JPS60250815A - 耐クラツク性及び耐摩耗性に優れた球状黒鉛鋳鉄カリバロ−ル及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、耐クラツク性及び耐摩耗性に優れた球状黒鉛
鋳鉄カリバロール及びその製造法に係りより詳しくは、
球状黒鉛鋳鉄カリバロールの使用層を耐クランク性、耐
摩耗性に対し優れた特性を有する基地組織としたものに
関する。

〈従来技術〉 熱間圧延設備における粗圧延スタンドでは、圧延材が高
温で、しかも圧延速度が遅いので、ロールに対する熱負
荷は極めて大きい。このため、粗圧延用ロールは、熱疲
労によるクラ・７りが発生し易く、厳しい圧延条件のも
とて該クラ・ツクの進展によりロール折損事故が生ずる
ことが多い。従来、斯かる用途に好適なロールとして球
状黒鉛鋳鉄ロールがある。

球状黒鉛鋳鉄ロールは、基地中に球状黒鉛の分散した組
織をもち、該黒鉛がクランクの進展を阻止し、クランク
を亀甲状に分散するため、比較的良好な耐クラツク性を
備えている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、従来の球状黒鉛鋳鉄ロールは、上述の熱
間圧延での粗圧延スタンドにおけるような熱および荷重
の厳しい使用条件に対してなお耐クランク性が不足し、
折損事故を引起すことも少なくない。

特に第１図の如く、ロール表面に圧延成形用のカリバが
加工されたカリバロールでは、カリバ底部２での応力条
件が特に厳しいから、プレンロールに比べて使用条件は
より厳しいといえる。尚、同図において、カリバ部１ａ
はボックス、１ｂはオーバル、１ｃはスクエア、１ｄは
ダイヤと指称され、また３はフランジ部、４はジャーナ
ル部、５はロール使用層（通常１０〜７０鶴厚）、６は
ロール芯部を示す。いうまでもなく、ロール折損事故の
発生は、ロール損耗量の増大のみにとどまらず、圧延効
率の低下と、それに伴う生産性の低下を惹起する。

また、耐折損性とともに、耐摩耗性の向上の要求も強く
、耐摩耗性をも含めて、ロール材質の改善を計る必要が
ある。

耐摩耗性についてはロール使用層の硬度の向上が必要で
あるが、ロールが熱間圧延に使用される点から、高温で
硬度が低下する、焼戻し抵抗の低いマルテンサイト、ベ
ーナイトではその目的を達することはできない。また、
セメンタイトについては、多い程耐摩耗性が向上するが
増加すれば著しく耐タラ・７り性、耐事故性を損うため
、従来程度以上の大きな増加は困難である。

クラックとロール材質との関係は、 ・ヒート・クラックの発生；　靭性（伸び）・鉢巻クラ
ンクの発生　；　耐力 ・クランクの進行　；　破壊靭性値 であることが知られている。このうち、破壊靭性値は、
靭性と耐力の双方と関連があり、靭性と耐力の向上によ
って、破壊靭性値は向上する。

靭性を向上させるための方策としては、基地組織を、フ
ェライト、パーライト２相微細混合組織とすることが有
効であり、特願昭５５−３２０７０号等に述べられてい
る通りである。したしながら、フェライト、パーライト
２相組織では、どうしても耐力が低く、鉢巻クランクが
発生し易い傾向にあった。尚、鉢巻クランクとは、ヒー
ト・クラックが最大応力発生位置で円周方向に連結する
クラックをいう。

耐力を向上させるためには、熱処理時に急冷することが
有効であるが、特願昭５５−１６８６４９号に示されて
いる程度の冷却速度（５００℃／Ｈｒ以下）では、効果
は少ない。

