JPS603093Y2 - 扉の開閉機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扉の開閉機構、特に各種機器のケーシングの
扉構造において一端をフレーム後方横縁部に回転中心を
持つ後扉と、該後扉の他端にヒンジにより連結された前
扉を有する扉の開閉機構に関する。

従来の扉の開閉機構は、機器の操作等により開閉される
扉構造に於いてフレーム後方横縁部にヒンジを介して取
り付けられた後扉と、該後扉の他端横縁部にヒンジによ
り連結された前扉を上方向に開閉する構造となっている
。

以下に、従来の扉の開閉機構の一例を第１図を参照して
説明する。

従来の扉の開閉機構は、第１図に示すようにフレーム７
の後方横縁部にヒンジ３を介して取り付けられた後扉１
と、この後扉１にヒンジ４により連結された前扉２と、
一端を後扉１に回転可能に固持し、他端をフレーム７上
に設けたガイド板６のガイド溝に摺動可能に固定された
ステー５とで構成される。

扉を開く場合は、前扉２に設けた取手８を持ち上方に開
けると、後扉１と前扉２は点線に示す位置を最高点とし
、ステー５により止められる。

しかし、この開閉動作において、後扉１と前扉２の動き
には拘束力がなく、常に一定の軌跡を通り開閉されると
いう保証がなかった。

また、前扉２が上方に開きすぎ、取手８から手を滑らせ
フレーム７上に落下させる危険もあった。

従って操作者に不安を抱かせるし、誤操作によっては操
作者の身体に危害を加える危険もあり好ましくなかった
。

すなわち、従来の扉の開閉機構は、扉の開閉の動きが一
義的に決まらず操作性が悪いという欠点があった。

本考案の目的は、扉の開閉の動きが一義的に決まり、常
に一定の軌跡により開閉できる扉の開閉機構を提供する
ことにある。

本考案の扉の開閉機構は、フレームの後方横縁部に一端
がヒンジにより回動自在に取り付けられた後扉と、前記
後扉の他端にヒンジにより回転自在に取り付けられた前
扉と、両一端がそれぞれフレームおよび前扉に回転自在
に取り付けられる少なくとも２つのリンクと、該２つの
リンクを含み、両リンクがヒンジで屈曲可能に結合され
、一方向にのみ屈曲させるためのストッパを有するリン
ク機構と、一端が前記リンクの前扉側に回転自在に取り
付けられ、他端が前記フレームに取り付けられたガイド
ピンに摺動するガイド溝を有するステーとを含んで構成
される。

すなわち、本考案の扉の開閉機構は、フレーム後方横縁
部に回転中心を設けて後扉と該後扉の他端横縁部にヒン
ジを介して連結された前扉に於いて、一端を後扉に回転
自由に固持され、一方向にのみ折り曲げ可能となるスト
ッパを有するリンクの一端をフレームに回転自由に固持
し、他端を前扉に回転自由に固持し、更に、該リンク前
扉側リンク上に回転中心を持ち他端をフレーム上に回転
自由及び摺動可能に保持したステーを含んで構成される
。

すなわち、本考案の扉の開閉機構は一方向へのみ折り曲
げとなるようなストッパ手段を施したリンクの一端をフ
レーム上、他端を前扉上に回転可能に取り付は該前扉側
のリンク上に回転可能に、一端をフレーム上に回転及び
摺動自在なステーを取り付けて構成される。

次に本考案の実施例について、図面を参照して詳細に説
明する。

第２図は本考案の扉の開閉機構の一実施例を示す図で、
フレーム７の後方横縁部にヒンジ３により固定された後
扉１と、後扉１の他端横縁部にヒンジ４を介して連結さ
れた前扉２と、フレーム７に回転中心１５を持つリンク
９と前扉２に回転中心１６を持つリンク１０とを回転中
心１４により連結し、リンク１０にリンク９とリンク１
０が一方向のみの回転をするためのストッパ１２とフレ
ーム７にビンガイド１７に回転自由で摺動可能なガイド
溝１８を持ち、リンク１０上の回転中心１３に連結され
るステー１１を有するリンク機構とで構成される。

扉を開く場合は、前扉２の取手８を持ち、上方に開けて
いくと、後扉１、前扉２はヒンジ３を回転中心とした運
動をする。

リンク機構は、回転中心１５および１６を中心とした運
動をするが、ヒンジ３を回転中心としたときの回転中心
１６の動きと、回転中心１５を回転中心としたときの回
転中心１６の動きとは、互いに回転中心が異なるため同
一軌跡とならず、前扉２はリンク９およびリンク１０に
よりヒンジ４を中心に下方に引き下げられた格好で運動
する。

さらに開角が増すとガイドピン１７を持つステー１１に
より後扉１は制止させられる。

後扉１および前扉２がこの位置に至るまでのリンク９と
リンク１０はストッパ１２の働きにより、一本の棒状体
として作用し、後扉１がステー１１により制止すると前
扉２もこれ以上開角を増すことができず、前扉２はヒン
ジ４を中心として下方に移動しフレーム７に接触し、な
おも前扉２上の取手８を後方に押すことにより前扉２は
フレーム７上をすべりながら後方にて制止するこのとき
リンク９およびリンク１０は長さを短縮するために回転
中心１４より折り曲げられる。

また、ステー１１のフレーム７側回転部は長穴形状によ
り摺動可能なため下方に収納される。

本考案の扉の開閉機構は、リンクを追加し、ステーの取
付位置を変更することにより、前扉の開閉の動きが一義
的に決定でき、更に前扉が後扉の上部にあがることなく
、後方に収納されるので、操作性を良好化できるという
効果がある。

すなわち、本考案の扉の開閉機構は、前扉側リンクとフ
レームの間に設けてステーとフレームと前扉の間に一方
向にのみ折り曲げ可能なリンク機構で構成することによ
り、特に上方開き扉の開閉動作を規制できるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一例を示す図、第２図は本考案の一実施
例を示す図、第３図は第２図に示すＡ−Ａ部分の部分詳
細図である。 １・・・・・・後扉、２・・・・・・前扉、３・・・・
・・ヒンジ、４・・・・・・ヒンジ、５・・・・・・ス
テー ６・・・・・・ガイド板、７・・・・・・フレー
ム、８・・・・・・取手、９・・・・・・リンク、１０
・・・・・・リンク、１１・・・・・・ステー、１２・
・・・・・ストッパー、１３・・・・・・回転中心、１
４・・・・・・回転中心、１５・・・・・・回転中心、
１６・・・・・・回転中心、１７・・・・・・ガイドピ
ン、１８・・・・・・ガイド溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームの後方横縁部に一端がヒンジにより回転自在に
   取り付けられた後扉と、前記後扉の他端にヒンジにより
   回転自在に取り付けられた前扉と、両一端がそれぞれフ
   レームおよび前扉に回転自在に取り付けられる少なくと
   も２つのリンクと、該２つのリンクを含み、両リンクが
   ヒンジで屈曲可能に結合され、一方向にのみ屈曲させる
   ためのストッパーを有するリンク機構と、一端が前記リ
   ンクの前扉側に回転自在に取り付けられた他端が前記フ
   レームに取り付けられたガイドピンに摺動するガイド溝
   を有するステーとを含んでなる扉の開閉機構。