JPS6030124Y2 - うば車の自在キヤスタ−係止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は自在キャスターを有するうば車において、該
自在キャスターの機能を必要に応じてロックさせること
ができるようにしたうば車の自在キャスター係止装置に
関するものである。

〔従来技術〕

一般に脚の下端に自在キャスターを有するうば車は、押
す力が弱くてもそれを非常に滑らかに走行させることが
でき、又デパートあるいはスーパー等の狭い通路におい
ても非常に容易にうば車の方向転換をすることができ、
この自在キャスターはうば車の走行操作性を非常に良好
にするものである。

第５図はこのような従来のうば車の自在キャスターの１
例を示す。

図において、うば車の脚３０の下端にはベアリング３１
を介してキャスターブラケット３２が回転自在に取付け
られ、該キャスターブラケット３２の下部には車軸３３
を介して車輪３４が回転自在に取付けられている。

そしてこの自在キャスターにおいて、うば車を図示矢印
Ｂ方向に走行させている場合には車輪３４は第５図に示
すように、脚３０に対して後方に位置している。

このような状態でうば車の方向転換を行なうと、キャス
ターブラケット３２が脚３０の回りに回動して車輪３４
は走行すべき方向に向き、こうして車輪３４はうば車を
方向転換させても常に走行方向を向くこととなる。

しかしながら従来のうば車の自在キャスターでは、車輪
の旋回を係止する機構がなく、そのためこの自在キャス
ターも、場合によってはその機能がかえって邪魔になる
場合があり、例えば砂利道等においてうば車を走行させ
る場合には自在キャスターがあると車輪が必要以上にぐ
らぐらと揺れて、かえって押しにくいという欠点があっ
た。

そしてかかる欠点を解消するために従来種々な方法が提
案されており、その例としては特開昭５１−６４２５１
号公報あるいは実開昭５４−１７５７６１号公報に示す
ものがある。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる状況において、必要に応じて自在キ
ャスターの機能を停止できる全く新しい構造のうば車の
自在キャスター係止装置を提供することを目的としてい
る。

〔考案の構成〕

そこでこの考案は、脚下端の固定軸に、切り欠きを有す
る係止体を固定するとともにキャスターブラケットを回
動自在に取付け、該キャスターブラケットに上記切り欠
きと係合する係止レバーを回動自在に取付け、さらに上
記係止レバーに設けられ係合状態用凹部及び非係合状態
用凹部を有する係合孔、上記キャスターブラケットに設
けられた係合ピン、及び上記いずれかの凹部と保合ピン
との係合状態を保持するスプリングからなる保持手段に
より、上記係止レバーを上記係止体の切り欠きとの保合
状態又は非係合状態に保持するようにしたものである。

次に第２図を参照して本考案の作用について説明する。

係止レバー１４と係止体８の切り欠き８ａ、８ｂとが係
合していない状態では、係合ピン１５は係合孔１７の非
係合状態用凹部１７ａと係合しスプリング１９によって
その状態に保持され、この係合により係止レバー１４は
切り欠き８ａ、８ｂとの非係合状態に保持され、キャス
ターブラケット１０及び車輪４は脚２下端の固定軸７の
回りに自由に回動できるようになっており、これにより
自在キャスターの旋回機能を利用することができる。

このような状態から係止レバー１４を係止体８側に揺動
させると、係止レバー１４は切り欠き８ａ又は８ｂと係
合し、又係合ピン１５は非係合状態用凹部１７ａを出て
係合状態用凹部１７ｂと係合し、スプリング１９によっ
てその保合状態に保持され、これにより係止レバー１４
は切り欠き８ａ又は８ｂとの係合状態に保持される。

この状態ではキャスターブラケット１０及び車輪４は係
止レバー１４と切り欠き８ａ又は８ｂとの係合によって
その回動を阻止され、こうして自在キャスターの旋回機
能を停止させることができる。

〔考案の実施例〕

以下この考案の一実施例を図について説明する。

第１図ないし第４図はこの考案の一実施例によるうば車
の自在キャスター係止装置を示し、図において、１はう
ば車であり、このうば車１の前脚２の下端には自在キャ
スター３を介して前輪４が取付けられている。

この自在キャスター３にオイて、５は前脚２の下端にピ
ン６により固定されたキャスター取付部材であり、この
キャスター取付部材５には固定軸７が固定されている。

そしてこの固定軸７の下端には筒状の係止体８が固定さ
れ、この係止体８の前面及び後面には略Ｕ字形状の切り
欠き８ａ、８ｂが形成されている。

またこの係止体８の上方にはベアリング９を介して固定
軸７に対して回動自在にキャスターブラケット１０の上
端円形状部１０ａが配置され、さらにこのキャスターブ
ラケット１０の上端円形状部１０ａの上方にはベアリン
グ１１を介してカバー１２が上記固定軸７に固定して設
けられている。

キャスターブラケット１０は上端円形状部１０ａとこれ
と一体に下方に連続して形成された両側ブラケット部１
０ｂとからなる断面コ字形状のもので、この両側ブラケ
ット部１０ｂの下端には車軸１３が挿通され、この車軸
１３の両端に前輪４が回転自在に装着されている。