〈問題を解決するための手段〉 本発明は、以上の問題に鑑みなされたもので、球状黒鉛
鋳鉄カリバロールの化学組成及び熱処理を改善すること
によって、従来に例をみない耐クランク性及び耐摩耗性
の共に優れた球状黒鉛鋳鉄カリバロール及びその製造法
を提供せんとするものであって、 その手段は、化学組成が重量％で、 Ｃ：、３．０〜３．８　％　Ｎｉ：１．２〜３．０　％
Ｓｉ：　１．５〜２．５　％　Ｃｒ　：　０．０５　〜
０．６％Ｍｎ　：　０．２〜１．０　％　Ｍｏ：　０．
１〜０．８　％Ｐ：０．２　％以下　Ｍｇ：　０．０２
〜０．１％Ｓ　：　０．０６％以下 残部実質的にＦｅであって、ロール使用層の基地組織が
フェライトと緻密なパーライトの２相微細混合組織で、
フェライトの面積率が１〜１０％で、かつ耐力が５５　
ｋｇ　／　ｍｉ以上であって、カリハ底部の硬度がフラ
ンジ部の同一径位置での硬度よりＨｓ２〜１０高く、か
つカリバ底部の基地組織中のセメンタイト量がフランジ
部の同一径位置でのセメンタイト量と略同等であること
を特徴とする球状黒鉛鋳鉄カリバロールであり、 該カリバロールの製造法は、紙上の化学組成を有する球
状黒鉛鋳鉄のプレンロール鋳造素材を、その熱処理の前
に、予めカリバ部で１〜２０ｍｍの余肉を残すようにし
て粗加工し、しかる後に少なくともロール使用層を８０
０〜８６０℃で２０８ｒ以下保持後、５００〜１５００
°Ｃ／Ｈｒの冷却速度で４００〜６００℃まで冷却し、
その後５２０〜６２０°Ｃで恒温変態させることを特徴
とする方法である。

〈作　用〉 第１の発明に係る特定化学組成の球状黒鉛鋳鉄カリバロ
ールは、その使用層の基地組織を微少フェライトと緻密
なパーライトの２相微細混合組織とし、しかもフェライ
ト量１〜１０％（面積率）と押えたから、強靭であって
しかも５５＋ｔｇ／ｎ（以上の高耐力を確保でき耐クラ
ツク性に優れる。また、使用層の組織を上記２相微細混
合組織とすると共に、特に熱間加工上耐摩耗性を要求さ
れるカリハ底部での組織中のセメンタイト量を、フラン
ジ部の同一径位置における芯部のセメンタイト量と略同
等としているから、カリパ底部でのセメンタイトが過多
とならずそれ故耐クラック性を低下させずに、硬度の向
上が計られ、耐摩耗性に優れる。

また、第２の発明の製造方法は、特定化学組成の球状黒
鉛鋳鉄のプレンロール鋳造素材を、その熱処理前に、予
めカリへ部で１〜２０龍の余肉を残すようにして粗加工
し、しかる後に少なくともロール使用層を８００〜８６
０℃で２０１１ｒ以下保持するから、カリハ部及びフラ
ンジ部の使用層の基地組織を微少フェライト量でフェラ
イト及びオーステナイトの混合組織にすることができる
。次いで５００〜ｂ するから、割れ不良及び粗大パーライトの発生を防止で
き、しかも冷却中のフェライトの析出を阻止し、基地中
のフェライト面積率を１〜１０％にすることができる。

フェライト面積率が低いと、ロール材の耐力の低下を抑
止でき、耐クラツク性の向上を図ることができる。そし
て、５２０〜６２０℃で恒温変態させるから、常温硬度
と高温硬度とが略比例するパーライトであって、しかも
耐摩耗性及び強靭性、高耐力の基になる緻密なパーライ
トがオーステナイトより析出する。また使用層のセメン
タイト量は紙上の熱処理により増加することなく、緻密
なパーライト中に存在するだけであるから耐クラツク性
、耐事故性の面で不利になることはない。

〈実施例〉 以下、本発明の球状黒鉛鋳鉄力リハロールをその製造法
と共に説明する。

先ず、本発明のカリバロールの球状黒鉛鋳鉄材質の成分
範囲をその限定理由と共に以下に説明する。尚、単位は
重量％で示す。

Ｃ：　３．０〜３．８％ Ｃは、セメンタイトおよび黒鉛の形成に直接関与する。

３．０％未満ではセメンタイ１〜および黒鉛の量が不足
し、ヒートクラックの分散効果が不充分となって、球状
黒鉛鋳鉄としての特徴を充分に発揮することができない
。ただし、多量になると材質の脆弱化をまねくので、３
．８％を上限とする。

