JPS60244271A - 植物性エキス類の乾燥法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明値、植物性エキス類の香気成分を保持する乾燥法
に関する。

食品に含有される香気成分は、アルコール類。

ケトン類、エステル類、有機酸等９種々の揮発成分で構
成されておシ、そのＳ類、含有量はそれぞれの食品に特
有なもので、食品の品質に深く関わる物質である。

従来、食品の香気成分の保持を目的とした乾燥法は、凍
結乾燥が最適とされているが、設備費。

運転費とも高く、乾燥コストが高い欠点を有していた。

その他の液状食品の乾燥法としては、噴霧乾燥。

被膜乾燥、泡沫乾燥、減圧乾燥醇があシ、これらの中、
噴霧乾燥法が粉乳、果汁等の粉末化に広く活用されてい
る。この方法は、被乾燥食品（液体）を微細な液滴に噴
霧し、液滴と熱風とを均一に混合して迅速に熱交換して
水分を蒸発させるもので、加圧又は遠心によシ噴霧され
た液体は高温の熱風で急速に乾燥するため、蒸発潜熱に
よって液滴の温度は６０〜７０℃程度に保たれ、復元性
のある粉末に乾燥される反間、香気成分の劣化乃至は逸
散による風味の低下が大きい。

噴霧乾燥によシ香気成分を保持する研究例としては、噴
霧液の固形分濃度を増す事によシ、香気成分の散逸を防
止するというものが一部見られるが、実際の噴霧乾燥で
は、固形分濃度の増加に伴なう粘度上昇の為、噴霧が不
可能になるのが実態である。一方、通常の噴霧乾燥で用
いられる固形分濃度域である２０〜４０　ｗｔチでは、
香気成分の保持率は１％以下程度でしかない。

本発明者らは、植物性エキス類について、噴霧乾燥によ
る経済的な乾燥法によシ、凍結乾燥釜み、または、それ
以上の香気成分を保持する乾燥粉末を得るこ、とを目的
として鋭意研究を重ねた結果、一般に膜形成物質乃至は
安定化剤と呼ばれる物質、即ち、粘度上昇に有効な高分
子物質である多糖類。

蛋白質又は樹脂を微量添加して噴霧乾燥することによシ
、はとんど粘度を上げることなく、従って噴霧に対する
影響を与えないで、高い香気成分を保持できるとの知見
に至シ、本発明を完成したものである。

対象とする植物性エキス類としては、野菜、及び果実エ
キス及びＨＶＰジー−ス、ピユーレ等の野菜、果実汁、
コーヒー、昆布茶、緑茶、紅茶等の抽出液、野菜スープ
、醤油および味噌等の醸造物等の原液、及び濃縮、又は
デキストリン等の可溶性固形分を添加する事によシ、２
０ｖｒｔ％以上の固形分濃度に調整されたものを用いる
。この固形分濃度は噴霧乾燥で通常用いられている固形
分濃度であり特別なものではない。なお、これらの植物
性エキス類の中で、ペクチンを含有する液、例えば、野
菜。

果実エキス等については、既にペクチンが存在し、ペク
チン添加による効果が期待できない。

植物性エキス類に添加する多糖類、蛋白質及び樹脂とし
ては、グアガムその他のガム質、ペクチン、カラギーナ
ン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロビルセルロース。澱粉、α化澱粉、カル
がキシメチルスターチ、卵白、ゼラチン、／リアクリＶ
ｌ！塩等が挙げられるが、特に、α化澱粉、ペクチン、
ヒドロキ。

シクロピルセルロース、ゼラチン、ｌｆ３白、＄＋）７
クリル酸塩の使用が乾燥効率、香気保持に有効である。

上記多糖類、蛋白質及び樹脂は１種類単独で又は２種類
以上を組合せて植物性エキス類の乾燥前固形分重量に対
し、０．１〜５％の割合で添加する。

乾燥時、膜形成物質を添加する例としては、従来、泡沫
乾燥法における、卵白アルブミン、グアガム、メチルセ
ルローズ、大豆蛋白等の粘稠剤を加え、完全な泡沫化し
てから、泡沫に破裂孔をあけ熱風を強制的に送シ込んで
乾燥する例があり、更に、噴霧乾燥法においても、膜形
成物質、乳化剤等と共に乳化した液を噴霧乾燥する方法
（％公昭５３−４７０７５等）が存在するが、これらの
方法は、増粘剤等として、膜形成物質を比較的多量に配
合したシ、或いは、揮発性成分の不溶化等の前処理を伴
うものであって、これらの前処理が不要で、全体の粘度
等をほとんど変化させることなく香気成分を保持したま
１噴鋺乾燥可能ならしむるものではない。

一方、本発明の多糖類、蛋白質、４＃脂の上記添加濃度
範囲であれば、粘度上昇はほとんどなく・香気成分を保
持したまま噴霧乾燥を終了できる。

多糖類、蛋白質、樹脂の添加時期は、乾燥前のいずれの
工程でもよく、特に限定はない。

以上の様に、本発明は香気成分を含む植愉エキス類のＩ
５ｊ霧乾燥に関する全く新しい技術であるが、さらにそ
の特徴を明らかにする為に香気成分保持の機構について
詳述する。乾燥装置内に噴霧された液滴は、通常激しい
内部流れがＩＪ）、含有する香気成分を失う事が一般に
知られている。本発明の請求範囲に示した添加物を微量
添加する事によシ、噴霧されだ液滴の表面に作用して香
気成分の散逸を防ぐ。また上記特許におけるごとく揮発
成分を溶液中で、乳化、または不溶化させるものではな
いので、ｑｔ霧乾燥以外の乾燥法例えば、棚段式熱風乾
燥、真空乾燥、凍結乾燥では効果がない。

