JPS6026365B2

JPS6026365B2 - 弱酸性乳化化粧料

Info

Publication number: JPS6026365B2
Application number: JP3389979A
Authority: JP
Inventors: 務佐藤; 浩出浦; 惣一郎小倉
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1979-03-23
Filing date: 1979-03-23
Publication date: 1985-06-24
Also published as: JPS55127308A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は皮膚に適用される弱酸性の乳化イＱ笠料に関
する。

人間の皮膚は酸性被膜（ａｃｉｄｍａｎｔｌｅ）で覆わ
れており、健康な状態では僅かに酸性（冊４．５〜６．
０）を呈している。

したがって皮膚に塗布するクリームやローション等のェ
マルションも、この程度の弱酸性であることが皮膚を健
康に維持する上で望ましい。

しかしながら、従来の高級脂肪酸アルカリ塩で乳化した
ェマルションはＰＨが８またはそれ以上になっており、
ｐＨを７以下にするためにアルカリ塩の配合量を減ずる
ことは、石鹸の乳化能力が失われてェマルションが分離
してしまうので、実用化は困難とされていた。市販され
ている多くのクリーム類が中性ないし弱アルカリ性であ
るのは、このような理由による。しかし、最近では困難
視されていた弱酸性ェマルションの研究が進行中で、幾
つかの発明が公開されて釆ている。たとえば、アシルグ
ルタミン酸塩をアニオン界面活性剤として用いる方法と
か、水酸化アルミニウムの酸性膝質懸濁液を用いる方法
などが公開されている。この発明者らも上記とは別個に
高分子乳化剤の研究開発に携わるものであるが、このた
び、カチオン化ポリマーを配合した乳化系において高級
脂肪酸とトリェ夕／ールアミンとの配合比を調整すると
、ｐＨ５．５前後の弱酸性のェマルションが得られるこ
とを見出し、発明の完成をみることができた。この発明
の弱酸性乳化イ０姓料は、油性の化粧品原料Ａ、カチオ
ン化ポリマーＢ、トリェタノールアミンまたはトリイソ
プロパノールアミンＣ、アルカリ鎖長１６〜滋の高級脂
肪酸Ｄ、および水を混合してなり、Ａは化粧料全量に対
し１０〜５匹重量％、Ｂは０．５〜３重量％を占めると
ともに、Ｄ／Ｃモル比が２以上、Ｃ／Ｂモル比が０．２
〜１．０の範囲にあることを特徴とする。

さらに詳しく説明すると、必須成分の１つである油性の
イｑ舷品原料は公３句のクリーム、ローション等で使用
されているものから任意に選択でき、たとえば流動パラ
フィン、Ｑーオレフィン重合体などの主原料のほかにワ
セリン、グリセリンモノステアレート、高級アルコール
、パラフィンワックス、ラノリン、セタノール、スクワ
ラン、等々がある。

しかしこれらは単独一種で用いられることはまれで、一
般的には後述の実施例に明らかなように主原料に数種以
上を混合して用いることが多い。また、別の必須成分の
１つであるカチオン化ポリマーとは、カチオン化窒素含
有率０．５〜３重量％のカチオン化セルロース、カチオ
ン化窒素含有率０．５〜５重量％のカチオン化澱粉を指
す。

もちろんこれらは混合して用いることができる。このよ
うなカチオン化セルロースを調製するには、グルコース
環の重合度が１００〜２００００、エチレンオキサイド
の１グルコール単位あたりの付加モル数が１〜３のヒド
ロキシェチルセルロースを窒素化合物でカチオン化反応
させる方法がすぐれており、またカチオンイＱ殿粉を調
製するには、澱粉を、グリシジルトリアルキルアンモニ
ウムハライド、３ーハロゲン２−ヒドロキシプロピルト
リアルキルアンモニウム等のカチオン化剤でカチオン化
反応させる方法がすぐれている。さらに別の必須成分と
してこの発明では高級脂肪酸およびこれと塩を形成する
対イオンを使用する。

高級脂肪酸としてはアルキル鎖長が１６から２２の範囲
のものが必要で、具体例としてはパルミチン酸、ステア
リン酸、べへン酸などがある。ただし、ミリスチン酸と
かラウリン酸などのアルキル鎖長が凶〆下の高級脂肪酸
では、水中での解離度が大きく、ェマルションのＰＨコ
ントロールが困難となるので、この発明では除外する。
また、上記高級脂肪酸と塩を形成する対イオンとしては
トリェタノールアミン（ＴＥＡと略称）が好ましいがト
リイソプロパノールアミン（ＴＩＰＡと略称）もＴＥＡ
と同様の作用を有する。

