JPS6023157B2 - 固型洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な園型洗浄剤に関するものであって、さら
に詳しくは直鎖状アルファオレフィンスルホン酸塩を主
成分とし、漆朗性及び摩擦溶解度の改良された身体用固
型洗浄剤に係る。

身体用固型洗浄剤の原料は大半が油脂原料脂肪酸塩系石
ケンで占められているのが現状であるが、この脂肪酸塩
系固型石ケンには次の様な欠点が認められている。

即ち、【ィ｝ 使用濃度で１０〜１１とかなり高いｐＨ
を示す。

‘。｝ 硬水中では水不溶性のスカムを発生し、洗浄力
、起泡力等の主要性能が著しく損なわれる。また、身体
用固型洗浄剤は皮層にとって好ましい弱酸性であること
が望ましいが、脂肪酸塩系石ケンは酸性状態に置かれる
と加水分解を起こす点で問題がある。従来技術は上記（
ｏ｝の欠点に関し、耐硬水性の向上、スカム発生の防止
等を目論んで、キレート剤、スカム分散剤等の添加を提
案しているが、効果が充分ではない。従って、脂肪酸塩
系石ケンを用いる限り、先に挙げた欠点は避けられない
問題である。ところで衣類用洗浄剤、食器野菜用洗浄剤
、頭髪用洗浄剤等には従釆から種々の合成アニオン系活
性剤が使用されている。

これらの中には弱酸性で使用することが可能で、耐硬水
性も優れ、スカムを発生しない等の脂肪酸塩系石ケンに
ない特長をもつ安価な活性剤も認められる。この様な合
成アニオン系活性剤としては、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、直鎖状アルファオレフィンスルホン酸塩等が挙
げられるが、アルキルベンゼンスルホン酸塩は非常に乾
燥いこくく、又乾燥物は軟固体状にしかならないため、
身体用固型洗浄剤用の基材としては余り好ましくない。
これに対して本発明で使用する直鎖状アルファオレフィ
ンスルホン酸塩（以下ＡＯＳ塩という）は、脂肪酸塩と
は異なり弱酸性でも安定で、硬水中での洗浄力、起泡力
も優れ、スカムを発生することもないという利点の他に
、他の合成アニオン系活性剤に比較して皮膚に対してマ
イルドであり、乾燥も容易で安価でもあることから、身
体用固型洗浄剤用の合成洗浄剤基剤としては最も適当な
ものである。しかし、ＡＯＳ塩を基剤に用いて成型した
固型洗浄剤は溶け崩れし易く又摩擦溶解度も高いという
欠点がある。

溶け崩れ及び摩擦溶解度の問題は合成アニオン系活性剤
にほぼ共通するものであるが、ＡＯＳ塩は親水性の強い
スルホン酸基と不飽和結合とを持つため、その程度はさ
らに著しい。身体用固型洗浄剤は高温高温度の浴室内に
長時間置かれ、常に水分と援触する状況にある。溶崩性
の大きな固型洗浄剤をこの様な条件下に置くと、その表
面は水分を含んで軟らかくなりその後の使用に耐えられ
なくなったり、ひどい時には殆んど原型を留めない程に
崩壊される。又、摩擦溶解度の大きなものは消耗が遠く
、タオルにこすりつけて使用する場合等付着量が多くな
るため、タオルのすすぎが著しく悪くなる。従って、身
体用固型洗浄剤には溶け崩れが小さく、摩擦溶解度が低
いことが必要である。近年では、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、Ｎ−長鎖アシル酸性アミノ酸塩等をベースとする身
体用固型洗浄剤が市販されているが、これらも脂肪酸塩
系団型石ケンに比べ、溶け崩れが大きく、又摩擦溶解度
も高い。そこで、本発明者らは、ＡＯＳ塩のもつ特長を
活かしながら、溶け崩れを防止し、さらに摩擦溶解度を
低下するべく鋭意研究を重ねた結果、溶け崩れ防止剤と
して公知な物質を添加しても、効果が不充分であったり
又ステアリン酸の場合には逆に溶け崩れが激しくなり摩
擦溶解度も増加するという悪影響を及ぼすことを確認す
ると共に、下記に示す組合せにより顕著な効果が得られ
ることを解明して本発明を完成した。

