JPS602651B2 - 液晶表示用垂直配向性電極基板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は液晶表示用垂直配向性電極基板に関するもので
あり、さらに詳しくは優れた耐熱性及び強い垂直配向性
を有する液晶表示用電極基板に関するものである。

現在、液晶表示セルに用いられる電極基板は、華直配向
性及び水平配向性のいずれかの配向性を付与されている
。

電子卓上計算機、時計などの表示素子として使用されて
いる電界効果ツイスト型は水平配向性を有する電極基板
が用いられる。一方、負の誘電異万性を持つネマチック
液晶化合物の動的散乱型（ＤＳＭ）表示素子、ＤＡＰ表
示素子においては室直配向性の電極基板が用いられてお
り、また、ネマチックーコレステリック混合液晶の相転
移、メモリー特性を利用する表示素子においても垂直配
向性電極基板が用いられる。優れた液晶表示セルとして
は、第一に初期配向く蝿場を印加しないときの配向）の
均一性が重要であり、第二に配向の維持及び液晶物質の
変質防止のため密閉性、耐水性のよいシール構造を有す
ることが重要である。

特に、ＤＳＭ表示素子に使われる液晶混合物には、電界
質が添加されており、水分の侵入により電気特性の著し
い変化が超こ‐り、電極部の腐食が生じ配向破壊をきた
す。又、相転移メモリー型表示素子においても、電気特
性上の要求により、電解質が添加されることがある。し
たがって、優れた液晶表示素子を得るためには初期配向
の均一性と優れたシール構造はともに欠くことのできな
い要因である。本発明はこの雨要因について改善され、
応答性（レスポンス）、信頼性などの点について極めて
優れた性質を有する液晶表示セルに用いられる垂直配向
性電極基板を提供することを目的とするものである。従
来、液晶の初期垂直配向の均一性を得る手段として、電
極基板の酸処理やアルカリ処理が知られている。しかし
、この方法では華直配向の経時安定性が悪く電極基板の
電極部とガラス部での配向に差異が生じるという欠点が
ある。これに対し、これらの欠点を改善するものとして
、シラン系のカップリング剤による表面処理有機クロム
錆体による表面処理が知られている。これらの方法では
配向の均一性は改善されるがいずれも耐熱性がなく、３
００００以上の加熱により分解する。したがって、信頼
性に優れるガラスフリットによる無機シール構造を有す
る液晶表示セルを製造することはできない。又Ｓｉ０、
Ｍ餌２等の無機材料の蒸着により配向処理を行う方法が
知られている。この方法は配向の耐熱性に優れ無機シー
ル構造の液晶表示セルの製造が可能であるが液晶の種類
により配向しないものもあり、又、配向力が弱く電圧オ
フ時の消去レスポンスが遅いという欠点がある。本発明
者らは、上述した従来の液晶表示に用いられる垂直配向
性電極基板の難点をふまえ、均一で強い垂直酉己向性と
優れた配向の耐熱性を兼ね備えた液晶表示用垂直配向性
電極基板を得るため、基板構成および材料の選択を総合
的に検討し本発明に到達したものである。

すなわち、本発明は電極被膜を設けた基板の該電極被膜
を含む面に、式．・‐‐‐＜・＞ （式中のＲはメチル基またはフェニル基、ｍおよびｎは
正の数をそれぞれ表し、ｍ／ｎ＝０．５〜１００である
）で示されるオルガノポリシロキサンの被膜を設けてな
る液晶表示用垂直配向性電極基板を要旨とするものであ
る。

このようにして構成した結果、本発明の電極基板は次の
ような優れた特性をもつものである。

‘ィ｝ 均一な初期垂直配向性を有し、長期の電圧印加
による電極及び配向の劣化がない。‘。

｝ すべての種類の液晶を華直配向させることが可能で
ある。し一 優れた耐熱性を有し、無機シール構造のセ
ル製造時の熱による配向劣化がない。

０ 強い配向力を有し、優れた消去レスポンスを与える
。

以下、上記の本発明について詳細に説明する。

電極基板の構成単位である基板は絶縁性を有し、さらに
無機シール構造のセル製造に用いられる場合、耐熱性が
要求される。このため通常ガラスが用いられる。その他
プラスチック等の透明なもの、あるいはセラミック等の
不透明なものが用いられる。次に、この基板上には通常
の方法により電極被膜を設ける。たとえば、酸化スズ、
酸化インジウムなどを主成分とする透明導電性被膜を吹
き付け法、真空蒸着法などにより、あるいはアルミニウ
ム、クロムなどの金属被膜を真空蒸着法などにより設け
ることができ、これらの電極被膜はフオトェッチングな
どの手段により所定のパターン、たとえば一ないし複数
個の数字や文字あるいは図形模様などに加工するなどし
て用いられる。次にまた、電極基板の電極被膜を含む面
の全面あるいは少なくとも液晶がオルガノポリシロキサ
ンを介して接する部分に予め無機絶縁膜を厚さ３００Ａ
〜１０，０００Ａ好ましくは５００Ａ〜３，０００Ａ設
けることができる。