Ｓｉ　：　１．５〜２．５％ Ｓｉは、セメンタイトと黒鉛の量比率を左右し、１．５
％未満ではセメンタイト量が過剰となる。一方、２．５
％を超えると、黒鉛が多くなり過ぎて軟化するとともに
、基地組織が脆弱となるため、好ましくない。

Ｍｎ　：　０．２〜１．０％ Ｓの害を抑えるとともに、硬度アンプに効果がある。こ
の目的で０．２％以上必要であるが、１．０％を超える
と、材質が硬く、脆くなる。

Ｐ：０．２％以下 Ｐは材質を脆弱にするので、０．２％以下とする。

なお、Ｐは溶湯の流動性を良くし、耐摩耗性を高めるの
で、０．２％を上限とし、０．１％以上加えてよい。

ｓ：ｏ、ｏｅ％以下 Ｐと同様に材質を脆弱にし、また、黒鉛の球状化を阻害
するので、０．０６％以下とする。

Ｎｉ　：　１．２〜３．０％ 黒鉛化と焼入れ性を向上させる効果がある。１゜２％未
満では、ロールのような大容量の物に対する焼入れ効果
は期待できない。一方、３．０％を超えると、本発明の
目的とするパーライトを得るためには、長時間の恒温変
態が必要となり、コスト面でマイナスとなる。なお、３
．０％を超えた材質で、ヘーナイトやマルテンサイトを
析出させることは可能であり、硬度は大きく上昇するが
、それらは熱的に不安定であり、熱間圧延用ロールとし
ては適当でない。

Ｃｒ　：　０．０５〜０．６％ 主として、セメンタイト安定化効果を目的としており、
０．０５％未満ではその効果が期待できない。

一方、０．６％を超えると、セメンタイト量が過剰とな
って、材質が脆化する。

Ｍｏ　：　Ｏ６１〜０．８％ セメンタイト安定化と焼入れ性向上の効果があり、０．
１％未満ではその効果が期待できない。一方、０．８％
を超えると、セメンタイト量が過剰となり、また、基地
硬度向上効果も飽和してくるため、経済面でマイナスで
ある。

Ｍｇ二０．０２〜０．１％ 黒鉛球状化に必要であり、０．０２％未満では、球状化
不良を発生する。一方、０．１％を超えると、鋳造欠陥
が発生し易くなるほか、セメンタイト量の増加による材
質の脆化をまねく。

本発明のロール材質は以上の各成分を含み残部が実質的
にＦｅであるが、必要に応じて以下の成分を含有せしめ
ることができる。

Ａβ二０．３％以下 球状黒鉛鋳鉄材質の場合、一般に接種処理が行われるが
、その場合に、ＡＡはその効果を高めるため、０．３％
以下の含有により、材質は改善される。

Ｃａ　：　０．１％以下 Ａ／２と同様な効果があるため、０．１％以下の含有に
より、材質は改善される。

希土類元素＝０．１％以下 黒鉛球状化安定剤として有効であり、０．１％以下の含
有により、材質は改善される。

而して、斯かる材質からなる本発明の球状黒鉛鋳鉄力リ
バロールを〈第２図に示した熱処理線図を参照してその
製造工程順に詳述する。

（ｌン　熱処理前加工 本発明は鋳造によって得られた球状黒鉛鋳鉄ブレンロー
ル素材を、その熱処理に先たち、予めそのカリ凸部を切
削成形する粗加工を実施することに１つの特徴がある。

第３図は１例としてグイヤカリパを有するカリバロール
についての粗加工状態を示し、図示実線は熱処理前の粗
加工状態、図示点線は熱処理後の製品寸法を示している
。この場合、勿論図示１部分がそのカリ八部に相当し、
３部分がそのフランジ部に相当する。このカリ八部を粗
加工するに当っては、その余肉（図中寸法ｄ）を１〜２
０ｍ１　（片側）を残すようにする。すなわち、この余
肉は小さい程効果的であるが、ｌ　ｍｍ未満では最終の
カリバ仕上げ加工において熱処理時の表面脱炭層を完全
に除去できず、一方２０ｔｍを超えると表面削代が過大
となり本発明の効果が小さくなるためである。なお、フ
ランジ部の余肉については、本発明の目的から特に規定
する必要がないが、一般に片肉３顛程度が１例として挙
げられる。またジャーナル部４の余肉についても重要な
事項とはなり得す、場合によってはフランジ部、ジャー
ナル部については加工を加えないで熱処理することもで
きる。