そして上記両側ブラケット部１０ ｂ間には、はぼコ字
状の係止レバー１４が該両側ブラケット部１０ｂと平行
な面内で回動自在に設けられている。

そして上記キャスターブラケット１０の両側ブラケット
部１０ｂには長孔１８が穿設され、一方上記係止レバー
１４には上記長孔１８と係合する第１ピン１６が貫通固
定されている。

また上記係止レバー１４には係合状態用凹部１７ａ及び
非係合状態用凹部１７ｂを有するほぼ長方形状の係合孔
１７が穿設され、一方上記キャスターブラケット１０の
両側ブラケット部１０ｂ間にはこの係合孔１７を貫通す
る第２ピン（係合ピン）１５が貫通固定されている。

さらに上記第２ピン１５と上記係止レバー１４の下方の
突起１４ｂとの間にばばね１９が装着されておとり、ま
た上記係止レバ−１４の上端には上記係止体８の切り欠
き８ａ。

８ｂと係合する係止片（係合部）１４Ｃと、この係止片
１４ｃの反対方向に伸び、係止レバー１４を外部から操
作するための操作片（操作部）１４ｄとが形成−されて
いる。

次に本装置の操作方法について説明する。

舗装した路上あるいはデパート、スーパーの通路などを
走行させる場合のように、自在キャスター機構を活用し
たい場合には、係止レバー１４の操作片１４ｄを足で蹴
り下げることによって第４図に示すように後方に倒して
、キャスターブラケット１０を固定軸７に対し自由に回
転できる状態にする。

一方、砂利道上を走行させる場合のように、自在キャス
ターの機能を停止させたい場合には、第４図に示す状態
から係止レバー１４の操作片１４ｄを足で蹴り上げると
、係止レバー１４は最初若干、第１ピン１６が両側ブラ
ケット部１０ｂの長孔１８に沿って少し下方に移動する
ことによって押し下げられるが、その結果第２ピン１５
が係止レバー１４の係合孔１７の突出部１７ｃを越える
と、その後は該係止レバー１４はばね１９の力によって
上方に引き上げられて第２ピン１５は係合孔１７の係合
状態用凹部１７ｂと係合し、第２図に示す状態となる。

この状態では係止レバー１４の係止片１４ｃが係止体８
の切り火き８ｂの中に入り込んで、その結果キャスター
ブラケット１０は回転不可能となり、キャスターはロッ
クされる。

また第２図の状態から第４図の状態にするには、上記と
逆に係止レバー１４の操作片を足で蹴り下ろせばよく、
これにより係止レバー１４は後方下方に回動して第４図
の状態となる。

このような構成を有する本実施例の自在キャスター係止
装置によれば、舗装した路上やデパート、スーパー等の
狭い通路でうば車を走行させる場合には、自在キャスタ
ーを利用してうば車を軽快に走行させることができると
ともに、砂利道等を走行させる場合のようにキャスター
がない方がよい場合にはこれをロックしてその機能を停
止させることができる。

しかもそのための切替操作は単に係止レバーを足で蹴り
下げるだけでよく、非常に容易に行なうことができる。

また従来より、自在キャスターの係止装置として特開昭
５１−６４２５１号公報に示されるように、軸受は殻部
の噛み合い部と板ばねの条片との噛み合い、又は離脱に
よってキャスター機能を停止又は活用できるようにした
ものであるが、この係止装置では軸受は殻部の噛み合い
と板ばね条片との噛合部分は非常に小部分であるので、
その噛合強度は弱く、不安定で外れやすいものであり、
キャスター機能の停止状態はかなり不安定である。

これに対し、本実施例の係止装置では、上述のように係
止体の略Ｕ字形状の切り欠きと係止レバーとの係合、又
は離脱によってキャスターのロック又はアンロックを行
なっており、その係合部分が大きいので、その保合強度
が強く、キャスターのロック状態は非常に安定である。

また切り欠きを係止体の前後両面に設け、係止レバーを
キャスターブラケットの両側ブラケット部と平行な面内
で回転自在としているので、車輪が前後方向を向いてい
るときにだけキャスターをロックでき、これは車輪が前
後方向以外の方向を向いているときにキャスターをロッ
クしてしまうというような無用の動作を回避できる。

さらに従来より、自在キャスターの係止装置としては実
開昭５４−１７５７６１号公報に示されるように、断面
コ字形状の車輪方向固定枠を上下方向に回動させてキャ
スターブラケットと係合、又は離脱させてキャスター機
能を停止又は活用できるようにしたものがある。

しかしながらこの係止装置では、ばねによって付勢され
たボールと固定枠の穴とを係合させて固定枠を離脱状態
に保持しており、上記ボールと穴との係合状態がばねの
ばらつきによる影響を受けるために不安定で、固定枠の
自重あるいは衝撃によってその係合が外れて固定枠が誤
ってキャスターブラケットと係合するおそれがある。

