JPS602534B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、円すし、ころ軸受殊に油潤滑のもとで高速
回転に用いられる円すし、ころ軸受に関する。

従来の円すし、ころ軸受は、円すし、ころの大端面が、
負荷荷重の一部（スラスト荷重）を受けて、内輪の大径
端部外周に一体形成されたころ案内つばにすべり接触し
て、内外論の円すい軌道間で転動する。

また円すし、ころを、内外輪の円すし、軌道間で円周等
間隔に保持する保持器は、その保持窓を円すし、ころの
転動表面にすべり接触して、該円すし・ころに案内され
ている。ところでこの種の円すし、ころ軸受は、回転中
は、円すし、ころの大騰面と内輪のころ案内つばとがす
べり接触するため、該接触面は、すべり摩擦抵抗により
温度上昇し、競付きを生じ易い。

従って該すべり接触面に十分な潤滑油を送り、冷却し、
また潤滑油膜の形成を容易とすることが必要であって、
その高速回転には、そのことが一層必要である。しかし
、一般に、円すし、ころ軸受を高速回転する場合には、
潤滑油を円すいころの小端面側から供給して軸受を潤滑
するが、軸受内部に供給された潤滑油は、軸受の回転遠
心力により外輪の円すＬ・軌道面に振りとばされ、しか
も円すし、軌道に沿って円すし、軌道の大径側に移送さ
れるので、最も潤滑油膜の形成が必要とされる内輪のこ
ろ案内つばのころ案内面に潤滑油が供ｖ給されにくく、
該面に十分な潤滑油膜を形成することができない。

また保持器が円すし、ころで案内される形式のものであ
るため、該保持器のころ保持窓を精度よく機械加工する
必要があるが、現在の加工技術では、その精度を十分に
満足するように加工することができず、どうしても保持
器のころ案内面と円すし、ころとの間隙が不揃いになる
。該間隙が不牛飼いになると、軸受回転時に保持器と円
すし、ころの間の振動が大きくなり、その結果軸受の円
滑な回転が著しく阻害され、保持器の破損を招く。この
煩向は軸受の回転が高速化される程著しくなる。そこで
出願人は、上記のような欠点を解消するため第１図に示
す構造の円すし、ころ軸受を先に出願した。即ち、第１
図に示す円すし、ころ軸受は、内輪１の大蚤側外周に突
出する案内つばを廃して外輪２の大径端部の内周面に形
成された大径周段部２ｃに、円すし、ころ３の大端面３
ａに向けて延在するころ案内面４ｂを一端面４ａに有す
るスラストリング４を設け、該スラストリング４の内蓬
面４ｃと外輪小蓬端都内蓬面２ｂとを円筒面に形成して
円すし、ころ３を保持する保持器５両端の外周５ａ，５
ｂに対峰する保持器案内面となし、外輪軌道面２ａとス
ラストリング４のころ案内面４ｂとで形成される角の環
状凹所６に、その底部に閉口する通数の擬油孔７を設け
てなる構造である。。かかる構造の円すし、ころ軸受は
、円すし１ころ３の小端面３ｂ側から供聯合された潤滑
油が、軸受回転中その遠心作用で前記スラストリング４
のころ案内面４ｂに向かって効率よく供給された該案内
面４ｂに十分な潤滑油膜を形成し、また保持器５は、外
輪２の大蓬周段部２ｃに設けたスラストリング４の円筒
状内周面４ｃおよびぴ外輪２の小径側端部に設けた円筒
状内周面２ｂで案内されるので、軸受回転時における振
動を生ずることなく精度よく案内され、案内面において
も十分な潤滑油膜を形成することができる利点がある。
ところで、第１図の円すし、ころ軸受も、９Ｅ油孔７か
らの排油量が十分でないと、環状凹所６に潤滑油が過剰
に溜り、この潤滑油が円すし、ころ３の回転により蝿拝
され、この鷹伴抵抗によって軸受の摩擦抵抗が増加し、
軸受の温度を上昇させるので好ましくなく、軸受が超高
速で回転すると、上記の縄梓抵抗がますます増加するの
で、環状凹所６内の潤滑油の排出を効率よく行うことが
一層必要である。

実際に、環状凹所６を形成するスラストリング４の小さ
なころ案内面４ｂに大きな排油孔７を形成したり、貴Ｅ
油孔７の数を増やすことは困難であり、またスラストリ
ング４の強度を低下させるので好ましくなく、さらに軸
受回転中、環状凹所６内の潤滑油は円すし、ころ３の転
勤により常に縄拝されているので、排油孔７への流入が
妨げられ、スムーズな排油が行なわれない。

この発明は、本出願人が先に提案した上記構造の円すし
、ころ軸受をさらに改良したもので、環状凹所内の潤滑
油の排出を効率的に行い得、かつ耐久性に優れ、高速お
よび超高速回転に適した円すし・ころ軸受を提供するこ
とを目的とするものである。

次にこの発明の実施例を図を参照して説明すると、内輪
１の大径側の外周に突出していた従来のころ案内つばを
廃して外輪２の大蓬端部の内周面に形成された円筒状の
大径周段部２ｃに、筒体の一端外周にフランジ９を形成
して断面路」形とした別体のスラストリング４を該フラ
ンジ９の内側面９′が外輪２の小端面に当綾するように
欧合するとともに、該スラストリング４の筒体の円すし
、ころ３の大端面３ａに向けて延在する他端部の端面４
ａの内径側に、円すし、ころ３の該大端面３ａに接触す
るころ案内面４ｂを形成し、円すし、軌道面２ａを有す
る外輪２の、小怪端部の内周面２ｂおよび前記スラスト
リング４の筒体内間面４ｃを、軸受の鞠心と同心の円筒
面に形成し、円すいころ３を保持する保持器５の両端部
を外周に向かってつば状に形成した該様部外周面５ａ，
５ｂを、前記外輪２の円筒内周面２ｂとスラストリング
４の筒体の円筒内周面４ｃにそれぞれ案内させる。

