JPS6027759Y2 - 航空機整備用足場装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 １産業上の利用分野ヨ 本考案は航空機整備用足場装置に係り、特に格納庫を必
要とすることなく航空機の点検、整備、補修等の作業が
容易にできるようにした航空機整備用足場装置に関する
。

１従来の技術ヨ 一般に航空機を格納したり、或いはその重整備を行う場
所として用いられる格納庫は、航空機の大型化に伴い比
較的に大きなものが要求されることから、その建設に際
しては広い設置スペースを確保しなければならず。

且つ建設コストが嵩む問題がある。

そこで、近年では航空機の整備等が屋外でも容易にでき
るようにした航空機整備用足場装置が種々提案されるに
至っている。

１考案が解決しようとする問題点ヨ ところで、この種の足場装置は作業床を多段に設けても
っばら整備用としてのみ構成され、屋外環境を考慮され
ていないため、雨天時には使用が困難であると共に、機
体の塗装を行う場合には風による錆落し作業時の錆の飛
散や塗料ミストの飛散、機体への埃の付着等の不具合が
発生する問題があった。

また、従来の足場装置は一般に整備個所に応じて部分的
な整備が行えるように機首廻りや尾翼廻り等に分割して
構成されているため、重整備等の機体全体の整備を行う
場合、各整備個所に近接してセットするのに多くの手間
と時間がかかり、航空機の一括整備に適さないという欠
点があった。

１考案の目的ヨ そこで、本考案者は上記実情に着目し、本考案を創案す
るに至ったものである。

本考案の目的は、雨や風の日でも別途格納庫を必要とし
ないで航空機の胴体の整備等を行うことができるととも
に、飛行場の任意の場所に移動して航空機の胴体部分の
簡易な格納庫として用いることができ、しかも、セット
が簡単且つ迅速にでき、胴体の整備等の作業を一括して
実施し得る経済的な航空機整備用足場装置を提供するに
ある。

１考案の概要ヨ 本考案は上記目的を遠戚するために、一端に航空機の胴
体を挿入するための入口を有し、航空機の胴体を機種側
からその長手方向に沿って収容するための収容室と、該
収容室を区画形成すると共に外側が覆体で覆われた走行
自在の枠組構造体と、該枠組構造体に多段に設けられ、
上記収容室内に収容された上記胴体に臨む作業床とを備
えている。

実施例 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述す
る。

第１図乃至第４図において、１は航空機の首部ｎから尾
部ｔまでの胴体Ｂの長手方向に沿ってこれを囲繞すべく
ドーム状乃至アーチ状に形成された枠組構造体である。

この枠組構造体１は第３図に示す如く垂直尾翼ｔ１をも
囲繞すべく全体的に一体構造になっており、その内部空
間が胴体Ｂを余裕をもって収容する収容室２を構成して
いる。

また、枠組構造体１の尾部を側端部は開口され、収容室
２内に胴体Ｂを首部ｎより出入自在に収容するための入
口３を形成している。

更に枠組構造体１には水平の作業床４が垂直方向に適宜
間隔に多段に設けられ、収容された胴体Ｂ（垂直尾翼ｔ
□も含む）と枠組構造体１の内側壁１ａとの間に形成さ
れる間隙Ｓを埋めて胴体Ｂの整備、点検、補修等の作業
が近接した状態でできるようになっている。

これらの作業床４は、胴体Ｂの収容室２内への出入時に
この胴体Ｂに接触しないように且つ胴体Ｂの収容後には
これに近接し得るように胴体Ｂ側へ水平に出没自在に構
成され、具体的には固定作業床部に胴体Ｂ側へ出没する
引出式や起倒式等の移動作業床部を設けた構造のものが
採用される（図示省略）。

尚、４ａは胴体Ｂ側へ延出された各作業床４の延出端部
である。

このように構成された枠組構造体１の底部１ｂは第４図
に示す如く首部ｎの部分だけに形成され、その他の部分
には形成されていない。

車輪ｍの移動を許容するためである。

また、枠組構造体１の下端部１ｃにはその長手方向に適
宜間隔（図示例では前部、中央部、後部）に走行車輪５
が設けられ、もって枠組構造体１には牽引車等により牽
引されることにより自在に走行移動し得るようになって
いる。

更に枠組構造体１の下端部１ｃにおける走行車輪５の近
傍にはこの枠組構造体１を設置固定するためのジヤツキ
式ストッパ６が設けられている。

一方、胴体Ｂの両側部を囲繞する枠組構造体１の両側部
１ｄ、ｌｄには、胴体Ｂが収容室２内に出入する際に主
翼りが通過できるように開口部７．７が上記人口３から
連続して長手方向に水平に形成されている。

