JPS60204854A - アルミニウム合金製プ−リ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は動力伝達用として使用されるプーリーに関す
る。

（従来技術） 安価で保守性の良好な動力伝達手段として従来から、ベ
ルトとプーリーの組合せによるものが一般に利用されて
いる。

かかるプーリーの材料としては、特に増速動力伝達用と
して高速回転を余儀な（される、例えば自動車用のオル
タネータプーリーや、アジドストプーリー、オイルポン
ププーリーなどにあっては、ベルトのＩｌ！擦に対する
高度な耐摩耗性が要求されることから、従来耐摩耗性の
良好な鋳鉄や鋼が一般に用いられていた。

（従来技術の問題点） しかしながら、鋳鉄製や鋼製のプーリーは、ｆＩ量が重
いため微妙な重量的アンバランスが存在する場合には、
高速回転時に振動、騒音が発生し易い上に、ベアリング
その他の部品に対しても悪影響を及ぼすというような問
題点があった。

勿論プーリーの軽量化を達成づるためには、従来既知の
アルミニウム合金鋳物やダイカス１へ品を用いることも
可能であるが、これらは逆に耐摩耗性の点で問題が生じ
るものであった。

（発明の目的） この発明は、上記のような問題点を解決することを目的
とするものである。即ら、プーリーの材料としてアルミ
ニウム合金を用いて軽量化を図ると共にアルミニウム合
金の成分とその合金組織による材質改善により、それ自
体できわめて優れた耐摩耗性を有し、かつ強度にも優れ
ていて耐荷重性が良く、しかも延性、切削加工性の改善
によって製造を簡易とするアルミニウム合金製プーリー
を提供することを目的とするものである。

（発明の構成） この発明は、プーリーの材質として、過共晶領域にＳｉ
を含有する高シリコンアルミニウム合金であって、しか
もそのアルミニウムマトリックス中の初晶３ｉ粒子及び
共晶Ｓｉ粒子の粒径と分布状態を特定の範囲に制御した
ものを用いることを概要とするものであり、更に具体的
には、Ｓｉを１６〜３０ｗｔ％、Ｃｕ　ｔｏ、３〜７．
０ｗ１％含み、あるいは更にＭａを０．３〜２．０ｗ１
％を含み、残部が実質的にアルミニウムであるアルミニ
ウム合金であって、該合金のアルミニウムマトリックス
中に、粒径４０〜８０μｍの初晶３ｉ粒子が全初晶Ｓｉ
粒子面積の６０％以上の面積を占めて均一に分布し、が
っ粒径１０μｍ以下の共晶Ｓ１粒子が全共晶Ｓｉ粒子面
積中の６０％以上の面積を占めて均一に分布している材
料をもって形成されているアルミニウム合金製プーリー
を提供するものである。

（構成の具体的な説明と作用） この発明のプーリーに用いられる上記のようなアルミニ
ウム合金は、一般的には既知の＃ｔｊＴｉ法によって鋳
造される鋳塊を、更に熱間にて押出づことにより組織を
特定の範囲に１１１１１１１１して製造されるものであ
る。

先ず、この発明に用いる合金の各成分の範囲限定につい
て、その理由を説明づれば次のとＪ５りである。

主要な添加元素であるＳｉは、いうまでもなく合金の耐
摩耗性を向上するのに有効なものである。従って、一般
的には３ｉの含イ＝ｉｆｆｌが増えるに従って耐摩耗性
が向上せられるが、この発明に用いるへρ−８ｉ系合金
は、過共晶領域にＳｉを多山に含んで、アルミニウムマ
トリックス中に比較的多くの初晶３ｉ粒子を分散せしめ
るものとすることが必要である。従って、３ｉの含有量
は少なくとも１６Ｗ【％以上であることを要し、１５ｗ
ｔ％未満では、プーリーに必要な耐摩耗性をその材料自
体によって得ることができない。３ｉの含有量は、合金
材料の製造条件を特殊な範囲に選ぶことによって、相当
多くの量にまで増大しうるが、３０Ｗ【％をこえて含有
せしめるときは、鋳造が著しく困難なものとなるため、
それ未満が許容範囲であり、最も好適には１８〜２０ｗ
ｔ％程度含有せしめるのが良い。

Ｃｕ及びＭｏは、合金の強度の向上に寄与するものであ
り、Ｑ、３ｗｔ％未満では、プーリーに所要の曙械的強
度を付与づることができない。

しかしＣｕが７ｗｔ％をこえるときは、耐良性が著しく
悪くなる。またＭＱが２ｗｔ％をこえる場合は、上記の
効果を格別増大せず、むしろ粗大な晶出物を生成して機
械的性質を劣化づる。実験結果から得られた最も好適な
Ｃｕの含有量は、概ね３〜５ｗｔ％程度であり、またＭ
ｉｌｌの含有量は０．４５〜０．６５ｗｔ％８！痕であ
る。

