JPS602195Y2 - タオル紋紙節約ジヤカ−ドのナイフ傾斜方向転換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタオル紋紙節約ジャカードのナイフ傾斜方向転
換装置に関し、とくにそのナイフ駆動板の左右動機構部
分の改良に関するものである。

タオル紋紙節約ジャカードは、縦針に両頭針（左右にフ
ックを持つ針）を用い、ナイフの傾斜方向を織機の３回
転あるいは４回転の間に１回というような割合で左右転
換せしめることで、２／３あるいは３／４といった紋紙
の節約をはかるようにされるものである。

このためのナイフ傾斜方向転換装置としては、基本的に
は、ナイフ箱のナイフ受板に形成した■溝にナイフを支
承し、ナイフの■溝中における傾斜方向をナイフに係合
するナイフ駆動板の左右動によつ左右転換せしめるよう
にされるところである。

ところがこの種の従来装置においては、ナイフ駆動板の
左右動機構が、ロントドライビング方式により、織機の
回転に伴なって昇降杆でラチェットホイールを間欠回転
せしめ、ラチェットホイールと一体的に回転されるカム
でナイフ駆動板の駆動レバーを作動せしめることにより
前述のような割合のタイミングでのナイフ駆動板の左右
動をはかるようなものとされていたのであり、このよう
な方式の従来機構では、機構が複雑であるばかりか、い
まひとつ作動の正確性に欠け、とくに高速運転での確実
な作動を側底期待し得なかったのである。

そこで本考案は、ナイフ駆動板の左右動機構につき、織
機のクランクシャフト等からチェーンドライビングやシ
ャフトドライビングで回転駆動され得る回転駆動軸に周
回カムを取付け、その周回カムの回転に基づいてレバー
でナイフ駆動板の左右動がなされるようなものとして、
簡潔な機構でナイフの傾斜方向転換の作動が正確に高速
でも円滑に確実になされ得るようにしたものである。

本考案を実施例について図面を参照して説明すると、第
１図及び第２図に示されたナイフ傾斜方向転換装置にお
いて、１は昇降されるナイフ箱であって、該ナイフ箱１
のナイフ受板２の上側に形成された■溝３にナイフ４が
支承されている。

ナイフ４の上側にはこれに係合するナイフ駆動板５が配
され、各ナイフ４の間には両頭縦針６が配されている。

ナイフ駆動板５は、左右両側の溝穴７．７に挿通のピン
８，８でナイフ箱１の左右両側に支持され、ナイフ受板
２に対して相対的に左右動可能となっており、このナイ
フ駆動板５の左右動によってナイフ４がＶｉａ中におい
て傾斜方向を左右に転換せしめられるようになっている
。

ナイフ箱１の図において右方一端側の下方には、ナイフ
箱１と共に昇降せしめられない定置の支軸９が設けられ
、この支軸９を中心に互いに一体傾動自在な縦レバーｌ
ｅａと横レバー１０ｂとからなる１字レバー１０が設け
られている。

該り字レバー１０における縦レバー１０ａはナイフ箱１
の昇降動範囲にわたる長さを有している。

ナイフ駆動板２の図において右方一端側にはピン１１が
設けられ、該ピン１１に上部の又部が係合する駆動レバ
ー１２がナイフ箱１に支承の支軸１３に枢支されている
。

駆動レバー１２の支軸１３には、１字レバー１０におけ
る縦レバー１０ａの右側の側面１４に対する保合子１５
を先端に備えた係合レバー１６が枢支されており、駆動
レバー１２と係合レバー１６とは互いに■字形をなして
いて支軸１３を中心に互いに一体傾動自在となっている
。

ナイフ箱１の下方には定置の回転駆動軸１７が設けられ
、該回転駆動軸１７に対して周回カム１８が取付けられ
ており、該周回カム１８に対して１字レバー１０におけ
る横レバー１０ｂの自由端側に設けられたカムフォロア
ー１９が上から周接せしめられている。