また、前記スラストリング４は、前述のようにフランジ
９の内側面９′を外輪２の４・端面に当俵させて外輪２
の大径周段部２ｃ内で軸方向に位置決めさせることによ
り、該リング４の筒体の池端面４ａを外輪２の大蓬周段
部２ｃの側面２ｃ′に対し、軸方向に間隔を保たせ、周
溝８を形成している。そして前記周億８は外輪２の円す
し、軌道面２ａとスラストリング４のころ案内面４ｂと
で形成される隅角の環状凹所６の底部に関口する。さら
に該周溝８に閉口する通数の擬油孔７を外輪２またはス
ラストリング４に設ける。なお、図中Ａはハウジングで
あり、Ｂはスラストリング４の外方端面に接して同リン
グ４を位置決めする部材である。また周溌８に閉口する
通数の前記雛油孔７を、スラストリング４の筒体の環状
のころ案内面４ｂの外径に接するかもし〈は該外径より
僅かに外方からスラストリング４の筒体の外径を越え僅
かに前記フランジ９の根元に達する寸法の孔径Ｄを以つ
てスラストリング４に軸方向に形成してある。

第２図および第４図の実施例の構成は、周溝８および緋
油孔７を大きく形成することが可能であり、環状凹所６
内の潤滑油の排出を一層効率的に行うことができる。さ
らに第５図および第７図の実施例は、第２図ないし第４
図の実施例の場合のように、排油孔７をスラストリング
４に軸方向に形成する代わりに、外輪２の大径周段部２
ｃの内奥に前記周簿８に蓮通する周溝１０を形成し、該
周溝１０の底部に閉口する排油孔７を外輪２に径方向に
設けたものである。

ＣはハウジングＡの内周に設けた周溝に蓮適する排油孔
である。なお、第７図において破線に示すように外輪２
の円すし、軌道面２ａに続く大径周段部２ｃの肩部を斜
面に形成し、該斜面に対峰するスラストリング４の筒体
の端面４ａを同じく斜面に形成して前記周溝８を大きく
形成してもよい。

この発明は、以上の構成であるから、円すし、ころ３の
小端面３ｂ側から供給された潤滑油は、軸受回転中その
遠心作用で前記スラストリング４の筒体のころ案内面４
ｂに向かって効率よく供総合され、議案内面４ｂに十分
な潤滑油膜を形成することができると共に、環状凹所６
内に溜る潤滑油は、その底部に閉口する周溝ａ、第５図
ないし第７図の実施例にあってさらに周溝１０を通じ、
局溝８または１川こ閉口する通数個の緋油孔７から軸受
外へ排出されるので、鱗受回転による環状凹所６内の潤
滑油燈梓抵抗が小さくなり、軸受の温度上昇を低下させ
ることができる。

特にこの発明では、上述のように環状凹所６の底部に閉
口する周溝８を形成し、スラストリング４または外輪２
に設けた各擬油孔７を前記周溝８で蓮通させたので、各
排油孔７の関口部が円すし、ころ３に邪魔されることが
なく、環状凹所６内の潤滑油を各８Ｅ油孔７からスムー
ズに排出することができ、また前記周溝８を形成するこ
とにより各擬油孔７を大きく形成することが可能となり
、限られた狭いスペースを有効に活用して８Ｅ油効果を
向上させることができる。またスラストリング４は、フ
ランジ‐９で外輪２に対し、正確に位置決めされるため
、周溝８は、特別な加工をすることなく極めて容易に確
実に確保できる。さらに保持器５は、その両端外周面５
ａ，５ｂを上述のようにそれぞれ外輪２の小径端部内蓬
面２ｂとスラストリング４の筒体の内蓬面４ｃに案内さ
せるので、軸受回転中の回転精度が向上し、案内面にお
ける潤滑も向上させることができる。

以上のような特徴を有するこの発明の円すし、ころ軸受
は、ガスタービン等の超高速回転用軸受として最適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本出願人により先に開発された円すし、ころ軸
受の縦断面図、第２図はこの発明の実施例の縦断面図、
第３図は第２図のｍ−山線における側面図、第４図は第
２図の要部の一部拡大図、第５図は他の実施例の縦断面
図、第６図は第５図のけ‐Ｗ線における側面図、第７図
は第５図の要部の一部拡大図である。 １・・・…内輪、２・・・・・・外輪、３・・・・・・
円すし、ころ、４・…・・スラストリング、５・・・・
・・保持器、６・・・・・・環状凹所、７・・・・・・
排油孔、８・・・・・・周溝、９・・・・・・フランジ
、１０・・・・・・周溝。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内輪の大径側外周に突出する案内つばを廃して外輪
   の大径端部の内周面に形成された大径周段部に、筒体の
   一端外周にフランジを形成して断面路」形とした別体の
   スラストリングを該フランジが外輪の小端面に当接する
   ように嵌合するとともに、該スラストリングの円すいこ
   ろの大端面に接するころ案内面を形成した筒体の他端面
   と前記外輪の大径周段部の側面との間に、軸方向間隔を
   設けて外輪軌道面とスラストリングのころ案内面とで形
   成される隅角の環状凹所に開口する周溝を形成し、該周
   溝に開口する適数の排油孔を外輪または、スラストリン
   グに設け、さらに前記スラストリングの内径面と外輪の
   小径端部内径面とを円筒面に形成して円すいころを保持
   する保持器両端の外周に対峙する保持器案内面としてな
   る円すいころ軸受。