JPS6023831Y2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセットハーフに一体に突設されたボスに対し
、内周面に突条または平面を有する円筒状のガイドポス
トを圧入してなるテープカセットに関する。

テープカセットには、第１図に示すようにハーフ１の内
側に取り付けたテープリール２，３間に磁気テープ４が
張設され、この磁気テープ４を円滑に走行させたり巻き
取ったりするためのテープガイド部材５〜８が設けられ
ている。

そしてこれらのテープガイド部材５〜−８のうち、特に
、磁気テープの円滑かつ安定なガイドが要請されるもの
には、表面が円滑な金属製のガイドポストが取り付けら
れる。

そしてこの取り付けを迅速にかつ自動的に実施するため
、通常、第２図および第３図に示すように、ハーフ１の
内面に突設されたテーパ状のボス９に、金属製の筒状ガ
イドポスト１０が圧入される。

しかし、かかるテープガイド部材をもったテープカセッ
トはそのコストダウンのために量産されるものであり、
このためガイドポスト１０の内径の標準公差およびボス
９の外径の標準公差などから、現実には適当な圧入しろ
をとるのが難しい。

したがって、圧入しろが大きい場合には、必然的に圧入
力が大となり、圧入によって削られたボスの削り粉によ
ってガイドポスト１０が浮き上ってしまう。

また、一方、圧入しろが不充分の場合には、ガイドポス
ト１０が回転してしまうなどの事故を招いていた。

したがって、かなりきびしい公差による成形が要求され
た。

一方、かかる問題点を改善するため、第４図〜第６図に
示すガイドポスト構造が提供されてし）る。

第４図はハーフ１１上のボスｉ２の基部に味起１３を連
設し、これに切溝１４とその両端に連続する切欠１５を
有する金属製のガイドポスト１６を圧入し、その切欠１
５を突起に係合して回転止めをしたものである。

しかし、かかるものでは突起１３に対する切欠１５の嵌
め込みの位置出しおよび嵌め込み作業が面倒であり、作
業性が悪い。

また、第５図はハーフ１７に環状のボス１８を設け、ガ
イドポスト１９の外径をボス１８の内径に圧入したもの
である。

この場合において、ガイドポスト１９の下端の一部に切
欠２０が設けられ、ある程度の弾持効果を持たせている
。

しかし、かかるものでは、圧入の際にボス１８が折損し
易く、ガイドポスト１９が回転するという欠点がある。

また、ボス１８が磁気テープの走行の邪魔になり、ボス
１８の有効利用率が低下し、小形のテープカセットには
不向きとなっていた。

さらに、第６図はハーフ２１に中空状のボス２２を突設
し、このボス２２に筒状のガイドポスト２３の一部を嵌
め込むとともに、そのガイドポスト２３にフランジ２４
を有する別のボス２５を嵌め込んで、両ボス２２．２５
をその中央部でねじ２６により結合したものである。

しかし、かかるものによれば、テープガイド部材全体の
外径長さが大きくなり、小形のテープカセットには不向
であるばかりか、その組立作業が繁雑で大量生産に向か
ないなどの欠点がある。

本考案はかかる従来の欠点を改善するものであり、特に
、その構成を簡単なものとなし、ボスに対するガイドポ
ストの組み立てをそのガイドポストの浮上りや回転なく
、自動組立ても確実に行えるようにしたテープカセット
を提供するものである。

そしてかかる目的実現のため、本考案はカセットハーフ
に設けられるボスに対し、軸方向の内面に複数の突条ま
たは平面を有する円筒状のガイドポストを圧入したので
ある。

以下に、本考案の実施例を図面について述べる。

第７図はその一実施例を示す分解斜視図で、カセットハ
ーフ２７の内面には截頭円錐状のボス２８が一体的に突
設されている。

一方、上記ボス２８に圧入されるガイドポスト２９は合
成樹脂によりモールド成形されてなり、その内周面の３
等分した位置に、そのガイドポスト２９の中心線に平行
な３本の突条３０が突設されている。