（２）熱処理 上記の如く粗加工を加えた鋳造素材は、第２図に示す熱
処理線図に沿って熱処理される。以下、熱処理線図の各
ゾーンの作用等について述べる。

Ａ；昇温過程であり、熱歪による割れ等のトラブルを生
じないように網筒する以外には特に制限はない。

Ｂ、８００°Ｃ〜８６０℃とする。この温度域では、フ
ェライト＋オーステナイト（微少フェライト）であり、
その後の冷却によって、フェライト、パーライト２相組
織が形成され、靭性を大きく改善することができる。８
００°Ｃ未満では、フェライト量が多くなり過ぎて、靭
性の面では問題ないが、耐力が低下する。一方８６０°
Ｃを超えると、全てオーステナイトとなり、靭性が劣化
する。

保持時間については、コストの面から、２０Ｈｒ以下が
適当である。

Ｃ；５００〜１５００°Ｃ／Ｈｒとする。この部分で、
オーステナイト→フェライト＋パーライトとなるが、８
００”Ｃ未満の温度でのフェライトの析出を抑え、また
、耐力５５　ｋｇ　／　ｉｉ以上とするためには、前述
化学組成の材質では、５００°Ｃ／Ｈｒ以上が必要であ
る。１５００℃／Ｈｒを超えても、拐質の改善度合は比
例的に大きくならず、また、実際の生産上、困難が多い
。

この冷却速度で処理した場合、フェライト量は１〜１０
％（面積率）である。なお、この冷却速度は、第１図記
載の使用層全体で達成される必要がある。５００〜１５
００’Ｃ／Ｈｒの冷却速度を達成するためには、噴霧水
冷等の方法を必要とする。また、使用層のみを急激に加
熱、冷却する方法も有効である。

Ｄ；４００°Ｃ〜６００℃とする。４００’Ｃ未満にし
た場合、上述冷却速度の場合、確実に割れ不良を発生す
る６６ｏｏ′ｃを超えると、ロール内部からの復熱によ
って、より温度が−Ｆ昇しく６２０℃以上）、パーライ
トが粗大となる。

Ｅ；５２０℃〜６２０　”Ｃとする。主として、恒温変
態を目的としたものであるが、前述化学組成では、５２
０°Ｃ未満では、はとんどパーライト変態を起さない（
パーライト変態を起すためには長時間を要する）。６２
０　’ｃが大略パーライト・ノーズであり、６２０℃以
下のパーライトでなければ、緻密なパーライトにならず
耐力の向上は望めない。

時間については、コスト面から、５０　Ｈｒ以下が適切
である。

本発明では、予めカリ凸部の粗加工をした後、紙上の熱
処理を行うから、カリハ底部等のロール使用層の硬度は
、カリバ底部と同一径位置のロール芯部に対しＨｓ２〜
１０の硬度の向上を図ることができる。また、カリ八部
のセメンタイト量はフランジ部の同一径位置におけるセ
メンタイト量と略同等であるので、セメンタイト量の増
加はなく、耐クラツク性が低下する心配はない。ところ
で、カリ八部の耐摩耗性向上を目的として、カリバ鋳造
を行う場合があるが、該方法では、カリ八部のセメンタ
イト量の増加を当初より企図しているので、耐クラツク
性の劣化を回避できない欠点がある。

尚、本発明熱処理の前に、セメンタイト分解を目的とし
た熱処理（一般に知られているように、９００〜１００
０℃で１〜２０Ｈｒ）を行うことも、靭性向上には有効
であるが、セメンタイト分解熱処理の特徴は、 ｉ）　ロール表面近傍のセメンタイトが急激に分解する
。

