JPS6029682Y2 - 巻尺装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は巻取ドラムに巻き重ねられた巻尺が、ケーシン
グ内に完全に収納されるように形成された巻尺装置に関
する。

従来のこの種装置における巻尺を巻取ドラムに取り付け
るための構造としては、例えば巻尺の端部にナイロン等
の樹脂リングをリベット等で加締し、このリングを巻取
ドラムの中央に配設された筒状の嵌合軸に嵌合する構造
や、または巻尺の端部に巻尺と同様の幅を有する薄板状
のステンレス製の金具をリベット加締等により取り付け
、そしてこの金具の先端をリング状に折り曲げスポット
溶接等でリングを形成して、このリングを巻取ドラムに
形成された嵌合突起に嵌合する構造等により巻尺を巻取
ドラムに取り付けるものが知られている。

上記方法による巻尺の巻取ドラム取付は構造は、いずれ
も巻尺の端部にナイロン等の樹脂リングやステンレス製
の金具を加工して取り付ける必要があり、そのため多く
の加工、取付は工程を必要としコストが割高であった。

そこで本考案は、簡易な加工取付は工程により低コスト
で製造できる巻尺の巻取ドラム取付は構造を有する巻尺
装置を提供することを目的とする。

本考案は、先ず、円筒状のドラム本体の一面側にフラン
ジを有する巻取ドラムを形成する。

上記ドラム本体は、その円周上の一部に巻尺取付用開口
部が設けられている。

前記フランジにはフランジの径方向であって、且つ巻尺
取付用開口部の幅を２分する位置にフランジの中心に穿
設した軸孔からフランジの外周縁に渡ってスリットが形
成されている。

また、巻尺取付用開口部は、その両開口端面であって相
互に対向する位置に嵌合凹部が形成されている。

そしてこの嵌合凹部間には、巻尺の一方端を支持する巻
尺取付用金具が嵌合配設されている。

この巻尺取付用金具は、略コ字状に折曲された形状をな
し、巻尺の一方端に形成された穴を挿通することにより
巻尺を支持している。

また、この巻尺取付用金具は、その両側部の外幅が巻尺
取付用開口部の幅よりも若干大きく設定されている。

そのため、巻尺取付用金具を巻尺取付用開口部の両開口
端面に存する嵌合部間に嵌着する際には、前記フランジ
に設けられた巻尺取付用開口部を２分するスリットを若
干押し拡げる必要があり、このスリットによる巻取ドラ
ムの巻尺取付用開口部の幅を可変するバネ性によって、
巻尺取付用金具の両側部がそれぞれ前記嵌合凹部に位置
決め嵌合され、上記巻尺取付用開口部間に亘って固定的
に嵌合挾持されるようになっている。

さらに巻尺取付用金具は、その各先端側に抜は止め用の
折曲部を有し、この折曲部がドラム本体の内周面に当接
係止され、巻尺取付用金具がドラム本体から抜は落ちな
いようになっている。

またドラム本体の円筒内には、巻尺取付用開口部側に立
壁が形成され、巻尺取付用金具と当接しており、巻尺取
付用金具がドラム本体内部に落ち込まないようになって
いる。