また、これらの突条３０の先端を結ぶ円の外径は、上記
ボス２８の基部の外径より幾分小さ目となす。

さらに、上記ガイドポスト２９の外周面は磁気テープを
損傷しない円滑面となっている。

そこで上記ガイドポスト２９を上記ボス２８の頭部から
これを包む様に圧入すると、最初はそのガイドポスト２
９の突条３０が上記ボス２８の外周面に沿う如く下降し
、押圧力が加わる時点で上記突条３０がボス２８の外周
面に一部がつぶれて喰い込む様にしっかりと嵌合する。

かくして、上記ガイドポスト２９が第８図に示す如くボ
ス２８に取り付けられる。

この場合に、上記つぶれや摺接によって生じた突条３０
やボス２８の削り粉は、上記突条３０間のボス２８とガ
イドポスト２９との間に収容され、従って、削り粉がガ
イドポスト２９の下端面に蓄積することなく、このガイ
ドポスト２９がハーフ内面から浮き上がるのを防止でき
る。

それによって、ガイドポストのカセットハーフに対する
取り付は状態を安定保持される。

第９図乃至第１１図は本考案の他の実施例を示す要部の
分解斜視図である。

第９図は第７図および第８図に示すものとほぼ同様の構
成の圧入構造を有し、カセットハーフ側のボス２８に取
り付ケられるガイドポスト３１の内面に、４本の突条３
２をそのガイドポスト３１の中心線方向に設けたもので
ある。

また、第１０図はハーフ側に設けられた細目のボス３３
に、内周面の中心線方向に３つの平面３４を設けたガイ
ドポスト３５を圧入したものを示す。

さらに、第１１図はカセットハーフ側の矩形状のボス３
６を設け、これに円筒状のガイドポスト３７の内周面の
中心線方向に突設した一対の突条３８および一対の平面
３９を嵌合せしめたものを示す。

そしてこれらの嵌合や圧入時に生じる削り粉は上記突条
３２間のボス２８とガイドポスト３１との間の空隙、平
面３４間のボス３３とガイドポスト３５との空隙、突条
３８と平面３９間のボス３６とガイドポスト３７との空
隙部にそれぞれ収容されて、ボス２Ｂ、３３．３６に対
するガイドポスト３１，３５，３７の安定保持が約束さ
れる。

以上要するに、本考案によれば、中空円筒状のガイドポ
ストをカセットハーフに設けたボスに圧入してなるテー
プカセットに於いて、上記中空円筒状のガイドポスト内
部にこれの中心線方向に平行な複数の突条または平面を
設けて、該突条または平面が設けられた上記ガイドポス
トを上記ボスに圧入したことにより、ガイドポストの内
径側の突条または平面をカセットハーフに一体のボスに
圧入して固定する場合に、ガイドポストおよびボスの寸
法上、圧入しろの標準公差に対する圧入力の変化が少（
なり、圧入力の増大によるガイドポストの浮き上りや回
転を確実に防止でき、かかる圧入構造におけるガイドポ
スト部材によって、磁気テープは長期に亘って安定かつ
安全な走行が約束される。

また上記ボスはハーフの成形時に同時に得られるので、
製造コストを上げるものでなく、安価に市場に提供でき
、実用上類る有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテープカセットの概略平面図、第２図お
よび第３図は従来のガイドポストおよびボスの概略を示
す分解斜視図および正面断面図、第４図〜第６図は同じ
〈従来のガイドポストとボスとの関係を示す従来例の分
解斜視図および断面図、第７図および第８図は本考案に
おけるガイドポストとボスとの関係を示す分解斜視図お
よび平面図、第９図〜第１１図は同じく上記関係の他の
実施例を示す分解斜視図である。 ２７・・・・・・カセットハーフ、２８，３３，３６・
・・・・・ボス、３９，３１，３５，３７・・・・・・
ガイドポスト、３０．３２．３８・・・・・・突条、３
４．３９・・・・・・平面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空円筒状のガイドポストをカセットハーフに設けたボ
   スに圧入してなるテープカセットに於いて、上記中空円
   筒状のガイドポストを合成樹脂で形成するとともに該ガ
   イドポスト内部にこれの中心線方向に平行な複数の突条
   または平面を設けて、該突条または平面が設けられた上
   記ガイドポストを上記ボスに圧入したことを特徴とする
   テープカセット。