次に本発明を実施例によってさらに詳細に説明する〇 実施例１ コーヒー抽出液（固形分４０％）４０ｋｇにゼラチン２
００ｇを少量づつ攪拌溶解させ、噴霧乾燥器（直径１．
６ｍ、高さ１５鵠のもので、熱風量は、２８　Ｎｍ３７
ｍ１ｎ　、入口熱風温度は２００℃、噴霧液量は２０　
ｌ／）Ｉｒで乾燥し、コーヒー粉末（水分４％）１６ｋ
ｇを得た。得られたコーヒー粉末の香気成分の残留率に
ついて、ヘッドスペース分析によシ測定した。

〔試験方法〕

１）試料； ■　実施例１で用いた原液 ■　実施例１で製造した粉末を固形分４０％に調整した
液 ■　実施ｖＡＪ１でゼラチン無添加で、同一操作条件で
乾燥し、固形分４０％に調整した液＊液はいずれも密閉
容器内に保存した。

２）分析； 上記■、■、■の液を約３００１ｎｌ、へ、トスペース
分析用の三角フラスコに移し、シリコンゴムで栓をし、
６０℃の湯浴でＩ　Ｉ（ｒ振盪を行った。平衡到達後、
三角フラスコの気相側よシＱ、５＋ａ／、ガスサンプリ
ングシリンジによシ採取し、ガスクロマトグラフィで分
析した。充填剤はｐｇＧｓｏｏｏ、カンム温度り０℃、
キャリアガスＮ２６５ＷＩＪし’ｍｉｎ　、　ＦＩＤ検
出。

３）試験結果と考察； コーヒーの香気成分は数百種類に区分されるといわれる
が、本測定では、比較的分析の容易なアセトアルデヒド
とイソブチルアルデヒドを主な指標成分とした。結果を
表−１に示す。

表−１各試料のヘッドスペースガス分析■　４．６４　
３．２１ ■　３．５４　２．４６ ■　０．２１　０．１５ 実施例２ 市販の濃口醤油（固形公約１０％）４０′ｋｇにデキス
トリン１０ｋｇを加え、固形分濃度を調整して、さらに
ペクチンを５００ｇ添加し、実施例１と同一の噴霧乾燥
器で熱風量３０　Ｎｍ３／ｍｉｎ　、入口熱風温度２０
０℃、噴霧液量１５　ｌ／Ｈｒの条件で乾燥した。（最
終水分４．３％、収量］４ゆ）対照として、上記と同一
の配合、乾燥条件で、ペクチンを添加せずに噴霧乾燥し
た粉末醤油を用い、二点比較法による官能評価を実施し
た。結果は表−２に示すように、本発明品が対照に比べ
、醤油の香気。

風味において優れ、有意に好まれた。Ｎ＝２０人（試料
）　各サンプルＬＯＯＯｇを温水２，６００ｒｎｌに溶
解衣−２ （強い又は好ましいとした人数）（Ｎ＝２ｏ）実施例３ 濃縮オレンジジー−ス４０′に９（固形分３７％）に食
添仕様の／　ＩＪアクリル酸Ｎａを８０ｇ添加し、充分
攪拌を行い、実施例１と同一の噴霧乾燥器で、熱風量２
８　Ｎｍ３７ｍ１ｎ　、入口熱風温度１８０℃、噴霧液
量１８　ＩＩ／Ｈｒの条件で乾燥した。（最終水分４．
１チ、収量１４ゆ） 対照としてポリアクリル酸Ｎａ無添加で上記と同一の配
合、乾燥条件で１＊霧乾燥して得た粉末オレンジジュー
スを調製した。得られた２種類の粉末オレンジジシース
各１０００ｇを１７００＝の冷水に溶解したものを試料
とし、よく訓練された味覚ノ４ネル２０名を用い、二点
比較法による官能評価を実施した。

結果は、表−３に示す通シ、本発明品がオレンジの香り
、風味において優れ、対照品に比べて有意に好まれた。

表−３

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、植物性エキス類を噴霧乾燥する際、多糖類。 蛋白質及び樹脂の中から選ばれた１種以上を、乾燥前エ
   キス固形分重量に対し、０．１〜５％添加することを特
   徴とする植物性エキス類の乾燥法。 ２、多糖類が、α化澱粉、ペクチン、ヒト鍔キロジプロ
   ピルセルロースの中から選ばれた１種以上であることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の植物性エキス類
   の乾燥法。 ３、蛋白質が、ゼラチン、卵白の中から選ばれた１種以
   上であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   植物性エキス類の乾燥法。 ４、ｗ脂がポリアクリル酸塩であることをｌＩｆ！ｆ徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の植物性エキス類の乾
   燥法。