その他の任意的添加元素として、好ましくは例えばＳｒ
および（または）Ｐが添加されうる。

これらの元素はいずれも鋳造時に初晶Ｓ＋粗粒子微細化
ザる微細化剤として作用するものである点で均等物であ
り、いずれか少なくとも一方を含有すれば足るが、それ
ぞれ０．００５ｗｔ％未満では上記効果に乏しく、Ｑ、
１ｗｔ％をこえても格別効果の増大を望めない。

更に他の任意的添加元素として用いうるちのとしてＮ＋
、Ｆｅ、Ｍｎを挙げることができる。

これらの元素は、いずれも合金の耐熱性の向上に有効に
寄与するものであり、この作用の面からいずれも均等物
であって、少なくとも１種または２種以上を含有すれば
足りるが、各成分がＱ、５ｗｔ％未満では上記の効果の
実現性に乏しく、逆に３ｗｔ％をこえると切削性が著し
く悪くなる欠点を派生する。

上記のような成分範囲をもつこの発明に係る合金材料は
、その組織を特定範囲に制御づるために、鋳造後押出し
工程とを軽で製造されるものである。即ち、先ず、上記
のアルミニウム合金を従来の常法に従う溶解鋳造により
アルミニウム合金鋳塊に製作する。この鋳造工程によっ
て得られる鋳塊に含まれる初晶３ｉ粒子は、上記Ｓｒお
よび（または）Ｐの添加によりある程度微細化したもの
となしうるが、それでもなおその粒径は、１００μｍに
も達プるｂのを含んで全体として未だ相当に大きいもの
である。また、共晶３ｉ粒子も、粒径３０μｍ程度のも
のを含む全体としてかなり大きいものであり、かつその
形態も針状を呈するものである。

そこで、これらの比較的粗大な初晶及び共晶３ｉ粒子を
含む鋳塊を更に３５０〜４２０℃程度の熱間にて押出し
加工する。そして、この熱間押出しにより、合金中に含
む粗大な初晶３ｉ粒子の一部を破壊し、そのほとんどづ
べての粒径が１０〜８０μｍの範囲で、かつ４０μｍ以
上の粒子が全初晶Ｓｉ粒子面積に対し６０％以上の面積
比を占める範囲に微細化し、かつその分布を均一化せし
めると共に、共晶３ｉ粒子も、針状結晶を良さ方向に分
断して形状を粒状化し、またこれをほとんどすべてが粒
径１５μｍ以下の範囲で、かつ１０μｍ以下の粒子が全
共晶Ｓｉ粒子面積に対し６０％以上の面積比を占める範
囲に微細化せしめたものとする。上記に、はとんどすべ
てというのは、極めて稀に上記粒径範囲を逸脱覆るもの
を含むことを許容する趣旨であるが、好ましい製造条件
が採用される場合には、上記粒径範囲を逸脱するような
初晶Ｓ１粒子及び共晶８１粒子は実際上全く含まないも
のとすることができる。

このような好ましい製造条件は、殊に押出し条件として
、ビレット温度：３５０〜４２０℃ラム速度：　０．０
３〜０．２１　／Ｗｉｎ　、押出：１０〜４０に設定づ
ることであり、さらに好ましくは押出ダイスにベアリン
グ長さ５〜１５ｍのものを用いること等が挙げられる。

ところで、合金組織中における初晶３ｉ粒子の粒径が上
記のように４０〜８０μ面の範囲において６０％以上の
面積比を占めることが限定されるのは、４０μｍ未満の
ものを多く含む場合には所期する優れた耐摩耗性が得ら
れず、逆に８０μｍをこえる粗大なものを多く含む場合
には、その分布が不均一かつ粗いものとなって耐摩耗性
のばらつきを大きくし、かつ切削性を低下させることに
なるためである。また、共晶３ｉ粒子が粒径１５μｍ以
下でかつ１０μｍ以下のものを面積比６０％以上含むこ
とに限定されるのは、初晶３ｉ粒子の粒径を上記のよう
な範囲にコントロールすることによって必然的に上記範
囲に微細化されることになるためであり、あえてその効
果を挙げるとすれば、少なくとも共晶Ｓｉ粒子が１５μ
ｍをこえる粗大なものとして多く残存するときは、少な
くとも切削性に欠陥が派生してくるしのと予想され、従
ってその反面効果として、切削性向上の効果を挙げるこ
とができる。

（発明の効果） この発明によるプーリーは、前記のような成分と組織に
なる高シリコンアルミニウム合金材料をもって形成され
たものであることにより、それ自身が材質的に極めて優
れた耐摩耗性を有づるものであるから、プーリーとして
要求される耐摩耗性を保有しつつその軽量化を実現し得
る結果となり、耐久性に優れると共に高速回転時におい
ても振動、騒音等を生じることがなく、かつベアリング
等に影響を及ぼすことのない優れた特性をもったプーリ
ーを捉供し得る。

（実施例） 以下、この発明の実施例を示す。

第１表 上記第１表に示す組成のアルミニウム基合金について、
本発明材では、該合金を先ず溶解半連続鋳造によって直
径１２０ａｍのビレットに製し、次いでこのビレッ１−
を押出［［４１５℃、押出しラム速度０．１ａｉ／ｓｉ
ｎの条件で直径３０ｍの丸棒に押出したものにＴ６熱処
理を施してプーリー材の供試片とした。

