかして、このような複動弐対向液圧成形装置において
、本考案は、インナシリンダ６の頂部６２に上枠３に向
って延出するラック１４を固定すると共に、アウタシリ
ンダ７．７のあいだの上枠下面にブラケット１５で支承
された横軸１６を横架し、前記横軸１６の一端に前記ラ
ック１４と係合するピニオン１７を設けると共に、横軸
１６の他端を上枠又は側枠に支持されたエンコーダ１８
の入力軸１８１と連結する。

前記エンコーダ１８は光学式、磁気式あるいはブラシ式
など任意のタイプのものを用いることができるが、本実
施例では、アブソリュートロータリーエンコーダを用い
ている。

１８２は入力軸に取付けたディスク、１８３は固定スリ
ット、１８４は発光ダイオード、１８５はフォトダイオ
ードである。

前記のようなインナシリング側の機構に対し、液圧室１
１にはポンプ２０および逆止弁２１を備えた液圧回路１
９を接続すると共に、この液圧回路１９の一部には直動
形の比例電磁ＩＪＩＪ−フ弁２２を設け、この比例電
磁リリーフ弁２２に付属する設定器２３と前記エンコー
ダ１８の出力回路を演算回路と表示部およびデジタルス
イッチを有する位置設定器２４を介して電気的に接続し
ている。

位置設定器２４はインナシリンダ６の図示しない油圧回
路制御系と連絡されている。

また、このような液圧室１１の制御系と別にアウタシリ
ンダ７．７にはポンプ２７および逆止弁１８を備えた油
圧回路２６を接続すると共に、同油圧回路２６にＡポー
ト、Ｂポート、およびＰポートをそれぞれリリーフ弁３
０ａ、３０ｂ、３０Ｃに接続した電磁弁２９を設け、こ
の電磁弁２９の制御電気回路を前記位置設定器と別な位
置設定器３１を介して前記エンコーダ１８の出力回路と
接続している。

前記リリーフ弁３０ａ、３０ｂｔ３０ｃには図
示しないがリモートコントロールバルブが接続され、遠
隔的に任意の設定圧をセットできるようになっている。

その他図面において、３２は増幅器、３３は設定器２３
に設けた設定用ボリュームである。

本考案は以上のような構成からなるので、成形条件（製
品の形状、寸法、材質、板厚）に応じて予め位置設定器
２４．３１に雄型の自動上限位置、減速開始位置、対向
液圧付加開始位置、および下限位置をセットする。

共に、設定器２３の各設定ボリューム３３により一定ピ
ッチごとの圧力上昇分をセットする。

またアウタシリンダ７．７の油圧回路における各リリー
フ弁３０ａ、３０ｂ、３０ｃを各々の設定圧に調整し、
液圧室１１にポンプ２０から液圧を供給充満させ、これ
らの操作の完了と共に素板Ｗをグイプレート上に位置し
、主スィッチによりインナシリンダ６およびアウタシリ
ンダ７．７を同期作動させるものである。

かくすれば、雄型８としわ押え板１０はそれぞれの下面
が整合した状態で上限位置から下降を開始する。

このとき雄型８を取付けているインナシリンダ６の頂部
にラック１４が縦設されており、このラック１４がイン
ナシリンダ６と共に降下するので、ラックの動きを駆動
源としてピニオン１７が回転し、このピニオン１７の回
転が横軸１６を介してエンコーダ１８の作動軸に対する
入力として働き、このエンコーダ１８によりベット上面
をゼロ点とする雄型８の絶対位置が自動的に検出され、
位置設定器２４に電気信号として持続的に入力され、設
定器中の演算回路により設定値と比較演算される。

このようにして雄型８およびしわ押え板１０が液圧ドー
ム１の上の一定位置に到ると、位置設定器２４．３１に
よりインナシリンダ６およびアウタシリンダ７．７に遅
速指令が出されて降下速度が緩やかになり、続いてしわ
押え板１０が素板Ｗに接する位置まで下降し、エンコー
ダ１８の検出信号が位置設定器３１の設定値と合致する
と、位置設定器３１により電磁弁２９に動作信号が与え
られ、これによりソレノイド５ＯＬｌが作動し、アウタ
シリンダ７．７はリリーフ弁３０ａの設定圧（たとえば
１００ｋｐ／ｃｒ＆）に保持され、素板フランジ部
は前記設定圧に相当する圧力でしわ押え板１０とダイプ
レート１２により挾持さ一方インナシリンダ６はなおも降下を続け、雄型８が素
板Ｗに接腰さらにこれを液圧室１１に押込むことにより
対向液圧成形が行われるが、このとき雄型８の位置はエ
ンコーダ１８により逐次に検出され、その信号が位置設
定器２４に送られ、プリセットされている加圧開始位置
と比較演算がなされている。

そのため、たとえば位置設定器２４に素板接触後４０７
７ＥＩ７！下の位置がプリセットされていれば、雄型８
がこの位置に達したところでエンコーダ１８の検出信号
と合致するため、瞬時に位置設定器２４から設定器２３
を介して比例電磁ＩＪＩＪ−フ弁２２に作動開始の信
号が送られ、これにより液圧回路１９を介して液圧室１
１が予めプリセットした初期圧力に設定されると共に、
雄型による加圧ストローク一定ピツチ（たとえば３０剛
）ごとに連続的に液圧室の圧力（対向液圧）が上昇する
。