その周回カム１８に対するカムフォロアー１９の周接は
横レバー１０ｂを常時下方に付勢するばね２０によって
なされている。

周回カム１８は、周囲に凸部１８ａと凹部１８ｂとが２
：ｌの周角度比率で形成されている。

つまり、凸部１８ａが２４０°の周角度の割合に形成さ
れている。

該周回カム１８は回転駆動軸１７によって織機の３回転
の間に１回転の割合で回転するようにされている。

回転駆動軸１７は、織機のクランクシャフト等からチェ
ーンドライビング又はジャブトライビングによって直接
又は間接的に回転駆動されるものであり、たとえば、織
機のクランクシャフト等から回転駆動されるジャガード
用の主軸等の別軸（図面省略）を介してチェーン２１に
よって上述のごとき織機の３回転の間に１回転の割合で
の回転駆動がなされるものとされる。

ナイフ駆動板５は、ばね２２によって、ナイフ受板２に
対して図において左方である一方向に常に付勢されてお
り、これによって係合レバー１６の係合子１５が１字レ
バー１０における縦レバー１０ａの側面１４に当接する
付勢力が付与されている。

次にその作用を述べると、第１図のようにカムフォロア
ー１９が周回のカムの凸部１８ａに接しティる間は、１
字レバー１０における縦レバー１０ａの側面１４が垂直
状態にある。

この状態では、ナイフ箱１の昇降において、係合子１５
が縦レバー１０ａの側面１４に沿って垂直に上下動し、
その係合子１５の位置によってナイフ駆動板５がばね２
２の付勢力に抗してナイフ受板２に対して相対的に右方
に引かれた位置をとり、このためナイフ４が■溝３中に
おいて右傾せしめられている。

次いでその状態から第２図のように周回カム１８が回転
して、カムフォロアー１９が周回カムの凹部１８ｂに接
ると、この間においては、１字レバー１０が支軸９を中
心に少し傾動し、縦レバー１０ａが少し左傾した状態と
なる。

この状態では、縦レバーＩＱａの側面１４が左傾して少
し左へ変位するので、これに伴なって係合子１５がが左
へ変位して係合レバー１６と駆動レバー１２が支軸１３
を中心に一体左傾し得ることとなり、このためナイフ駆
動板５がばね２２の付勢力によってナイフ受板２に対し
て相対的に左方に引かれ、ナイフ４がＶ溝３中において
左傾した状態をとることとなる。

しかして、周回カム１８は凸部１８ａと凹部１８ｂが２
：１の周角度比率で形成され、織機の３回転の間に１回
転の割合で回転されるので、織機の３回転の間において
ナイフ４が右傾を２回続けて後に左傾を１回することと
なるのである。

なお、以上の実施例の如き本考案装置によれば、周回カ
ム１８の凸部１８ａと凹部１８ｂの周角度比率と、その
回転速度とを相関的に適当に設定することで、ナイフ４
の傾斜方向の転換割合を任意に設定できる。

すなわち、たとえば周回カム１８の凸部１８ａと凹部１
８ｂの周角度比率を３＝１とし、回転駆動軸１７を織機
の４回転の間に１回の割合で回転するものとすれば、ナ
イフ４は織機の４回転の間において右傾を３回続けて後
に左傾を１回することとなる。

またこの装置を用いる場合、これにあわせて用いられる
紋紙シリンダーの回転装置として、第３図に例示するよ
うな簡潔で正確な作動を期待できる構成のものを採用で
きる。

すなわち第３図に例示の紋紙シリンダー回転装置は、第
１図に示される装置における回転駆動軸１７に対して紋
紙シリンダー回転作動用としての別の周回カム２３を取
付け、その周回カム２３は周囲に凸部２３ａと凹部２３
ｂとをナイフ作動用の周回カム１８の凸部１８ａと凹部
１８ｂとの逆に形成するものとし、その周回カム２３に
一端側がカムフォロアー２４で周接係合する１字レバー
２５の他端側にシリンダー引金２６を連結して構成した
ものであり、このようにすれば、ナイフ４の傾斜方向の
転換割合に応じて正確なタイミングでシリンダー２７の
回転がなされることとなる。

