JPS602413Y2 - 芯上下式石油燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は芯上下式石油燃焼装置に関する。

此種燃焼装置は芯体を臨ませた燃料タンク内の燃料が燃
焼熱によりガス化しやすく、燃料タンク内に充満したガ
スが消火動作時に芯体周辺を上昇して消火時間が遅くな
り、消火時の悪臭発生の大きな原因の一つとなっていた
。

このガス発生をおさえるために燃焼熱が燃料タンクへい
かに伝わりづらくするかという点で種々の考えがなされ
ているがいずれも然程効果がなく、しかも地震等による
装置揺動時に芯体を強制的に降下せしめ消火を行なうも
のにおいては燃料タンク内への芯体降下部分による圧力
増加により芯体周辺から上昇するガス量が増加しより一
層悪臭が発生していた。

本考案は以上の点に鑑みてなされたものであり、燃料タ
ンクのガスを通常燃焼時に燃焼室へ導き、消火時の上昇
ガス量を極めて少量にすると共に消火時の芯体上部に冷
たい外気を導くことにより消火時間の短縮及び消火時の
悪臭の発生を極力おさえるようにしたものである。

以下本考案を図について説明すると、芯上下式石油燃焼
装置１は前面だけを開口したフレーム２内を反射板３に
よって機械部４と燃焼部５とに区画し、機械部４は主タ
ンク６と補助タンク７とによって所謂二重タンク構造を
なす補助タンク７上に連設した芯枠８と空気筒９との間
隔内に下部が燃料中に浸漬する如く芯体１０を配設し、
芯体１０外周には芯支持金具１１を装設して芯上下軸１
２の先端と芯支持金具１１とを歯合させ、芯上下軸１２
の回動により芯体１０が上下動する如く構威しである。

更に前記芯枠８の内周には補助芯枠１３が嵌合して固着
しであるが前記芯枠８の適数個所に設けた突起１４．１
４により芯枠８と補助芯枠１３との間には芯体１０の上
下動に関係なく流通路１５が形成され、前記補助芯枠１
３上端より下方に位置する芯枠８の上部周壁には前記流
通路１５と外気とを流通孔１６．１６が適数個穿設して
あり、更に補助芯枠１３の周壁には芯体１０の上昇時に
は芯体１０によって略閉塞され、芯体１０の降下時には
流通路１５と芯体１０が上下動する間隔とを連通して芯
体１０の上端上方に冷たい外気を供給できるように前記
流通孔１６．１６と同レベル又は流通孔１６．１６より
も下方に位置して適数個の連通孔１７．１７が穿設した
ある。

前記芯支持金具１１の適所には発条１８が巻装してあり
、芯上昇作動時に蓄力され、装置１の揺動時には重錘１
９の作動により強制的に前記発条１８の蓄力を解除して
芯体１０を速やかに降下させる如く構成しである。

前記燃焼部５は大筒２０、中筒２１．小筒２２、金網２
３等よりなり、芯枠８の上端を外方へ折曲した受部２４
上に中筒２１を載置し、空気筒９の上端を内方へ折曲し
た受部２５によって小筒２２を載置して中筒２−１、小
筒２２間にて燃焼室２６を形成している。

本考案は以上の如く構成してあり、芯体１０を上昇させ
て燃焼を行なうと燃焼部５からの熱が燃料タンク特に補
助タンク７を加熱するが、この場合、燃焼室２６が高温
であるために流通孔１６．１６から外気がドラフト効果
によって流通孔１６、流通路１５、燃焼室２６へと流れ
込み、補助タンク７内でガス化されたことによる圧力上
昇分はこのドラフト気流により大気圧に安定するよう燃
焼中は常時ガスが流通路１５を上昇して燃焼室２６へ導
かれ燃焼室２６で燃焼するために補助タンク７内には殆
んどガスは残留しない。

而して芯体１０を降下させて消火動作を行なった場合の
補助タンク７内部圧力の上昇にもかかわらず補助タンク
７内には殆んどガスが存在せず、しかも芯体１０の降下
により連通孔１７．１７が開口して連通孔１６、流通路
１５、連通孔１７を介して外気が芯体１０の上方に導か
れ、芯体１０の上部及びこの近傍に位置する補助芯枠１
３や空気筒９が速やかに冷却されるために芯体１０の上
部からの燃料ガス化も極めておさえられ、速やかに消化
が行なわれる。

又、流通孔１６は補助芯枠１３の上端よりも下方に位置
する如く設けているので燃焼時に燃焼炎が乱れても流通
孔１６へ逆火することがなく、又連通孔１７．１７は流
通孔１６．１６と同しベル或いは流通孔１６．１６より
下方に位置して設けであるので芯体１０が上昇して燃焼
している場合に流通孔１６．１６からの流入空気によっ
て連通孔１７．１７の部分で燃料がガス化することが極
めておさえられ、逆火することがなく、消火時のみに良
好に作用する役をなす。

以上の如く本考案は、燃焼中でも常時タンク内の気化ガ
スを燃焼室へ導き、消化時の上昇ガス量を極めて少量に
すると共に消火時の芯体上部、補助芯枠及び空気筒上部
に冷たい外気を導くことにより消火時間の短縮及び消火
時の悪臭の発生を防止することができ、然も逆火を起す
こともないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第２図は同要部断面図、第３
図は芯枠に補助芯枠を嵌着した状態図、第４図は芯枠の
断面図、第５図は補助芯枠の平面図、第６図は補助芯枠
の断面図である。 １５・・・・・・流通路、１６．１６・・・・・・流通
孔、１７．１７・・・・・・連通孔。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）芯枠内側に間隔を存して芯体上部が臨む燃焼室と
   タンクとを連通ずる流通路とした補助芯枠を配設し、該
   補助芯枠と空気筒との間隔内に上下動自在に芯体を配設
   したものにおいて、前記芯体の上下位置に関係なく前記
   流通路を介して前記燃焼室と外気とが連通する如く芯枠
   の上部周壁には前記補助芯枠上端よりも下方に位置する
   適数個の流通孔を設けたことを特徴とする芯上下式石油
   燃焼装置。
2. （２）前記流通孔と同一レベル又は下方に位置する補助
   芯枠の周壁に適数個の連通孔を穿設したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の芯上下式石油燃
   焼装置。