JPS602428B2 - 繊維シートの賦型方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は繊維シートに安定な凹凸模様を賦型する方法及
びその装置に関するものである。

従来から、繊維シートの藤型方法としてェンボシングカ
レンダーロールによる方法が知られているが、この方法
は、彫刻を施した硬質加熱ロールと軟費ロールとを高荷
重をかけて圧鞍状に回転せしめ、その間に被処理繊維シ
ートを通過せしめて賭型を行なうものである。

この方法によると、被処理繊維シートが両ロール間を通
過する瞬間的な間にのみ競型が行なわれるため賦型を安
定させるのに必要な熱珪量が不足し、繊維シートへの賦
型が完全でないという欠点を有する。又、繊維シート面
をェンボシングカレンダーロールの凸部で高荷重にてプ
レスするために繊維シートの繊維組織が破壊されて繊維
シートの強度の低下や不安定な歪を生じ、又、製品の風
合をコントロールすることが非常に困難である。更に、
賦型をするためのカレンダーロールの彫刻は高度な技術
と時間及び労力を必要とし、又、賦型加工にも高度な技
術を必要とするところから加「繊維シートのコスト高の
原因となっている。そこで、本発明は、前述のごとき従
来技術の特つ欠点を解消した新規な賦型方法とそのため
の装置を提供しようとするもので、繊維組織の破壊や不
安定な歪を伴わずに繊維シートに極めて安定な賦型を行
なうとともに、繊維シートの両面に賦型を行なうことを
目的とする。

本発明は、上記の目的を実現するために、表面に凹凸状
の賦型パターンを有する賦型ベルトと該賦型ベルトに対
向する面に凹凸状の賦型パターンを有する押圧ベルトと
を一定時間面接触状態となるように圧嬢状に走行せしめ
被処理繊維シートを前記両ベルト間を両ベルトと共に加
圧状態下で送行せしめ、該加圧送行中に被処理繊維シー
トを加熱処理するように構成された穣総シートの賦型方
法及びそのための装置である。

このような本発明によれば、繊維シートは面接轍状態で
圧鞍状に送行されている賦型ベルトと押圧ベルトとの間
を通過せしめられる間に加圧及び加熱されるため、低圧
力下においても賦型に必要且つ十分な圧力、時間及び熱
量を得ることができ、しかも、高圧力を必要としないた
めに繊維組織の破壊や繊維シートの好ましくない歪を防
止ないしは減少せしめることができ、その結果として極
めて良好な賦型、即ち、ドライクリーニング、洗濯、摩
耗に対する安定性に優れた賦型が得られ、そして、本発
明方法によって賦型加工をされた繊維シートは、従来の
ェンボシングカレンダーロール法によるものに比較して
、引張強度に優れ且つ風合もソフトでボリューム感のあ
る良好なものとなる。

次に、本発明の方法及び装置を図面に基づいて詳細に説
明する。

第１図は本発明の実施に必要な賦型装置の一例を示す概
略側面図である。

１は表面から滑らかな回転ドラムで、適宜の駆動手段に
より矢印方向に回転せしめられるようにされており、更
に適宜の加熱手段、例えばスチームのような熱媒、電熱
等により加熱される。

２は賦型ベルトで、エンドレス状に形成され、前記回転
ドラムーと支持ロール３との間に架設されている。

賦型ベルト２はその表面、即ち、回転ドラム１の周面と
接するのとは反対側の面、に適宜の賦型用凹凸パターン
（図示せず。）が形成されている。尚、この凹凸パター
ンの形成は彫刻、打抜き等適宜の手段により形成して良
いが、場合によつては既製又は特注の金網を用いること
によっても良い。又、賦型ベルト２は強度及び熱伝導の
点から、金属製であることが好ましい。支持ロール３は
その蓬を回転ドラム１の径より充分に小さくすることに
より、賦型ベルト２が回転ドラム１と接触する面積を充
分に大きく、即ち、賦型ベルト２が回転ドラム１の周面
とその半周以上において接触するようにすることができ
る。４は加圧シリンダーであり、支持ロール３の支持手
段はこの加圧シリンダーにより回転ドラム１から離れる
方向に加圧されており、これによって、賦型ベルト２は
回転ドラム１に充分に密着せしめられ、回転ドラム１の
回転に従ってその回転方向と同じ方向に送行せしめられ
る。５は前記藤型ベルトに対向する面に凹凸状の賦型パ
ターンを有するエンドレス状の押圧ベルトであり、前記
賦型ベルト２を介して回転ドラム１の局面に密着される
ように複数の案内ロール６，６…・・・によって配設さ
れ、回転ドラム１の回転につれて賦型ベルト２と共に同
じ方向に送行せしめられ、そして、回転ドラム１の半周
以上にわたって回転ドラム１、賦型ベルト２及び押圧ベ
ルト５が密着状になる。そして、押圧ベルト５に、賦型
ベルト２への適当な密着状態を得るための必要な張力を
与えるため、加圧シリンダー７により回転ドラム１から
離れる方向への押圧力を付与されているテンションロー
ル８が付設されている。尚、押圧ベルト５は金属製であ
ることが好ましい。９は押圧ベルト５の蛇行を修正する
ための蛇行修正ロールである。

