JPS6023272Y2 - 自動二輪車の変速装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシャフトドライブ式自動二輪車の変速装置に関
し、殊に、変速操作時の衝撃荷重を吸収し各変速歯車に
作用する衝撃を減少させ得る構造の変速装置を堤供する
ものである。

変速装置と後車輪との間をドライブチェーンで連結した
チェーンドライブ式の自動二輪車にあっては、急加減速
操作時の衝撃荷重がある程度ドライブチェーンで吸収さ
れるので、変速歯車への衝撃を若干ではあるが減少させ
ることができる。

しかし、シャフトドライブ式自動二輪車にあっては、ド
ライブシャフトは前記ドライブチェーンのような衝撃吸
収作用が少ないので、急加減速の際変速歯車に大きな衝
撃が加わりこれら歯車が破損し易いという欠点がある。

本考案はこのような欠点を解消し変速歯車への衝撃を吸
収し得るよう樹皮したシャフトドライブ式自動二輪車の
変速装置を堤供することを目的とする。

すなわち、本考案は、エンジンクランク軸のほぼ中央部
に動力伝達係合されたインプツト軸と、前記インプツト
軸に対し平行に配置されたアウトプット軸とを有し、ク
ランク軸からの回転動力を所望の回転比に変速してアウ
トプット軸からドライブシャフトへ伝達するようになっ
たシャフトドライブ式自動二輪車の変速装置に関するも
のであって、インプツト軸は第一の回転変動緩衝機構を
介してエンジンクランク軸に連結され、前記インプツト
軸上には一端部寄りの位置に駆動歯車が設けられ、前記
アウトプット軸は前記インプツト軸の前記一端部と同一
側の端部に第二の回転変動緩衝機構が設けられて該緩＃
機構を介して回転動力を受けるようになっており、前記
アウトプット軸の他端部にはドライブシャフトに連結さ
れる出力歯車が設けられたことを特徴とする特 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案によるシャフトドライブ式自動二輪車の
変速装置の全体配置を説明的に示す図であり、この場合
変速装置１２はクランク軸１４とともに一体のケース（
エンジンクランクケース）１６内に収納されている。

図示のエンジンは４気筒であり、クランク軸１４には各
気筒毎のコネクチングロッド１８が連結され、該クラン
ク軸の一端には発電機２０が取付けられている。

第１図及び第２図において、クランク軸のはＳ゛中央部
分に電力伝達用のスプロケット２２が設けられ、その動
力は変速装置１２のインプツト軸２４上のスプロケット
２６へ伝達される。

たＳし、該スプロケット２６の回転は直接インプツト軸
２４に伝わるのではなく、該インプツト軸に配置された
回転変動緩衝機構２８を介して伝達されるようになって
いる。

この回転変動緩衝機構の詳細は第２図及び第３図に示す
とおりである。

クランク軸のスプロケット２２の回転はチェーン等の伝
達手段を介してインプツト軸上のスプロケット２６に伝
達されるが、該スプロケットはインプツト軸２４に回転
自在に嵌合された第一カムスリーブ３０とスプライン係
合されているので、前記回転は先ずこの第一カムスリー
ブ３０に伝達される。

該第−カムスリーブの一側端面（図面中では左側端面）
は第３図の展開図に示す凹凸輪郭３０Ａに形成されてい
る。

該第−カムスリーブの左側にこれと隣接して第二カムス
リーブ３２が配置されている。

該第二カムスリーブは、インプツト軸２４上に、軸方向
には移動可能であるが回転方向には相対移動しないよう
にスプライン係合している。

また、該第二カムスリーブの端面には、第３図に示す如
く、前記第一カムスリーブの凹凸輪郭３０Ａに係合する
凹凸輪郭（カム面）３２Ａが形成されている。

該第二カムスリーブ３２の他側端面（左側端面）は皿状
の圧縮スプリング３４によって押圧力を受ケ、シたがっ
て、該第二カムスリーブ３２は常時第一カムスリーブ３
０の方へ押圧されている。

なお、参照番号２７は前記歯車２６に連結されたスター
ター用ワンウェイクラッチを示す。

該ワンウェイクラッチはエンジン始動時のみ作動する。

回転変動緩衝機構２８は以上述べたような第一カムスリ
ーブ３０、第二カムスリーブ３２及び圧縮スプリング３
４をインプツト軸２４上に嵌合して構成されているので
、第一カムスリーブ３０に伝達された回転は第二カムス
リーブ３２を介してインプツト軸２４へ伝達される。

インプツト軸２４の回転は歯車３６．３８を介してクラ
ッチ４０へ伝達される。

クラッチ４０を経て伝達される回転は第一変速軸４２を
回転させる。

該第−変速軸４２並びにこれに隣接した第二変速軸４４
上には各変速段階に対応して回転力伝達可能に組合され
る複数組の変速歯車群４２Ａ、４２Ｂ・・・・・・、４
４Ａ、４４Ｂ・・・・・・が設けられ、第一変速軸４４
と第二変速軸との間で選択的に所望の変速を行なうよう
になっている。