ｉｉ）　ロール内部（カリハ底を含めて）のセメンタイ
トの分解は少ない。これは、カリバ付熱処理の場合も同
じである（温度分布によるものではなり、利質面の問題
、例えば、ロール内部のセメンタイト中のＣｒ含有１が
高い、等によるものであると推定される）。

ｉｉｉ　）　コスト面で不利であり、また、ロールの変
形、酸化膜の形成、等の問題を発生し易い。

ｉｖ）　Ｃｒ含有量が０．２％を超えると、セメンタイ
ト分解量は急激に低下する。

であり、通常耐摩耗性の要求されるフランジ側壁部の耐
摩耗性劣化、また、耐クラツク性の要求されるカリバ底
以深の耐クラツク性の向上度合が少ない、という点から
、適用スタンドの要求に応じて検削ずべきである。

また、以上の所定の熱処理をした後、歪取り焼鈍が行わ
れる場合があるが（高合金タイプ、大形状ロール）、該
歪取り焼鈍については、別設特色はなく、通常の通り４
００〜６５０℃の温度で行われる。

以上に述べた本発明の熱処理について、具体的データに
基づき説明する。

Ａ、冷却速度と機械的性質との関係 （１）供試材 φ８００隨のロールの表面から８０１の位Ｗで試料を採
取し供試材とした。該供試材の化学組成は、第１表の通
りであった。

次　葉 第１表 注　１、単位　重量％ ２、　残部実質的Ｐｅ （２）熱処理 第２図において Ｂ：８５０℃Ｘ３Ｈｒ Ｃ：　各種の冷却速度を与えた Ｄ：４６０℃ Ｅ：５５０℃×１２Ｈｒ （３）結　果 第４図に示す。本図より、５００°ｃ／Ｈｒ以上で耐力
、硬度の上昇度合が大きく、一方、１５００°Ｃ／）ｌ
ｒを超えても材質の変化はほとんどないことが判る。

この材質のパーライト・ノーズは約６２０℃であるが、
６２０℃に冷却された時点では、３００°Ｃ／Ｈｒのと
き、変態完了 ５００　’ｃ　／　ｆｉｒのとき、オーステナイト残存
１５００°Ｃ／Ｈｒのとき、はとんどオーステナイト（
微少のフェライト残存） であると考えられる。

Ｂ、冷却速度と金属組織との関係 （１）供試材 φ７８０龍のロールの表面から５０龍の位置で試料を採
取し、供試材とした。該供試材の化学組成は、第２表の
通りであった。

次　葉 第２表 注　１．単位　重量％ ２、残部実質的Ｆｅ （２）熱処理 第２図において Ｂ：８３０°ＣＸ１０Ｈｒ ｃ’：１ｅｏ°Ｃ／Ｈｒ及び８００℃／ＨｒＤ：５００
℃ Ｅ：５２０℃Ｘ　４０Ｈｒ （３）結　果 冷却速度が１６０°Ｃ／Ｉｌｒの試料（比較例試料）の
顕微鏡写真を第５図ａ−ｂ−Ｃに示し、８００℃／ｉｌ
ｒの試料（実施例試料）の顕微鏡写真を第６図ａ−ｂ−
ｃに示す。