この開口部７，７は、枠組構造体１の後端部である入口
３から胴体Ｂが収容室２内に完全に収まった状態の時の
主翼りの位置イまでの範囲の長さに形成されていると共
に、水平尾翼桜も通過し得る開口径に形成されている。

そして、開口部７，７により枠組構造体１の後側部が下
方に撓むことを防止するために、開口部７の上下側縁部
８ａ、ａｂ間にはその長手方向に沿って適宜間隔に支持
ジヤツキ９が複数介設されている。

これら支持ジヤツキ９は第２図に示す如く枠組構造体１
の後端部に配置された第１ジヤツキ９１ と、この第１
ジヤツキ９１から少くとも主翼りの山風上に離間して前
方に配置された第３ジヤツキ９３と、これら第１ジヤツ
キ９□と第３ジヤツキ９３との中間部に配置された第２
ジヤツキ９□とから構成されている。

特にこれらジヤツキ９、〜９３のシリンダ側基端部９ａ
は枠組構造体１における開口部７の下側縁部８ｂに枢支
ピン１０を介して起倒乃至回動自在に支持され、それぞ
れのピストンロンド側先端部９ｂが上側縁部８ａを押圧
するようになっている。

また、これらジヤツキ９１〜９３の基端部９ａには起倒
用ジヤツキ１１１〜１１３がそれぞれ連結されており、
ジヤツキ９□〜９３を垂直に立上った状態から水平に倒
れた状態に自在に起倒操作できるように構成されている
。

横倒時のジヤツキ９１〜９３は下側縁部８ｂより隠れて
主翼りの通過移動に邪魔にならないようになっている。

これらのジヤツキ９□〜９３において、その第１ジヤツ
キ９１の先端部９ｂにはこれを上側縁部８ａにロックピ
ン１２を介して係止させるための係止部１３が形成され
ている。

また、開口部７の下側縁部８ｂを形成する枠組構造体１
の下端部１ｃには各ジヤツキ９１，９２．９３に位置さ
せてジヤツキ式ストッパ１４がそれぞれ設けられ、これ
らストッパ１４を設置させることによりジヤツキ９１〜
９３の反力による下側縁部８ｂの撓みを防止するように
なっている。

以上のように構成された枠組構造体１の外側表面部には
これを覆うシート材や板材等からなる覆体１５が設けら
れており、収容室２内に雨等が入らないようになってい
る。

なお、第２図中符号１６は収容室内の換気用として枠組
構造体１の上部に設けられた換気装置、１７は風力によ
る枠組構造体１の移動を防止するために地面との間に張
設されたステー、１８は枠組構造体１や航空機を牽引す
るための牽引車、１９は水平尾翼ｔ２の上側を覆う如く
枠組構造体１に一体形成された水平尾翼覆部である。

次に上記実施例の作用を述べる。

先ず、本考案の足場装置全体を牽引車１８等により所定
の位置に運搬した後、ストッパ６．１４を接地させると
共にステー１７を張設して足場装置を固定する。

航空機の整備等を実施する場合には、航空機を牽引車１
８等で牽引しつつ足場装置内部に導くことにより、航空
機の胴体Ｂを機首側から収容室２内に収容する。

この胴体Ｂの収容移動に際しては、開口部７を主翼りが
通過する際に支持ジヤツキ９が邪魔になるので、この支
持ジヤツキ９を構成する各ジヤツキ９１，９□、９９は
次のように操作する。

通常、全てのジヤツキ９１〜９３は起立状態にあり、上
側縁部８ａを支持している。

先ず、主翼りが第１ジヤツキ９□に近付いたとき、その
係止部１３のロックピン１２を外し、第１ジヤツキ９１
の先端部９ｂを下降させて後、これを起倒ジヤツキ１４
を介して転倒させる。

次に主翼りが第２ジヤツキ９゜に近付いたら、この第２
ジヤツキ９゜を上述のように転倒させ、第３ジヤツキ９
３に近付いたら第１ジヤツキ９１を起立して伸び作動さ
せてセットした後、第３ジヤツキ９３を転倒させる。

一方、主翼りの移動に追従する水平尾翼ｔ２が第１ジヤ
ツキ９１に近付いたら第２ジヤツキ９２を起立させてセ
ットした後、第１ジヤツキ９□を転倒させ、この第１ジ
ヤツキ９１を通過して第１ジヤツキ９．と第２ジヤツキ
９□との中間部にきたらその第１ジヤツキ９１を起立セ
ットした後、第２ジヤツキ９□を転倒させる。