１０は送り込みコンベアであり、被処理繊維シート１
１はこの送り込みコンベア１川こより賦型ベルト２と押
圧ベルト５との出会箇所１２まで導亡びかれ、賦型ベル
ト２と押圧ベルト５との間に受け渡される。

送り込みコンベァ１０から賦型ベルト２一押圧ベルト５
への繊維シート１１の受け渡し状態は、送り込みコンベ
ア１０と賦型ベルト２一押圧ベルト５との間の速度差を
調節することにより、緊張状態にもオーバーフィード状
態にも調節することが可能である。賦型ベルト２と押圧
ベルト５との間に受け渡された繊維シート１１は両・ベ
ルト２，５間に挟まれてその別離箇所１３まで移送され
、その間に、加圧シリンダー７に連係されたテンション
ロール８により適当な張力を与えられている押圧ベルト
５によって賦型ベルト２の凹凸パターン面に押圧され、
且つ加熱された回転ドラム１により賦型ベルト２を介し
て加熱され、十分に時間をかけて賦型される。１４は熱
線放射、熱風吹付け等適宜の加熱装置で、賦型ベルト２
、押圧ベルト５の重合移送区間において回転ドラム１と
の間に適当な間隔を置いて配設されており、押圧ベルト
５の側からも被処理繊維シート１１を加熱して、賦型を
効果的に行なうのに役立つものである。

１５，１５は賦型ベルト２と押圧ベルト５とが回転ドラ
ム１の周面から離れた地点から先において、それぞれの
ベルト２，５の背面に対向して配置された冷風吹付け装
置であり、賦型ベルト２と押圧ベルト５とが回転ドラム
１に密着送行している間に充分な加圧と加熱とにより賦
型された繊維シート１１を冷却するためのものであり、
かかる冷却加工により、繊維シート１１に付与された賦
型を完全に定着化し且つ繊維シート１１の歪を無くする
ことができる。

上記のようにして賦型され、それが定着された繊維シー
ト１１はベルト２，５の別離箇所１３から取出しコンベ
ア１６に受け渡され、次工程へ又は保管場所へ搬送され
る。

尚、１７は賦型ベルト２の表面をクリーニングするため
の耐熱、耐摩耗性ブラシ、１８は押圧ベルト６の表面を
クリーニングするための耐熱、耐摩耗性ブラシ、１９は
ブラシ１７の外周部を囲むダスト吸込フード、２０‘よ
ブラシ１８の外周部を囲むダスト吸込フードである。

第２図及び第３図は、それぞれ本発明の賦型方法によっ
て製造された繊維シート表面の型線の一例を示す図であ
る。

第２図は、繊維シートの両面に賦型し且つ深みのある型
付状態にしたものの一例を示すものである。

この場合、賦型ベルト２として、縦線に撚線を使用し横
線に単線又は撚線を用いて製織された撚線平織金網を使
用し、押圧ベルト５として、同機造の撚線平織金網を使
用して、繊維シート１１の両面の賦型がずれないように
特殊な装置により賦型ベルト２と押圧ベルト５とを同調
駆動させたものである。第３図は、賦型ベルト２として
縦線に極細線を横線に縦線の２〜２ぴ音の太さを有する
太線を用いてすだれ状に編み込んだ金網を使用し、押圧
ベルト５として、縦線、横線共に極細線を用いてすだれ
状に編み込んだ金網を使用し、繊維シート１１の両面に
それぞれ異なった賦型加工を施した場合の型付状態を示
したものである。