これにはＳの，Ｓｉ０３，ＭｇＦ２，ＡＩ２０３，Ｌｉ
○−ＳｉＯなどが適用でき、この無機絶縁層を電極被膜
を設けた基板の該電極被膜を含む面とオルガノポリシロ
キサンよりなる被膜との間に設けることによりオルガノ
ポリシロキサンの配向の耐熱性を向上させることができ
る。無機絶縁層を設けるには、たとえば、無機物の真空
蒸着法Ｌスパッタ法やりチウムシリケートのコロイド溶
液等の無機被膜剤を塗布するあるいはガラスレジンの如
く加熱硬化により無機化する有機物を塗布するなどの方
法が使用される。本発明において配向層として用いられ
るオルガノポリシロキサンは、前記式（１）で示される
ものであり、これは次の方法により得ることができる。

‘１｝ ジメチルジクロロシランおよびノまたはメチル
フエニルジクロロシランとフエニルトリク。

ロシランとを、前記ｍ／ｎの比が満足されるモル比で共
加水分解縮合させ、中和水洗した後、さらに所望の重合
度になるまで縮合反応を進行させることにより、共重合
オルガノポリシロキサンを得る方法、【２） 一般式 （式中のＲおよびｍは前記と同様の仙 である）で示さ
れる、ｏ，山一ジクロロジオルガノポリシロキサンと、
フエニルトリクロロシランを部分加水分解縮合させて得
られるＳｉ−ＯＨ結合含有フェニルポリシロキサンとを
、前記ｍ／ｎの比が満足されるモル比で塩酸捕獲剤の存
在下に縮合反応させ、さらに所望の重合度になるまで縮
合反応を進行させることにより、フロック共重合オルガ
ノポリシロキサンを得る方法、｛３｝ 一般式（式中の
Ｒおよびｍは前記と同様の意味である）で示される、Ｑ
，のージヒドロキシジオルガノポリシロキサンと、前項
で述べたと同様のＳｉ−ＯＨ結合含有フェニルポリシロ
キサンとを前記ｍ／ｎの比が満足されるモル比で縮合反
応させることにより、フロック共重合オルガンポリシロ
キサンを得る方法、■ 前記一般式（ｍ）で示される、
山 の−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサンと、フ
エニルトリクロロシランとを、前記ｍ／ｎの比が満足さ
れるモル比で塩酸捕獲剤の存在下に反応させ、ついでこ
の反応生成物を加水分解縮合させ、中和水洗した後、さ
らに所望の重合度になるまで縮合反応を進行させること
により、共重合オルガノポリシロキサンを得る方法。

上記｛１）〜｛４）の製造方法のうちでも特に■および
【３’の方法で製造されたブロック共重合オルガノポリ
シロキサンが、本発明の目的に好適とされる。

前記一般式（１）において、ｍ／ｎの比は０．５〜１０
０の範囲にあることが必要とされるが、これはｍ／ｎ比
が０．５以下であると垂直配向館が悪くなり、他方この
比が１００以上であると電極基板上に均一な被膜を安定
に維持するのが困難となることによるためであり、特に
はｍ／ｎの比が５〜５０の範囲であることが望ましい。
上記したオルガノポリシロキサンを電極被膜を含む基板
面あるいは上記無機絶縁膜上に塗布するには、回転塗布
法あるし、は浸薄法などの方法が使用できるが、この塗
布は必ずしも基板面あるいは上記無機絶縁膜の全面に施
す必要はなく、必要に応じてそれらの一部のみに塗布し
てもよい。

このとき要すれば溶剤で希釈してもよく。使用する溶剤
はオルガノポリシロキサンを塗布するときの粘度を調整
するために使用されるものであり、これにはたとえばメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン系溶剤、ベンゼン、トルェン、キシレンなどの芳香族
炭化水素系溶剤、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、ィソプロパノ
ール、オクタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどのェ．ステル系溶剤などを使用する
ことができる。オルガノポリシロキサンの被膜は０．０
１〜ＩＡの好ましくは０．１〜０．３ぶれの厚さに設け
られる。これは１仏’九より厚いと電圧降下を起こしレ
スポンスなどの電気特性に悪影響を及ぼし、また０．０
１仏の未満であると配向力が弱く又配向の耐熱性が悪い
からである。上記購成を有する本発明の液晶表示用蚤直
配向性電極基板は、たとえば、その一対をそれぞれのオ
ルガ／ポリシロキサンの被膜面を内側にして対向させ、
両被膜間に液晶封入空間を設けその周囲を無機系または
有機系シール剤でシールし、予め設けられた液晶注入口
より、ＤＳＭ用、ＤＡＰ用、メモリータイプなどの液晶
物質を注入し、該注入口を封止剤にて封止することによ
り液晶表示セルを構成することができ、さらに該セルを
必要に応じ、偏光板、反射板などと組み合わすことによ
り表示装置を構成する。

このような本発明の垂直配向性電極基板は液晶表示用と
して種々の装置に有効に使用でき、たとえば、クロック
、ウオッチ、電子卓上計算機、キャラクターディスプレ
イなどの表示装置に用いられる。