即ち、本発明は次の凶、【Ｂ｝、【Ｃ｝３成分を含む、
特に身体洗浄用に適した固型洗浄剤を提供するものであ
る。

風 炭素数が１２内至２８の直鎖状アルファオレフイン
スルホン酸塩； ５０〜９５重量％【Ｂ）
第４級窒素含有率０．５〜５．の重量％の第４級窒素含
有水溶性ポリマー； ５〜５低重量％【Ｃ’水分
； ０．１〜２の重量％本発明の
風成分として使用するＡＯＳ塩は、１２・・乃至２８の
炭素数を有するアルファオレフィン又はそれらの混合物
を原料とし、これを三酸化硫黄等を用いてスルホン化し
、次いで加水分解を施して得られるアルファオレフィン
スルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ士類金属塩、ア
ルカノールアミン塩等である。

尚、クロルスルホン酸等他のスルホン化剤を用いて製造
したＡＯＳ塩についても本発明の範囲内である。本発明
の｛Ｂー成分として使用する第４級窒素含有水溶性ポリ
マーは、分子量で規定すれば２０００から３０００００
０の範囲が好ましく、第４級窒素含有率で規定すれば０
．５〜５．の重量％の範囲が必要である。

脚成分である第４級窒素含有水溶一性ポリマーの主な具
体例としては、第４級窒素含有セルロースエーテル、第
４級窒素含有スターチ、第４級窒素含有ビニルピロリド
ンコポリマ−などがあり、これらは２種以上を混合して
用いることもできる。上記の第４級窒素含有セルロース
エーテルは下記のアンヒドログルコース単位が交互に反
覆結合した高分子化合物である。（但し、式中１は１０
０〜２００００の整数、Ｒ，、Ｒ２、Ｒ３はＨまたは下
記の置換基風であって、置換基風はァンヒドログルコー
ス単位ＩＯＮ固当り少なくとも４個存在し、且つアンヒ
ドログルコース単位ＩＯＮ固当りｍ＋ｎ＋ｑは１００か
ら３００の整数、ｐは１０から８０の整数であって、し
かも個々のアンヒドログルコース単位当りのｍ、ｎ、ｑ
は０なし、し１０の整数、ｐは０ないし３の整数、Ｒ４
、Ｒ５、Ｒ６はＨまたはＣＨ３、Ｒ７はＣＱ、Ｃ２ちま
たはＣ３日７、Ｘはハロゲンである。

）なお、第４級窒素含有セルロースエーテルの窒素含有
率とアンヒドログルコース単位ＩＯＮ固当りのｐとは相
関関係があり、前者が０．５重量％のとき後者が約１０
となり、前者が３．５重量％のとき後者が約８０となる
。本発明の｛Ｂ｝成分を得るためには、水綾性ポリマー
を第４級窒素導入剤と反応させればよく、第４級窒素導
入剤としてはグリシジルトリメチルアンモニウムハライ
ドや３ーハロゲノ−２ーヒドロキシプロピルトリアルキ
ルアンモニウムハライドなどが知られている。

本発明の目的に好ましい第４級窒素含有水溶性ポリマー
につき、具体的な製造法を以下に例示する。

例１ 分子量１２００００のヒドロキシェチルセルロース（グ
ルコース単位２単位が反復構造の基本単位であるセルロ
ースに酸化エチレンを１．７モル付加させたもの）８０
夕と、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド３０
夕とを溶媒中で反応させると、第４級窒素含有率２．１
重量％の第４級窒素含有セルロースエーテルを９７タ程
度得ることができる。

例２分子量２０００００の馬鈴薯デンプン６０夕と、グ
リシジルトリメチルアンモニウムクロリド８０夕とを溶
媒中で反応させると、第４級窒素含有率３．り重量％の
第４級窒素含有スターチを９１タ程度得ることができる
。