拡大倍率は、ａが×５０、ｂがＸ４００　、　ｃがＸ　
２０００である。

該金属組織顕微鏡写真より、本発明の実施例試料は、比
較例試料より、フェライトが少なく、かつパーライト自
体も緻密な層状とされている様子がよく判る。

次に具体的実施例、比較例を掲げて説明する。

（１）第３表に示す実施例１〜５、比較例１〜３の球状
黒鉛鋳鉄力リバロール素材に、予めカリバ粗加工を施し
、第２図中の各熱処理ゾーンを下記の条件で熱処理した
。

記 Ｂ：８５０℃Ｘ　６Ｈｒ Ｃ：　第４表に示す Ｄ：４５０℃ Ｅ：５８０℃Ｘ　１８Ｈｒ （２）　カリバ底における使用層の機械的性質を第４表
に示す。

第４表 （３）　実機テスト 比較例１は、伸びは大きいが耐力が低く、鉢巻クラック
のために、折損事故が発生した。これは、冷却速度が低
いためである。

比較例２は、Ｃｒが高過ぎるため、伸びが低くヒート・
クランクの問題を発生した。

比較例３は、Ｎｉが低過ぎるため、耐力を太きくするこ
とができず、鉢巻クラックの問題を発生した。

本発明実施例１〜５は、スタンドの要求特性に応じて適
用した結果、耐クランク性、耐摩耗性の両面で特に問題
は生ぜず、好評であった。

〈効　果〉 このように、本発明の球状黒鉛鋳鉄カリ八コールは、耐
クラツク性及び耐摩耗性が共に優れるから、加工条件の
厳しい熱間圧延粗スタンドに使用しても、熱的疲労によ
るクラックの発生、進展及び圧延加工に伴う摩耗を可及
的に減少せしめ、ロール寿命の延長を図ることができ、
生産性向上に資する点、著大である。また、本発明に係
る上記カリ八コールの製造方法は、カリハ部を含むロー
ル使用層を、フェライトの析出を可及的に防止して、か
つパーライト組織を緻密にした基地組織とすることが確
実容易にできるので、該カリ八コールの製造方法として
優れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカリ八コールの部分縦断面図、第２図は本発明
製造法に係る熱処理線図、第３図はカリハロールの粗加
工状態の１例を表す説明図、第４図は冷却速度と機械的
性質を表すグラフ図、第５図ａ−ｂ・Ｃは冷却速度１６
０”Ｃ／Ｈｒの場合の金属組織顕微鏡写真、第６図ａ−
ｂ−ｃは冷却速度８００℃／Ｈｒの場合の金属組織顕微
鏡写真を示す。 １・１ａ・１ｃ・１ｄ・・・カリパ部、２・・・カリハ
底部、３・・・フランジ部、５・・・使用層、６・・・
芯部。 特許出願人　久保田鉄工株式会社 第７図 第２図 冥−３・ン１ 第４図 ＄（ま（’Ｃ／ｄ９

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、化学組成が重量％で、 Ｃ：３．Ｑ〜３．８％ Ｓｉ：１．５〜２．５％ Ｍｎ　：　０．２〜１．０％ Ｐ：０．２　％以下 Ｓ　：　０．０６％以下 Ｎｉ：１．２〜３．０％ Ｃｒ　：　０．０５〜０．６％ Ｍｏ　：　０．１〜０．８％ Ｍｇ：　０．０２〜０．１％ 残部実質的にＦｅであって、ロール使用層の基地組織が
   フェライトと緻密なパーライトの２相微微細台組織で、
   フェライトの面積率が１’−１０％で、かつ耐力が５５
   　ｋｇ　／　ｍ１以上であって、カリバ底部の硬度がフ
   ランジ部の同一径位置での硬度よりＨｓ２〜１０高く、
   かつカリバ底部の基地組織中のセメンタイト量がフラン
   ジ部の同一径位置でのセメンタイト量と略同等であるこ
   とを特徴とする耐クラツク性及び耐摩耗性に優れた球状
   黒鉛鋳鉄カリバロール。 ２、化学組成が重量％で、 Ｃ：ａ、Ｏ〜３．８％ Ｓｉ：１．５〜２，５％ Ｍｎ　：　０．２〜１．０％ Ｐ：０．２　％以下 Ｓ　：　０．０６％以下 Ｎｉ：１．２〜３．０％ Ｃｒ　：　０．０５〜０．６％ Ｍｏ　：　０．１〜０．８％ Ｆｌｇ：　０．０２〜０．１％ 残部実質的Ｆｅからなる球状黒鉛鋳鉄のブレンロール鋳
   造素材を、その熱処理の前に、予めカリバ部で１〜２０
   顛の余肉を残すようにして粗加工し、しかる後に少なく
   ともロール使用層を８００〜８６０℃で２０１１ｒ以下
   保持後、５００〜１５００℃／Ｈｒの冷却速度で４００
   〜６００°Ｃまで冷却し、その後５２０〜６２０℃で恒
   温変態させることを特徴とする耐クランク性及び耐摩耗
   性に優れた球状黒鉛鋳鉄カリバロールの製造法。