以上のようにして本考案装置によれば、ナイフ傾斜方向
転換のためのナイフ駆動板５の左右動機構が、従来装置
のようにロッドドライビングによる昇降杆とこれで間欠
回転されるラチェットホイールを用いるものとされるこ
となく、チェーンドライビングやシャフトドライビング
し得る回転駆動軸１７に取付けた周回カム１８の回転に
よるＬ字しバー１０の傾動作用でナイフ駆動板５の左右
動をなすようにされたものであり、機構簡潔にして作動
が正確であり、高速運転での円滑確実な作動を問題なく
可能とするものである。

また本考案装置によれば、カムフォロアー１９が周回カ
ム１８の凹部１８ｂに接している間の第２図の状態では
、傾斜したナイフ４に対して所属の両頭縦針６が当るに
際しての衝撃振動等のばね２２による緩衝吸収作用が得
られて、ナイフ４に対する縦針６の係合が高速運転でも
確実になされ得るという利点をも有している。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は異なるナイフ傾斜方向状態における
本考案装置の実施例を示す正面図、第３図は本考案装置
と併用するに適したシリンダー回転装置の実施例を示す
正面図である。 １・・・・・・ナイフ箱、２・・・・・・ナイフ受板、
３・・・・・・Ｖ溝、４・・・・・・ナイフ、５・・・
・・・ナイフ駆動板、６・・・・・・両頭縦針、９・・
・・・・支軸、１０・・・・・・１字レバー、１０ａ・
・・・・・縦レバー、１０ｂ・・・・・・横レバー、１
１・・・・・ゼン、１２・・・・・・駆動レバー、１３
・・・・・・支軸、１４・・・・・・側面、１５・・・
・・・係合子、１６・・・・・・係合レバー、１７・・
・・・・回転駆動軸、１８・・・・・・周回カム、１８
ａ・・・・・・凸部、１８ｂ・・・・・・凹部、１９・
・・・・・カムフォロアー、２２・・・・・・ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ナイフ箱１のナイフ受板２に形成したＶ溝３にナイフ４
   を支承し、ナイフ４の■溝３中における傾斜方向をナイ
   フ４に係合するナイフ駆動板５の左右動によって左右転
   換せしめるようにしてなるタオル紋紙節約ジャカードの
   ナイフ傾斜方向転換装置において、ナイフ箱１の一端側
   下方に定置の支軸９を中心に互いに一体傾斜自在な縦レ
   バー１０ａと横レバー１０ｂとからなる１字レバー１０
   を設け、該り字レバー１０における縦レバー１０ａの側
   面１４に対する係合子１５を先端に備えた係合レバー１
   ６を、ナイフ駆動板５の一端側のピン１１に係合する駆
   動レバー１２の支軸１３に対して駆動レバー１２と一体
   傾動自在に枢着し、ナイフ箱１の下方に定置の回転駆動
   軸１７に対して周囲に適当な周角度比率で凸部１８ａと
   凹部１８ｂを形成した周回カム１８を取付け、該周回カ
   ム１８に対して前記り字レバー１０における横レバー１
   ０ｂの自由端側に設けたカムフォロアー１９を上から周
   接せしめ、ナイフ駆動板５をナイフ受板２に対して一方
   向に付勢するばね２２の付勢力によって前記係合レバー
   １６の係合子１５を前記り字レバー１０における縦レバ
   ー１０ａの側面１４に当接する付勢力を付与せしめてナ
   イフ駆動板５の左右動機構を構成してなることを特徴と
   するタオル紋紙節約ジャカードのナイフ傾斜方向転換装
   置。