しかしナトリウムとかカリウムなどは使用できない。高
級脂肪酸のナトリウム塩とかカリウム塩では、高級脂肪
酸が通常の配合量の場合、ェマルションのｐＨがアルカ
リ性となり、目的の弱酸性ヱマルションが得られないか
らである。カチオン化ポリマーを用いた乳化系では、カ
チオン化ポリマーが種々のアニオン活性剤と複合塩を形
成して、この複合塩が乳化剤として作用する。

（侍額昭球−３５９０１）。しかし、この発明では、前
記高級脂肪酸塩とカチオン化ポリマーとの複合塩のみが
、弱酸性ェマルションの形成に必要な乳化剤として働く
のであり、それ以外の複合塩ではこの発明の目的を達成
することはできない。すなわち、この発明の乳化系にお
けるＴＥＡの挙動について発明者らはつぎのように考え
ている。ＴＥＡは水相で高級脂肪酸と反応し、脂肪酸Ｔ
ＥＡ石鹸を生成する。

ついでこの石鹸はカチオン化ポリマーと反応して複合塩
を形成する。この複合塩によって油性成分が乳化され、
ＴＥＡはカチオン化ポリマーの対イオンであったクロル
イオンと反応し、トリェタノールアミンクロラィドにな
って安定化する。これを反応式で示せば次式のようにな
る。

ＴＥＡ十ＲＣＯＯＨこＲＣＯＯＴＥＡ＋日十・・．・・
．‘１｝Ｃ・Ｐ十ＣＩ十ＲＣＯＯＴＥＡ→Ｃ・Ｐ−ＯＣ
ＯＲ＋ＴＥＡ−ＣＩ……‘２１（ただしＣ・Ｐ：カチオ
ン化ポリマー）この場合、ＴＥＡが存在しないと殆ど乳化しないことか
ら、カチオン化ポリマーと遊離脂肪酸とは反応しないこ
とが判る。

したがって【１’式に示したようにＴＥＡは脂肪酸の水
素を引抜き解離させるだけの作用を呈すると考えられる
。このとき、ェマルションのｐＨと高級脂肪酸／ＴＥＡ
モル比との間には相関関係が成立し、このモル比の大き
い場合ほど−が低下する。つぎにこの発明の構成を必須
成分の配合量、配合比の面から説明する。

まず、公知の油性イＱ鑑品原料の配合量は、ローション
、クリームの種類によって多少の変動があるが、乳化イ
○舷料全量に占める割合で少なくても１の重量％、多く
て５の重量％の範囲に収める必要がある。

また、カチオン化ポリマーの配合量は上記化粧品原料を
乳化するのに必要な量として０．５〜３重量％で充分で
あり、３重量％を越える配合量はェマルションの物性面
でマイナスとなるし、０．５重量％を下回る配合量では
乳化力が不足する。つぎに、ＴＥＡまたはＴＩＰＡの配
合童はカチオン化ポリマーの１カチオン当量につき０．
２〜１モルの範囲が適当で、この範囲を外れた場合は乳
化能が劣る。

また高級脂肪酸はＴＥＡ，ＴびＡに対し２倍モル以上配
合することが、弱酸性ェマルションの製造に必要である
。

先述したように高級脂肪酸／ＴＥＡ，ＴｍＡモル比の大
きい場合ほど、ェマルションのＰＨが低下するのである
が、この発明で言う弱酸性とはｐＨ４〜６、好ましくは
ｐＨ５〜６の範囲を指す。

皮膚の餌は約５．２であるから、ＰＨ５〜５５のェマル
ションであればなお申し分がない。たとえば高級脂肪酸
をＴＥＡに対し７〜１０倍モル使用すると、ェマルショ
ンのｐＨは５．５前後となって、ちようど好ましい弱酸
性を呈する。一方、製造方法について言及すると、この
発明では配合成分の混合順序に強いて限定されないが、
通常は公知の油性イ○姓品原料高級脂肪酸を加温溶融混
合し、これをカチオン化ポリマー、ＴＥＡまたはＴＩＰ
Ａ等を加温混合した水溶液に加えて乳化させる手段が採
用される。

高級脂肪酸は油相に加えても、水相に加えて分散状態に
しても、同一のェマルションが得られるのであるが、作
業性の点から言えば油相に加えておいた方が、取扱い易
いｏなお、この発明でも皮膚化粧料の分稗野で知られて
いる常用成分や任意成分を適宜添加することができる。

なかでも酸性で効果の著しい添加剤としてピ。リドンカ
ルボン酸ソーダ塩、アルギン酸等であるが、この発明の
ェマルションは弱酸性であるから、これらの添加剤の効
果を十分に発揮させることが可能である。以上説明した
如くこの発明の化粧料は弱酸性のェマルションであり、
また、皮膚用化粧料の必須要件である安定性にもすぐれ
ているから、クリ−ムや。