第二変速軸４４の回転は歯車４６．４８を介してアウト
プット軸５０へ伝達される。

該アウトプット軸にも前述のインプツト軸の場合と実質
上同一構造の回転変動緩衝機構５２が設けられている。

このアウトプット軸上の回転変動緩衝機構５２の詳細は
第４図に示すとおりである。

前記第二変速軸４４から歯車４８に伝達された回転は、
直接アウトプット軸へ伝達されることはなく、該回転変
動緩衝機構５２を介して伝達されるようになっている。

この緩衝機構５２は、アウトプット軸上に回転自在に嵌
合しかつ一側端面に凹凸輪郭５４Ａを有する第一カムス
リーブ５４と、軸方向には移動可能であるが回転方向に
は移動しないよう（例えばスプライン係合により）前記
第一カムスリーブに隣接して配置されかつ前記凹凸輪郭
５４Ａに係合する端面輪郭５６Ａを有する第二カムスリ
ーブ５６と、該第二カムスリーブを前記第一カムスリー
ブへ押圧する圧縮スプリング５８とによって構成されて
いる。

これら第−及び第二カムスリーブの係合端面の輪郭は第
３図に示した前記第−及び第ニスリーブ３０．３２の場
合と実質上同一である。

また、前記歯車４８は前記第一カムスリーブの外周にス
プライン係合されている。

したがって、歯車４８の回転は第一カムスリーブ５４及
び第二カムスリーブ５６を介してアウトプツト軸５０へ
伝達される。

アウトプット軸５０の回転は傘歯車６０．６２を介して
変速装置出力軸６４へ取り出され、該出力軸に連結され
たドライブシャフト６６へ伝達される。

本考案のシャフトドライブ式自動二輪車の変速装置は以
上説明した構成を有する。

したがって、前記各回転変動緩衝機構２８，５２におい
ては、急激な回転変動すなわち衝撃荷重が加わると、圧
縮スプリング３４．５８の押圧力に抗して第一カムスリ
ーブ３０．５４の凹凸輪郭３０Ａ、５４Ａと第二カムス
リーブ３２．５６の凹凸輪郭３２Ａ、５６Ａとの間に相
対移動が生じ、このような弾性力（スプリング）に抗す
る相対移動によって衝撃エネルギーが吸収される。

この衝撃吸収作用はそれぞれの軸２４．５０へ向う方向
及びこれらの軸から伝えられる方向のいずれの方向に回
転力に対して有効に作用する。

したがって、急加速時にクランク軸出力が急激に増大す
る場合並びに各変速操作時に各歯車の回転数が変動する
場合等を含め、特に、急減速時に発生する衝撃荷重を、
変速装置の入口及び出口で有効に遮断することができ、
変速装置内の各歯車をか）る衝撃から保護することがで
きる。

こうして、過酷な運転にも充分耐え得るシャフトドライ
ブ式自動二輪の変速装置を提供することができる。

とくに、本考案においては、インプツト軸の駆動歯車と
アウトプット軸の出力歯車とが互いに反対側の端部に設
けられており、回転変動緩衝機構もそれぞれ反対側の端
部に設けられているので、動力伝達機構の全体のバラン
スが良くなる、という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動二輪車の変速装置の全体構成を示
す説明図、第２図は第１図の変速装置のインプツト軸の
詳細を示す断面図、第３図は第一カムスリーブ及び第二
カムスリーブの端面係合部の展開図、第４図は第１図の
変速装置のアウトプット軸の詳細を示す断面図である。 各図中、同一参照番号は同一部分を表示するものとし、
１２・・・・・・変速装置、１４・・・・・・フランク
軸、２４・・・・・・インプツト軸、２８・・・・・・
回転変動緩衝機構、３０・・・・・・第一カムスリーブ
、３２・・・・・・第二カムスリーブ、３４・・・・・
・圧縮スプリング、５０・・・・・・アウトプット軸、
５２・・・・・・回転変動緩衝機構、５４・・・・・・
第一カムスリーブ、５６・・・・・・第二カムスリーブ
、５８・・・・・・圧縮スプリング、６６・・・・・・
ドライブシャフトをそれぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンクランク軸のほぼ中央部に動力伝達係合された
   インプツト軸と、前記インプツト軸に対し平行に配置さ
   れたアウトプット軸とを有し、クランク軸からの回転動
   力を所望の回転比に変速してアウトプット軸からドライ
   ブシャフトへ伝達するようになったシャフトドライブ式
   自動二輪車の変速装置において、前記インプツト軸は第
   一の回転変動緩衝機構を介してエンジンクランク軸に連
   結され、前記インプツト軸上には一端部寄りの位置に駆
   動歯車が設けられ、前記アウトプット軸は前記インプツ
   ト軸の前記一端部と同一側の端部に第二の回転変動緩衝
   機構が設けられて該緩衝機構を介して回転動力を受ける
   ようになっており、前記アウトプット軸の他端部にはド
   ライブシャフトに連結される出力歯車が設けられたこと
   を特徴とする自動二輪車の変速装置。