JPS6027197Y2 - シ−ルド掘進機のテ−ルシ−ル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、シールド掘進機のテール部とセグメントリ
ングとの間のシール装置に関する。

その目的は、掘進機テール部とセグメントリングとの間
から空気、地下水あるいは裏込材などが漏洩することの
ないシール装置を提案するにある。

シールド掘進機により地盤を掘削し、同時に掘削面をセ
グメントで覆工しつつトンネル等を施工するに際し、シ
ールド掘進機テール部と覆工したセグメントリングとの
間には、地下水、裏込材あるいは限定圧気式シールド工
法における加圧空気等の外圧が作用し、これらが漏洩し
て作業性を低下させる。

このため、従来から掘進機テール部とセグメントとの間
にシール材を介装し、気密性を図っている。

この方法としては、テール部スキンプレート内面に、ゴ
ムのごとき弾性体舌形環状シール材やチューブ形環状シ
ール材等を取付けたり、あるいは複数の舌形環状シール
材間やチューブ形環状シール材内に加圧流体を圧入する
などの方法で、気密性の向上を図ったものがある。

しかし、いずれの方法も充分な気密性が得られなかった
り、摩耗や外部応力によって破損し易かったりして満足
すべきものがなかった。

この考案は、上記の問題点を解決したもので、その結果
、作業環境が改善され掘削、セグメント組立作業の安全
性と能率が向上し、裏込作業が随時可能となり地盤沈下
を防止して、セグメントの組立精度を高めることができ
た。

また、限定圧気式シールド工法（シールドの切羽のみ圧
気圧を作用させ、トンネル内は大気圧の状態となる）に
おいては、圧気の漏洩量が減少し、圧気量の節減と計画
的供給を可能となした。

第１図は１枚の舌形環状シール材１をシールド掘進機の
テール部スキンプレート２に後方内側に傾けて取付けた
従来多く用いられているシール装置である。

シール材１は銅線入りゴム製品であり、その先端はセグ
メント３に接し掘進機の掘進に伴ない摺動する。

このシール材１に外部圧力が作用するとシール材１はそ
の弾性により彎曲し、先端部はセグメント３面に接し、
スキンプレート２とセグメント３とのクリアランス４を
シールする機構となっている。

しかし、このような方法では気密性は充分ではなく、外
部に圧気のある場合には、例えば径４ｍのシールド機に
おいては第２図に示す漏気量となり、圧力１．２ｋｇ／
ｃｌの場合５ｄ／ｍｉｎ程度となることは避けられない
。

第３図はこの考案のシール材であって、掘進機方向に対
し前方の内側シール材５とその後方に位置する外側シー
ル材６の２枚の平行な舌形環状シール材とよりなってい
る。

このシール材は鋼線入りゴム製であって、目的に応じて
内側、外側シール材の硬度、材質をそれぞれ選定するこ
ととなる。

内側シール材５は、外側シール材６に比べ短（、外側シ
ール材６は先端部内側面に段差７があり、基端側は先端
部に比べ肉薄となっている。

そして、シール材はテール部スキンプレート２にその先
端を後方に向は内側に傾けて取付けられている。

また、２枚のシール材５，６の間隔はシール材５，６の
長さに比べ狭く、２枚のシール材５゜６は掘進機の掘進
方向に沿い重なり合う間隔に取付けである。

第４図、第５図は作業時の図面であり、シール材はその
先端部がセグメント３の外表面に接する長さであり、セ
グメント３外部が常圧の場合は第４図のように、２枚の
シール材５，６の中間部は相互に離れているが、セグメ
ント３外部が加圧状態となると第５図のごとく、外側シ
ール材６は外部圧力によって内側に向い彎曲し、内側シ
ール材５の先端部をセグメント３外表面に押圧密着させ
、高い気密状態となる。

このシールド装置において、外部が加圧状態にある場合
２枚のシール材５，６の端部がセグメント３表面に接腰
気密を保つので従来の１枚のシール材のものに比べ気密
が高い。

特に、内側シール材５の端部には、外側シール材６の広
い面積の中間部に作用した外圧が外側シール材６を彎曲
させて集中的に押圧となって作用するので、内側シール
材５端部とセグメント３表面とは強く密着し、高い気密
性を保つことができる。

また、外側シール材６の中間部は、内側シール材５に当
るので極端に彎曲することがなく、その端部がめくれ上
ってセグメント３との間に間隙を生じ、気密性を低下さ
せることがない。

さらに、外側シール材６は段差部７があり、先端部が厚
く中間部が薄いので外部加圧時には中間部の変形量が大
きく、内側シール材５を一層強く押圧する。

また、段差部位置は内側シール材５の先端より後方に位
置しているので内外シール材５．６が近接しても内側シ
ール材５の端部は段差部７の前方に収まり、外側シール
材６の肉厚の端部はセグメント３の表面に密に接する。

すなわち、このテールシール装置は２枚の弾性があるシ
ール材が相互に作用し合い高いシール効果を発揮し、段
差部を設けることより２枚のシール材端部が重なり合い
めくれ上がって気密性を損なうことが防止できる。

この考案は以上の通りであり、次の効果をもたらす。

■気密性を向上するので、掘進機内側に圧気、地下水、
裏込材等の漏洩が少なく、作業環境が改善され安全性、
作業性が向上する。

■裏込材の漏洩が殆んどないので、随時裏込作業ができ
、地盤の沈下が防止でき、セグメントｂ覆工の精度が向
上する。

■限定圧気シールド工法においては、圧気の節減と計画
的供給が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の舌形環状シール材の縦断面図、第２図は
第１図シール材の「外部圧力と漏気量との関係図上第３
図はこの考案のシール装置の縦断面図、第４図、第５図
はこのシール装置の作業時の状態であって、外部常圧時
および加圧時の縦断面図である。 １…◆・・シール材、２・・・・・・テール部スキンプ
レート、３・・・・・・セグメント、４・・・・・・ク
リアランス、５・・・・・・内側シール材、６・・・・
・・外側シール材、７・・・・・・段差。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド掘進機のテール部スキンプレート内側に内外２
   枚の平行な弾性体からなる舌形環状シール材をその先端
   を掘進機後方に向は内側に傾け、少なくとも２枚のシー
   ル材の一部は掘進方向で重なり合う間隔に取付けてあり
   、内側シール材先端より後方位置の外側シール材先端部
   内側面に先端方向が肉厚となった段差部が設けてあり、
   掘進機テール部内側に組立てたセグメントの表面に前記
   ２枚のシール材先端部は当接してなることを特徴とする
   シールド掘進機のテールシール装置。