以下、本考案の好適な実施例を第１図ないし第４図に基
づいて詳細に説明する。

第２図に示すように、スチール酸の巻尺１の基端側には
穴が開けられ、その穴に鳩目金具２が嵌着されている。

この鳩目金具２に第３図に示す略コ字状に折曲され、且
その画先端部に折曲部４，５を有する針金状の巻尺取付
用金具３が挿入されている。

上記巻尺１が巻装されるプラスチック製の巻取ドラム６
の一面側には多数本の放射状リブ７を有するフランジ８
がドラム本体６ａと一体に設けられている。

プラスチック材料としてはポリアセタールコポリマー又
はポリアセタールホモポリマー等を採用することができ
る。

フランジ８にはドラム本体６ａと一体化された円環形リ
ブ７ａが形成され、かつ、中心部分には軸孔８ａが形成
されている。

上記ドラム本体６ａは完全な円筒ではなく、その一部が
切欠かれて巻尺取付用開口部９が形成されている。

この巻尺取付用開口部９の両開口端面１０及び１１には
、それぞれ相対向する位置に嵌合凹部１２が設けられて
いる。

ドラム本体６ａの他面６ｂ（第３図中、ドラム本体６ａ
の上面）から嵌合凹部１２に至る部分は曲面状のガイド
面１３を形成している。

巻尺取付用金具３はその両側部３ａ及び３ｂにおいてガ
イド面１３に接触しなから嵌合凹部１２の方へ移動し、
この嵌合凹部１２に嵌着される。

ドラム本体６ａの内部には、上記軸孔８ａの周囲に筒状
のボス１４がフランジ８から立上って形成されている。

この筒状のボス１４には、図示シていない巻取り用ハン
ドル軸が嵌合されており、巻取り用ハンドルを回転させ
ることにより巻取ドラムが回転するようになっている。

また、このボス１４において巻尺取付用開口部９に臨む
部分にはスリット１５により隔てられた２個の立壁１６
及び１７が位置している。

スリット１５は、フランジ８において軸孔８ａからフラ
ンジ８の外周縁まで延びたスリット１８に連続したもの
である。

このスリット１８は巻尺取付用開口部９を２分する位置
でフランジ８の外周縁まで延びており、巻取ドラム６に
巻尺取付用開口部９の幅が可変となるようなバネ性を付
与する。

巻尺取付用金具３の両側部３ａ及び３ｂ間の外幅は巻尺
取付用開口部９の両開口端面１０及び１１間の幅よりも
若干大きく設定されており、巻尺取付用金具３をドラム
本体６ａに取付ける時にはスリット１８の幅を若干押し
拡げて行う必要があり、このスリット１８による巻取ド
ラム６のバネ性によって巻尺取付用金具３は巻取ドラム
６に固定される。

また前記立壁１６，１７は、前記筒状のボス１４の内壁
の一部を構成するとともに、巻尺取付用金具３の先端側
の折曲部４，５と当接し、巻尺取付用金具３の底片部１
９がドラム６ａ内部に落ち込むのを防止している。

さらに巻尺取付用金具３は両折曲部４及び５においてド
ラム本体６ａの内周面と掛合するから、巻尺１に張力が
作用して移動しても、巻尺１がドラム本体６ａから抜け
ることがない。

尚、底片部１９はドラム本体６ａの一部を威すから、そ
の曲率はドラム本体６ａの曲率に一致するように設定す
ることが望ましい。

このように本考案によれば、巻取ドラムに形成したスリ
ットによるバネ性と巻尺に取付けた針金状の巻尺取付用
金具とによって巻尺を巻取ドラムに簡単に取付け、かつ
、取付状態を安定して維持することができ部品の製作に
ついても各部品同士の取付についても低コストを実現す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の概要を示す斜視図、第２図は本考案
に係る巻尺の端部を示す斜視図、第３図は本考案に係る
巻尺取付用金具を示す斜視図、第４図は本考案に係る巻
取ドラムを示す斜視図である。 １・・・・・・巻尺、３・・・・・・巻尺取付用金具、
３ａ及び３ｂ・・・・・・巻尺取付用金具の両側部、６
・・・・・・巻取ドラム、６ａ・・・・・・ドラム本体
、８・・・・・・フランジ、８ａ・・・・・・軸孔、９
・・・・・・巻尺取付用開口部、１０及び１１・・・・
・・巻尺取付用開口部の開口端面、１２・・・・・・嵌
合凹部、１８・・・・・・スリット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状のドラム本体の一面側にフランジを有する巻取ド
   ラムの上記ドラム本体の円周上の一部に巻尺取付用開口
   部を形成し、この巻尺取付用開口部の相対向する開口端
   面に巻尺取付用金具が位置決め嵌合される嵌合凹部を設
   けるとともに、前記フランジの径方向かつ巻尺取付用開
   口部の幅を２分する位置にフランジの中心に穿設した軸
   孔からフランジの外周縁に亘るスリットを形成して巻取
   ドラムに巻尺取付用開口部の幅が可変するバネ性を付す
   る一方、巻尺を支持する前記巻尺取付用金具を略コ字状
   に形成し、その両端部の外幅が巻尺取付用開口部の幅よ
   りも大きく設定し、且つ巻尺取付用金具の各先端側には
   抜は止め用の折曲部を設け、上記両端部をそれぞれ前記
   嵌合凹部に嵌合させるとともに上記折曲部をドラム本体
   の内周面に係止させ、さらに円筒内の巻尺取付用開口部
   側に形成された立壁に上記折曲部を当接させて、上記巻
   尺取付用金具を上記巻尺取付用開口部間に亘って嵌合挾
   持してなる巻尺装置。