JPS6027670A - 耐摩耗性と潤滑性とに優れたセラミツク部材及びその製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は耐摩耗性と潤滑性とに優れたセラミック部材及
びその製法に係り、特に黒鉛を利用した上記セラミック
部材及びその製法に関する。

〔発明の背景〕

近年、優れた耐摩耗性と潤滑性とを備えた材料が期待さ
れている。°例えば大出力ディーゼルエンジンなどにお
いては、従来、鋳鉄製のシリンダライナが使用されてき
たが、燃焼圧力を高めて機関出力を増大し、かつ信頼性
を高めるために、一層優れた耐摩耗性と潤滑性とを有す
るシリンダライナ材の提供が望まれている。

ところでセラミック部材は一般に高硬度であり耐摩耗性
に優れているが潤滑性に欠ける。一方、黒鉛は周知の如
く潤滑性に優れるが軟質であり耐摩耗性に欠ける。

〔発明の目的〕

本発明は上記従来技術に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところは、耐摩耗性と潤滑性との両方に
優れたセラミック部材及びその製法を提供することにあ
る。

〔発明の構成〕

この目的を達成するために、本発明の耐摩耗性と潤滑性
とに優れたセラミック部材及びその製法は、少なくとも
表面が多孔性であるセラミック基体く該セラミック基体
の表面の気孔に充填された黒鉛とからなる耐摩耗性と潤
滑性とに優れたセラミック部材。

及び 少なくとも表面が多孔性であるセラミック基体の表面の
気孔に酸処理黒鉛を充填した後加熱し、核酸処理黒鉛を
膨張させて前記気孔に密実充填せしめることを特徴とす
る耐摩耗性と潤滑性とに優れたセラミック部材の製法。

を要旨とするものである。

以下図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。

第１図は本発明の実施例に係るセラミック部材の表面部
の模式的な断面図である。１はセラミック基体であり、
その表面には多数の気孔２が存在する。そしてこの気孔
２に黒鉛３が充填されている。なお本発明において、セ
ラミック基体は全体として多孔性のものであっても良く
、又、この実施例のように表面だけが多孔性のものであ
っても良い。

このように構成すると、セラミック基体１が高硬度であ
ることから耐摩耗性を奏し、他方、黒鉛が潤滑性を奏す
るようになり、両者の特徴が同時に顕現せられるのであ
る。

しかして潤滑油を使用する場合には、本発明のセラミッ
ク部材は次の如き効果を奏する。

１）　高温になった場合には、油がガス化して潤滑面に
ガスフィルムをつくり、いわゆるガスクッションとなり
潤滑する場合がある。黒鉛粉を含むことにより、粘度が
上がること、黒鉛粉への油の吸着が考えられること、ま
た潤滑面間に粉体がはさまるから、間隙が広くなるなど
のため、潤滑面上の油の量も多くなると考えられる。よ
り高温になれば黒鉛のみが残り、これにより潤滑する。

２）　高温では、油は潤滑面によく広がる。油の中に含
まれた黒鉛粉は、同時に潤滑面に広がり、潤滑性が高め
られる。

しかして本発明はこのような耐摩耗性と潤滑性とを有す
るセラミック部材の製造方法として、酸処理黒鉛を用い
た方法を提供するものである。

この酸処理黒鉛は、一般的には濃硫酸と濃硝酸の混酸と
塩素酸カリウム、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カ
リウム等の強力な酸化剤とを併用し、結晶の良く発達し
た黒鉛（天然リン状黒鉛、キシュ黒鉛）を湿式酸化して
製造される。なお本発明において所用される酸処理黒鉛
は、これ以外の製法によるものであっても良い。この湿
式酸化した黒鉛を９００℃以上の高温で急熱すると、黒
鉛の結晶構造におけるＣ軸方向に５０〜３００倍に膨張
する。

この酸処理黒鉛は、黒鉛の優れた特性、即ち熱的、化学
的に安定であり、又、導電性、潤滑性に富む、というこ
とに加えて、多孔質になっていることから吸着性、断熱
性が高いという特性をも備えている。

本発明の製造方法は、酸処理黒鉛が急熱されて膨張する
特性を利用するものであって、酸処理黒鉛を多孔体の表
面の気孔に充填した後、これを急熱し膨張させて該気孔
に密実かっ強固に充填するようにしたものである。この
製造方法によれば、上記耐摩耗性と潤滑性とを有するセ
ラミック部材を迅速かつ容易に製造することができる。

上記酸処理黒鉛をセラミック表面の気孔に充填するには
、酸処理黒鉛をペースト状又は懸濁液状にしてセラミッ
ク表面に塗布しても良く、或は粉末のまま直に表面に散
布しても良い。なお、これらの際にセラミック多孔質体
が連通型の気孔から成るものであれば、セラミック多孔
質体の反対側の面から吸引して上記ペースト懸濁液、粉
末などを気孔中に吸い込ませるようにしても良い。

酸処理黒鉛粉末を充填した後、必要に応じ乾燥し、次い
で急熱し黒鉛を膨張させる。この熱処理の温度は特に限
定はないが、通常はＳＯＯ〜１０００℃程度とされる。

本発明の耐摩耗性と潤滑性を有するセラミック部材の製
造方法は上記酸処理黒鉛を用いた方法に限られるもので
はなく、例えば極めて微細な黒鉛粉末が分散された分散
液を多孔質セラミックに塗布したり、スプレーしたシし
ても良い。

〔発明の実施例〕

以下実施例について説明する。

酸処理黒鉛（日本黒鉛工業株式会社製、ＥＸＰ−ＺＭ）
を蒸留水に分散させた後、多孔質セラミックス（材質二
酸化ジルコニウム、気孔率約５０チ）の表面に塗布した
。黒鉛の塗布量はセラミックス表面１ｃｒｒＬ２当り約
２５０〜である。

このセラミックスを１２０℃で１時間乾燥後９００℃の
マツフル炉中に挿入して黒鉛を膨張させた。その結果、
表面の気孔中に黒鉛が均一に充填された多孔質セラミッ
クスが製造された。この多孔質セラミックスは耐摩耗性
と潤滑性とに優れていることが認められた。

〔発明の効果〕

以上の通り本発明によれば表面の気孔に黒鉛が充填され
ており耐摩耗性と潤滑性の両方に優れたセラミック部材
が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例に係るセラミックスの表面部分の断面
を模式的に示す図である。 １・・・セラミック基体、２・・・気孔、３・・・黒鉛
。 代理人　弁理士　重　野　剛

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）　少なくとも表面が多孔性であるセラミック基体
   と、該セラミック基体の表面の気孔に充填された黒鉛と
   からなる、耐摩耗性と潤滑性とに優れたセラミック部材
   。
2. （２）少なくとも表面が多孔性であるセラミック基体の
   表面の気孔に酸処理黒鉛を充填した後加熱し、該酸処理
   黒鉛を膨張させて前記気孔に密実充填せしめることを特
   徴とする耐摩耗性と潤滑性とに優れたセラミック部材の
   製法。