尚、第２図及び第３図に例示したような繊維シート表面
の型線以外にも、本発明によれば、賦型ベルト２として
、金属製模様打抜エンドレスベルト、金属製模様突起エ
ンドレスベルト、金属製無機状抄造網、金属製コンベア
網を含む各種金網等を使用し、秤圧ベルト５として、金
属製表面平滑エンドレスベルト、金属製模様打抜エンド
レスベルト、金属製模様突起エンドレスベルト、金属製
無端状絹等の各種金網等を使用し、それぞれのベルトを
任意に組み合わせることにより、更に精密で複雑な型線
を繊維シート１１表面に得ることができる。

しかも、それぞれのベルトの厚さ、模様深さ、線蚤等を
変化させることにより、鮮明な賦型からぼかし賦型まで
の種々趣きの異なる賦型を簡単に且つ安価に得ることが
可能である。本発明に適用できる織総シ−トには、ポリ
アミド系、ポリビニール系、ポリエステル系、ポリオレ
フイン系等の熱可塑性繊維若しくはセルロース系、羊毛
等の非熱可塑性繊維又はこれらの混合物から成る紙類、
編織物類若しくは不織布等が含まれる。

次に、実施例により本発明を更に詳細に具体的に説明す
るが、本発明がこれに限られるものでないことは云うま
でもない。

実施例 ナイロン５０％、テトロン３０％、レーヨン１５％から
成る１２０夕／あの不織布を使用し、賦型ベルト２には
抄紙用ステンレス金網（綾織４０メッシュ）（日本フィ
ルコン社製品、ロングクリンプ織製紙金網）を用いた。

回転ドラム１内部には熱媒を循環させ、賦型ベルト２で
の温度低下を考慮して熱媒温度を２０５ｏｏに保った。
繊維シート１ １を賦型ベルト２に加圧するための押圧
ベルト５の張力は総荷重で１２００ｋ９とし、賦型時間
を２町砂とし、更に加圧、加熱処理後５℃の冷風で繊維
シートを急冷し、型付の安定化を行なった。この方法で
賦型された繊維シート表面は従来にない立体的な特徴あ
る外観を呈し、風合は弾力性に富み、片面はヌメリ感が
あり、他方の面はシャＩＪ感を有し、繊維シート全体の
風合はドレープ性のあるものが得られた。

しかも、この賦型された繊維シートの外観、風合は、洗
濯テスト、ドライクリーニングテスト及び摩耗テストに
もほとんど悪影響を受けなかった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る賦型装置の一例を示す概略側面図
、第２図及び第３図は本発明の賦型方法で得た級縦シー
ト表面の型付状態を示す平面図である。 符号の説明、１・・・・・・回転ドラム、２・・・・・
・賦型ベルト、５・・・・・・押圧ベルト、７，８・・
・…押圧ベルトのテンション手段、１ １・…・・被処
理繊維シート、１５・・・・・・冷風吹出し装置。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 表面に凹凸状の賦型パターンを有する賦型ベルトと
   該賦型ベルトに対向する面に凹凸状の賦型パターンを有
   する押圧ベルトとを一定時間面接触状態となるように圧
   接状に走行せしめ被処理繊維シートを前記両ベルト間を
   両ベルトと共に加圧状態下で送行せしめ、該加圧送行中
   に被処理繊維シートを加熱処理することを特徴とする繊
   維シートの賦型方法。 ２ 被処理繊維シートの加圧処理の最終段階において又
   は加圧処理終了後において繊維シートを冷却処理するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の繊維シート
   の賦型方法。 ３ 回転ドラムと、該回転ドラムを加熱する手段と、表
   面に凹凸状の賦型パターンが付与されており回転ドラム
   の周面とその半周以上において接触しており且つ回転ド
   ラムの回転に従動するエンドレス状の賦型ベルトと、回
   転ドラムの半周以上において表面が賦型ベルトの表面と
   圧接されるように適当なテンシヨン手段を伴って配設さ
   れ賦型ベルトと共に回転ドラムの回転に従動し、かつ、
   前記賦型ベルトに対向する面に凹凸状の賦型パターンが
   付与されたエンドレス状の押圧ベルトとから成り、被処
   理繊維シートを圧接状態にある前記両ベルト間を通過さ
   せることによって賦型するようにしたことを特徴とする
   繊維シートの賦型装置。 ４ 送行方向において賦型ベルトと押圧ベルトとが回転
   ドラムから離れる地点で両ベルトに対向して冷風吹出し
   装置を配設したことを特徴とする特許請求の範囲第３項
   記載の繊維シートの賦型装置。