本発明の組成物を固型成型するためには、｛Ｃ｝成分で
ある水分を０．１乃至２の重量％必要とする。

水分の添加により組成物は可塑化され、ロール混練、プ
ロッダー押出し、型打成型の操作を容易にする。水分の
配合量は■成分、【Ｂ’成分、さらには後で述べる任意
成分の種類及び配合量によって変えることが望ましいが
、配合量が２０％を越えると組成物は軟らかくなり、固
型物の成型が困難になるため好ましくない。尚、使用目
的に応じて、本発明の固型洗浄剤には一般の石ケンに添
加されている保温剤、過脂肪剤、増泡剤、殺菌剤、酸化
防止剤、香料、顔料、染料やｐＨ調整のためのｐＨ調整
剤を配合することができる。

本発明の固型洗浄剤の製造方法としては、ＡＯＳ塩と第
４級窒素含有水溶性ポリマーと使用目的に応じては先に
述べた任意成分とを、水分の共存する状態で必要とあら
ば加溢しながら混合し、乾燥後、ロール及びプロッダー
を用いて混糠し、押出し、型打ちする機械練り製造方式
が一般的であるが、枠練り方式により製造することもで
きる。

次に、実施例及び比較例を示して本発明の構成と効果を
具体的に説明するが、それに先立ち実施例及び比較例で
採用する試験方法について説明する。

‘１｝ 溶崩性試験 第１図に示す様に、５．５肌×３．５伽ｘｌ．０弧の寸
法に調製した固型洗浄剤試料１を、水１０の‘を入れた
９肌×７弧×３肌のプラスチック容器２内に浸薄する。

２５００で３０分間浸薄後、試料を炉紙上に移して３０
分間乾燥させる。浸積及び乾燥の操作をさらに５回ずつ
繰り返す。溶け崩れの著しい試料は第１図に示す様に浸
薄部分がかなり侵触され、凸型に変形される。ちなみに
第１図の３は水を示す。乾燥後、浸債面の溶け崩れ状態
を視覚判定し、さらに下記の要領で第２図の斜線部分に
相当する面積の減少率を測定する。従って、面積減少率
の符号が正のものは溶解、負のものは逆に膨潤を示す。
面積減少率〔％〕＝５葦毒害要害声舎ＸｂＸ・〇。溶け
崩れ状態の評価は、同条件で試験した市販のＮ−アシル
グルタミン酸ソーダをベースとする石ケンを基準とし、
これより溶崩性が良好なものを◎、やや良好なものを○
、同等のものを△、やや劣るものを×、劣るものを※と
する。■ 摩擦溶解性試験 ＪＩＳＫ−３３０４に準じて測定した。

【３１ 泡立ち試験 ５．５肌×３．５伽×１．０伽の寸法の試料を調製し、
同寸法に調製した市販Ｎ−アシルグルタミン酸ソーダを
ベースとする石ケンと手洗いテストで一対比較する。

評価はＮ−アシルグルタミン酸ソーダベースの石ケンを
基準とし、これより泡立ち良好なものを○、同等なもの
を△、劣るものを×とする。実施例１〜５及び比較例１
〜９ 炭素数１４〜１８の分布を有する直鎖状アルファオレフ
ィンを、空気で稀釈した三酸化硫黄により、連続薄膜式
反応器でスルホン化した後水酸化ナトリウムで中和加水
分解して得られたＡＯＳ−Ｎａ塩スラリー（ＡＯＳ−Ｎ
ａ塩３５重量％）９１５夕と、第４級窒素含有水落・性
ポリマーの製造例１）で示した第４級窒素含有率２．１
重量％、分子量１２００００の第４級窒素含有セルロー
スエーテル（固型分６の重量％）１３０夕とを充分混合
し、水分が約５％となる迄温風にて乾燥した。

次いで、乾燥物を小型ロールを用いて充分糧練し、小型
プロツダーを用いて棒状に押出し、小型成型機を用いて
成型して実施例１の固型洗浄剤を得た。以下同様にして
実施例２〜５及び比較例１〜９の固型洗浄剤を得た。