主翼りが第３ジヤツキ９３を通過したらこの第３のジヤ
ツキ９３を起立セットし、上記第１ジヤツキ９□の係止
部１３を上側縁部９ｂにロックピン１２にて係止するこ
とにより、支持ジヤツキ９の操作は完了する。

そして、収容室２内に胴体Ｂが完全に収容されたなら、
その移動を係止し、各作業床４の端部４ａを胴体Ｂに延
出して近接させることにより整備等の作業を行う。

作業が終了したなら、航空機をそのまま収容室２内に格
納しておくか、或いは前記とは逆の手順で胴体を尾部ｔ
から収容室２内より引出す。

このようにして航空機の胴体Ｂの整備等作業が行われる
のであるが、本考案足場装置は覆体１５を備えているの
で、雨天等の屋外環境にかかわらず作業を実施すること
ができ、特に胴体Ｂの塗装作業を行うに際しての錆落し
作業時の風による錆の飛散、塗装時のミストの飛散、は
こりの付着等を充分防止することができ、作業性が向上
する。

とりわけ、足場装置全体が走行車輪５により移動自在で
あるため、飛行場のエプロン等任意の場所に設置するこ
とができ、且つ格納庫としても利用することができるこ
とから経済的である。

また、胴体Ｂ全体を収容し得る一体構造であるため、胴
体Ｂのセットを迅速且つ簡単に行うことができると共に
整備等の各種作業を一括して実施することができる。

なお、上記実施例における枠組構造体１の内部前側にウ
ィンチ等の牽引装置を設けることにより、収容室２内に
胴体Ｂを引入れる際の牽引車１８の代りとしても良い。

また、主翼りの移動位置を検知して支持ジヤツキの各ジ
ヤツキ９１，９２．９３の操作を順次自動的に行うよう
にすれば胴体Ｂの出し入れ移動操作を連続的に行うこと
ができ、セットの迅速化が図れる。

更に、支持ジヤツキ９のシリンダ部２０ａは第５図に示
す如く下側縁部８ｂに埋込んで設けるようにすれば、ピ
ストンロッド２０ｂを伸縮操作するだけで良く、ジヤツ
キの起倒操作及びその起倒ジヤツキを不要化することが
できる。

支持ジヤツキ９を構成する各ジヤツキ９１，９□、９３
のシリンダ部２０ａを第５図に示す如く下側縁部８ｂに
対して上下方向に移動自在に取付け、各シリンダ部２０
ａの下端部にストッパ２１を設け、ジヤツキ９１，９□
。

９３の伸縮によりストッパ２１を地面に接地させたり地
面から浮上させるようにしてもよい。

１考案の効果ヨ 以上要するに本考案によれば次の如き優れた効果を発揮
する。

（１）一端に入口が形成され、航空機の胴体を機首側か
らその長手方向に沿って収容する収容室を有し、外側が
覆体で覆われた走行自在の枠組構造体からなっているの
で、雨や風の日でも別途格納庫を必要としないで、航空
機の胴体の整備等を行うことができると共に、飛行場の
任意の場所に移動して航空機の胴体部分の簡易な格納庫
として用いることができ、経済的である。

（２）また、航空機の胴体を機首側から挿入するだけで
簡単且つ迅速にセットすることができ、しかも枠組構造
体には収容室内に収容された上記胴体に臨む多段式作業
床が設けられているので、胴体の整備等の作業を一括し
て実施することができ、作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案装置の一実施例を示す航空機整備用足場
装置の平面図、第２図は覆体の一部を切り欠いた同足場
装置の側面図、第３図は同足場装置の入口のある後方か
ら見た図であって、覆体及び前側の底部等を省略した概
略図、第４図は足場装置を前方から見た図であって、覆
体の一部を切り欠いた状態の概略図、第５図は本考案の
変形例を示す部分的側面図である。 図中、１は枠組構造体、２は収容室、３は入口、４は作
業床、１５は覆体、Ｂは航空機の胴体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に航空機の胴体を挿入するための入口を有し、航空
   機の胴体を機首側からその長手方向に沿って収容するた
   めの収容室と、該収容室を区画形成すると共に外側が覆
   体で覆われた走行自在の枠組構造体と、該枠組構造体の
   両側部に上記入口より連続して形成され、航空機の主翼
   及び水平尾翼の通過を許容するための開口部と、上記枠
   組構造体に多段に設けられ、上記収容室内に収容された
   上記胴体に臨む作業床とを備えたことを特徴とする航空
   機整備用足場装置。