JPS6024729Y2 - 雪等の物質を投棄する案内板を設けた障壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、道路等に沿って設けられ、雪等の物質を投
棄する案内板を有する障壁に関する。

近年急速に拡充されつ）ある高速道路の騒音公害対策と
して、道路沿いに防音壁を設置し、人家等に達する騒音
を減少させるようにしている例が多い。

これらの防音壁は、防音効果、美観、ドライバーに対す
る心理的影響に関しては漸次改善の方向に向ってはいる
ものの、冬季その内側の路上に積もった雪の除雪に対し
ては全く考慮が払われていないのが実情である。

そもそも、騒音が問題になる場所では当然高速道路のす
ぐ際に人家や一般道路があるので通例であり、防音壁越
しの投雪は著しく制約される。

したがって、冬季降雪地域での高速道路の除雪の現状は
、防音壁の高さが高いこともあって、防音壁の外側への
投雪は行なわず、除雪車により防音壁の内側、つまり道
路上の側部に雪を堆積して処理しているので、降雪量の
増加に伴って、車輛の走行車線確保等に大きな問題を提
起している。

防音壁と人家、一般道路とが比較的離れている場合は第
１図に示す如く、防音壁１の内側の道路上に堆積した雪
７をロータリー除雪車２により投雪筒３より、防音壁１
の上を越して投雪を行うことが出来るが、人家や一般道
路が比較的近い場合はロータリー除雪車による投雪は投
雪された雪８が人家や道路上を走行する車や歩行者の上
に落下する危険を伴う。

この考案は、防音壁を有する道路の除雪等における上述
の問題を解消した、障壁を越して雪等を投棄する場合、
人家等の上に雪等が落下しないように、投棄された雪等
の流れの方向を障壁の足下の近傍に変向する案内板を設
けた障壁を提供することを目的とする。

以下、本考案を、その実施列を示す図面にもとづいて詳
細に説明する。

第２図及び第３図は、本考案を高速道路の防音壁に適用
した実施例を示すものであって、投雪用案内板４は、高
架式高速道路の側部に設けられた防音壁１の上端部外面
に、取付枠５を介して長さ方向に防音壁と平行に取付ら
れている。

投雪用案内板４の断面形状は、第２図に示す如く、上端
部より下端部に向うに従って案内面の切線の方向が漸次
鉛直方向に接近する如く連続的に変化して、道路側斜下
方よりその上端部付近に向って投雪された雪の流れを、
その案内面に沿せて下向きに近く変向せしめるような形
状となっている。

投雪用案内板４の上端縁は、障壁１の上端縁よりも上方
に適当な空間を置いた位置に設けられ、かつその案内面
の各部分は障壁１の外面と適当な間隔を保持して、障壁
の外側に取付枠５を介して固定されている。

したがって、第２図に示す如く防音壁１内側の路上側部
に堆積された雪７をロータリー除雪車２の投雪筒３より
防音壁１の上縁を越して斜上方に投雪すれは、雪の流れ
８は投雪用案内板４の上端部付近に衝突した後、上記案
内板４の案内面に沿って、漸次流れの方向を変じ、案内
板４の下縁を離脱する時点では雪の流れの方向は垂直に
近い下方に向い、高架道路に近接したた所定の範囲内に
落下する。

したがって、その範囲より外側にある人家や道路上に、
投雪した雪８が落下する危険は防止される。

案内板４の下端部における案内面の切線の方向を鉛直線
と一致させあるいは更に内側に向けることにより、雪を
概ね高架路橋の範囲内に堆積させることも可能になる。

この投雪用案内板４は、第３図に示す如く、道路を運搬
するに適した長さに分割された単位部材より構成され、
その両端部に固定された取付部５は、第４図及び第６図
に詳細に示す如く、ボルト・ナツト６により防音壁１に
取外し可能に取付けられるようになっている。

したがって、経年使用により変形、破損時の部分的替え
が容易であり、又既存の防音壁に新たに取付けることも
簡単に出来る。

上記実施例は高架式高速道路の防音壁に投雪用案内板を
取付けた場合の例であるが、本考案はこれ以外の道路や
鉄道等の防音壁をはじめ障壁を越して雪ならびに類似の
物質を投棄する各種の障壁に適した場合も同様の効果が
得られる。

以上の如く本考案によれば、防音壁等の障壁越しに障壁
９内側の雪等を投棄する場合、近くの人家、道路等の上
に落下する危険が防止され、人家の近接した市街地等の
高速道路でもロータリー除雪車を使用して障壁外に投雪
堆積することが可能となり、積雪量増加による走行車線
の確保の困難も解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の防音壁を有する高速道路のロータリー除
雪車による除雪状況を示す断面図、第２図は本考案の投
雪案内板を設けた防音壁を有する高速道路のロータリー
除雪車による除雪状況を示す断面図、第３図は本考案の
実施例の側面図、第４図はその投棄案内板取付部を示す
拡大断面図、第５図はその内側から見た側面図である。 １・・・・・・障壁（防音壁）、４・・・・・・投雪案
内板、５・・・・・・案内板取付枠、６・・・・・・ボ
ルトナツト、８・・・・・・投雪された雪の流れ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）道路等に沿って設けられた障壁において、道路側
   から見て該障壁の外側に、上縁が該障壁の上縁と垂直方
   向上方に適当な間隙を保持し、下端が該障壁上縁より下
   方に位置し、下端部に向うに従って前記障壁外面に対向
   する案内面の障壁外面からの水平距離が漸増し、かつ案
   内面の切線方向が漸次鉛直方向に近付くように連続的に
   変化する断面形状を有し、道路側斜下方より障壁上縁を
   越して案内面上端部付近に向って投射された雪等の物質
   の流れを下向きに近く変向せしめる投棄案内板を、障壁
   の長さ方向に平行に障壁に固定して設けたことを特徴と
   する障壁。
2. （２）上記の投棄案内板構成部材は運搬可能な長さに分
   割して製作され、障壁に取外し可能に取付けられること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の障
   壁。