各固型洗浄剤の組成を第１表に、また各固型洗浄剤につ
いて行なった溶崩性、摩擦溶解度及び泡立ちの試験結果
を第２表に示す。第１表 （数値は重量努を示す） 注１）第４級窒素含有率 ２．１重量略、分子量 １２
０，０００注２）第４級窒素含有率 ３．７重量努、分
子量 ２００，０００注３）第４級窒素含有率 ３．１
重量多、分子量 ４００，０００第２表第２表で示す様
に、実施例１〜３にあげた、第４級窒素含有セルロース
エーテル、第４級窒素含有スターチ、第４級窒素含有ピ
ニルピロリドンコポリマーを含む本発明の組成物は、こ
れらを含まない比較例１に示す固型洗剤と比べ、溶賭性
と摩擦溶解度が共に大中に改良されている。

第４級窒素を含有しないカルボキシメチルセルロース、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ェステル等のポリマー
では、比較例２〜４に示す様に、これらの効果は得られ
ない。又、比較例５〜７は公知の溶け崩れ防止剤である
固形パラフィン、ステアリン酸、ステアリルアルコール
を配合した例であるが、固形パラフィン及びステアリル
アルコールでは効果が不充分で、ステアリソ酸の配合は
かえって悪影響を及ぼす。以上の様に、公知物質の配合
は、ＡＯＳ塩をベースとする固型洗浄剤の溶け崩れ防止
及び摩擦溶解度の低下に必ずしも有効ではない。本発明
の効果を得るためには、実施例１、４及び５から明らか
な様に、特許請求の範囲に示した各成分配合量を必要と
する。

第４級窒素含有水溶性ポリマーの配合量が５重量％に満
たない場合には、比較例８に示す様に、効果が殆んど現
われず、又配合量が５の重量％を越える場合には、比較
例９に示す様に水分を吸って表面の膨潤が著しくなり、
さらに泡立ちも悪くなるため好ましくない。尚、ＡＯＳ
塩を単独で成型した固型洗浄剤の溶け崩れは、Ｎーアシ
ルグルタミン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムを
ベースとする市販品よりも著しいが、本発明によれば、
これらの市販品よりもかなり良好なしベル迄溶け崩れを
改良することができる。

実施例 ６ Ｃ，６〜，８ＡＯＳ−Ｎａ塩 ８１
重量％第４級窒素含有セル。

−スェステル（第４級窒素含有率２．１重量％）
５第４級窒素含有スターチ（第４級
窒素含有率３．７重量％）
８香料 １水分 ５・〇〇 実施例 ７ Ｃ，４〜，８ＡＯＳ−Ｎａ塩 ２館
重量％Ｃ２び２８ＡＯＳ−Ｎａ塩
６０第４級窒素含有セルロースエーテル（第４
級窒素含有率２．１重量％）
５クエン酸 ３香料
１ 水分 ５ １〇〇 実施例 ８ Ｃ，４〜，８ＡＯＳ−Ｎａ塩 ６
２重量％第４級窒素含有スターチ（第４級窒素含有率３
．７重量％） １８ソ
ルビトール ４セタノール
１０香料 ３水
分 ３ １０○ 実施例 ９ Ｃ，４ＡＯＳ−Ｎａ塩 ５４重
量％第４級窒素含有ピニルピロリドンコポリマー（第４
級窒素含有率３．１重量％） ２０固形
パラフィン １０香料
１水分 １５ １〇〇 実施例６は２種類の第４級窒素含有水溶性ポリマーを併
用した例、実施例７はｐＨ調整剤としてクェン酸を配合
して弱酸性とした例、実施例８は保湿剤としてソルビト
ール、過脂肪剤としてセタノールを配合した例、実施例
９は枠練り法を用いて製造した組成例であるが、これら
においても実施例１〜５と同様に本発明の効果が認めら
れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は溶榊性試験において、試料を浸潰した状態を断
面で示す説明図、第２図は溶崩性試験を行なった試料の
浸漬面の平面図である。 １：固型洗浄剤試料、２：プラスチック容器、３：水。 稀ｌ図籍２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記の（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）３成分を含む固型洗
   浄剤組成物。 （Ａ） 炭素数が１２乃至２８の直鎖状アルフアオレフ
   インスルホン酸塩； ５０〜９５重量％（Ｂ） 第４級
   窒素含有率０．５〜５．０重量％の第４級窒素含有水溶
   性ポリマー； ５〜５０重量％（Ｃ） 水分； ０．１
   〜２０重量％