ーションなど皮膚に適用されるイＱ艦料として高度の商
品価値を有するものである。さらに実施例を挙げてこの
発明の効果を具体的に説明する。

実施例１表１に示す油相成分、水相成分をそれぞれ８０℃、７３
℃に溶融混合し、ホモミキサーを用いて５００比ｐｍ、
２０分間、７ぴ○で乳化した。

このヱマルションを１００〜２０爪ｐｍで冷却鷹拝しつ
つ６０〜５５０間で香料を添加し、３５ｑＣまで櫨梓を
続け、放置後に容器に流し込んだ。同表に、ェマルショ
ンの安定性とｐＨに及ぼす油分量の影響を示す。

。油分量１０重量％（Ｍ．１，２）、２０重量％（Ｍ．
３）、３の重量％（紬．４）、５の重量％（Ｍ．５，６
）のいづれの場合も弱酸性ェマルションが得られ、高温
安定性もすぐれていることが分る。

表１＊１グリシジルトリメチルアンモニウムクロラィドで
カチオン化した窒素含量２．６％のカチオン化澱粉＊２ライオン油脂社製レオガードＧ実施例２表２の配合組成に従って実施例１と同様の手順で６種の
ェマルションを調製し、アニオン活性剤のェマルシヨン
のＰＨに及ぼす影響を調べた。

同表に明らかなように、ステアリン酸Ｎａ（Ｍ．８）と
か、ＬＥＳＮａ（Ｍ．９）とか、ＡＳ−ＴＥＡ（Ｍ．１
０）などの活性剤では、アルカリ性のェマルションしか
得られないのに対し、高級脂肪酸／ＴＥＡ（Ｍ．７，１
１）だけが弱酸性のェマルションを得ることが分る。表
２＊３ポリオキシエチレン（３モル）ラウリルェーテル
硫酸ナトリウム塩＊４オキソ法合成Ｃ，２−，５脂肪
族アルコール硫酸ェステルトリェタ／−ルアミン塩Ｍ．
８，Ｍ．９，舷．１０，のステアリン酸Ｎａ，ＬＥＳ−
Ｎａ，ＡＳ一ＮａはＭ．７のトリエタノールアミンと当
モルである。

実施例３ＴＥＡのカチオン化ポリマーに対する配合量を変え、表
３に示す配合組成に従って実施例１と同様の手順で５種
のェマルションを調製した。

ＴＥＡ／カチオン化ポリマーのモル比が過多で・・ある
と（Ｍ．１７）、高温安定性が損なわれる。またＴＥＡ
の配合量を零とすると（Ｍ．１３）、ェマルションが得
られないことが分る。この発明の効果を得るためには、
上記モル比が０．２〜１．０の範囲になければならない
（Ｍ．１４〜１６）。

表３＊５ライオン油脂社製パミート４＄実施例４つぎに高級脂肪酸とＴＥＡの配合比の関係をみるため、
表４の配合組成に従って実施例１と同様の手順で８種の
ェマルションを調製した。

表４に明らかなように、高級脂肪酸の配合量が０．１重
量％と少ない場合にはＴＥＡが１．の重量％と多量でも
乳化は可能で、高温安定性も問題がない。

しかしながらＰＨは９．０となって目的とする弱酸性ェ
マルションが得られない（Ｍ．１９）。結局、発明の目
的を達成するには高級脂肪酸／ＴＥＡモル比が適正範囲
にあることも必要で、これが２以上であれば、高温安定
性にすぐれた弱酸性ェマルションが得られる。（Ｍ．２
３〜２５）。表４実施例５高級脂肪酸のアルカリ鎖長による影響をみるため、表５
の配合組成に従って実施例１と同じ手順で６種のェマル
ションを調製した。

同表に明らかなように、アルカリ鎖長が１２のラウリソ
酸（Ｎｏ．３０）とか１４のミリスチン酸（Ｍ．２９）
・章寒を使用した場合は、ェマルションのＰＨがいくら
かアルカリ側に移動して一定とならない。

アルキル鎖長が１６のパルミチン酸（舷．２８）、１８
のステアリン酸（舷．２７）、松のべへン酸（舷．２６
）を使用した場合は、高温安定性のすぐれた弱酸性ヱマ
ルションが縛られることが分る。

表５

Claims

【特許請求の範囲】

１油性化粧品原料Ａ、カチオン性窒素含有率０．５〜
３重量％のカチオン化セルロースまたはカチオン性窒素
含有率０．５〜５重量％のカチオン化澱粉Ｂ、トリエタ
ノールアミンまたはトリイソプロパノールアミンＣ、ア
ルキル鎖長１６〜２２の高級脂肪酸Ｄ、および水を混合
してなり、Ａは乳化化粧料全量に対し１０〜５０重量％
、Ｂは０．５〜３重量％を占めるとともに、Ｄ／Ｃモル
比が２以上、Ｃ／Ｂモル比が０．２〜１．０の範囲にあ
ることを特徴とする弱酸性乳化化粧料。