JPS6024325Y2 - 内視鏡の視度調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水密構造を改良した内視鏡の視度調節装置に関
する。

内視鏡は体腔たとえば膀胱尿道等の内部に挿入されるの
で消毒する必要があり、また、挿入中に水を使用するか
ら接眼部においても水密性能を具備することが望まれて
いる。

従来の内視鏡で接眼レンズの視度調節機構を備えたもの
はまったく水密性能がないかまたは、水密性を有するも
のでも不完全であったり作動がきわめて重いものであっ
た。

第１図および第２図は従来の水密性能を有する内視鏡の
視度調節装置を示し、図中１は内視鏡本体であって、こ
の内視鏡本体１の外周には視度調節環２が嵌装されてい
る。

そしてこの視度調節環２には環状の溝が設けられていて
、環状バッキング３が嵌装され、内視鏡本体１と視度調
節環２と間の水密を保持するようになっている。

また、内視鏡本体１の内壁には段部が設けられていて、
この段部には円筒状のカム環４が嵌挿されている。

そしてこのカム環４は、固定ピン５により視度調節環２
と連結されている。

しかして内視鏡本体１には第２図に示すように内外壁の
円周に沿って長溝６が形成されているので、視度調節環
２をこの長溝６の円周角の範囲内で、内視鏡本体１の外
周上を回転させることができるようになっている。

またカム環４の内側には接眼レンズ枠７が設けられてい
て一端には接眼レンズ８が固定され他端にはパイプ９が
嵌挿されていて接眼レンズ枠７はパイプ９に沿って前後
に摺動できるようになっている。

そしてこのパイプ９の先端には対物レンズ１０が固定さ
れ、内部には図示しないリレーレンズが設けられている
。

そして前記接眼レンズ枠７にはカムピン１１が固定され
ている。

そしてこのカムピン１１の頭部が第３図に示すようなカ
ム環４の外周に軸心に対して傾斜して穿設されたカム溝
１２に嵌挿されている。

また、接眼レンズ枠７には長溝７ａが設けられ、この長
溝７ａには内視鏡本体１に固定された回転止ピン７ｂが
嵌挿され、接眼レンズ枠７の回転を防いでいる。

内視鏡本体１の後部には接眼部１３が設けられ、この接
眼部にはカバーガラス１４が固定されている。

また内視鏡本体１の前部にはカバー１５が設けられてい
る。

しかしてこの内視鏡の視度を調節するには、視度調節環
２を回転させると、視度調節環２に固定された回転ピン
５によりカム環４が連動し回転する。

カム環４が回転すると、接眼レンズ枠７に固定されたカ
ムピン１１の頭部がカム環４のカム溝１２に嵌挿されて
いるのでカム溝１２がカムピン１１の頭部を前後方向に
移動させる。

カムピン１１が固定された接眼レンズ枠７は回転止ピン
７ｂにより回転を止められているので、前後に移動して
視度が調節される。

上記のように視度が調節されるがカム環４を回転させる
ために内視鏡本体１の外壁から内壁にわたる長溝６が穿
設されていて、この長溝６からの水漏れを防止するため
に環状バッキング３，３が視度調節環２の内側に嵌装さ
れている。

すなわち、環状バッキング３，３は内視鏡本体１の外周
に設けられるので大型のものとなり、しかも、２個使用
しているため視度調節環２を回転させるのに大きな摩擦
抵抗を与え使用上不便であるのみならず、水密にすべき
部分が大きいため水洩れの危険性がそれだけ大きいとい
う欠点があった。

本考案は上記の事情に着目してなされたものであってそ
の目的とするところは、内視鏡の内視鏡本体の外周に内
視鏡の軸心に直角方向に内部に貫通する透孔を穿設し、
この透孔を介して周囲に小型の環状バッキングを嵌装し
た支持軸を嵌装させ、この支持軸を回転させることによ
り接眼レンズを軸方向に移動させ完全な水密性を保持す
るとともに軽い力で操作のできる内視鏡の視度調節装置
を提供しようとするものである。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明する。

第一図および第５図において、２０は内視鏡本体であっ
て、この内視鏡本体２０の内部には、接眼レンズ２２が
固定された接眼レンズ枠２１が配設されている。

そしてこの接眼レンズ枠２１はパイプ２３に嵌合してい
て、パイプ２３の先端には対物レンズ２４が取り付けら
れている。

また、パイプ２３内には図示しないリレーレンズ系が配
置されていて、対物レンズ２４と接眼レンズ２２とを光
学的に連結している。

また、接眼レンズ枠２１にはラック２５が固定されてい
る。

一方、内視鏡本体２０の外壁には、内視鏡本体２０の軸
心に直角方向に細径の透孔が穿設されている。

そして、この細径の透孔の周囲には環状の溝が穿設され
ていて小型の環状バッキング２６が嵌装されている。

そしてこの環状バッキング２６が設けられた透孔には支
持軸２７が貫通され、一端には操作ノブ２８が固定され
、他端には前記のラック２５と噛み合うピニオン２９が
固定されている。

また、内視鏡本体２０の後方にはカバーガラス３０を有
する接眼部３１があり、前方には、パイプ２３のカバー
３２が固着されている。

しかして、この内視鏡において視度を調節するには、操
作ノブ２８を回転させればピニオン２９が回転味ピニオ
ン２９と噛み合うラック２５が前後に移動するので接眼
レンズ枠２１が移動して視度を調節することができる。

以上説明したように、本考案においては、内視鏡本体の
外壁に透孔を穿設し、この透孔に小型の環状バッキング
を嵌装して支持軸を貫通してラックとピニオンとで接眼
レンズ枠を移動させるという簡単な構造としたから水密
にすべき部分が小さくなり水密を完全にするとともに軽
い力で操作を行なうことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の視度調節装置を備えた内視鏡の縦断側面
図、第２図は同じくその■−■線に沿う断面図、第３図
は同じくカム環のカム溝を示す斜視図、第４図は本考案
の一実施例を示す縦断側面図、第５図は同じくそのＶ−
Ｖ線に沿う横断側面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内視鏡本体と、この内視鏡本体内に配設された接眼レン
   ズ枠と、前記内視鏡本体の外壁に穿設され環状バッキン
   グを嵌装された透孔を介して嵌挿された支持軸と、この
   支持軸の一端に固定された操作ノブと、同じくこの支持
   軸の他端に固定されたピニオンと、このビニオンと噛み
   合い前記接眼レンズ枠に固定されたラックとよりなる内
   視鏡の視度調節装置。