本発明材における供試片においては、それに含む初晶３
ｉ粒子はすべてが１０〜８０μｍの粒径範囲に属し、し
かも４０〜８０μｍの範囲のものが明らかに全初晶３ｉ
粒子面積に対し６０％以上の面積比を占めているもので
あった。

かつ共晶Ｓ１粒子も微細化され、そのすべてが少なくと
も１５μｍ以下の粒径範囲で、全共晶Ｓｉ粉粒子面積中
０％以上の面積比を１０μ面以下のもので占めているも
のであった。

一方、比較ＵＮｏ、５は、耐摩耗性に優れたアルミニウ
ム合金として既知のＡＣ８Ａ合金であり、その市販物を
供試片とした。

上記の各種アルミニウム合金材につき、本発明材と同様
の組成で鋳造したままのビレットとも比較して、それら
の耐摩耗性及び切削性を調べたところ、結果は下記第２
表に示すとおりであった。

第２表 （注１）：耐摩耗性試験は、回転円板による大鏡式耐摩
耗試験機を用いＣ１摩 擦距離：６００ＴｒＬ１摩擦速度：２ ＴｒＬ／ｓｉｎ　、相手材：ＦＣ−３０ｋ（ＪＩＳ）の
試験条件で実施した。

（注２）：切削工具可曲は、Ｉｙｌｌりい角＝０５　度
、模すくい角＋１０１１、前逃げ角ニア度、横逃げ角ニ
ア度、前切 刃角＝８度、横切刃角：０度、ノ ーズ半径：０度、の諸元を有する 超硬バイトを使用し、切込み深さ二 〇、１ａｍ、送り速度０．０５ａｗ＋、回転数：５００
ｒｕ＋、ＩＩ清剤二石 油の切削条件で、切削距離：２０ ０ＵＬの切削を行ったのら、バイト の逃げ面の摩耗幅を測定した。

上表のｉｆ摩耗性の試験結果から分るように、この発明
に係るプーリー材は、同じ合金成分をもちながらも、ア
ルミニウムマトリックス中のＳｉ品の粒径や分布状態の
異なる１３１１シたままの材料に較べて、明らかに優れ
た耐摩耗性を保有しつつ、そのばらつきの減少の効果が
認められるものであり、また比較材に較べて顕著に耐摩
耗性に優れたものであった。

一方、切削工具寿命の比較においても、本発明材は、鋳
造したままのものに較べて顕著な改善効果があられれ、
比較材に較べてし僅かに劣るが略同等ないしそれ以上の
優れた切削性を示すものであった。

また、本発明材は、いずれも引張強度において４０Ｋｙ
／−以上の値を示し、比較材の引張強１１３３υ／−よ
りも優れており、伸びも３％以上の鎗を示して比較材の
伸び０．５％よりもはるかに優れ°Ｃいるものであった
。

従って、本発明材を用いて例えば図面に示すように自動
小用のクランクプーリー（１）、オイルポンププーリー
（２）、オルタネータプーリー（３）などを製作した場
合には、ベルト（４）の＊涼に対して要求される充分な
対摩耗性を有しかつ軽量なものに製作することができる
ものであった。また切削性、鍛造性等に優れていること
から必要に応じてＶプーリー、グループプーリー等各種
形状のプーリーを容易に製作し得られるものであった。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示ｊもので、自動車における
各種プーリー使用部分の斜視図である。 （１）・・・クランクプーリー、（２）・・・オイルポ
ンププーリー、（３）・・・オルタネータプーリー、（
４）・・・ベルト。 以　上 代　理　人　弁理士　清　水　久　義　（（ッ、′、、
、：、、、、、Ｊ、：）１−″。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）　Ｓｉを１６〜３０ｗｔ％、Ｑｕを０．３〜７、
   □ｗｔ％含み、残部が実質的にアルミニウムであるアル
   ミニウム合金であって、該合金のアルミニウムマトリッ
   クス中に、粒径４０〜８０μｍの初晶Ｓｉ粒子が全初品
   Ｓｉ粒子面積の６０％以上の面積を占めて均一に分布し
   、かつ粒径１０μＴｒＬ以下の共晶Ｓｉ粒子が全共晶Ｓ
   １粒子面積中の６０％以上の面積を占めて均一に分布し
   ている材料をもって形成されていることを特徴とするア
   ルミニウム合金製プーリー。
2. （２）　８１を１６〜３０ｗｔ％、Ｃｕを０．３〜７、
   Ｑｗｔ％、及びＭｕを０．３〜２．０ｗｔ％含み、残部
   が実質的にアルミニウムであるアルミニウム合金であっ
   て、該合金のアルミニウムマトリックス中に、粒径４０
   〜８０μｍの初晶Ｓ１粒子が全初晶Ｓ１粒子面積の６０
   ％以上の面積を占めて均一に分布し、かつ粒径１０μ而
   以下の共晶Ｓｉ粒子が全共晶３ｉ粒子面積中の６０％以
   上の面積を占めて均一に分布している材料をもって形成
   されていることを特徴とするアルミニウム合金製プーリ
   ー　〇