このような対向液圧に対し、素板のフランジ部は電磁弁
２９を介して第１のリリーフ弁３０ａにより初期しわ押
え力が与えられているが、雄型８のストロークに対応す
る位置信号がエンコーダ１８を介して逐次位置設定器３
１に送られ、この位置設定器３１に電磁弁２９のソレノ
イド切換え位置がプリセットされているので、雄型８が
液圧室内の所定の位置に到ったところでソレノイドＳＱ
Ｌ２が作動してポートを変換し、これによりアウタシ
リンダ７，７が第２のリリーフ弁３０ｂの１圧（たとえ
ば１５０ｋｇ／ｃｎ！）にコントロールされ、さらに
雄型８が液圧室へ進入を深めれば、電磁弁２９が中立位
置になって第３のリリーフ弁３０ｃの設定圧（たとえば
２００ｋｇ／ａｒｔ）のしわ押え力が設定される。

第３図は本考案装置を用いてアルミニウム素板から円錐
容器を成形した場合の対向液圧およびしわ押え力制御結
果を例示するもので、エンコーダ１８と位置設定器２４
および比例電磁リリーフ弁２２により、雄型が素板に接
してから成るストローク（３０〜５ｏｒＮＩＬ程度）の
あいだ対向液圧をほぼ零にし、それから除々に増して最
終ストロークに到るように制御し、またエンコーダ１８
と位置設定器３１および電磁弁２９により、しわ押え力
をストロークに応じて順次段階的に上昇するように制御
したものである。

この制御により、成形形状が円錐形であるにもかかわら
ず、成形初期の過大対向液圧による素板ふくらみすぎや
これによるポンチ肩破断を防止できる。

またしわ押え力をコンスタントにせずポンチストローク
とともに高くなるようにしているため、対向液圧の上昇
に伴う素板フランジ側への漏出によるしわ押え力の実質
的な低下分が確実に補われ、ボデーしわの発生を防止で
きる。

以上説明した本考案によるときには、下部に雄型８を取
付けたインナシリンダ６の頂部にラック１４を設けると
共に、上梓にはラック１４と係合するピニオン１７を設
け、しかも前記ピニオン１７の軸１６をエンコーダ１８
に接続し、インナシリンダ６の直線運動を回転運動に変
換してエンコーダ１８により雄型位置を検出し、該雄型
位置の変化に応じて液圧ドーム１の液圧回路に設けた比
例電磁リリーフ弁２２を作動させると共に、アウタシリ
ンダ７．７のしわ押え用油圧回路の電磁弁２９により数
個のリリーフ弁３０ａ、３０ｂ、３０ｃを順次作動させ
るようにしたので、成形条件に応じて装置適所でプリセ
ット操作を行うだけで、成形ストロークに即応するよう
に対向液圧としわ押え力を自在にコントロールすること
ができる。

これにより対向液圧を成形初期に低く保ち成形の進行と
共に次第に高くなるように正確にコントロールでき、し
わ押えについても対向液圧とうまくバランスをとって成
形初期から順次高くなるようにコントロールすることが
可能になり、抗張力の低い材料や錐形その他の成形形状
である場合でも、ポンチ肩、側壁およびフランジＲ部な
どに破断を生じさせず、ボデーしわも発生させず、高精
度な対向液圧成形品を量産することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る対向液圧成形装置の一実施例を示
す半断面図、第２図は第１図における上梓部分の拡大図
、第３図は本考案装置による対向液圧−しわ押え力制御
の一例を示すグラフである。１・・・・・・液圧ドーム、３・・・・・・上枠、４・
・曲インナピストン、５，５・・・・・・アウタピスト
ン、６・・・・・・インナシリング、７，７・・・・・
・アウタシリンダ、８・・・・・・雄型、１０・・・・
・・しわ押え板、１４・・・・・・ラック、１６・・・
・・・軸、１７・・・・・ゼニオン、１８・・・・・・
エンコーダ、１９・・・・・・液圧回路、２２・・・・
・・比例電磁リリーフ弁、２９−−−−−−電磁弁、３
０ａ、３０ｂ＊３０Ｃ・・・・・・リリーフ弁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ベット上に液圧ドーム１を設ける一方、上枠にはインナ
ピストン４とそのまわりに数個のアウタピストン５，５
を固定し、前記インナピストン４には雄型８を固着した
インナシリンダ６を取付け、アウタピストン５，５には
しわ押え板１０を固着したアウタシリンダ７．７を取付
けた対向液圧成形装置において、前記インナシリンダ６
の頂部にラック１４を設けると共に上枠３には前記ラッ
ク１４と係合するピニオン１７を設け、しかも前記ピニ
オンの軸１６にエンコーダ１８を取付け、このエンコー
ダ１８を前記液圧ドーム１の液圧回路に設けた比例電磁
リリーフ弁２２、および前記アウタシリンダの油圧回路
に設けた数個のリリーフ弁３０ａｔ３０ｂｔ３
０ｃを制御する電磁弁２９にそれぞれ連絡したことを特
徴とする対向液圧成形装置。