次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。

実施例 １酸化インジウム電極を設けた一対の基板を所
定のパターンにエッチングした後、Ｓｉ○を３０００Ａ
の厚さに蒸着して無機質絶縁層を電極被膜を含む面に設
けた。

次に、式で示されるブロック共重合オルガノポリシロキ
サンの５％トルェン溶液を浸債法にて塗布し、１００℃
５分間乾燥してポリシロキサンの被膜を設けた。

次に軟化点３７０００のガラスフリットを通常の方法で
インキ化し、スクリーン印刷法でシール部に印刷し２０
０３０で１び分間乾燥した後４５０ｏｏ、５分間加熱圧
着し、液晶容器を形成した。

Ａ 次いで予め設けられた注入口よりシツフ系ネマチッ
ク液晶を主成分とする大日本インキ社製ネマディックＡ
を封入し、注入口をェポキシ樹脂で封止しＤＳＭ型液晶
表示セルを作製した。

該セルは、耐湿性に優れ又２０Ｖ、３２ＨＺ、１００餌
時間の連続使用後、ＮＩ点の変化、配向の劣化は認めら
れなかった。Ｂ 上述の液晶容器にメトキシベンジリデ
ン−ｐーブチルァニリン（ＭＢＢＡ）６の重量部、ェト
キシベンジリデン一ｐ−ｎ−ブチルアニリン（ＥＢＢＡ
）４０重量部からなる負の誘電異万性を有する液晶混合
物を、Ｑ−Ｎｉ−Ａｕの萩着層を周囲に持つ封入口より
封入し、注入口を銀ハンダにより封止して直交偏光坂間
に挟持しＤＡＰ型液晶表示セルを作成した。

この表示素子は５〜８Ｖ間で電界により色変化し、又信
頼性、レスポンスに優れていた。Ｃ 上記Ｂと同様にし
てＭＢＢＡ４０重量部、ＥＢＢＡ３の重量部、ブトキシ
ベンジリデン−ｐ−シアノアニリン（ＢＢＣＡ）２の重
量部、コレステリルクロラィド１の重量部からなるメモ
リータイプ液晶を封入した。

この液晶表示素子は５Ｖでうず状組織からフオーカルコ
ニック状態へ又２５Ｖでフオーカルコニック状態からネ
マチック状態へと相転移する静特性を有し、高いコント
ラスト及び優れた消去特性を有した。Ｄ 上記Ｃと同様
にしてビフェニル系の正の誘電異方性を有する液晶ェー
メルク社製Ｅ−７を９０重量部、ｐ−２−メチルプロピ
ルーｐ−シアノビフェニル１の重量部からなるメモリー
タイプ液晶を封入した。

この液晶表示素子は２．５Ｖでうず状組織からフオーカ
ルコニック状態へ、又１０Ｖでフオーカルコニック状態
からネマチック状態へと相転移する静特性を有し、高い
コントラスト及びＣより優れた消去速度を有した。実施
例 ２酸化スズ電極を設けた基板を所定のパターンにエ
ッチングした後、Ｓｉ○を１５００△の厚さに蒸着して
、無機質絶縁層を電極被膜面に設けた。

次に、軟化点３８０午０のガラスフリットをスクリーン
インキ化し、スクリーン印刷法でシール部に印刷し最高
温度５００ｑ０の焼成炉に４０分間通し、有機分を除去
しつつガラスフリットを無機質絶縁層に暁付けた。

次に、式 で示されるブロック共重合体の３％トルヱン溶液を回転
塗布法にて塗布し、１０ぴ０、１０分間乾燥してポリシ
ロキサンの被膜を設けた。

次いで上記ポ‐リシロキサンの被膜を対向させ最高温度
５２０午０の焼成炉を通し、ガラスフリットを落着し、
液晶容器を形成し、封入口部にはＣｒ−Ｎｉ一Ａｕの蒸
着層を設けた。この液晶容器に実施列１と同様にし、■
ネマディク−Ａ（大日本インキ社製）‘Ｅ｝ Ｍ旧Ｂ
Ａ６の重量部、ＥＢＢＡ４の重量部の混合液晶‘Ｆ｝
Ｍ旧ＢＡ４０重量部、ＥＢＢＡ３０重量部、ＢＢＣＡ
２の重量部、コレステリルクロライド１の重量部からな
る混合液晶を各々注入し、注入口を銀ハンダで封止した
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電極被膜を設けた基板の該電極被膜を含む面に、式
   ▲数式、化学式、表等があります▼ （式中のＲはメチ
   ル基またはフエニル基、ｍおよびｎは正の数をそれぞれ
   表し、ｍ／ｎ＝０．５〜１００である）で示されるオル
   ガノポリシロキサンよりなる被膜を設けたことを特徴と
   する液晶表示用垂直配向性電極基板。 ２ 電極被膜を設けた基板の該電極被膜を含む面と前記
   オルガノポリシロキサンよりなる被膜との間に無機絶縁
   層を有する特許請求の範囲第１項記載の液晶表示用垂直
   配向性電極基板。