これに対し本装置では、係止体の切り欠きと係止レバー
とを係合状態又は非係合状態に保つ保持手段として、上
記係止レバーに設けられた係合状態用凹部及び非係合状
態凹部を有する係合孔と、このいずれかの凹部と係合す
る上記キャスターブラケットに設けられた第２ピン、及
び上記第２ピンと係止レバーとの間に設けられ、上記い
ずれかの凹部と第２ピンとの係合状態を保持するスプリ
ングとからなる全く新規なものを用いており、該保持手
段の構造上、スプリングのばらつきの影響を受けにくく
、係止レバーの係合状態及び非保合状態ともに安定であ
り、誤動作するおそれはほとんどない。

さらには係止レバーを足で蹴り上げるか蹴り下げるワン
タッチ操作でキャスターのロック又はアンロック操作が
でき、しかも、該保持手段の構造も簡単である。

しかもこの保持手段によれば、うば車の車輪が前後方向
を向いておらず係止体と係止レバーとが非係合状態にあ
るときに両者を係合させんとして係止レバーを蹴り上げ
たときには、一旦は係止レバー１４の係止片１４ｃが係
止体８の外周面と当接した状態で、保持されるが、その
後うば車の車輪が前後方向位置に復帰されると係止レバ
ー１４が係止体８の切り欠き８ａ、８ｂ内に入り込んで
キャスターのロックが行なわれることになるものである
。

なお上記実施例では自在キャスターを前輪に取付けた場
合について説明したが、これは後輪に取付けてもよく、
前輪、後輪の双方に取付けてもよいものである。

また上記説明では係止レバー１４の係止片１４ｄを係止
体８の後側の切り欠き８ｂと係合させた場合について説
明したが、これは勿論係止体８の前側の切り火き８ａと
係合させることもできる。

なおこの切り欠き８ａ、８ｂはいずれか一方だけであっ
てもよい。

また上記実施例ではキャスターブラケット１０に上下に
ボールベアリング９，１１を有するダブルベアリング構
造の場合を説明したが、これは勿論シングルベアリング
構造であってもよいものである。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案によれば、自在キャスター付のう
ば車において、固定軸に固定された係止体の前面又は後
面に設けた切り欠きと、キャスターブラケットに回動自
在に取付けた係止レバーとを係脱できるようにしたので
、必要に応じて自在キャスターの旋回機能をロックでき
る全く新しい構造のうば車の自在キャスター係止装置が
得られる。

しかもこの装置では、そのロック状態は上述のように非
常に安定であり、また上記係止体の切り欠きと係止レバ
ーとを係合状態又は非保合状態に保持する保持手段とし
て、係止レバーに設けた２つの凹部を有する係合孔とこ
れと係合するキャスターブラケットに設けた係合ピン、
及び該係合ピンと係止レバー間に設けられたスプリング
からなるものを用いているので、その構造は従来の自在
キャスターに比しそれほど複雑でないという効果がある
。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による自在キャスター係止
装置を備えたうば車の側面図、第２図は上記実施例の係
止レバーと係止体との保合状態の断面図、第３図は第２
図の概略底面図、第４図は上記実施例の非保合状態の断
面図、第５図は従来のうば車の自在キャスターの一例を
示す図である。 １・・・・・・うば車、２・・・・・・前脚、３・・・
・・・自在キャスター、４・・・・・・車輪、７・・・
・・・固定軸、訃曲・係止体、８ａ、８ｂ・・・・・・
切り欠き、１０・・・・・・キャスターブラケット、１
０ａ・・・・・・上端円形状部、１０ｂ・・・・・・両
側ブラケット部、１３・・・・・・車軸、１４・・・・
・・係止レバー、１４ｃ・・・・・・係合部、１４ｄ・
・・・・・操作部、１５・・・・・・第２ピン（保合ピ
ン）、１７・曲・係合孔、１７ａ・・・・・・非係合状
態用凹部、１７ｂ・曲・係合状態用凹部、１８・・・・
・・長孔、１９・・・・・・ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. うば車の脚の下端に固定された固定軸と、この固定軸に
   固定されたその前面又は後面又は前後両面に略Ｕ字形状
   の切り欠きを有する筒状の係止体と、両側ブラケット部
   と上端円形状部とを有する断面コ字状で上記上端円形状
   部が上記固定軸に回動自在に設けられたキャスターブラ
   ケットと、このキャスターブラケットの両側ブラケット
   部間に介挿され該両側ブラケット部間に挿通された車軸
   に回転自在に装着された軸輪と、上記キャスターブラケ
   ットにその両側ブラケット部と平行な面内で上下動自在
   及び回動自在に取付けられ上記係止体の切り欠きと係合
   する係合部及び外部から揺動操作するための操作部を有
   する係止レバーと、該係止レバーに設けられ係合状態用
   凹部及び非係合状態用凹部を有する係合孔とこのいずれ
   かの凹部と係合する上記キャスターブラケットに設けら
   れた係合ピン、及び上記係合ピンと係止レバーとの間に
   設けられ上記いずれかの凹部と係合ピンとの係合状態を
   保持するスプリングとからなり上記係止レバーを上記係
   止体の切り欠きとの係合状態又は非保合状態に保持する
   保持手段とを備えたことを特徴とするうば車の自在キャ
   スター係止装置。